70歳までの住宅ローンはきつい?定年後に無謀なローンを組まないための対処方法を紹介

公開日:2024.12.18

70歳まで住宅ローンを返済し続けることは、多くの人にとって大きな負担となります。定年退職後の収入減少や予期せぬ出費が重なる中、毎月のローン返済が家計を圧迫し、精神的なストレスも増大します。この記事では、住宅ローンの返済がきつくなる前に行うべき対策や実際に返済が不可能になった場合の対処方法を解説します。老後の不安を解消して、より充実した生活を送りましょう。

シニア世代の平均給料は60歳から大幅に下がる

国税庁が発表した令和5年の民間給与実態統計調査のデータによるとデータを参照すると、59歳まで上昇傾向にあった平均給与額が、60歳以降になると大幅に下がることがわかります。

【年齢階層別の平均給与】

年代平均給料額
45~49歳521万円
50~54歳540万円
55~59歳545万円
60~64歳445万円
65~69歳354万円
70歳以上293万円

出典) 国税庁|令和5年の民間給与実態統計調査

この給与減少の原因は、多くの企業が60歳を定年とし、その後の雇用形態が嘱託やパートタイムなどに変わるためです。大幅に収入が減少すると、住宅ローンの返済負担が増加します。

現役時代の収入を基にローンを組んでいた場合、計画どおりの返済が難しくなるケースもあるでしょう。そのため、60・70歳以降の生活を安定させるためには、早めに収入減少を想定した資金計画を立てることが大切です。

定年後に返済不可能にならないための対処方法

住宅ローンを返済し続けるためには、定年後の収入減少を見越した計画が必要です。定年後に住宅ローンの返済不可能にならないための対処方法を2つ紹介します。

  •  専門家に相談して無理のない返済計画を立てる
  • 親子リレーローンを含めた金利の低い住宅ローンへの借り換えを検討する

専門家に相談して無理のない返済計画を立てる

住宅ローンの返済が難しくなる前に、収入と支出のバランスを考えた現実的な返済計画を立てることが大切です。現役時代より収入が減るにもかかわらず、毎月の返済額が変わらない場合、家計が圧迫される恐れがあります。

一人で対応が難しい場合は、専門家への相談を検討しましょう。ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーに相談することで、具体的な返済計画を立てやすくなります。

専門家に相談すると、返済期間を延ばして月々の負担を減らす方法や、条件に合ったローンへの借り換えなどが提案される場合があります。こうした専門家の支援を受けることで、無理なく返済を続けられる計画を立てられるでしょう。

金利の安い住宅ローンに借り換える

住宅ローンの負担を減らす方法の一つとして、金利が低い住宅ローンへの借り換えが挙げられます。現在利用しているローンの金利が高い場合、借り換えによって毎月の返済額を抑え、家計への負担を軽減できる可能性があります。金利が低いローンに変更すると、次のような効果が期待されます。

  • 毎月の返済額が減り、生活費に余裕をもたせやすくなる
  • 総返済額を抑え、長期的なコストを削減できる
  • 収入や生活環境の変化に合わせた返済計画の見直しが可能になる

借り換えを検討する際には、固定金利と変動金利など住宅ローンの特徴を十分に理解し、自分のライフプランに適した選択をすることが大切です。また、借り換えには手数料や諸費用が発生するため、支払う費用を含めてメリットがあるのかを試算し、慎重に比較してから判断するようにしましょう。金利が低いローンへの切り替えは、家計を守るための有効な手段です。選択を迷った場合は、金融機関や専門家に相談しながら進めると安心です。

返済がきつくなった場合はリースバックの利用を検討する

リースバックとは、所有している自宅を第三者に売却し現金を得て、売却後は不動産賃貸借契約を締結することで、住んでいた自宅をそのまま利用し続けることができる商品です。特に、住宅ローンの返済がきつくなってしまった場合に活用しやすいです。売却で得た資金を住宅ローンの返済に充てることで、家計全体の負担を減らせる可能性があります。
さらに、引っ越しの費用や新しい住居を探す時間を省ける点もメリットです。ただし、売買金額が相場より低くなる点や賃料を支払う必要があるなどデメリットもあるため、利用の際には専門家に相談するとよいでしょう。

まとめ

住宅ローンの返済が困難になりそうな場合は、早めに行動することが大切です。専門家に相談して計画を見直したり、住宅ローンの借り換えを検討したりすることが、解決の第一歩となります。リースバックのように柔軟な方法を取り入れると、住まいを維持しながら資金の問題を解消しやすくなるでしょう。

執筆者紹介

「SBIシニアの住まいとお金」スタッフ
シニア世代の住まいから、住宅ローンや老後の資産形成などのポイントをわかりやすく丁寧に解説していきます。様々な資格と経歴を持った住まいとお金のプロフェッショナルが執筆、監修を行っています。
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