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  • 賃貸物件の家賃保証料とは?

    賃貸物件の家賃保証料とは?仕組みや相場、保証範囲を解説

    賃貸物件を借りる際、家賃保証会社(賃料保証会社)の利用を必須条件とする物件が増えています。この記事では、賃貸物件における家賃保証の仕組みや保証内容、家賃保証料の相場について解説します。 家賃保証料とは 家賃保証料とは、賃貸物件を借りる際に家賃保証会社を利用するためにかかる費用です。借主は、家賃保証会社の審査に通過したうえで所定の家賃保証料を支払う必要があります。 賃貸物件における家賃保証の仕組み 家賃保証の仕組みは、主に「一般保証型」と「支払委託型」の2種類です。一般保証型は、借主が家賃を滞納した場合に、代わりに家賃保証会社が貸主に弁済する仕組みです。滞納した家賃を立て替えた後、家賃保証会社は借主に弁済金を請求します。 支払委託型は、借主からの委託に基づいて家賃保証会社が毎月家賃の立替払いを行い、借主に立替金を請求する仕組みです。滞納の有無に関係なく、家賃保証会社が貸主に家賃を支払うため、貸主にとっては家賃滞納時の請求を借主に行う必要がなくなり、家賃管理の負担が軽減されるというメリットがあります。 [一般保証型と支払委託型の違い] 出典)日本賃貸住宅管理協会「家賃債務保証は、借主と貸主の安心をつなぎます。」 家賃保証の保証範囲 賃貸物件における家賃保証の一般的な保証範囲は以下のとおりです。 家賃 原状回復費用 訴訟費用 残置物撤去費用 滞納された家賃のほかに解約通知義務違反による違約金や損害金なども保証に含まれる場合があります。保証範囲は家賃保証会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。 家賃保証料の相場 家賃保証料の金額や支払い方法は、賃貸物件や家賃保証会社によって異なります。賃貸物件を借りる際は、初期費用として所定の金額を支払うのが一般的です。家賃保証料の初期費用の相場は家賃の0.5~1ヵ月分で、2年目以降は家賃保証会社の更新料として数万円程度の支払いが生じます。 家賃保証会社の利用は必須? 近年、多くの賃貸物件で家賃保証会社の利用が必須となっています。日本賃貸住宅管理協会の調査によれば、全国の賃貸物件で家賃保証会社の利用を必須としている割合は93.0%です。 家賃保証会社の利用が必須の賃貸物件を借りる場合、借主は連帯保証人を立てたとしても、家賃保証会社を利用しなければいけません。賃貸物件を借りる場合は、基本的に家賃保証料の支払いは避けられないと考えたほうが良いでしょう。 出典)日本賃貸住宅管理協会「第28回 賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』2023年4月~2024年3月」 家賃や家賃保証料を滞納するとどうなる? 家賃を滞納した場合、家賃保証会社は貸主に立替払いを行い、借主に立て替えた家賃を請求します。滞納が長期化すると遅延損害金が発生したり、家賃保証会社の更新料が高くなったりするケースもあるので注意が必要です。また、家賃保証料そのものを滞納すると家賃保証会社との契約が更新できず、最終的には強制退去となる可能性があります。 家賃保証会社を利用するメリット 家賃保証料の支払いが借主にとって費用負担となる一方で、家賃保証会社を利用することで以下のようなメリットがあります。 賃貸借契約をスムーズに進められる 家賃保証会社を利用すると、借主は賃貸借契約をスムーズに進めやすくなります。家賃保証会社が入居審査を行うことに加え、家賃滞納リスクを軽減できるため、貸主は安心して賃貸借契約を結ぶことが可能になります。 連帯保証人を立てる必要がない 多くの賃貸物件では、家賃保証料を支払えば連帯保証人を立てる必要がありません。特に単身者や高齢者、外国人など、連帯保証人を立てるのが難しい人にとっては大きなメリットといえるでしょう。ただし、中には連帯保証人を立てることを条件としているケース、連帯保証人を立てるか立てないかで家賃保証料の金額が変わるケースもあるので注意が必要です。 家賃保証料に関する注意点 賃貸物件における家賃保証料については、以下の点に注意が必要です。 初期費用として資金を準備しておく 多くの賃貸物件で、契約時に家賃の0.5~1ヵ月分の家賃保証料が発生します。敷金や礼金、引っ越し費用なども含めると、初期費用としてまとまった金額が必要になるかもしれません。賃貸物件を借りる場合は、初期費用を見積もる際に家賃保証料を考慮に入れるのを忘れないようにしましょう。 家賃保証会社は選べない 一般的な賃貸借契約において、貸主が指定した家賃保証会社の加入が求められます。そのため、自身で家賃保証料の安い家賃保証会社を探してきても、その家賃保証会社を利用できるとは限りません。 リースバックでも家賃保証料はかかる リースバックとは、リースバック運営会社と不動産の売買契約および賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができるサービスです。賃貸借契約を結んで家賃を支払うため、リースバックも家賃保証会社の利用が必須となり、家賃保証料の支払いが発生するケースがあります。リースバック運営会社によって条件は異なるため、家賃保証会社の利用要否や費用について確認しておきましょう。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ 家賃保証料は、賃貸物件を借りる際に家賃保証会社を利用するための費用です。多くの物件で支払いは必須となっており、初期費用として考慮しておく必要があります。保証内容や金額、支払い方法は物件や家賃保証会社によって異なるため、賃貸借契約を締結する前に確認しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 リースバックの家賃設定を解説!家賃相場よりも高い? リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、月々の家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金を確保したい...

    2025.04.23用語
  • つなぎ融資とは?メリット・デメリットや利用時の注意点をわかりやすく解説

    つなぎ融資とは?メリット・デメリットや利用時の注意点を解説

    一般的に注文住宅を建てるときは、住宅ローンの融資が実行される前に、事前に土地購入代金や建物の一部建築費用などを用意しなければなりません。手元資金で支払うことができない時に、つなぎ融資を利用すれば、これらの費用の支払いに対応できる可能性があります。 この記事では、つなぎ融資の概要やメリット・デメリット、利用時の注意点を解説します。 つなぎ融資とは 一般的に、つなぎ融資とは、住宅ローン実行前に必要な資金を一時的に立て替えるためのローンのことをいいます。通常、住宅ローンは住宅の引き渡し時に実行されますが、注文住宅のように住宅の引き渡し前に土地購入代金や着工金、中間金などの支払いが発生する場合、住宅ローンが決済される前に資金を用意しなくてはなりません。このようなときに、つなぎ融資を利用すれば、住宅ローン実行前の支払いに対応できます。 売却つなぎ融資とは 売却つなぎ融資とは、売却予定の不動産を担保にして、融資を受けられるローンです。持ち家の人が、住み替えに発生する費用として、現在借りている住宅ローンを完済したり、新居の手付金や頭金を支払ったりする際に利用できます。 つなぎ融資は住宅ローンの融資を利用して一括で返済するのに対し、売却つなぎ融資は不動産を売却して得た資金から一括で返済する仕組みです。 つなぎ融資のメリット つなぎ融資には以下のようなメリットがあります。 住宅ローン実行までの資金を調達できる 注文住宅における土地購入代金や建築中の支払いはまとまった金額となるため、自己資金でまかなえる人は少ないでしょう。つなぎ融資を利用すれば、住宅ローン実行前に必要な資金を調達できます。 月々の返済負担が小さい つなぎ融資の返済は、一般的に利息のみです。元金は住宅ローン実行時に一括返済するため、月々の返済負担を抑えることができます。 住み替えをスムーズに進められる 売却つなぎ融資を利用すれば、買い先行で住み替えをする際も便利です。買い先行とは、先に新居を購入してから自宅を売却する方法です。自己資金がない状態で住み替えを検討する場合、自宅の売却代金を新居の購入に使うことができないため、頭金や手付金を用意できず、新居の購入が難しくなる場合があります。つなぎ融資を受けることで、一時的な資金不足を解消できます。計画を延期することなく、住宅取得をスムーズに進められるでしょう。 関連記事はこちら仮住まいなしで住み替えをする5つの方法 つなぎ融資のデメリット・注意点 つなぎ融資は、以下のようなデメリットや注意点もあります。 借り入れコストが発生する つなぎ融資を利用すると、契約時や完済時の手数料や借入期間中の利払いが発生します。また、融資年率も住宅ローンに比べて高い場合もあるので、期間が長期化すると想定よりもコストが大きくなる恐れがあります。 つなぎ融資に対応している金融機関は少ない つなぎ融資は、住宅ローン実行時に、つなぎ融資を一括返済する必要があるため、同じ金融機関で住宅ローンとセットで契約するのが一般的です。つなぎ融資に対応している金融機関は少ないため、借入先の選択肢は限られるかもしれません。 つなぎ融資の取り扱いはなくても、金融機関が提携しているローン会社を紹介してもらえる場合もあります。「つなぎ融資はA銀行、住宅ローンはB銀行」のように、別々の金融機関で組むことができるかは借入先によって異なります。まずは住宅ローンを申し込む金融機関に相談するとよいでしょう。 住宅ローン控除を利用できない 住宅ローン控除は、住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得した場合に受けられる税制優遇措置です。つなぎ融資は「借入期間が10年以上」などの要件を満たさないため、住宅ローン控除の対象外となります。 スケジュールに余裕を持つ つなぎ融資は、一般的に住宅ローンの本融資が実行されるまで、利息の支払いが発生します。悪天候などの諸事情によって、住宅の建築が当初の予定通りに工事が進まないこともあるでしょう。工事の進捗が遅れてつなぎ融資の借入期間が延びると、その分の金利負担が増えてしまいます。つなぎ融資を利用する際は、不測の事態が発生することも視野に入れ、資金やスケジュールに余裕を持つことが大切です。 つなぎ融資利用の流れ つなぎ融資を利用する際の一般的な流れは以下のとおりです。 ハウスメーカーと建築プランを決める つなぎ融資を利用できる金融機関を探す つなぎ融資と住宅ローンの審査を受ける つなぎ融資で住宅ローン実行前に発生する費用を支払う 住宅ローンでつなぎ融資の元金を一括返済する つなぎ融資を希望する場合は、ハウスメーカーや住宅ローンを申し込む金融機関に相談してみましょう。インターネット検索を利用して、つなぎ融資に対応している金融機関を調べるのも有効です。 まとめ つなぎ融資は、住宅ローン実行前に必要な資金を調達できる便利なローンです。ただし、つなぎ融資を利用するには借り入れコストが発生します。つなぎ融資のメリット・デメリットを比較検討したうえで、利用すべきかを判断しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 マイホーム購入の流れと押さえておくべきポイントを解説 マイホーム購入は、多くの人にとって人生で最も大きな買い物です。しかし、実際に「家が欲しい」と思っても、何から始めたらよいかわからないのではないでしょうか。入居してから後悔しないように、事前に...

  • 設備資金とは?具体例や運転資金との違い、融資を受ける方法を解説

    設備資金とは?具体例や運転資金との違い、融資を受ける方法を解説

    企業の創業時や事業の拡大時など、事業運営では設備投資が必要になる場面があります。まとまった費用がかかるため、資金調達に悩む経営者や個人事業主の方も多いのではないでしょうか。この記事では、設備資金の概要や運転資金との違い、融資を受ける方法などを解説します。 設備資金とは 設備資金とは、事業用の設備の購入に必要となる資金のことです。創業時や事業の拡大時などは、設備や施設の購入などに伴い、一時的にまとまった費用が発生します。設備投資に必要な資金を自己資金でまかなうのが難しい場合は、設備資金として金融機関から資金を調達する方法もあります。 設備資金の具体例 設備資金の内容は業種によって異なり、例えば以下のような資金が設備資金として該当します。 業種設備資金の例 製造業事務所の敷金・保証金、事務所や工場などの増設、拡張など 建設業事務所の敷金・保証金、建設機械、事業用車両の購入など 飲食業店舗の敷金・保証金、厨房機器、テーブル、椅子の購入費など 小売業店舗の敷金・保証金、陳列棚、什器購入費など 設備資金に含まれないもの 事業に関連して一時的に発生する支出であっても、以下の資金は設備資金に含まれません。あくまでも、事業をする上で必要となる設備に対しての支出が設備資金となります。 法人設立の資本金 増資のための出資金 個人使用が目的の乗用車 設備資金と運転資金を比較 設備資金と混同しやすい資金として、運転資金があります。 運転資金とは 運転資金とは、事業を継続するために必要な資金です。具体的には、人件費や仕入れ代金、家賃、光熱費など事業を継続するうえで必要な資金が運転資金に該当します。 設備資金と運転資金の違い 設備資金と運転資金は、主に支払いのタイミングや継続性に違いがあります。設備資金は、設備などを購入する際に、一時的にまとまった費用がかかるのが特徴です。一方、運転資金は、事業を運営している限り継続的にかかります。 設備資金の融資を受ける方法 設備資金の融資を受ける方法は、主に以下の3つがあります。 銀行融資 銀行などの民間金融機関では、設備資金の融資を行っています。経営状況や事業計画、返済能力などを審査されます。事業の将来性や財政状態を審査したうえで、融資条件が決定されます。 公的融資 公的融資の一つである日本政策金融公庫は、主に中小企業や個人事業主の資金調達支援を行っている政府系金融機関です。設備資金の融資も取り扱っており、すでに事業を行っている企業だけでなく、これから新規開業する個人も利用できる可能性があります。 ノンバンクからの融資 銀行ではないノンバンクを利用して設備資金の融資を受ける方法もあります。無担保での融資だけでなく不動産担保ローンを利用する方法もあり、商品としてはビジネスローンに該当します。 不動産担保ローンは、土地や建物などの不動産を担保に借り入れができるローン商品です。資金使途が幅広く、設備資金としても利用できます。「開業したばかりで事業の実績がない」「赤字決算で資金調達が難しい」といったケースでも、担保不動産に価値があれば融資を受けられるかもしれません。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 設備資金の融資申し込みの必要書類 設備資金の融資を受けるには、借入先の審査に通過する必要があります。ここでは、融資申し込み時の必要書類について説明します。 調達した資金の使用目的がわかる書類 設備資金の融資に限らず、融資を受ける際には資金使途を明確にする必要があります。設備資金のみの融資を受けるのであれば、もちろん資金使途は設備投資に限られます。そのため、調達した資金を何に使うのか、使用目的や金額が記載された書類が必要になります。主な書類は以下のとおりです。 購入する設備の見積書 領収書 売買契約書 経営状況や事業の見通しがわかる書類 借主の財務の健全性や返済能力なども審査の判断基準になるため、経営状況や事業の見通しがわかる書類も必要です。主な書類は以下のとおりです。 決算書(直近3期分程度) 資金繰り表 事業計画書 設備資金の融資を受けるときの注意点 設備資金の融資を受ける際は、以下の点に注意しましょう。 無理のない返済計画を立てる 借入金額や返済期間は、経営状況に合わせて慎重に判断する必要があります。借入金額を増やしすぎたり、返済期間を短くしすぎたりすると、資金繰りの悪化を招く恐れがあります。事業運営に支障が出ることがないように、無理のない返済計画を立てましょう。 資金の使い道を変更しない 設備資金として融資を受けた資金は、設備投資にしか使えません。運転資金など、その他の目的に使用すると契約違反になる可能性があります。 まとめ 設備資金は、事業の成長・拡大に不可欠な設備投資に必要な資金です。 自己資金でまかなうのが難しい場合は、金融機関から融資を受ける必要があります。金融機関によって特徴が異なるため、経営状況にあわせて最適な借入先を選択しましょう。 無料相談してみる 不動産担保ローンの疑問にお答えします。 無料相談をしてみる 不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 事業資金の種類とそれぞれの特徴を紹介 事業資金は商売をする上で必要になる資金ですが、何に使うかによって呼び方が異なります。融資を受ける際には基本的に「どんなことに、いくら資金が必要なのか」を明確にさせなければ融資を受けられません...

    2025.04.09用語
  • 旧耐震基準とは?新耐震基準との違いやリスク、確認方法を解説

    旧耐震基準とは?新耐震基準との違いやリスク、確認方法を解説

    地震大国である日本において、耐震基準は住宅の安全性を左右する重要な要素です。旧耐震基準で建てられた住宅は、現行の新耐震基準に比べて耐震性能が劣る可能性があります。この記事では、旧耐震基準の概要や新耐震基準との違い、リスク、確認方法を解説します。 旧耐震基準とは 旧耐震基準とは、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物に適用される耐震基準です。建築確認は、建築工事に着手する前に設計内容が法令に適合しているかを確認する手続きを指します。旧耐震基準では、震度5程度の地震に対して建物が倒壊しないような構造基準として設定されています。 新耐震基準との違い 新耐震基準とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用される耐震基準です。新耐震基準は、1977年に「新耐震設計法(案)」が公表されたのち、1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震(震度5、マグニチュード7.4)により妥当性が実証されたこともあり、建築基準法の体系に盛り込まれることになりました。この地震では、現在の仙台市域で住宅の全半壊4,385戸、一部損壊86,010戸の甚大な被害が生じました。 新耐震基準では、震度5程度の地震では建物が損傷せず、震度6強~7程度でも倒壊しないような構造基準として設定されています。また、木造建築物について壁量の見直しや基礎の基準強化も実施されました。 過去に発生した大地震では、旧耐震基準と新耐震基準で被害状況に大きな差がみられます。例えば、下図は平成7年の阪神・淡路大震災における建築年別の被害状況ですが、旧耐震基準に比べて、新耐震基準は「軽微・無被害」の割合が小さいことがわかります。 出典)国立研究開発法人 建築研究所「「新耐震基準」から40年を振り返る」 出典)国土交通省「参考資料集」 旧耐震基準の住宅が抱えるリスク 旧耐震基準の住宅は、現行の基準を満たす住宅と比較して次のようなリスクを抱えています。 建物が損傷・倒壊するリスク 地震発生時に建物が損傷・倒壊するリスクが新耐震基準に比べて高いです。新耐震基準で想定されている震度6強~7程度の地震が発生した場合、旧耐震基準の建物は耐えきれず、人命に関わる重大な事故につながる恐れがあります。 資産価値が下落するリスク 旧耐震基準の住宅は、大地震で損壊・倒壊するリスクが新耐震基準の住宅に比べて高いため、新耐震基準の住宅よりも資産価値が低く評価される傾向にあります。 補修コストが増大するリスク 旧耐震基準の建物は築年数が経過しているため、耐震性以外の部分でも劣化が進んでいる可能性があります。地震による損傷がなかったとしても、将来的に大規模な修繕が必要になるかもしれません。そのため、新耐震基準の建物に比べて補修コストが高くなる場合があります。 旧耐震基準の確認方法 所有中の住宅や購入を検討している住宅が、旧耐震基準で建てられたものかどうかを確認する方法が次の2つです。 建築確認日で判断する 建築確認日とは、行政が建築確認の申請を受理した日のことです。建築基準法に基づいて確認が行われるため、建築確認日が1981年5月31日以前なら旧耐震基準、1981年6月1日以降なら新耐震基準だと判断できます。建築確認日は建築確認済証などに記載されています。 耐震診断を受ける 住宅の耐震性をより正確に把握するには、耐震診断を受けるのが有効です。耐震診断では、専門家が建物の構造や劣化状況などを調査し、耐震性の有無を評価します。耐震診断を受けるには費用がかかりますが、一定の要件を満たすと国や自治体の支援制度を利用できる場合があります。詳しくは、自治体の担当窓口などにご確認ください。 旧耐震基準の住宅の対策方法は? 旧耐震基準の住宅であることが判明した場合は、まずは耐震診断を実施したうえで、耐震性が不十分であった場合は、以下のような対策を講じることが重要です。 耐震改修工事を実施する 建物の耐震性を向上させるには、耐震改修工事を実施するのが有効です。例えば、木造住宅の場合は基礎や柱、壁などの補強、屋根の軽量化などを行う方法があります。耐震改修を行うことで、新耐震基準相当の耐震基準に近づけることが可能です。工事費用はかかりますが、国や自治体の支援制度を利用できる場合があるので、自治体の担当窓口に相談してみましょう。 建て替えを行う 建物の老朽化が進んでいる場合など、耐震改修に高額な費用がかかる場合などは、建て替えを行うのも選択肢です。建て替えであれば、生活環境を変えることなく、最新の耐震基準を満たす安全性の高い住宅を建てることができます。 耐震性の高い住宅へ住み替えをする 旧耐震基準の住宅から、新耐震基準を満たした住宅へ住み替える方法もあります。建て替えとは異なり、現居の売却代金を新居の購入資金に充てることが可能です。また、工事期間中の仮住まいが不要で、速やかに新居での生活をスタートできます。 一方で、旧耐震基準の住宅は売却しにくく、買い手が見つかっても高値で売却できない可能性があります。現居の住宅ローンが残っている場合、残債を一括返済する必要があることにも注意が必要です。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント まとめ 旧耐震基準は、1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物に適用される耐震基準です。新耐震基準に比べて耐震性が劣り、地震による損壊・倒壊や資産価値の下落、補修コストの増大といったリスクを抱えています。 旧耐震基準の住宅に住んでいる場合は、安全性を確保するために耐震改修工事や建て替え、住み替えなどの対策を検討しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 日本は「地震大国」と言われており、過去には巨大地震が発生して住宅が倒壊するなどの被害が生じています。地震による建物や家財の被害に備えるには、地震保険を付帯するのが有効です。万が一被害にあった...

    2025.04.02用語
  • 家財保険とは?補償内容と必要性を解説

    家財保険とは?補償内容と必要性を解説

    家財保険とは、火災保険のうち家財を補償対象とする契約のことです。例えば、火災などが発生した場合、建物だけでなく、その建物の中にある家具や家電など(家財)も損害を受ける可能性があります。この時、家財も補償の対象としている火災保険に加入していれば、建物及び家財の損害についても補償されます。 この記事では、家財保険の概要と補償内容、必要性について解説します。 家財保険とは 火災保険の補償対象は、「建物」と「家財」の2つに分けられます。このうち、家財に生じた損害を補償する契約のことを、一般的に「家財保険」といいます。家財とは、建物に付属している設備(浴槽、調理台など)ではなく、引っ越すときに運び入れるようなものです。例えば、イスやテーブル、ベッドなどの家具、衣類、本、家電製品などが家財にあたります。 火災保険は、火災や自然災害などで被害を受けたときに、その損害を補償してくれる保険です。 しかし、建物のみを補償対象としている契約の場合、家財の損害は補償してもらえません。もしものときの損害に備えるなら、家財も補償対象に加えておく必要があります。 火災保険との違い 家財保険は、火災保険の一部です。火災保険の補償対象は建物と家財に分かれており、それぞれ保険金額を決めて契約します。建物と家財の両方を補償対象とすることも、どちらか一方のみを補償対象とすることも可能です。 家財保険の補償内容 家財保険の一般的な補償対象は以下のとおりです。 家財保険の補償対象補償対象となる原因 右記の事象により家財に生じた直接的な損害火災、落雷、破裂・爆発、風災・雹(ひょう)災・雪災、水災、外部からの飛来物、水漏れ、盗難など 出典)一般社団法人 日本損害保険協会「火災保険」をもとに作成 ただし、保険会社や保険商品によって補償範囲が異なる場合があります。そのため、契約前に補償範囲について確認しておくことが大切です。 家財保険の補償対象外となるもの 地震や噴火、これらを原因とする津波で家財に損害が生じた場合、家財保険(火災保険)では補償されません。別途、地震保険に加入する必要があります。また、提供会社によって異なりますが、一般的に以下のようなものは家財保険の補償対象には含まれません。 家財保険の補償対象外となる主なもの 現金・小切手・有価証券 パソコン・スマホ等のデータ 動植物 自動車 現金やデータなどは、保管場所や管理方法を検討することが大切です。自動車は自動車保険(車両保険)の補償対象であるため、自宅の車庫で被害にあっても家財保険では補償されません。 なお、高価な貴金属や宝石、書画、骨董などは家財に含まれませんが、これらは保険会社へ申告することで、家財とは別枠で補償をつけることが可能です(明記物件)。明記物件を家財保険の補償対象にしたい場合は、事前に保険会社の担当者に相談しましょう。 家財保険の特約 家財保険(火災保険)は、特約として「借家人賠償責任補償」や「個人賠償責任補償」をつけることが可能です。それぞれの補償内容を確認していきましょう。 借家人賠償責任補償 借家人賠償責任補償とは、賃貸物件の借主が貸主に法律上の損害賠償責任を負ったときに補償される保険です。借主には原状回復義務があり、事故の内容によっては多額の損害賠償が生じるリスクがあります。そのため、賃貸物件に入居する際は、借家人賠償責任補償への加入を求められるのが一般的です。 補償対象となる事例として、「ストーブを消し忘れてボヤを起こした」「洗濯機のホースが外れた」などの理由で室内の床や壁を損壊させてしまったケースが考えられます。 個人賠償責任補償 個人賠償責任補償とは、日常生活において「他人にケガをさせてしまった」「他人のものを壊してしまった」などの理由で法律上の損害賠償責任を負ったときに補償される保険です。被保険者本人だけでなく、その家族も補償対象となります。補償対象となる事例として、「家族が自転車で通行人にケガをさせた」「水漏れで階下の部屋を水浸しにしてしまった」などが考えられます。 家財保険のほかに、自動車保険や傷害保険の特約として個人賠償責任補償に加入できるケースもあります。加入中の保険の補償内容を確認のうえ、必要に応じて家財保険に特約としてつけることを検討しましょう。 家財保険加入の必要性 ここでは、「賃貸物件」「持ち家」「リースバック」の3パターンについて、家財保険加入の必要性を紹介します。 賃貸物件の場合 賃貸物件の場合、一般的には貸主が建物の火災保険に加入するため、借主は家財のみを補償対象とする家財保険に加入します。その際、借家人賠償責任補償を付帯することが入居の条件になっているケースが多いです。貸主としては、借主が火災などを起こし、原状回復義務を履行できなくなるリスクに備える必要があります。そのため、賃貸物件では家財保険(特に借家人賠償責任補償)の必要性は高いといえます。 持ち家の場合 火災で建物に被害が生じると、通常は家財も損害を受けることになるでしょう。家具や家電などをすべて買い替えることになれば、多額の費用がかかる可能性があります。買い替えに必要な費用を見積もったうえで、家財保険の必要性を検討することが大切です。 リースバックの場合 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却して現金を得て、売却後は賃料を支払うことで引き続き同じ家に住むことができるサービスです。リースバックの場合、自宅の売却と同時に賃貸借契約を締結するため、賃貸物件の場合と基本的には同じで、借主は賃貸住宅用の家財保険に加入します。詳しくは、契約時にリースバック運営会社に確認しましょう。 関連記事はこちらリースバックの契約までの流れと必要書類、注意点を解説 まとめ 火災や自然災害で建物が損壊すると、通常は建物内にある家財にも損失が生じます。家具や家電をすべて買い替えるとまとまった費用がかかるため、不安な場合は家財保険を検討しましょう。 賃貸物件の場合は、借家人賠償責任補償がセットになった家財保険の加入を求められるケースがほとんどです。貸主から案内された家財保険の補償内容を確認し、不明点があれば契約前に確認しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 日本は「地震大国」と言われており、過去には巨大地震が発生して住宅が倒壊するなどの被害が生じています。地震による建物や家財の被害に備えるには、地震保険を付帯するのが有効です。万が一被害にあった...

    2025.03.26用語
  • 固定資産税評価証明書とは?必要な場面や取得方法、手数料などを解説

    固定資産税評価証明書とは?必要な場面や取得方法を解説

    固定資産税評価証明書は、不動産の取引や手続きで必要となる公的な書類です。普段の生活ではあまりなじみのない書類のため、どのように活用すればよいかわからない人は多いのではないでしょうか。 この記事では、固定資産税評価証明書の概要や必要な場面、取得方法、手数料などについて詳しく解説します。 固定資産税評価証明書とは 固定資産税評価証明書とは、市区町村が作成する固定資産課税台帳に登録された固定資産の評価額を証明する書類です。 固定資産税は、土地や家屋(建物)などの固定資産を所有している人に課税される税金です。課税対象となる固定資産の評価額に基づいて、市区町村 が税額を算出します。固定資産税評価証明書を取得すれば、固定資産税の算出根拠となる土地・家屋などの固定資産税評価額を確認できます。 固定資産税評価証明書の記載事項 固定資産税評価証明書の見本は以下です。 出典)東京都主税局「固定資産税・都市計画税 各種閲覧・証明の様式」 様式は自治体によって異なりますが、固定資産税評価証明書には主に次のような事項が記載されています。 土地・家屋の所有者の住所、氏名 土地・家屋の所在地、価格(評価額)、課税標準額 土地の地積(面積)、地目(利用状況)、共有持分 家屋の家屋番号、建物番号、床面積、種類(使用目的)、構造、敷地権(区分所有の場合)、共有持分 公課証明書には、評価証明書の記載事項に加えて税相当額も記載されています。固定資産課税台帳(名寄帳)は証明を目的としたものではなく、記載内容は納税通知書の課税明細書とほぼ同じです。名称は似ていますが、それぞれ記載内容や目的が異なるため、混同しないように注意しましょう。 固定資産税評価証明書はどんなときに必要? ここでは、固定資産税評価証明書が必要になる場面を紹介します。 不動産登記 不動産売買、相続、贈与などで不動産登記(所有権移転・保存登記など)を行う際は、登録免許税がかかります。その登録免許税の算定に必要になるため、固定資産税評価証明書の提出が求められます。 相続税や贈与税の申告 相続税や贈与税の申告では、土地・家屋の評価額を証明する書類として固定資産税評価証明書の提出が必要なケースがあります。 相続税・贈与税の計算において、土地は「路線価方式」と「倍率方式」のいずれかで評価します。路線価が設定されておらず、倍率方式で評価する場合は固定資産税評価額をもとに評価額を算出します。また、家屋は「固定資産税評価額×1.0」が評価額です。 不動産に関する訴訟 不動産に関する訴訟を起こす場合、裁判所に申立手数料を納めなくてはなりません。手数料は、訴訟の対象となる不動産の固定資産税評価額をもとに算出するため、固定資産税評価証明書の提出が必要です。 固定資産税評価証明書の取得方法 固定資産税評価証明書はどのように取得すればよいのでしょうか。申請場所や取得できる人、必要書類、手数料などについて説明します。 申請・取得できる場所 固定資産税評価証明書は、自治体の窓口で申請が可能です。窓口であれば、基本的にその場ですぐに交付されます。自治体によっては、郵送による申請や電子申請にも対応していますが、窓口よりも取得に時間がかかる点に注意が必要です。 取得できる人 固定資産税評価証明書を取得できるのは、原則として、不動産の所有者本人または住民票上同一世帯の親族です。ただし、所有者本人の代理人や相続人が取得することも可能です。代理人は委任状、相続人は戸籍謄本などが必要となります。 取得時の必要書類 固定資産税評価証明書を取得する際は、自治体に交付申請書を提出します。また、申請者に応じて以下の書類が必要です。 申請者 必要書類 本人本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど) 住民票上同一世帯の親族申請者の本人確認書類 代理人委任状代理人の本人確認書類 相続人所有者(被相続人)との相続関係がわかる書類(戸籍謄本など)相続人の本人確認書類 法人法人の実印を押印した申請書窓口に来た人の本人確認書類 借地借家人権利関係が確認できる書類(賃貸借契約書など)窓口に来た人の本人確認書類 出典)八王子市「固定資産評価証明書(土地・家屋)」 なお、固定資産税評価証明書の取得にかかる手数料は、1通あたり300円程度です(自治体によって異なる)。 まとめ 固定資産税評価証明書は、土地や家屋の評価額を証明する公的な書類です。不動産売買や相続、贈与などで提出を求められることがあります。取得方法や手数料は自治体によって異なるため、必要な場合は事前に確認しておきましょう。 無料相談してみる 不動産担保ローンの疑問にお答えします。 無料相談をしてみる 不動産担保ローンの疑問にお答えします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産の購入・売却にかかる税金をそれぞれ解説 不動産売買の際には、購入する側と売却する側のそれぞれに税金がかかります。不動産売買の予定がある場合は、あらかじめどのような税金が発生するのか知っておくことが重要です。 この記事では、不動産の...

    2025.03.19用語
  • フラット35は頭金・自己資金なしで組める

    フラット35は頭金・自己資金なしで組める?

    フラット35は、最長35年間の全期間固定金利の住宅ローンです。マイホーム購入でフラット35を検討する際に、「頭金なしでローンを組めるのか」という疑問を持つ人もいるでしょう。この記事では、頭金なしでフラット35を組む方法や注意点、返済事例などを紹介します。 頭金なしでフラット35を組むことは可能 フラット35は、頭金(自己資金)なしでも借り入れが可能です。 フラット35は住宅の建設費や購入価額のほかに、融資手数料、登記費用、火災保険料などの諸費用も借り入れ対象に含まれます。 そのため、一定の要件を満たしていれば、10割までの融資(いわゆるフルローン)が利用できます。 ただし、フラット35は融資率が9割以下と9割超で金利が変わります。融資率とは、住宅の建設費または住宅の購入価額に対してフラット35の借入金額の占める割合のことです。 2025年3月時点の、新機構団信付きのフラット35(借入期間21年以上35年以下)の金利水準は以下のとおりです。 フラット35の金利水準(2025年3月) 融資率 金利の範囲 最も多い金利 9割以下年1.940%~年3.690%年1.940% 9割超年2.050%~年3.800%年2.050% 出典)住宅金融支援機構「金利情報」をもとに作成 頭金なしでフラット35を組むときの注意点 頭金なしでフラット35を組むときは、以下の点に注意が必要です。 返済比率が年収400万をボーダーに変わる 返済比率(総返済負担率)とは、すべての借り入れについて、年収に占める年間合計返済額の割合のことです。 フラット35を申し込むには、以下の返済比率の基準を満たす必要があります。 フラット35の返済比率の基準 年収400万円未満 年収400万円以上 返済比率30%以下35%以下 出典)住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」をもとに作成 例えば、年収400万円の人であれば、年間のローン返済額を140万円以下にする必要があります。頭金なしでフラット35を組むと借入金額が増えるため、それに応じて返済比率も増えます。年収や借入金額によっては返済比率の基準を満たせず、申し込みできなくなるかもしれません。 また、申込要件を満たしたとしても、借入金額が増えると審査に影響する可能性があります。住宅金融支援機構のホームページには、「融資率が9割を超える場合は、融資率が9割以下の場合と比較して、ご返済の確実性などをより慎重に審査させていただく」と記載されています。 出典)住宅金融支援機構「融資率とは」 金利が高くなることで毎月の返済額が増加する 先述のとおり、フラット35は融資率によって金利が変わります。頭金なしでローンを組むと融資率は10割となり、融資率9割超の金利が適用されます。融資率9割以下に比べて金利が高くなるため、その分毎月の返済額や総返済額が増加します。 頭金なしでフラット35を組むのであれば、金利が高くなることを考慮し、無理のない返済計画を立てることが重要です。 フルローン融資が否決となったときは自己資金を用意できるまで待つ フルローンの融資が否決となった場合は、自己資金が用意できてから改めてフラット35に申し込みましょう。頭金を入れて融資率が9割以下になれば、金利が下がり、毎月の返済額や総返済額を抑えることが可能です。 マイホーム購入に時間がかかってしまいますが、「比較的短期間で頭金を貯められる」「無理のない返済計画を立てたい」という場合におすすめの方法です。 頭金なしでフラット35を組んだときの事例 ここでは、3,000万円の物件(諸費用を含む)を購入する際に、頭金なしの場合と頭金を1割入れる場合でフラット35の返済額がどのように変わるかを見てみましょう。 頭金なしと頭金1割のフラット35返済比較 頭金なし(融資率10割) 頭金1割(融資率9割) 頭金ー300万円 借入金額3,000万円2,700万円 金利※年2.050%年1.940% 借入期間35年 返済方法元利均等返済 毎月の返済額10.1万円8.9万円 総返済額4,207万円3,722万円 ※2025年3月の最も多い金利(新機構団信付き、借入期間21年以上35年以下) 出典)住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」をもとに作成 頭金なしの場合は、マイホーム購入時の自己資金を抑えられます。ただし、頭金を1割入れる場合に比べて、毎月の返済額は1.2万円増加します。 まとめ フラット35は、返済比率などの要件を満たせば頭金・自己資金なしでも借り入れが可能です。ただし、融資率が9割を超えると金利が高くなり、審査も厳しくなる傾向にあります。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 フラット50とは?メリット・デメリットや条件について解説 フラット50は、最長50年の借り入れが可能な全期間固定金利の住宅ローンです。一般的に住宅ローンの借入期間は最長35年ですが、フラット50ならより長期の借り入れが可能です。この記事では、フラッ...

  • マンションでリースバックはできる?特徴と注意点を紹介

    マンションでリースバックはできる?特徴と注意点を紹介

    リースバックは、自宅を売却した後もリースバック運営会社(売却先)と賃貸借契約を結ぶことで同じ家に住み続けられるサービスです。 基本的には戸建てもマンションも取引可能ですが、運営会社によってはどちらか一方に限定される場合もあります。この記事では、マンションのリースバックの特徴やメリット・デメリット、注意点を解説します。 リースバックのメリット・デメリット まずは、一般的なリースバックのメリット・デメリットを紹介します。 メリット リースバックには以下のようなメリットがあります。 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる 一般的な不動産売却でもまとまった資金を得ることはできますが、新居の準備や引っ越し費用が発生してしまいます。一方でリースバックは、自宅を売却して資金を得た後も自宅にそのまま住み続けられるので、引っ越し費用などが発生しません。 月々の支出が定額化される 自宅を所有していると、管理費や固定資産税などさまざまな費用が発生します。しかし、リースバックを利用すれば、管理費や固定資産税などを含めた一定の家賃(リース料)を運営会社に払うことなるため、支払いが一本化されます。 家を所有することで発生するリスクがなくなる 自宅の所有には、「災害により建物が損壊するリスク」「金利上昇によって変動金利の住宅ローン返済額が増加するリスク」などがあります。リースバックは所有者が運営会社となるため、これらのリスクがなくなります。 デメリット 一方で、リースバックには以下のようなデメリットもあります。 売却価格が市場価格よりも安くなる リースバックは、基本的に自宅の売却価格が市場価格より安くなります。運営会社によりますが一般的な不動産売却価格の70%ぐらいがリースバック利用時の買取金額と言われています。 リフォームや建て替えが自由にできなくなる リースバックを利用すると、自宅の所有者は運営会社となります。リフォームや建て替えをするには、運営会社の許可が必要です。 ずっと住み続けられるとは限らない リースバックの賃貸借契約が定期借家契約の場合、貸主との合意がないと再契約できないため、ずっと住み続けられる保証はありません。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 マンションをリースバックするメリット・デメリット マンションをリースバックする場合は、特有のメリット・デメリットが存在します。 メリット マンションを所有していると、管理費や修繕積立金の支払いが毎月生じます。また、毎年固定資産税もかかりますが、リースバック後はこれらの支払いが不要になります。ただし、家賃に含まれている場合もあり、単純に減額になるわけではない点に注意が必要です。 なお、駐車場代については家賃に含まれず、通常はリースバック後も支払額に変更はありません。ただし、運営会社を通じて管理会社に支払うことになります。 デメリット マンションによっては、過去に何らかの事故があった物件(いわゆる事故物件)、建築基準法などに適合していない違法物件に該当するかもしれません。そのような物件の場合、物件評価が下がる可能性があり、そもそも取引ができないケースもあります。 物件の評価方法の違い リースバックにおける物件の評価方法は、マンションと戸建てで以下のような違いがあります。 マンションの場合 マンションの場合、同じマンション内や近隣マンションの過去の成約事例から評価します。戸建てとは異なり、同じような広さ、方角の部屋が多数あることから取引事例が多く、価格を算出しやすいです。 戸建ての場合 戸建ての場合、土地と建物を分けて評価します。 土地は広さや形状、接道状況、用途地域などをもとに評価されます。住宅には、「建築基準法で定められている道路に敷地が2m以上接していなければならない」という接道義務があります。また、市街化区域内では土地の用途を13種類に区分し(用途地域)、建築できる建物や規模などを制限しています。そのため、接道状況や用途地域も土地の評価に影響を与えます。 建物は間取りや構造、築年数などをもとに評価されます。一般的に戸建ては木造が多いため、鉄筋コンクリート造のマンションに比べると、築年数の経過により資産価値が下がりやすい傾向にあります。また、戸建ては将来的な土地利用計画が評価に影響することもあります。 リースバック取引時の注意点 リースバックを利用する場合は、物件種別を問わず、自宅の価値を正確に把握することが大切です。運営会社によって売買価格や家賃、手数料だけでなく、賃貸借契約の期間や種類、買い戻し条件も異なります。必ず複数社から見積もりをとり、比較検討することが大切です。 関連記事はこちらリースバックを比較する5つのポイント まとめ 自宅を売却した後も同じ家に住み続けられるリースバックは、老後資金の確保や住宅ローンの返済負担軽減に有効な手段です。マンションでリースバックをする場合は、特有のメリット・デメリットや戸建てとの違いを理解したうえで複数社から見積もりをとり、しっかりと比較検討しましょう。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。※SBIスマイルのHPに遷移します。 さっそく仮査定を申し込む SBIスマイルのリースバックをご紹介します。仮査定は無料で受け付けています。 ※SBIスマイルのHPに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 高齢者の自宅売却のトラブルが増加!回避するための対策とは? 「強引に勧誘された」「高額の違約金を請求された」など、高齢者の自宅売却に関するトラブルが増加しています。 相手に言われるがまま売買契約をしてしまうと、高齢者の場合は「住む場所が見つからない」...

  • 不動産売却における媒介契約の種類とは

    不動産売却における媒介契約の種類とは?選び方と注意点を解説

    不動産を売却するときは、不動産会社に買主を見つけてもらうのが一般的です。その際、依頼する不動産会社と媒介契約を締結する必要があります。媒介契約は3種類あるため、どれを選べばよいか悩む人は多いでしょう。 この記事では、不動産売却における媒介契約の種類や選び方、注意点を解説します。 不動産売却における媒介契約とは? 媒介契約とは、不動産を仲介で売却・購入・交換する際に不動産会社と締結する契約です。例えば、不動産会社に買主を見つけてもらう時に結びます。宅地建物取引業法では依頼者が不利にならないように、不動産会社に媒介契約の締結を義務付けています。 媒介契約書には、契約期間や売却活動の内容、仲介手数料の金額などが定められています。 出典)国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」 媒介契約の種類や特徴 媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」など3つの種類があります。例えば、「専属専任媒介契約」ではレインズ(指定流通機構)※への登録義務が発生するなどの特徴があります。以下で各媒介契約について詳しく説明していきます。 ※レインズとは、不動産会社専用のネットワークシステムです。全国の物件情報が共有されているので、レインズに登録すると早期の売買成立につながりやすい傾向があります。 専属専任媒介契約 専属専任媒介契約は、1つの不動産会社のみに仲介を依頼できる契約です。 契約期間は3か月以内です。不動産会社は物件情報を媒介契約締結日の翌日から、5営業日以内にレインズへ登録する必要があります。また、売主に対して売却活動の状況を1週間に1回以上報告する義務があります。自分で見つけた買主との直接取引(自己発見取引)はできません。1社しか契約できないため、不動産会社側からすると他社と契約される心配がありません。契約期間内に買主が見つかれば仲介手数料を受け取れるため、熱心に売却活動を行う傾向があります。 売主にとっては、レインズへの登録義務があることから早期の売買成立が期待できます。1週間に1回以上報告を受けられ、売却活動の状況を把握しやすいのもメリットです。 専任媒介契約 専任媒介契約も、1つの不動産会社のみに仲介を依頼できる契約です。 契約期間は3か月以内で、実務上は専属専任媒介契約と大きな違いはありません。レインズへの登録義務は媒介契約締結日の翌日から7営業日以内、売主に対する報告義務は2週間に1回以上となっています。ただし、売主自身が見つけた買主との直接取引は可能です。 専属専任媒介契約と同じく、不動産会社は熱心に売却活動を行ってくれる傾向にあります。 一般媒介契約 一般媒介契約は、複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。 多くの購入希望者にアプローチできるので、早期の売却につながる可能性があります。売主自身が見つけた買主との直接取引も可能です。一方で、レインズへの登録義務や売主への報告義務はありません。他の不動産会社が買主を見つけると仲介手数料を受け取れないため、積極的に売却活動を行ってくれない可能性があります。複数の不動産会社とやり取りする必要があり、手間がかかるのもデメリットです。 3種類の媒介契約の比較表 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約 契約期間3か月以内3か月以内制約なし 複数社との契約××〇 レインズへの登録義務媒介契約締結日の翌日から5営業日以内媒介契約締結日の翌日から7営業日以内なし 売主への報告義務1週間に1回以上2週間に1回以上なし 自己発見取引×〇〇 なお、仲介で不動産の売買契約が成立すると、媒介契約を締結した不動産会社に仲介手数料を支払います。宅地建物取引業法により、不動産会社が受け取れる仲介手数料の上限額は以下のように定められています。 仲介手数料の上限額 契約金額(税別) 仲介手数料の上限額 200万円以下(契約金額(税別)×5%)+消費税10% 200万円超 400万円以下(契約金額(税別)×4%+2万円)+消費税10% 400万円超(契約金額(税別)×3%+6万円)+消費税10% 媒介契約の選び方 どの媒介契約を選ぶか迷うときは、物件の売りやすさを判断基準にするとよいでしょう。 立地や築年数などから、ある程度の需要が見込まれる物件は一般媒介契約が向いています。複数の不動産会社を競わせることで、好条件を引き出すことができるかもしれません。 一方で、「利便性が悪い」「築年数が古い」などの理由で需要があまり見込まれない物件は、専属専任媒介契約や専任媒介契約がおすすめです。売りづらい物件で一般媒介契約を結ぶと、不動産会社が積極的に売却活動を行わない可能性があります。そのため、依頼を受けた不動産会社が独占的に販売できる専属専任媒介契約や専任媒介契約を活用するとよいでしょう。 媒介契約の注意点 どの媒介契約を選択するにしても、不動産会社が売却活動をしっかりと行ってくれることが重要です。以下の項目を基準に、仲介を依頼する不動産会社を探しましょう。 売却する物件のエリアに精通しているか 不動産仲介の経験・実績は十分あるか 査定額に根拠があるか 信頼できる会社・担当者か 信頼できる会社・担当者かを見極めるときは、「丁寧に対応してくれる」「デメリットも説明してくれる」「媒介契約の締結を急かさない」などをもとに判断するとよいでしょう。 担当者からの連絡を待つだけでなく、ときにはきちんと売却活動を行っているかを自ら調べることも大切です。 まとめ 媒介契約とは、不動産を仲介で売却・購入・交換する際に不動産会社と締結する契約です。契約できる会社数やレインズへの登録義務などに応じて、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。 立地や築年数などから需要が見込まれる物件は一般媒介契約、売りづらい物件は専属専任媒介契約・専任媒介契約が向いています。どの媒介契約がよいか迷ったら、物件の売りやすさなどを基準に判断しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 不動産売買の仲介手数料とは?相場と上限額や計算方法を解説 不動産仲介で売買を行う場合、一般的に仲介手数料が発生します。不動産売買の仲介手数料は、不動産会社に対する成功報酬や手続の代行費用といった意味合いがあり、その金額は法律で上限が定められています...

    2025.02.26自宅売却
  • 店舗併用住宅で住宅ローンを組む際の注意点を解説

    店舗併用住宅とは、建物の一部分を店舗として利用する住宅です。自宅で開業するために、店舗併用住宅の建築・取得を検討する人もいるでしょう。店舗併用住宅でも住宅ローンを利用できますが、一般住宅とは条件や注意すべき点が異なります。 この記事では、店舗併用住宅で住宅ローンを組む場合の条件やメリット・デメリット、注意点を解説します。 店舗併用住宅で住宅ローンを組む場合の条件 店舗併用住宅でローンを組む場合、基本的に居住部分は住宅ローン、店舗部分は事業用ローンを利用します。ただし、一定の要件を満たせば、居住部分と店舗部分をまとめて住宅ローンを利用できる金融機関もあります。 まずは、一般的な銀行とフラット35の利用条件について見ていきましょう。 銀行の場合 銀行の場合、店舗併用住宅で住宅ローンを利用できるかは金融機関によって異なります。多くの金融機関では、「居住部分の床面積割合」「店舗部分の使用目的」などを条件として設定しています。 例えば、住信SBIネット銀行の利用条件は以下のとおりです。 店舗(事務所)部分を除く居住部分の床面積が、建物全体の床面積の2分の1以上あること 店舗(事務所)部分が自己の使用であること ※事業性融資(店舗・事務所部分のリフォーム等)には利用できない 出典)住信SBIネット銀行「〔住宅ローン〕 店舗(事務所)併用物件でも利用することはできますか?」 住信SBIネット銀行では、居住部分の床面積が50%未満の場合、店舗部分を他人に貸し出す場合は店舗併用住宅で住宅ローンを組むことはできません。条件は金融機関によって異なるので、住宅ローンを申し込む予定の金融機関に店舗併用住宅の利用条件を確認するとよいでしょう。 フラット35の場合 フラット35の場合、以下4つのすべての条件を満たす場合は店舗併用住宅でも住宅ローンを組めます。ただし、借り入れの対象となるのは居住部分のみです。 住宅部分の床面積が全体の1/2以上であること 店舗や事務所の部分は申込本人または同居者が生計を営むために自己使用するものであること 「住宅部分」と「店舗や事務所の部分」との間が壁、建具などで区画されており、原則として相互に行き来できる建て方であること 「住宅部分」と「店舗や事務所の部分」を一つの建物として登記(一体登記)できること(店舗や事務所を区分登記しないこと) 出典)フラット35「一部分を店舗や事務所として利用するような住宅(内部で行き来できるもの)は融資の対象になりますか。」 店舗併用住宅でフラット35を利用するなら、店舗部分については事業用ローンの利用を検討する必要があるでしょう。 店舗併用住宅で住宅ローンを組むメリット 店舗併用住宅で住宅ローンを組む際には、以下のようなメリットがあります。 店舗部分の経費算入ができる 居住部分は住宅ローン控除が使える 事業用ローンよりも金利が低い傾向にある 店舗部分の建築費や店舗部分の面積に応じたローンの利息は、事業の経費に計上できます。テナント料がかからないので、自宅とは別に店舗を借りるよりも支出を抑えられるかもしれません。 居住部分は住宅ローン控除など対象となるため、税負担の軽減が期待できます。また、住宅ローンは事業用ローンよりも金利が低い傾向にあることから、利払いの負担軽減にもつながるでしょう。 店舗併用住宅で住宅ローンを組むデメリット 一方で、店舗併用住宅で住宅ローンを組むことには、以下のようなデメリットもあります。 建てられる場所が制限されるため住宅ローンが借りづらい 売却しにくい 特に店舗併用住宅は一般住宅に比べると購入を検討する人が少なく需要が低いので、売却がしにくいのが最大のデメリットしてあげられるでしょう。 店舗併用住宅で住宅ローンを組む注意点 店舗併用住宅で住宅ローンを組む際の主な注意点は以下2つです。 居住部分と店舗部分の割合を検討する 売却時のことを考えておく 店舗併用住宅では、住宅ローン控除の適用範囲などに注意して税制優遇を有効活用できるように、居住部分と店舗部分の割合をどうするかを検討しておくことが大切です。そもそも居住部分が50%以上ないと、住宅ローン控除が使えない点にも注意が必要です。 また、店舗併用住宅は需要が少なく、売却が難しい傾向にあります。将来お店の場所を移転したり、事業を辞めたりする可能性を考慮し、どのように売却するかを考えておきましょう。 その他、店舗併用住宅で火災保険に加入する際にも注意が必要です。店舗併用住宅も火災保険の対象となる建物ですが、建物の用途は住居のみに使用する「専用住宅」ではなく、一部を店舗として使用する「併用住宅」となります。そのため、一般住宅に比べると保険料が高くなる場合があります。 まとめ 店舗併用住宅で住宅ローンを組むことは可能ですが、通常は居住部分の床面積割合や店舗部分の使用目的などの条件が定められています。金融機関に申し込みをする前に、店舗併用住宅で住宅ローンを組む場合の条件を確認しておくことが大切です。 フラット35の場合は借り入れ対象が居住部分に限られるため、店舗部分は事業用ローンの利用を検討しましょう。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。 ※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 次に読むべき記事 フラット35子育てプラスとは?金利引き下げの条件や注意点を解説 フラット35子育てプラスとは、子育て世帯や若年夫婦世帯に向けた新たな金利引き下げ制度です。一定の要件を満たすと子供の人数などに応じて金利が引き下げられるため、住宅ローンの負担軽減が期待できま...