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「お金」の記事一覧

  • 不動産売買の税金

    不動産の購入・売却にかかる税金をそれぞれ解説

    不動産売買の際には、購入する側と売却する側のそれぞれに税金がかかります。不動産売買の予定がある場合は、あらかじめどのような税金が発生するのか知っておくことが重要です。 この記事では、不動産の購入と売却のそれぞれにかかる税金について解説します。 不動産の「購入」にかかる税金 まずは、不動産の購入にかかる税金の種類と計算方法を紹介します。不動産の購入にかかる税金は、「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」の3種類です。順に解説します。 不動産取得税 不動産取得税とは、土地や家屋などの不動産を取得した際に課される税金です。都道府県から送付される納税通知書を使用して、取得日から半年から1年後に納付します。税額は以下の算式で計算されます。 課税標準額(固定資産税評価額)×税率(本則4%) ただし、令和6年(2024年)3月31日までは、居住用の住宅を購入した場合に限り、以下2つの軽減措置があります。 土地部分のの課税評価額が2分の1に減額 土地部分も3%の軽減税率が適用 出典) ・総務省「不動産取得税」 ・東京都主税局「不動産取得税」 登録免許税 登録免許税とは、所有権の保存登記(新築住宅)や移転登記(中古住宅)、住宅ローンの抵当権設定登記などを行う際に納める税金です。法務局で登記手続きを行う際に納めるので、納税も含めて司法書士に依頼するのが一般的です。税額は以下の算式で計算されます。 課税標準額×税率 課税標準額と税率は登記の内容によって異なり、住宅については軽減税率が適用されます。 登記の内容 課税標準額 本則税率 軽減税率 建物の所有権保存登記 登記官が認定した価額 0.4% 0.15%※1 土地の所有権移転登記 固定資産税評価額 2% 1.5%※2 建物の所有権移転登記 固定資産税評価額 2% 0.3%※1 抵当権設定登記 借入金額 0.4% 0.1%※1 ※1 令和6年(2024年)3月31日まで ※2 令和8年(2026年)3月31日まで 印紙税 印紙税とは、契約書や領収書などに課される税金です。不動産の購入では、売買契約書や住宅ローンの金銭消費貸借契約書などに税額分の収入印紙を貼付します。印紙税額は以下のとおりです。 契約金額 不動産売買契約書()は軽減税率※ 工事請負契約書 金銭消費貸借契約書 100万円超500万円以下 2,000円(1,000円) 400円~2,000円 2,000円 500万円超1,000万円以下 1万円(5,000円) 1万円 1万円 1,000万円超5,000万円以下 2万円(1万円) 2万円 2万円 5,000万円超1億円以下 6万円(3万円) 6万円 6万円 1億円超5億円以下 10万円(6万円) 10万円 10万円 5億円超10億円以下 20万円(16万円) 20万円 20万円 ※ 令和6年(2024年)3月31日まで 出典) ・国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」 ・国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」 不動産購入時の税金対策 ここでは、不動産購入時に利用できる税金対策を2つ紹介します。 住宅ローン控除 住宅ローンを利用して住宅の新築、取得または増改築等をした場合に利用できる制度です。一定の要件を満たすと、最大13年間、年末ローン残高の0.7%が所得税(一部、翌年の住民税)から控除されます。初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。 住宅ローン控除については、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちら【令和5年版】住宅ローン控除とは?取得した住宅の状況に分けて解説 認定住宅新築等特別税額控除 個人が認定長期優良住宅や認定低炭素住宅など(以下認定住宅)を新築及び取得した場合に、一定額をその年の所得税額から控除できる制度です。控除額の計算方法は以下のとおりです。 標準的なかかり増し費用(限度額650万円)×10% 標準的なかかり増し費用とは、認定住宅の基準適合に必要な費用のことです。認定住宅の床面積に応じて計算します。ただし、住宅ローン控除とは併用できないので注意が必要です。 出典)国税庁「No.1221 認定住宅等の新築等をした場合(認定住宅等新築等特別税額控除)」 不動産の「売却」にかかる税金 次に、不動産の売却にかかる税金の種類と計算方法を紹介します。不動産の売却にかかる税金は、「譲渡所得税」「登録免許税」「印紙税」の3種類です。不動産購入と異なる譲渡所得税を中心に解説します。 譲渡所得税 不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じる場合は、他の所得(給与所得、事業所得など)と区分して譲渡所得税がかかります。発生した譲渡所得税は確定申告をして納税を行います。税額算出に用いられる譲渡所得金額は以下の算式で計算されます。 譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 取得費:売却する不動産の購入代金(建物は減価償却費相当額を控除)、仲介手数料など 譲渡費用:仲介手数料、不動産を売却するための測量費、建物の取壊し費用など ※特別控除額の詳細は後述 このように算出した譲渡所得金額に税率を掛けて計算します。税率は、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」で以下のように異なります。 区分 税率 長期譲渡所得(所有期間5年超) 20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) 短期譲渡所得(所有期間5年以下) 39.63%(所得税30%、復興特別所得税0.63%、住民税9%) 出典)国税庁「土地や建物を売ったとき」 登録免許税 売却時は、抵当権抹消登記の際に登録免許税がかかります。登録免許税額は、不動産1個につき1,000円です。住宅の場合、土地1個と建物1個で合計2,000円となります。 所有権移転登記も必要ですが、登録免許税額は買主負担が一般的です。 出典)法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」 印紙税 売却時は、不動産売買契約書に貼付する収入印紙が必要です。通常は売主と買主が1通ずつ契約書を保管するため、売却時にも印紙税が生じます。印紙税額は購入時と同様です。 不動産売却時の税金対策 不動産売却時の税金対策として利用できる制度を3つ紹介します。 3,000万円の特別控除 マイホームを売却したときに、所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。課税所得を大きく減らせるため、譲渡所得税の負担が軽減されます。 以前住んでいた住宅を売却する場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。ただし、親子や夫婦などの近しい親族へ売却する場合は控除を受けられません。 出典)国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 マイホーム売却時の軽減税率の特例 所有期間10年超のマイホームを売却する場合、一定の要件を満たすと、長期譲渡所得にかかる税率(通常は20.315%)が以下のように軽減されます。 長期譲渡所得金額 税額 6,000万円以下の部分 14.21%(所得税10%、復興特別所得税0.21%、住民税4%) 6,000万円超の部分 20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%) この特例は、上述した3,000万円の特別控除と併用可能です。 出典)国税庁「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」 損益通算・繰越控除 令和5年(2023年)12月31日までに所有期間5年超のマイホームを売却して譲渡損失が生じた場合、一定の要件を満たすと、その損失を他の所得(給与所得、事業所得など)から控除できる損益通算が可能です。 また、損益通算をしても控除しきれなかった譲渡損失は、翌年以後3年以内に繰り越して控除できる、繰越控除が可能です。 出典) ・国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」 ・国税庁「No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)」 まとめ マイホームの売買は軽減税率や特別控除などの特例が充実しているため、うまく活用すれば税負担の軽減につながります。不動産売買の予定がある場合は、物件の売買価格や諸費用だけでなく、どんな税金がいくらかかるのかも把握しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 請求書の書き方

    請求書の書き方、作り方を徹底解説!

    請求書の書き方に法的な決まりはありません。しかし、商品やサービスの代金を期日までに払ってもらうには、必要な情報を漏れなく記載した請求書を、取引先に送付する必要があります。 この記事では、請求書の書き方や記載すべき情報、注意点を解説します。 請求書とは? 請求書とは、取引先に納品した商品やサービスの対価を請求する際に発行する書類です。取引先は、実際の取引内容と請求書の記載内容に誤りがないかを確認したうえで、期日までに支払いを行います。 請求書に法的な決まりはなく、必要な情報を満たしていれば形式は問われません。ただし、取引先と請求日や請求書の送付方法などについて話し合い、ルールを決めておく必要があります。 記載情報 国税庁の資料によると、請求書に記載しておくべき情報として以下の5つが挙げられています。 請求書の発行事業者の氏名・名称 取引先(請求書を受け取る事業者)の氏名・名称 取引年月日 取引内容(軽減税率の対象品目であるか) 取引金額(税率ごとに区分した合計額) また、2023年10月に開始した「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」に対応するには、さらに以下の3つも記載が必要です。 登録番号 適用税率 税率ごとに区分した消費税額等 出典)国税庁「適格請求書等保存方式の概要」 ただし、請求先に確実に支払ってもらうためにも、さらに以下の情報も記載するのが望ましいでしょう。 請求日(発行日) 請求書番号 支払期日 振込先(口座情報、振込手数料の取り扱い) 請求書番号とは、請求書を管理するための任意の番号です。請求書番号を記載すると、取引先とやり取りする際に請求書を特定しやすくなり、見積書や納品書とスムーズに照合できます。 また、支払期日や振込先情報を記載しておかないと、取引先の経理処理に影響し、支払いが遅れる恐れがあります。 請求書の書き方 ここでは、請求書の書き方のポイントを紹介します。 ①請求先 請求先の住所や名称を記載します。担当部署や担当者名まで記載しておくと、請求先の経理担当者が社内で請求内容について確認したいときに対応しやすくなるでしょう。 ②請求書番号 請求書番号があると、請求書を管理しやすくなります。記載する場合は、番号の作成ルールを決めておきましょう。 ③請求日(発行日) 請求日や発行日は、あらかじめ取引先とルールを決めておき、そのルールに則って記載します。 ④請求者(請求書の発行者) 請求者の住所や名称、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)を記載します。連絡先を記載すれば、取引先が請求内容について確認したいときにスムーズにやり取りできます。 ⑤押印 押印しなくても請求書は有効であるため、必ず必要なものではありません。ただし、請求者の社印を押印することによって、その会社が発行した請求書であることを証明する手段となり得ます。 ⑥取引内容 商品名や数量、単価、金額などの取引内容を記載します。 ⑦取引金額 小計(税抜の合計額)、消費税額、税込の合計額を記載します。 ⑧請求金額 消費税額を含めた請求金額の総額を記載します。請求金額を記載することにより、請求先は実際の支払額を把握できます。 ⑨支払期日 取引先と事前に取り決めを行ったうえで、支払期日を記載します。必要に応じて、振込手数料をどちらが負担するか明記しておくといいでしょう。振込手数料は、支払側が負担するのが一般的です。 ⑩振込先情報 振込先の銀行名、支店名、口座番号、口座名義を記載します。もし追加で何か伝えたいことや特記事項がある場合は備考欄に記載しましょう。 請求書の作り方 ここでは、一般的な請求書の作り方を3つ紹介します。請求書は自分で作成する場合もあれば、取引先からフォーマットを指定されることもあります。法的に形式は定められていないので、状況に合わせて作成方法を選択しましょう。 手書きで作成する ネットショップや文具店などで市販の請求書用紙を購入し、手書きで作成する方法です。パソコンやプリンターがなくても、手書きで簡単に作成できます。ただし、修正に時間や手間がかかり、計算ミスなどが発生する恐れがあります。 取引先から同意を得る必要はありますが、売上規模が小さいうちは、手書きで請求書を作成するのも選択肢です。 エクセルやワードで作成する インターネット上には、無料で利用できるエクセルやワードの請求書フォーマットがたくさんあります。そのフォーマットをダウンロードすれば、時間や手間をかけずに請求書を作成できます。 一方で、発行枚数が多い場合は、データの管理が難しくなる恐れがあります。誤ってファイルを削除してしまうリスクがある点にも注意が必要です。エクセルやワードで作成する方法は、請求書の発行枚数が少ない場合におすすめです。 請求書作成サービスを利用する 市販のソフトウエアやクラウドサービスを利用して請求書を作成する方法です。請求書作成に特化しており、「毎月同じ請求書が自動的に発行される」「制度改正に自動で対応してくれる」といった便利な機能が備わっています。 デメリットは、インターネット環境が必要で、サービスを導入するための費用がかかることです。請求書作成サービスは、請求書の発行枚数が多く、作成業務にかかる時間や手間を省きたい場合におすすめです。 請求書の注意点 請求書を作成する際は、記載内容に誤りがないかを確認することが重要です。誤りがあると、期日までに支払われなかったり、再請求や返金が生じたりする恐れがあります。取引先に送付する前に、請求書の内容に誤りがないかをもう一度確認しましょう。 また、受領した請求書を紛失しないようにすることも大切です。法人は、確定申告の提出期限の翌日から7年間保存しなくてはなりません。 個人事業主は、5年間保存する義務があります。 なお、2023年10月にスタートしたインボイス制度では、発行者はインボイスの控えを7年間保存しなくてはなりません。また、受領者が消費税の仕入税額控除を受ける場合は、法人・個人を問わず、インボイスを7年間保存する必要があります。 まとめ 請求書に法的な形式はありませんが、必要な情報をもれなく記載しないと期日までに代金が支払われない恐れがあります。取引先とスムーズにやり取りできるように、請求書の書き方、作り方を理解しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 支払督促とは?かかる費用と手続きの流れをわかりやすく解説 支払督促は、お金の未払いに関するトラブルを解決できる法的手続きのひとつです。お金を返してもらえなくて困っている場合、支払督促を利用すれば、裁判をしなくても迅速に問題を解決できる可能性がありま...記事を読む

    2024.01.31お金の悩み
  • 支払督促とは

    支払督促とは?かかる費用と手続きの流れをわかりやすく解説

    支払督促は、お金の未払いに関するトラブルを解決できる法的手続きのひとつです。お金を返してもらえなくて困っている場合、支払督促を利用すれば、裁判をしなくても迅速に問題を解決できる可能性があります。 この記事では、支払督促の概要や費用、手続きの流れをわかりやすく解説します。 支払督促とは 支払督促とは、債権者からの申立てに基づいて、簡易裁判所の書記官が債務者に金銭の支払いを命じる制度です。書類審査のみで手続きが行われるため、以下の金銭に関する未払い、未返還などのトラブルを、迅速に解決できる可能性があります。 <支払督促の対象となるもの> 貸金、立替金 売買代金 給料、報酬 請負代金、修理代金 家賃、地代 敷金、保証金 債務者からの異議申立てがなければ、確定判決と同様の効力が生じます。 出典)政府広報オンライン「「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか?」 支払督促の特徴 支払督促には以下のような特徴があります。 書類審査のみで手続きが行われる 債権者の申立てのみに基づき、簡易裁判所の書記官が金銭の支払いを命じる 支払督促をしても相手方が金銭を支払わない場合、強制執行の申立てが可能 裁判所に納める手数料は通常の訴訟の半額 通常の訴訟とは異なり、債権者(申立人)が裁判所に出向いたり、証拠を提出したりする必要はありません。簡易裁判所の書記官が債務者(相手方)の言い分を聞くことなく、申立内容のみに基づいて支払督促を発付します。 支払督促が発付されても相手方が金銭を支払わず、異議申立てもしない場合は、裁判所に「仮執行宣言の申立て」を行うことで、強制執行の申立てが可能です。強制執行とは、債務者の財産を差し押さえるなどして、裁判所が強制的に申立人の債権を回収する手続きです。 出典)政府広報オンライン「「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか?」 支払督促ができない場合 以下の場合は、支払督促ができないので注意が必要です。 金銭の支払いを目的としない(建物の明渡しなど) 債務者の住所がわからない 債務者が日本以外に居住している 書類を郵送して手続きを行うため、相手方の住所が判明している必要があります。 出典)裁判所「支払督促の申立について」 支払督促手続きの流れ 支払督促の申立ては、以下の流れで進めます。 支払督促申立書の提出 裁判所の審査 支払督促の発付 各手続きの内容を確認していきましょう。 1.支払督促申立書の提出 申立書に必要事項を記入して、債務者の住所を管轄する簡易裁判所に提出します。提出時には、手数料と相手方に書類を送付するための郵便切手などが必要です。申立書は裁判所のホームページからダウンロードできます。手数料については、後ほど詳しく説明します。 2.簡易裁判所の審査 簡易裁判所の書記官が、申立書の内容に不備や法律違反などがないかを確認します。債務者側の意見は聞かず、申立ての内容だけで判断されるのが特徴です。問題があれば補正を求められたり、却下されたりすることもあります。 3.支払督促の発付 審査に通過すると、裁判所の書記官は支払督促を発付し、申立者には発付通知が届きます。債務者は、納得できなければ支払督促を受け取ってから2週間以内に異議申立てが可能です。異議のあるなしで、その後の流れは変わります。 債務者から異議申立てがあった場合 債務者からの異議申立てを裁判所が受理すると、支払督促は効力を失い、通常の訴訟手続きに移行します。債権者の主張は、訴訟において審理が続けられます。 債務者から異議申立てがなかった場合 債務者から異議申立てがない場合は、仮執行宣言の申立てが可能です。なお、仮執行宣言の申立てを相手方が支払督促を受領して2週間を経過した日から30日以内に行わない場合、支払督促が失効します。 申立ての内容に問題がなければ、裁判所の書記官は「仮執行宣言付支払督促」を相手方に送達します。仮執行宣言付支払督促を送達後、相手方が異議申立てをしたときは訴訟手続きに移行し、相手方からの支払いがない場合は強制執行となります。 出典) ・政府広報オンライン「「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか?」 ・法務省「督促手続について」 支払督促にかかる費用 支払督促には、以下のような費用がかかります。 申立手数料:収入印紙代(下記参照) 支払督促正本送達費用(郵便切手代):債務者の数×1,204円分*1 申立書作成及び提出費用:800円*2 支払督促発付通知費用(郵便切手代):84円 資格証明書手数料(法人の場合):600円 送達結果通知費用(官製はがき代):債務者の数×63円 ※1 申立書が7枚以下なら1,204円、申立書が8枚以上なら1,250円、16枚以上ならさらに切手代が増えることがあります。 ※2 この800円は、債権者が裁判所に支払うものではなく、支払督促を申立てる人(債権者)が債務者に請求できる法令で定められた費用です。 出典)裁判所「支払督促の申立てについて」 申立手数料は、請求金額に応じて以下のように定められています。 請求金額 申立手数料 100万円以下 10万円ごとに500円 100万円超 500万円以下 20万円ごとに500円 500万円超 1,000万円以下 50万円ごとに1,000円 1,000万円超 10億円以下 100万円ごとに1,500円 10億円超 50億円以下 500万円ごとに5,000円 50億円超 1,000万円ごとに5,000円 <例:請求金額が300万円の場合> ①100万円以下の部分:500円×(100万円÷10万円)=5,000円 ②100万円超500万円以下の部分:500円×(200万円÷20万円)=5,000円 ⇒申立手数料:1万円(①+②) 申立ての際は、相手方への送達や申立人への通知のため、郵便切手や郵便はがきも必要です。当事者の一方または双方が法人の場合は、代表者の資格を証明する書類として、各法人につき登記簿謄本を1通提出します。 出典)裁判所「手数料(別表)」 支払督促を受けた場合は? 万が一、支払督促を受けた場合は、内容を確認のうえ速やかに対応しましょう。異議がある場合は、同封の用紙を使用して、受領から2週間以内に異議申立てを行います。最近では、支払督促を悪用した架空請求の事例も報告されているため注意が必要です。 異議がない場合は、強制執行になる前に支払いを完了させましょう。なお、自分で対応することが難しいと判断した場合、弁護士に相談するといいでしょう。 まとめ 支払督促を利用すれば、簡易的な手続きでお金の未払いに関するトラブルを解決できるかもしれません。ただし、相手方が異議申立てを行うと訴訟に移行することになります。お金を払ってもらえなくて困っている場合は、支払督促の申立てを検討してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 債務整理とは?メリット・デメリットを解説 債務整理は、借金の悩みを解決する方法のひとつです。住宅ローンやキャッシング等の返済が難しい場合は、債務整理を行うことによって生活を立て直せる可能性があります。この記事では、債務整理の概要や4...記事を読む

  • 「ねんきんネット」はこんなに便利!使い方や年金見込額の確認方法を紹介

    「ねんきんネット」はこんなに便利!使い方を詳しくご紹介

    ねんきんネットは、自身の年金情報をインターネットで簡単に確認できるサービスです。将来の年金見込額もわかるので、老後の資金計画を立てるのに役立ちます。うまく使いこなせば、将来のお金に対する不安を解消できるでしょう。 この記事では、ねんきんネットでできることや年金見込額を調べる手順、注意点を紹介します。 ねんきんネットとは ねんきんネットとは、インターネットを通じて自身の年金情報を手軽に確認できるサービスです。日本年金機構が運営しており、パソコンやスマートフォンから年金に関するさまざまな情報を閲覧できます。 日本年金機構のホームぺ―ジまたはマイナポータルから登録すれば、すぐに利用可能です。 ねんきんネットの利用対象者は、基礎年金番号を持っている人です。ただし、1986年(昭和61年)4月以前に年金受給権が発生した老齢年金受給者は利用できません。 ねんきんネットでできること ねんきんネットでは、将来の年金見込額や年金記録をはじめ、年金に関するさまざまな手続きができます。具体的には以下のとおりです。 将来の年金見込額の確認 ねんきんネットには、将来の年金額を試算する機能が2つあります。 かんたん試算:現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して見込額を自動的に試算 詳細な条件で試算:職業、収入および期間、受給開始年齢などの条件を入力して試算 試算結果では、年齢ごとの年金見込額や金額の内訳を表やグラフで確認できます。まずは「かんたん試算」で大まかに試算したうえで、必要に応じて「詳細な条件で試算」も利用してみましょう。 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」 年金記録の確認 「年金記録の確認」機能では、「国民年金や厚生年金の加入履歴」「国民年金保険料の納付状況」などの最新の記録が確認できます。 加入していた年金制度の種類や納付状態が月別に記録されており、確認が必要と思われる月はアイコンなどでわかりやすく表示されます。 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」によるご自身の年金記録の確認」 「ねんきん定期便」「通知書」の内容確認 ねんきん定期便とは、毎年誕生月に保険料納付の実績や将来の年金給付に関する情報をハガキや封書で通知するものです。 ねんきんネットを使うと、電子版「ねんきん定期便」をダウンロードできます。パソコンやスマートフォンから内容を確認できるので、紛失の心配がありません。 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による電子版「ねんきん定期便」」 また、以下の通知書もねんきんネット内で確認できます。 年金振込通知書 年金支払通知書 年金額改定通知書 年金決定通知書、支給額変更通知書 公的年金等の源泉徴収票 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による年金支払いに関する通知書の確認」 通知書の再交付申請 ねんきんネットでは、以下の通知書の再交付申請が可能です(本人分のみ)。 年金振込通知書 公的年金等の源泉徴収票 支給額変更通知書 年金額改定通知書 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書 年金事務所などに訪問する必要がないため便利です。 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による通知書再交付申請」 届書の作成 ねんきんネットを使って、年金の手続きで必要となる各種届書を作成できます。作成したい届書を選択し、必要な情報を入力して自宅のプリンターで印刷する仕組みです。基礎年金番号などの情報が自動で反映されるため、作成の手間を省くことが可能です。ただし、電子申請ではないため、印刷して作成した届書は最寄りの年金事務所へ提出する必要があります。 具体的には、以下の届出書を作成することができます。 国民年金保険料に関する届書 年金を請求している方、受給している方向けの届書 年金を受給している方が亡くなったときの届書 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による届書作成」 持ち主不明記録検索 持ち主不明記録検索とは、国が保存している年金記録のうち、現在持ち主がわからなくなっているものを検索できる機能です。例えば、年金加入状況に記録漏れがあった場合に、持ち主不明記録検索で自身のものと思われる記録がないかを確認する、といった活用法が考えられます。検索条件と一致する年金記録があった場合は、最寄りの年金事務所などが調査を行い、探している年金記録と本当に合致しているかを判断します。 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による持ち主不明記録検索」 通知書のペーパーレス化 マイナポータルからねんきんネットを利用すると、日本年金機構から送付される以下の通知書のペーパーレス化が可能です。 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書 公的年金等の源泉徴収票 ねんきんネットにログインし、トップページの「通知書のペーパーレス化(入力)」で設定を行うと、マイナポータルの「お知らせ」で電子データを受け取れます。 出典)日本年金機構「通知書の電子データをマイナポータルで受け取る設定」 ねんきんネットで年金見込額を調べる手順(画像付き) ここでは、ねんきんネットで将来の年金見込額を調べる手順を画像付きで説明します。なお、手順の説明に用いる画像はすべて日本年金機構のホームページからの引用です。 ▼まずはねんきんネットにログインし、トップページにある「将来の年金額を試算する」を押しましょう。 ▼次に「かんたん試算」を選びます。「詳細な条件で試算」を選び、職業などの条件を入力して試算することも可能です。 ▼試算条件を確認し、問題がなければ「試算する」ボタンを押します。 ▼年金見込額が表示されました。「金額の内訳」ボタンを押すと、年金見込額(月額)の詳細内容を確認できます。 出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」 ねんきんネットの2つの利用登録方法 ねんきんネットは、以下2つの利用登録方法があります。 マイナポータルと連携する ユーザIDを取得する マイナンバーカードがある場合は、マイナポータルにログインするとねんきんネットにアクセスできます。マイナポータルにログインし、トップページにある「年金記録・見込額を見る(ねんきんネット)」を押して利用規約等に同意すると連携されます。 マイナンバーカードがない場合は、基礎年金番号とメールアドレスを用意し、ねんきんネットにアクセスしてユーザIDを取得しましょう。「ねんきん定期便」などに記載されている「アクセスキー」があると、ユーザIDの即時発行が可能です。 ねんきんネットを利用する際の注意点 ねんきんネットを利用する際の注意点は以下の2つです。 第三者との共有PCを使わない 利用端末のセキュリティ対策を行う ねんきんネットでは、年金記録という重要な情報を扱うため、第三者による不正利用を防ぐ必要があります。 入力・閲覧した情報が残ってしまうことがあるので、第三者との共有PCを使わないことが大切です。また、利用端末から情報が流出しないようにセキュリティ対策を行いましょう。 まとめ ねんきんネットを利用すれば、年金記録や年金見込額を簡単に確認できます。また、電子版「ねんきん定期便」の確認、届書の作成、通知書のペーパーレス化なども可能です。 公的年金は老後の重要な収入源となるので、今のうちにねんきんネットの使い方を押さえておきましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 公的年金の仕組みとは?国民年金・厚生年金の基礎知識を解説 公的年金は、国民が安心して日常生活を送るために不可欠な制度です。老後だけでなく、病気・ケガで障害が残ったときや加入者が死亡したときも給付を受けられます。老後生活に備えて公的年金の仕組みについ...記事を読む

  • 住宅ローンの借り換えは効果がほとんどない?実態調査から見えたこと

    住宅ローンの借り換えはなぜ行った?実態調査から見えたこと

    住宅ローンの返済を続けていると、毎月の返済を軽減できないかを考えることもあるでしょう。住宅ローンの借り換えを行うことで返済負担を減らせる可能性もありますが、タイミングを見誤ると、思ったより効果が得られないこともあります。 この記事では、実際に住宅ローンの借り換えを行った人を対象として住宅金融支援機構が行った、「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」の結果をご紹介します。直近住宅ローンの借り換えを行った人の実態を掴み、住宅ローンの借り換えは本当に効果が得られるのかについて考えてみましょう。 住宅ローン借り換えの実態調査の概要 住宅ローン借り換えの実態調査とは、住宅金融支援機構が毎年行っているインターネットによるアンケート調査です。2023年5月時点で最新の2021年度調査は、2021年4月から2022年3月に居住用の住宅ローンの借り換えを行った人(学生、無職の人を除く)を対象に調査が行われ、998人からの有効回答を得ました。 調査結果①:借り換え後の金利タイプ 借り換え後の金利タイプについて、回答結果は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 借り換え後の金利タイプは、変動型が半分を占め比較的安定している一方で、固定期間選択型が増加傾向にあり、全期間固定型が減少傾向にあります。 続いて、借り換え前の金利タイプにも着目します。借り換え後にどの金利タイプを選択したかを、借り換え前の金利タイプ毎に分けると以下のとおりです。 (調査結果から著者が作成) 借り換え前の金利タイプが変動型もしくは固定期間選択型の人は、金利タイプを変えずに借り換える場合が最も多く、全期間固定型へ借り換える人が最も少ないことが分かります。一方で、全期間固定型は他2つとは異なり、借り換え前と違う金利タイプを選択している割合が大きいことが分かります。 以上のことから、借り換え前の金利タイプを変えずにより条件の良いローンで借り換えようと考える人が多数派である一方、全期間固定型は約半数が違う金利タイプに変更することが伺えます。また、借り換え前の金利タイプを変える場合は、変更先として変動型、固定期間選択型、全期間固定型の順番で多く選択されていることも分かります。 調査結果②:借り換えた理由 金利タイプごとの借り換えた理由の回答結果は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 借り換えの理由として金利タイプ問わず多い理由は、「金利が低くなる」「返済額が少なくなる」と、月々の返済額を減らすためでした。一方で、今後変動型で借り続けることに対して不安に思い、一定数固定期間選択型や全期間固定型に借り換えていることも分かります。 調査結果③:毎月の返済額の増減 金利タイプごとの毎月の返済額の増減に関する回答結果は以下のとおりです。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 どの金利タイプであっても大多数は月々の負担軽減に成功している一方で、かえって返済額が増加してしまった人も一定数いることが分かります。 変動型について 変動型に変更した人の月々の返済額の増減を見ると、返済額が結局変わらなかった、もしくは増加してしまった人が約3割を占めることが分かります。さらに返済額が減少した人の中でも、その7割近くは10,000円未満の減少に留まっています。 前述の調査結果より、変動型に変える人は月々の返済額を減らすことを目的として借り換える人がほとんどです。その割には十分な効果が得られなかった人や、目的を達成できなかった人が多い実態がこの調査結果から読み取れます。 固定期間選択型について 固定期間選択型に変更した人の月々の返済額の増減を見ると、返済額が結局変わらなかった人から20,000円以上減少した人まで満遍なく存在していることが分かります。また、返済額が増加してしまった人の割合が、他の金利タイプよりも少ないことも特徴です。 実態として、固定期間選択型を選択した人は、他の金利タイプを選択した人と比較して効果的に借り換えできていると言えるでしょう。ただし、固定期間選択型を選択すれば成功確率が高い、とは言い切れないので注意してください。 全期間固定型について 全期間固定型に変更した人の月々の返済額の増減を見ると、形状が変動型と類似していることが分かります。ただ、変動型と大きく異なるのは、返済額が増加した人がかなり多い点です。 なお、全期間固定型で返済額が増加した人の中には、返済額の増加を許容したうえで変動型への不安を理由に借り換えた人が含まれます。そのため、全期間固定型は変動型以上に「返済額を減らすつもりがかえって増えてしまった人が多い」とは言い切れません。一方で、全期間固定型に借り換えてすぐに返済額を減少させるのは、他の金利タイプと比較すると難しいと言えるでしょう。 住宅ローンの借り換えをなぜ行ったのか ここまでの調査結果を振り返ると、住宅ローンを借り換える理由として返済額の減少を目的としていた人が多いのに対し、毎月の返済額が変わらない、増加したという人が20%前後いることが分かりました。 毎月の返済額の減少額が変わらない、増加したと回答した人が借り換える理由は、金利が低い住宅ローンに借り換える際に、併せて返済期間を短くした結果、毎月の返済額減少という意味ではメリットがなくなったと考えられます。 そのほか、今回の調査結果では読み取ることができませんが、住宅ローンを借り換える理由として「金利タイプを変更したい」「団信の内容を拡充したい」という目的を持つ人も一定数いることが推察されます。 また、住宅ローンの借り換えの際には、以下のような費用がかかることには注意が必要です。 完済にかかる費用:繰り上げ返済手数料、抵当権抹消登記費用など 借入にかかる費用:保証料、事務手数料、抵当権設定費用、印紙税など 借り換え時には必ず上記費用が発生するので、目先の金利減少や毎月の返済額減少だけで判断するのではなく、総合的に判断することが重要となります。 また、費用以外でも、借り換えのための手続きには一定の労力がかかります。「労力に見合った借り換え効果を得られるか」という視点で考えることも大切です。 まとめ 住宅ローンの借り換えを適切なタイミングで行うことによって、月々の返済額を減らすことができる可能性があります。しかし、「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」から、住宅ローンの借り換えた人の多くが十分な効果を得られていないと推測されます。 こうした実態を踏まえると、住宅ローンの借り換えは必ずしも効果的であるとは言えないため、借り換えを検討する際には「本当に効果があるのか」を考慮する必要があります。費用や労力に見合った効果が得られるか、しっかりと試算したうえで判断しましょう。 出典)住宅金融支援機構「2021年度住宅ローン借り換えの実態調査」 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む

  • 生活福祉資金貸付制度とは?概要と手続きの流れを紹介

    生活福祉資金貸付制度とは?概要と手続きの流れを紹介

    生活福祉資金貸付制度をご存じでしょうか。本制度では、失業や減収などにより生活が困窮している人に対して、生活費や一時的な資金の貸し付けを行う「総合支援資金」が設けられています。状況に応じた様々な支援が用意されているため、いざという時の助けになるかもしれません。この記事では、生活福祉資金貸付制度を紹介します。 生活福祉資金貸付制度とは 生活福祉資金貸付制度とは、低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉および社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。都道府県社会福祉協議会を主体として、県内の市区町村社会福祉協議会が窓口となっており、それぞれの世帯の状況と必要に応じた資金の貸付等を行います。 出典)都道府県社会福祉協議会 お問い合わせ先一覧 また、資金の貸し付けによる経済的な援助にあわせて、地域の民生委員が資金を借り入れた世帯の相談支援を行っています。平成27年4月から施行された生活困窮者自立支援制度では、生活上のさまざまな課題がある人に、包括的な相談支援を行うことで自立の促進を図ることを目的にしています。 なお、あくまで本制度は「貸付事業」であることから、貸付することにより現在困っていることを解決できる一方で、「借金を負う」という世帯にとっての負担が伴います。順調に返済することが難しくなれば、世帯への支援を目的に貸付したものが、世帯への大きな負担となってしまいます。そのため、相談した時点で負担の方が大きく、貸付が支援にならないと判断される場合には、借り入れができません。 生活福祉資金の貸付対象 生活福祉資金の貸付対象は下記のとおりです。 低所得世帯:資金の貸付、支援を受けることで、独立自活できると認められる世帯、かつ必要な資金を他から借り入れることが困難な世帯 障害者世帯:身体障害者手帳等の交付を受けた人※が属する世帯 高齢者世帯:65歳以上の高齢者の属する世帯 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた人 本制度は、個人ではなく「世帯の自立」を支援する制度です。世帯を支援するためには世帯全体の状況を把握することが必要です。そのため、世帯全員の就労・就学・疾病、収入や家計の支出、負債の状況等のヒアリングや、必要に応じた確認がされます。また、本制度の利用にあたって世帯全員の了解が必要です。貸付の相談から返済を完了するまでの間、社会福祉協議会の職員が世帯を支援します。(※ただし、資金貸付の「契約」は、借受人個人の方と締結することになります。なお、「仮受人」とは、本制度を利用して資金の貸付を受ける人のことを指します。) 生活福祉資金の種類 本制度では、用途別に大きく4つの種類が設けられています。 総合支援資金 福祉資金、教育支援資金 緊急小口資金 不動産担保型生活資金 総合支援資金 総合支援資金では、失業等で日常生活に困難を抱えた世帯の生活の立て直しのために、継続的な相談支援や生活費及び一時的な資金の借り入れができます。失業者等の個人を支援する制度ではなく、「世帯」の生活再建を支援する制度のため、世帯員の収入で生活できる場合は対象になりません。 総合支援資金には、生活再建までの間に必要な生活費用である「生活支援費」、敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用である「住宅入居費」、生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活費で賄うことが困難な費用である「一時生活再建費」の3種類があり、それぞれ貸付条件が異なります。 生活支援費 住居入居費 一時生活再建費 貸付限度額 月20万円以内(二人以上)月15万円以内(単身) 40万円以内 60万円以内 据置期間 最終貸付日から6か月以内 貸付日※から6か月以内 償還期限 据置期間経過後10年以内 貸付利子 保証人あり:無利子保証人なし:年1.5% 保証人 原則必要ただし、保証人なしでも貸付可 ※生活支援費とあわせて貸し付けている場合は、生活支援費の最終貸付日 出典) ・社会福祉法人 東京都社会福祉協議会「総合支援資金のご案内」 ・厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」 福祉資金、教育支援資金 具体的な利用目的がある場合に、該当する資金種類の借り入れができます。資金ごとに、貸し付けの条件・基準が定められており、総合支援資金と同様に世帯全員の収入を鑑みて対象か否かを判断します。 「福祉費」では、生業を営むために必要な経費や福祉用具等の購入に必要な経費など幅広い目的がありますが、それぞれ上限目安額が設定されています。 教育支援資金では、低所得世帯に属する人が、高校、大学または専門学校に修学するために必要な費用である「教育支援費」、入学に際し必要な費用である「就学支度費」があり、それぞれ貸付条件が異なります。 福祉費 教育支援費 就学支度費 貸付限度額 580万円以内*1 高校:月3.5万円以内*2高専:月6万円以内*2短大:月6万円以内*2大学:月6.5万円以内*2 50万円以内 据置期間 貸付日*3から6か月以内 卒業後6か月以内 償還期限 据置期間経過後20年以内 貸付利子 保証人あり:無利子保証人なし:年1.5% 無利子 保証人 原則必要ただし、保証人なしでも貸付可 不要*4 ※1 資金の用途に応じて上限目安額の詳細はこちら ※2 特に必要と認める場合は、上記各上限額の1.5倍まで貸付可能 ※3 分割による交付の場合には最終貸付日 ※4 世帯内で連帯借受人が必要 出典) ・社会福祉法人 東京都社会福祉協議会「福祉資金のご案内」 ・社会福祉法人 東京都社会福祉協議会「教育支援資金のご案内」 緊急小口資金 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に借り入れができます。貸付対象の理由としては、下記のようなものが該当します。(一部抜粋) 医療費または介護費を支払ったことなどにより臨時の生活費が必要なとき 火災等の被災によって生活費が必要なとき 年金、保険、公的給付等の支給開始までに必要な生活費 会社からの解雇、休業等による収入減 また、貸付条件は下記のとおりです。 緊急小口資金 貸付限度額 10万円以内 据置期間 貸付日から2か月以内 償還期限 据置期間経過後12か月以内 貸付利子 無利子 保証人 不要 出典)社会福祉法人 東京都社会福祉協議会「緊急小口資金のご案内」 不動産担保型生活資金 現在住んでいる自己所有の不動産(土地・建物)に、将来にわたって住み続けることを希望する低所得の高齢者世帯に対し、その不動産を担保として生活資金の借り入れができます。これまでの資金と同様収入などの条件に加えて、対象不動産に抵当権が設定されていないことや土地の評価額の要件などの条件があります。貸付条件は下記のとおりです。 不動産担保型生活資金 要保護世帯向け不動産担保型生活資金 貸付限度額 ・土地の評価額の70%程度・月30万円以内 ・土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)・生活扶助額の1.5倍以内 貸付期間 借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間 据置期間 契約終了後3か月以内 償還期限 据置期間終了時 貸付利子 年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率 保証人 要※推定相続人の中から選任 不要 出典)社会福祉法人 東京都社会福祉協議会「不動産担保型生活資金貸付のごあんない」 生活福祉資金貸付制度の申し込みから受給までの流れ 平成27年4月から生活困窮者自立支援制度の施行に伴って、資金種類によって借入申込の流れが一部変更になりました。福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の場合は下記のとおりです。 福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金 福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の場合の流れは下記のとおりです。 市区町村社会福祉協議会に利用の相談および申し込みを行う 市区町村社会福祉協議会に申請書類等を提出する 都道府県社会福祉協議会から貸付決定通知が送付される 借用書を提出する 貸付金を受給する 福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の借り入れをする場合は、市区町村社会福祉協議会に相談し、申し込むことができます。 借入申込者が提出した申請書類等をもとに、市区町村社会福祉協議会および都道府県社会福祉協議会において申込内容の確認と貸し付けの審査を行い、貸付決定通知書または不承認通知書を送付します。 貸付決定となった場合は、都道府県社会福祉協議会に借用書を提出したあと、貸付金が交付されます。 総合支援資金、緊急小口資金 総合支援資金、緊急小口資金の場合の流れは下記のとおりです。 自立相談支援機関に利用の相談および申し込みを行う 市区町村社会福祉協議会に利用の相談および申し込みを行う 市区町村社会福祉協議会に申請書類等を提出する 都道府県社会福祉協議会から貸付決定通知が送付される 借用書を提出する 貸付金を受給する 総合支援資金、緊急小口資金の借り入れをする場合は、既に就職が内定している場合等を除き、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用が貸付の要件となります。 自立相談支援機関において、相談者の状況に応じた支援プランの検討とあわせて、生活福祉資金(総合支援資金、緊急小口資金)の利用の可能性が考えられる場合に、借入金額や償還計画等について相談したうえで、必要書類を添付し申請します。その後の流れは同様です。 まとめ この記事では、生活福祉資金貸付制度の概要を紹介しました。失業や減収などによって家計が厳しくなった人や、年金収入だけでは生計の維持が厳しい人にはうまく活用できる資金があるかもしれません。詳細が気になる人は、自身がお住いの社会福祉協議会に問い合わせてみるといいでしょう。 出典) ・厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」 ・社会福祉法人 全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」 ・東京都福祉保健局「生活福祉資金貸付制度について」 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 年金生活者支援給付金とは?給付対象や手続き方法を解説 年金生活者支援給付金についてご存じでしょうか。この制度を利用することで、一定の条件を満たした方は、受け取れる年金の額が多くなる可能性があります。年金生活者支援給付金について知らない方は、ぜひ...記事を読む

  • 貸付自粛制度とは?仕組みやメリット・デメリット、手続き方法を解説

    貸付自粛制度とは?メリット・デメリット、手続き方法を解説

    貸付自粛制度とは、「借金をやめたいのにやめられない」という悩みを抱えている方に向けた支援制度です。本制度を利用することによって、さらに借金が増えるのを防止できる可能性があります。 この記事では、貸付自粛制度の仕組みやメリット・デメリット、手続き方法について解説します。 貸付自粛制度とは 貸付自粛制度とは、「日本貸金業協会」または「全国銀行個人信用情報センター」のどちらかへ申告をすると、金融機関からの借り入れを5年間制限できる制度です。 浪費癖やギャンブル依存などにより、本人や家族の生活に支障が生じる借金を行わないようにサポートすることを目的としています。 自らを「自粛対象者」として登録することで、今後借り入れの申込みをしても金融機関はこれに応じなくなるため、借金に対する抑止力が期待できます。 利用できる人の範囲 貸付自粛制度の利用を申告できるのは、原則として本人のみです。たとえ家族であっても、本人に無断で登録することはできません。ただし、法定代理人や、一定の要件を満たす家族は申告可能です。 貸付自粛制度のメリット 貸付自粛制度のメリットは以下のとおりです。 お金の借り過ぎや多重債務の防止になる 自粛対象者として登録すると、その後本人が借り入れの申込みをしたとしても、金融機関はこれに応じなくなります。そのため、「借金をやめたいが、どうしてもやめられない」といった悩みを抱えている人にとっては、借り過ぎを防ぐ効果が期待できます。 無料で利用できる 貸付自粛制度は登録手数料がかからず、無料で利用できます。費用の心配をせずに登録できるので安心です。ただし、郵送で申告する場合は、申告書控えを送るための返信用切手を自己負担で用意する必要があります。 貸付自粛制度のデメリット 一方で、貸付自粛制度には以下のようなデメリットもあります。 家族の借金をやめさせるのは難しい 貸付自粛制度は、原則として本人が申告を行います。家族が手続きできるのは、本人が所在不明であることが条件です。本人に借金をやめる気持ちがない場合、家族が本制度を利用して借金をやめさせるのは難しいでしょう。 3ヵ月経過すると撤回できてしまう 貸付自粛制度は、登録を依頼した日から3ヵ月経過すると自分で撤回できてしまいます。「借金をしない」という強い意志がないと、登録を撤回して再び借金をしてしまう恐れがあります。 違法な金融業者からであれば借り入れができてしまう 貸付自粛制度は、「日本信用情報機構」「シー・アイ・シー」「全国銀行個人信用情報センター」に加盟している会員(貸金業者・銀行)が対象です。本制度に登録をしても、前述3つのいずれにも加盟していない違法な金融業者からであれば借り入れができてしまいます。 違法な金融業者から借り入れてしまうと、違法な高金利の請求や悪質な取り立てなどの被害にあうリスクが高まるので、絶対に利用しないようにしましょう。 出典)金融庁「違法な金融業者にご注意!」 貸付自粛制度の手続き方法 貸付自粛制度を利用する場合は、日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターのどちらかへ申告します。全国銀行個人信用情報センターで申告する際の手続きの流れは以下のとおりです。 申告に必要な書類を準備  ・貸付自粛申告書  ・貸付自粛申告確認書(申告理由がギャンブル等による場合)  ・本人確認書類(2点)の写し  ・返信用切手(404円分) 全国銀行個人信用情報センターに郵送 本人確認の連絡(電話) 登録完了(申告書の控えが郵送される) ※日本貸金業協会はWeb申告が可能 ギャンブル等依存症対策のため、申告理由がギャンブル等による場合は「貸付自粛確認書」も作成して同封する必要があります。 また、申告書を送付した後は電話で本人確認が行われます。本人確認ができないと申告書が受理されないので、連絡が来たら必ず対応しましょう。 出典) ・日本貸金業協会「貸付自粛申告」 ・全国銀行協会「貸付自粛制度のご案内」 貸付自粛制度以外の解決策 貸付自粛制度は借り過ぎ防止が期待できる一方で、「申告できるのは原則本人のみ」「3ヵ月経過すると撤回できてしまう」などのデメリットもあります。自身もしくは家族の借金を何とかしたいと思っても、「貸付自粛制度では解決できない」という人もいるでしょう。 ここでは、貸付自粛制度以外の解決策として、自身や家族の借金に関する相談先を3つ紹介します。 依存症対策全国センター 全国の依存症専門相談窓口や依存症専門医療機関を探し、相談できます。借金の原因がギャンブル等依存症の場合、専門家に相談することで改善・解決が期待できるかもしれません。 >詳細はこちら 金融庁 多重債務相談窓口 金融庁が多重債務に関する相談窓口をまとめています。信頼できる相談窓口の中から、自身に合った相談先が見つかるかもしれません。 >詳細はこちら 消費者ホットライン 消費者ホットラインでも借金についての相談が可能です。特に金銭や商品、サービスなどで業者とトラブルになっている場合は消費者ホットラインに相談しましょう。 >詳細はこちら まとめ 借金で自身や家族の生活に支障が生じている場合は、貸付自粛制度によって借り過ぎの防止が期待できます。「借金をやめたくてもやめられない」と悩んでいるなら、貸付自粛制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ コロナ禍が追加!自然災害債務整理ガイドラインとは? コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイド...記事を読む

  • 不動産投資の8つのリスクとその対策

    不動産投資の8つのリスクとその対策

    不動産投資は長期の安定収入が期待できますが、投資である以上、損失が生じるリスクもあります。ただし、事前に対策を講じることで、ある程度リスクを軽減できます。物件を購入する前に、どんなリスクがあるかを知っておくことが大切です。 この記事では、不動産投資の8つのリスクとその対策について解説します。 ①空室リスク 空室が生じて、家賃収入を得られなくなるリスクです。入居者が見つからず、空室期間が長引くと収益性が低下します。融資を利用して物件を購入する場合は、ローン返済に支障が出る恐れもあるので注意が必要です。 賃貸需要のあるエリアの物件を選ぶ 空室リスクを下げるには、賃貸需要のあるエリアの物件を選ぶことが有効です。「人口が多い」「ターミナル駅に近い」「大学や工場が近くにある」「スーパーなどの施設が充実している」などの要件を満たす物件は、一定の賃貸需要を見込める可能性があります。 また、不動産会社などが発表している「住みたい街ランキング」をもとにエリアを選定するのも1つの方法です。 入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶ 賃貸管理を委託する場合は、入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶことも有効です。賃貸管理会社によって、実績やノウハウに差があります。入居率や平均空室期間などを参考に、入居者募集に強い賃貸管理会社を選びましょう。 ②家賃滞納リスク 入居者が家賃を滞納して、収入を得られなくなるリスクです。入居者保護の観点から、家賃滞納が発生しても強制的に退去させるのは難しいため、発生防止に力を入れる必要があります。 入居審査を厳しくする 家賃滞納を防ぐには、入居審査を厳しくすることが有効です。経歴や年収、勤務先、人柄といった属性から、家賃滞納を起こす恐れがないかを見極めましょう。 なお、入居者募集は賃貸管理会社に任せられますが、自分でも入居希望者の属性に問題がないかを確認した上で賃貸借契約を締結することが大切です。 家賃保証会社と連帯保証人の両方を求める 家賃保証会社を利用すれば、家賃滞納が発生した際に保証会社が立て替えてくれまが、家賃保証会社だけでなく、連帯保証人も立ててもらうとより安心です。両親や親戚など入居者にとって身近な人に連帯保証人になってもらうことで、「迷惑をかけられない」という気持ちが働き、家賃滞納への抑止力となることが期待できます。 ③災害リスク 地震や火災、水害などで建物に被害が出るリスクです。近年では、地球温暖化の影響で自然災害が多発しています。必ずしも避けることのできるものではありませんが、リスクを抑えることはできます。 火災保険、地震保険に加入する 物件を購入する際は、火災保険や地震保険に加入しておくと安心です。 建物に被害が出ても、保険金で復旧費用をカバーできます。火災保険だけでは、地震が原因の火災の場合に補償してもらえないため、地震保険にも加入することをお勧めします。 新耐震基準の物件を選ぶ 地震への対策として、1981年以降に建てられた「新耐震基準」の物件を選びましょう。新耐震基準は「震度6以上でも倒れない」とされており、大地震が発生しても建物倒壊を回避できる可能性があります。 ただし、築年数が経過している物件は、適切なメンテナンスや修繕が行われているかで建物の状態が変わります。そのため、「築浅物件や管理状態が良好な物件を選ぶ」「投資エリアを分散する」といった対策も有効です。 ハザードマップを活用する ハザードマップを活用し、災害に強い地域の物件を選ぶことも有効です。自治体のホームページに掲載されているので、物件購入前に災害リスクを確認しておきましょう。 ④修繕リスク 経年劣化により、建物や設備が老朽化するリスクです。不動産投資では、設備や建物の老朽化が、入居者募集や家賃、資産価値、売却活動などに大きな影響を与えます。 メンテナンスや修繕の計画を立てる 不動産は実物資産であるため、年数が経過するほど建物や設備の老朽化が進みます。ただし、適切なメンテナンスや修繕を行うことにより、老朽化のスピードを遅らせ、建物を長く良好な状態に保つことは可能です。 あらかじめメンテナンスや修繕の計画を立てておき、その計画を実行できるように修繕費用を確保しておきましょう。また、物件の購入前のシミュレーションには必ず設備の交換費用や、管理費や修繕積立金の増加を見込んでおきましょう。 ⑤不動産価格下落リスク 不動産価格が下落して、物件の資産価値が低下するリスクです。購入時より資産価値が大きく低下すると、売却時に損失が生じて、最終的な損益がマイナスになる恐れがあります。 中古物件を選ぶ 新築の物件価格にはいわゆる「新築プレミアム」が上乗せされており、購入から数年で価格が2割程度下落することも珍しくありません。一方で、中古物件は新築に比べて不動産価格の下落ペースが緩やかな傾向にあります。 ただし、中古物件であっても築年数の経過とともに資産価値は下落するため、定期的に査定依頼をして、売却時期を検討することが大切です。そのほか、再販業者の利益が大幅に乗っている物件や、市場価格よりも高値で売り出されている物件ではないかの確認は必ずしましょう。 不動産価格が安定している地域の物件を選ぶ 不動産価格の推移は、エリアによって差があります。直近はもちろん、長期の価格推移も確認して、値動きが比較的安定している地域の物件を選ぶと良いでしょう。また、地方自治体から出されている「将来人口推計」を確認して、人口減少が見込まれている地域を避けるのも有効です。 ⑥家賃下落リスク 家賃が下落して、不動産投資の収益性が低下するリスクです。ほとんどの場合、築年数が経過するほど家賃は下落します。 人気が高いエリアの物件を選ぶ 家賃下落を抑えるには、賃貸需要が見込める物件を選ぶことが有効です。人気が高いエリアの物件は家賃相場が安定しており、築年数が経過しても家賃が下落しにくい傾向にあります。 ⑦流動性リスク 買い手が見つからず、所有物件を売却できなくなるリスクです。不動産投資は売却によって最終的な損益が確定するため、売却も想定しておく必要があります。 売却しやすい物件を選ぶ 購入時に立地や築年数、建物の構造を考慮して、売却しやすい物件を選ぶことが重要です。たとえば、築年数が経過した地方の一棟アパートよりも、首都圏の築浅区分ワンルームのほうが買い手を見つけやすいでしょう。 また、周辺物件よりグレードが高い、同じくらいの築年数の物件が少ないなどの差別化要素があれば、よりリスクを減らせるかもしれません。 定期的に査定を依頼して資産価値を確認する 定期的に査定を依頼して、物件の資産価値を確認することも大切です。不動産は、基本的に築年数が経過するほど資産価値は下落し、買い手を見つけにくくなります。査定額の変化から、売却時期を見極めましょう。 ⑧金利上昇リスク 不動産投資ローンの適用金利が上昇して、返済負担が増えるリスクです。融資を利用しており、変動金利の場合、市場金利の動向に応じて定期的に適用金利が見直されます。 自己資金を多めに準備する 不動産投資ローンを借りる際は、自己資金を多めに準備しましょう。頭金を多く入れて借入金額を少なくすれば、金利が上昇しても支払利息の負担を抑えられます。 不動産投資は、他人資本(借入金)を活用して効率的に資産を増やせるのが魅力です。しかし、融資を受けられるとしても、無理な借り入れをしないことが金利上昇リスクへの対策となります。 固定金利を検討する 長期の借り入れを行う場合は、固定金利を選ぶのも選択肢です。契約時の適用金利は変動金利より高くなりますが、固定金利であれば、市場金利が上昇しても適用金利は変わりません。 契約時に毎月の返済額や総返済額が確定するため、返済計画を立てやすいのもメリットです。 関連記事はこちら変動型の金利はどう決まる? まとめ 不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、事前に対策を講じることで、リスク軽減が期待できます。成功率を高めるためにも、物件購入前に不動産投資のリスクと対策を理解しておきましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 不動産投資の始め方 老後の資金作りや副業として、不動産投資を始める会社員が増えています。マンションやアパートといった投資物件は、安定した家賃収入を得られるのが魅力です。一方で、不動産投資に興味はあっても、投資経...記事を読む

    2023.02.08不動産投資
  • 不動産投資でかかる費用と税金の種類、注意点を解説

    不動産投資でかかる費用と税金の種類、注意点を解説

    不動産投資では、物件を売買するときや所有中にさまざまな費用や税金がかかります。長期にわたる安定収入を確保するには、物件取得前にどのような費用や税金がかかるかを把握し、シミュレーションをしたうえで、物件を選ぶことが大切です。 この記事では、不動産投資でかかる費用や税金の種類と注意点を解説します。 不動産投資でかかる費用の種類 まずは、不動産投資でかかる費用の種類を確認していきましょう。 購入時にかかる費用 不動産投資で物件を購入する際にかかる費用は以下のとおりです。 費用 内容 金額の目安 仲介手数料 仲介業者に支払う手数料 売買価格×3.0%+6万円+消費税 司法書士報酬 司法書士に所有権移転登記や抵当権設定登記を依頼する場合に支払う費用 10~20万円程度 融資手数料 融資を利用する際に必要な事務手数料や保証料 金融機関によって異なる。 仲介手数料は、不動産の売買価格によって変わります。仮に物件価格が3,000万円であれば、仲介手数料の金額は「96万円+消費税」となります。なお、仲介業者なしで不動産を購入する場合は不要です。 所有権移転登記や抵当権設定登記(融資を利用する場合に必要)を司法書士に依頼する場合、司法書士報酬が必要になります。10~20万円程度が目安ですが、実際にかかる費用は司法書士によって異なります。また、融資を利用して購入をする場合には、融資事務手数料が発生します。 所有中にかかる費用 不動産投資で物件の所有中にかかる費用は下記のとおりです 。 費用 内容 金額の目安 修繕費 不定期で発生する修繕費、設備交換費用など 物件種別や築年数、管理状況などに左右される 管理費・修繕積立金 区分マンションの場合に毎月支払う費用 管理費:月額220円/㎡程度修繕積立金:月額180円/㎡程度 業務委託手数料 賃貸管理及び収納代行を依頼する場合に管理会社に支払う費用 家賃の5.0%程度 ローンの支払利息 不動産投資ローンの支払利息 借入残高の2.0~5.0%程度 火災保険料、地震保険料 加入する火災保険・地震保険の保険料 年数万円程度 税理士報酬 税理士に確定申告を依頼する場合に支払う費用 3万円程度(確定申告のみを依頼する場合) その他費用 不動産投資に必要な交通費、通信費、教材費、交際費など 支出内容によって異なる 区分マンションに投資する場合は、管理費・修繕積立金の支払いが必要です。金額はあくまで目安であり、実際には物件種別や築年数、管理状況などに左右されます。 賃貸管理を依頼する際の業務委託手数料や不動産投資ローンの支払利息も、管理会社や金融機関によって異なるため、購入前に確認しておくことが大切です。税理士報酬は、顧問契約を締結する場合は月数万円程度の顧問料が発生し、決算時に追加費用がかかることもあります。 そのほか、会計上は減価償却費も費用として計上されます。実際に手元のお金を支払うものではありませんが、確定申告などでは知っておく必要があります。 売却時にかかる費用 不動産投資で物件を売却する場合は、以下の費用がかかります。 費用 内容 金額の目安 仲介手数料 仲介業者に支払う手数料 売買価格×3.0%+6万円+消費税 司法書士報酬 司法書士に抵当権抹消登記を依頼する場合に支払う費用 2万円程度 ローン返済手数料 不動産投資ローンの残債を一括返済するための費用 金融機関によって異なる 不動産投資では、基本的に物件売却時にも仲介手数料がかかります。ただし、仲介なしで不動産を売却する場合は不要です。 また、抵当権抹消登記(融資を利用していた場合に必要)を司法書士に依頼する場合、司法書士報酬も必要になります。加えて、ローンが残っている不動産を売却する場合は、ローン返済手数料も発生します。 不動産投資でかかる税金の種類 次に、不動産投資でかかる税金の種類を確認していきましょう。 購入時にかかる税金 物件購入時にかかる税金は下記のとおりです。 税金 内容 税額の目安 印紙税 売買契約書に貼付する収入印紙 契約金額による※1 登録免許税 土地・建物の所有権移転登記、抵当権設定登記にかかる税金※2 所有権移転登記:固定資産税評価額×2.0%抵当権設定登記:借入金額×0.4% 不動産取得税 不動産を取得した際にかかる税金 固定資産税評価額×4.0% 固定資産税 購入した年の残日数分の日割り計算分 固定資産税額×購入した年の残日数/365日 ※1 契約金額1,000万円超 5,000万円以下の場合は2万円 ※2 融資を利用していた場合のみ必要 印紙税は売買契約時、登録免許税は司法書士報酬に含めて支払うのが一般的です。不動産取得税は、物件取得から半年~1年後に都道府県から納税通知書が届きます。また、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課される税金であるため、購入した年の残日数分を購入時に支払う必要があります。 なお、上記の税額は本則税率の場合であり、軽減税率が適用される場合もあります。 所有中にかかる税金 物件を所有している間は以下の税金がかかります。 税金 内容 税額の目安 固定資産税・都市計画税 毎年1月1日現在の土地・建物の所有者にかかる税金 固定資産税:固定資産税評価額×1.4%都市計画税:固定資産税評価額×0.3% 所得税・住民税 1年間の不動産所得(不動産投資の利益)にかかる税金 所得税:所得金額×5.0~45.0%復興特別所得税:その年の基準所得税額×2.1%住民税:所得金額×10.0% 物件を所有している間は、固定資産税・都市計画税を毎年支払います。 市区町村から納税通知書が届くため、自分で税額を計算する必要はありません。 不動産所得については、給与所得や事業所得などと合算して所得税額を計算し、確定申告をして税額を納めます。確定申告をすれば、住民税は市区町村から納税通知書が届きます。 売却時にかかる税金 不動産を売却する際は、以下の税金がかかります。 税金 内容 税額の目安 印紙税 売買契約書に貼付する収入印紙 契約金額による※1 登録免許税 抵当権抹消登記にかかる税金※2 不動産1個につき1,000円(土地と建物で合計2,000円) 譲渡所得税(所得税・住民税) 不動産の譲渡所得(売却益)にかかる税金 短期譲渡所得:譲渡所得×39.63%長期譲渡所得:譲渡所得×20.315% ※1 契約金額1,000万円超 5,000万円以下の場合は2万円 ※2 融資を利用していた場合のみ必要 印紙税は売買契約時、登録免許税は司法書士報酬に含めて支払うのが一般的です。 譲渡所得(売却益)が発生する場合は、確定申告をして譲渡所得税を納めなくてはなりません。譲渡した年の1月1日現在で、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年超の場合は「長期譲渡所得」となります。 不動産投資の費用・税金に関する注意点 不動産投資の費用や税金に関する注意点は主に以下2つです。 必要経費になる支出とならない支出がある 不動産投資では、関連支出を経費に計上すると課税所得が減額され、所得税・住民税の負担軽減が期待できます。 ただし、必要経費になる支出とならない支出があります。たとえば、不動産所得にかかる所得税や住民税、不動産投資に直接関係ない支出は必要経費になりません。 必要経費になるか判断できない場合は、税務署や税理士に相談しましょう。 期限内に確定申告を行う 不動産所得や譲渡所得が生じた場合は、必ず期限内に確定申告を行いましょう。確定申告期間は毎年2月16日~3月15日です。期限内に申告を行わないと、延滞税などがかかる恐れがあります。 自分で確定申告をするのが難しい場合は、税理士に依頼することも可能です。 関連記事はこちら確定申告とは?手続きの流れや方法を解説 まとめ 不動産投資では、さまざまな費用や税金が発生します。物件を購入する場合は、これらの費用を踏まえた収支シミュレーションをした上で投資判断を行うことが大切です。不動産投資でかかる費用や税金を理解して、優良物件を探しましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増や...記事を読む

    2023.02.01不動産投資
  • 年金のみで生活できるのは5人に1人

    年金のみで生活できるのは5人に1人

    近年、「老後破産」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。公的年金の財源や年金支給年齢引き上げの問題など、老後の生活に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である60歳~65歳の男女395名を対象に、SBIエステートファイナンスが老後破産に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 年金のみで生活できるのは5人に1人 Q1.老後破産への不安はありますか? 老後破産への不安については、「不安がある」(36.7%)と「どちらともいえない」(34.2%)の回答が全体の70.9%となり、多くの人が老後破産について「不安はない」と言えないことが分かります。 【考察】 出典)内閣府『令和2年版高齢社会白書(全体版)』 内閣府が2019年に実施した「高齢者の経済生活に関する調査」によると、60~64歳の高齢者は25.6%の人が「家計にゆとりがなく、多少心配である」、もしくは「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しています。 SBIエステートファイナンスの調査は、内閣府による調査と集計方法や対象が異なるものの、老後破産について「不安がある」と回答した人が多い結果となりました。 次回の内閣府の調査では、新型コロナウイルスの影響や近年の物価上昇などを受けて、家計にゆとりがないと回答する人が増加するかもしれません。 Q2.将来、年金(厚生年金と国民年金)のみで家計収支はプラスになる予定ですか? 年金のみで家計収支がプラスになるのは19.5%で、80.5%の人は年金だけでは老後の生活費を賄えないと認識していることが分かります。 【考察】 厚生労働省の2021年度の調査によると、老齢年金の平均年金月額は145,665円であると分かります。また、家計年報によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均支出は225,550円です。これらの調査は、あくまでも収入と支出のそれぞれの平均値であり、家計収支がプラスである人がどれくらいいるのかは不明でした。 一方で、SBIエステートファイナンスの調査では80.5%の人の家計収支がマイナスであるということが分かり、平均年金月額と平均支出の約80,000円の差からも納得できる結果となりました。 出典) ・厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金令和4年12事業の概況』 ・令和2年度家計年報 Q3. 年金(厚生年金と国民年金)と将来想定される年金以外の収入(株や不動産収入等)で家計収支はプラスになりますか? 年金以外に想定される収入を含めたとしても、家計収支がプラスになる人は20.5%しか増えず、「いいえ」が60.0%を占め、老後の家計収支をプラスに出来ない人が大半であることが分かります。 年金以外に収入があっても、4人に1人は老後破産が不安 Q4.将来想定される年金(厚生年金と国民年金)と将来想定される年金以外の収入をすべてお答えください(複数回答可) 「個人年金保険」が39.2%ともっとも多く、次に「株式などの配当収入」が37.0%、「確定拠出年金」が25.3%とのことです。年金以外の収入を準備されていない人は15.9%となっています。 年金以外の収入源を持つ人の老後破産への意識の違い 年金以外の収入源が「無し」と回答した15.9%の人のうち、58.7%が老後破産について「不安がある」と回答しており、年金以外の収入源がある人と比較すると、老後破産への不安が高いことが分かります。 【考察】 「株式などの配当収入」や「民間の個人年金保険」の収入がある人は、約40%近くが「不安はない」と回答しています。一方で、「確定拠出年金」の収入がある人では、28.0%しか「不安はない」と回答していません。 確定拠出年金の制度が始まったのは2001年からのため、現在60~65歳の人は確定拠出年金だけでは、十分な収入になっていない可能性があります。また、「株式などの配当収入」や「不動産収入」がある人でも、4人に1人以上は老後破産について「不安がある」と回答しており、たとえある程度の資産を所有している人でも、老後破産は他人ごとではないのかもしれません。 まとめ 5人に1人しか年金のみでは家計収支はプラスにならず、安心した老後の生活を送るためには、年金以外の収入を早くから準備しておく必要があることが分かりました。まずは現時点での老後の収入金額の把握と、現時点での支出も踏まえ、節約できる費用なども考慮し、将来家計収支をプラスに出来るかどうかを確認しましょう。もし難しい場合は、収入を補填するための資産形成や住まいの資産価値の有効利用も含め、早めの対策をすることが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後破産とは?その原因と事前の準備・対策を解説 「老後破産」は、日本人の高齢化などにより、取り上げられるようになったテーマの一つです。様々なメディアなどで目にする機会も増え、老後の生活を不安に感じる人もいるでしょう。 この記事では、老後破...記事を読む

  • 不動産投資とは

    不動産投資とは?仕組みやメリット・デメリット、始め方を解説

    不動産投資は、安定収入が期待できる投資方法です。ゆとりある老後生活を送るための資産形成手段として注目されています。ただし、不動産投資にはリスクもあるため、不動産を購入する前に、正しい知識を身につけておくことが大切です。 この記事では、不動産投資の仕組みやメリット・デメリット、始め方について詳しく解説します。 不動産投資とは? 不動産投資とは、所有する不動産を貸し出して家賃収入を得る投資のことです。入居者がいれば、 自らが働くことなく毎月家賃収入を受け取れます。 「不動産投資は難しそう」と思うかもしれませんが、不動産選びから賃貸管理まで全てひとりで行う必要はありません。不動産を探す際には、不動産会社から紹介してもらいながら探すことができます。また、賃貸管理を管理会社に任せられるため、仕事をしながら副業として不動産投資に取り組むことも可能です。 不動産投資の利益は2種類 不動産投資の利益は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つに分かれます。 インカムゲインとは、不動産の所有中に継続して得られる利益のことです。家賃収入や更新料などの、安定的・継続的な利益が該当します。 キャピタルゲインとは、不動産の売却によって得られる利益(売却益)のことです。不動産価格が上昇し、取得時より高い価格で売却できれば、取得価額と売却価額の差額が利益となります。 投資対象不動産の種類 不動産投資の対象となる主な不動産の種類は以下のとおりです。 一棟マンション 一棟アパート 区分マンション 戸建て 一棟マンション・アパートの投資は貸し出せる部屋数が多い分、相対的に大きな利益が期待できます。ただし、不動産価格が高額で、多額の資金が必要になります。 区分マンションの投資は、マンションの1室を貸し出す方法です。一棟物件に比べると価格は低額ですが、戸数が少ない分、一棟物件ほどの大きな利益は期待できなくなります。 また、戸建てを貸し出す方法もあります。戸建てを貸し出す場合、主な入居者としてファミリー層が想定されます。ファミリー層は入居期間が長い傾向にあるため、長期的な安定収入が期待できます。一方で、アパートやマンションに比べると入居者が見つかりにくい側面もあります。 それぞれの特徴を理解して、投資の対象とする不動産を選びましょう。 新築と中古の違い 不動産投資は、「新築」と「中古」の違いを理解しておくことも重要です。 新築は建物や設備が新しいので、入居者が見つかりやすく、長く稼働できます。一方で、購入して中古になると、すぐに資産価値が大きく下がるデメリットもあります。 中古は新築より不動産価格が低額ですが、築年数が経過していると、購入後すぐに多額の修繕費がかかることもあるので注意が必要です。 不動産投資のメリット 不動産投資には、以下のようなメリットがあります。 安定収入を得られる 不動産投資は、入居者がいれば毎月家賃が得られます。一般的な仕事とは異なり、労働時間や場所などに収入が左右されません。うまく運用できれば、大きな労力をかけることなく安定収入を確保できるでしょう。 他人資本を活用できる 不動産投資では、借入金で不動産を取得可能です。また、入居者からの家賃収入でローンを返済できます。まとまった自己資金を準備しなくても、他人資本を活用して効率的に資産を形成できます。 働かずに収入が得られる 不動産投資は、入居者がいれば、自らが働くことなく毎月家賃収入を受け取れます。不動産購入後の賃貸管理も管理会社に任せられるため、本業の仕事以外に余分な手間やコストをかけることなく収入を得ることができます。 生命保険効果がある 不動産投資で金融機関から融資を受けるときは、「団体信用生命保険(団信)」に加入するのが一般的です。返済中に契約者が死亡した場合は、団信の保険金で残債が弁済されるため、家族にローンのない不動産を残せます。 インフレに強い インフレ(物価上昇)時は、実物資産である不動産の資産価値は下がりにくく、家賃は上昇しやすい傾向にあります。また、物価が上昇しても額面金額は変わらないため、借入金額は実質的に目減りします。これらの特徴から、不動産投資はインフレに強いと言えます。 不動産投資のデメリット 一方で、不動産投資は以下のようなデメリットもあります。 さまざまな費用がかかる 不動産投資は購入時や所有中、売却時に次のような費用がかかります。 購入時   仲介手数料印紙税登録免許税(所有権移転、抵当権設定)司法書士報酬ローン事務手数料不動産取得税など 所有中 管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)業務委託費(賃貸管理を業者に任せる場合)固定資産税・所得税住民税退去時の原状回復費用・修繕費など 売却時 仲介手数料印紙税登録免許税(抵当権抹消)ローン繰上返済手数料譲渡所得税(所得税・住民税) など 費用が収入を上回る場合、損失が生じてしまいます。購入時の費用だけでなく、投資期間中にかかる全ての費用も確認し、 収益を確保できるか見極めることが大切です。 関連記事はこちら不動産投資でかかる費用と税金の種類、注意点を解説 さまざまなリスクがある 不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。「空室リスク」「災害リスク」「流動性リスク」の3つが代表的です。 空室リスクは、入居者が見つからず家賃収入を得られなくなるリスクです。空室期間が長期化すると、ローン返済に支障が出る恐れがあります。 災害リスクは、地震や火事、台風などによって建物が被害を受けるリスクです。空室の長期化、家賃・資産価値の低下を招く恐れがあります。 流動性リスクは、不動産を売却できなくなるリスクです。不動産を売却するには、不動産会社と媒介契約を締結して買い手を見つけなければなりません。なかなか買い手が見つからず、現金化に時間がかかることもあります。 関連記事はこちら不動産投資の8つのリスクとその対策 不動産投資の始め方 「不動産投資を始めたい」と思ったら、以下の流れで手続きを進めましょう。 十分な 知識を身につける 不動産会社を探して不動産を紹介してもらう 売買契約、融資契約、賃貸管理契約を締結する 入居者を募集し、賃貸借契約を締結する(空室の不動産を購入する場合) 関連書籍やセミナーなどで十分な知識を身につけてから、不動産会社を探して不動産を紹介してもらいます。不動産会社を選ぶときは、実績や業績、評判などを確認し、複数の不動産会社を比較・検討しましょう。 不動産が見つかったら売買契約や融資契約を行い、必要に応じて賃貸管理を依頼します。既に入居者がいれば、契約後すぐに家賃収入を得られます。空室の不動産を購入する場合は、入居者募集を行いましょう。 関連記事はこちら不動産投資の始め方 まとめ 不動産投資は安定収入が期待でき、他人資本を活用して効率的に資産を形成できるのが魅力です。一方で、購入時だけでなく所有中や売却時にも費用がかかり、空室リスク、災害リスク、流動性リスクといったさまざまなリスクも存在します。不動産投資の成功率を高めるためにも、十分な知識を身につけてから不動産投資を始めましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増や...記事を読む

    2023.01.18不動産投資
  • 廃業したら借入金はどうなる?廃業と借入金の関係や手続きまで解説

    廃業したら借入金はどうなる?廃業と借入金の関係や手続きまで解説

    自分が経営してきた会社を廃業する。廃業に至るには様々な原因や理由がありますが、いずれにしても重く大きな決断です。しかし、その決断を下す前に、基礎知識を身につけておくことが重要です。 そこでこの記事では、「会社を廃業したら借入金はどうなる?」「廃業するとき借入金が残っている場合の手続きを知りたい」等の疑問を抱く相談者にFPが解説します。 〔ご相談者 Sさん〕 ・45歳男性。自身の経営する会社の代表。 ・資金繰りが悪化したことにより事業の経営が厳しいと思っている。 ・一方で、借入金が残っている状態であり、廃業が可能か、手続きについても相談したい。 会社の廃業にはどのような方法がある? Sさん:今まで頑張って会社経営をしてきましたが、最近は資金繰りが苦しくなってきました。自分の年齢も考えると、いっそのこと廃業したほうが楽になるのでは?と思い始めました。会社の運転資金として銀行からの借入金が残っていますが、親が残してくれた財産などで、債務を返して会社を終わらせるつもりです。そのほかにもいろいろわからないことが多いので、教えて下さい。 FP加藤:わかりました。まずひとことで「廃業」と言っても、債務が残っている状態での廃業は、特別清算や破産などいくつかのパターンに分かれます。 Sさん:廃業のパターン? まずそのあたりから教えてください。 FP加藤:債務が残っている状態で廃業する2つの方法は、大きく「特別清算」と「破産」に分かれます。 Sさん:特別清算、破産、どちらもあまり穏やかな単語ではないですね。 FP加藤:確かにイメージは良くはないと思います。ですが、それぞれ法律に則った手続きなので安心してください 関連記事はこちら倒産や破産、特別清算の違いとは?根拠法や用語の意味を解説 特別清算と破産の違いとは? FP加藤:特別清算と破産はどちらも、会社の財産をすべて処分して債務を支払い、残った債務は会社とともに消滅させるという廃業の手続きです。原則として、どちらも手続きをすれば、負債の返済義務がなくなります。 Sさん:2つにはどのような違いがあるんですか? FP加藤:言葉ではつかみにくいかも知れませんので、簡単な一覧表にして見ました。 2つの方法~「特別清算」と「破産」 特別清算破産 根拠法会社法破産法 申立人債権者、清算人、監査役、株主債権者、清算人、取締役、債務者 同意株主、債権者の同意が必要株主、債権者の同意は不要 出典) ・e-Gov法令検索(会社法:第511条) ・e-Gov法令検索(破産法:第18条、第19条) FP加藤:特別清算と破産の違いを比較すると上図のようになります。ここで出てきた新しい言葉「申立人」も簡単にポイントをお話しします。 Sさん:はい、お願いします。 FP加藤:申立人とは「特別清算や破産の手続きをする人」といった意味で、つまり当事者かつ手続きする資格のある人を指します。特別清算の申立人は、会社法により債権者・清算人・監査役・株主と定められています。一方で破産の申立人は、破産法で債権者・清算人・取締役・債務者です。 Sさん:それぞれ対応する法律があって、申立人も微妙に違うんですね。 FP加藤:そうですね、また特別清算では株主や債権者の同意が必要なのに対し、破産ではこうした同意が不要なところも違いますね。 Sさん:「特別清算と破産は根拠の法律は違い、当事者も微妙に違う」「特別清算は株主などの同意が必要だけれど、破産は当事者が単独で手続きできる」といった感じでしょうか? FP加藤:シンプルにまとめるとそうなりますね。 特別清算と破産、どちらが良いか Sさん:そこでいよいよ一番教えていただきたいことですが、特別清算と破産のどちらが良いんでしょうか? FP加藤:はい、そうですね。まず特別清算と破産は似て非なるものです。特別清算と破産のどちらが良いか? それは会社の状態により、ケースバイケースなんです。特別清算は、どちらかと言えば債権者と話し合いながら進めていく手続きと言えるでしょう。一方で破産は、債権者などの同意が不要な点からも、会社に残された資産がなく、裁判所の力を借りて強制的に会社を整理する手続きと言えます。 Sさん:では、私の会社はどうすれば良いでしょう? FP加藤:そうですね、会社の状況や資産内容など多角的に見てからでないと判断はできません。会社を廃業する場合において、すべての債務を返済することが可能であるなら、債権者の同意を得られるため特別清算の手続きを進めるのが良いでしょう。 廃業の注意点〜借入金を解消する2つの方法 FP加藤:ではここで、債務の中でも借入金をどうするか?について解説したいと思います。 Sさん:確かに、一番心配になるのは借入金のことですね。ぜひ教えてください。 金融機関からの借入金 FP加藤:銀行等の金融機関からの借り入れは、会社に完済できるだけの財産が残っていれば、そこから返済すれば終わりです。逆に財産がなければ、破産の手続きを選択し、債務を免れる選択が考えられます。ただし、代表者が会社の保証人になっていない場合の話です。 Sさん:それはどういう意味ですか? FP加藤:金融機関が会社に融資をする場合、代表者が会社の保証人になるのが一般的です。その場合、会社が特別清算と破産のどちらかを選択して会社の債務は消滅したとしても、 保証人になっている代表者の返済義務は残ります。そのため代表者に資産があるなら、特別清算を選択し代表者個人が会社の債務を返済するという対策も考えられます。一方で、会社だけでなく個人にも資産がない場合は、破産手続きにより廃業したあと、保証人である代表者個人も自己破産をするケースが想定されます。 役員からの借入金 Sさん:私の場合、会社に対して運転資金などを個人から融通し、会社決算でも個人からの貸付金としてかなりの額が残っています。こちらは廃業するときにどうすべきでしょうか? FP加藤:役員や代表者からの借入金については、悩ましい問題です。決算書に借入金と記載されているので、代表者からの借入金も会社から見れば金融機関からの融資や未払金と同じ債務です。とはいえ、金融機関からの融資や 仕入先への未払金を後回しにして、役員からの借入金を支払うと道義的にも問題が生じるでしょう。そう言った点から、役員からの借入は債務免除、つまりは帳消しになるケースが多いのです。 Sさん: なるほど、確かに役員など身内ばかりを優先してはいけませんね。ところで、個人が債務免除をした場合、税金などは大丈夫なのでしょうか? FP加藤:はい、その点ですが「得をした人が税金を払う」「もらった人が税金を払う」のが大原則です。例えば贈与税は、贈与を受けた人、つまりもらって得をした人が払うのが贈与税で、 贈与した人・あげた人には税金がかかりません。この考え方を引用すると、債務免除をした場合に得をするのは、借金を帳消しにしてもらった会社です。そして債務免除、つまり借金を帳消しにした個人に利益はないので、税金がかかりません。会社に対しては、債務免除益が発生し税金の課税対象になりますが、廃業する会社のほとんどは赤字企業なので、債務免除益は赤字に吸収されて終わりなのが一般的です。 まとめ Sさん:廃業について考え始めても、実は何をどこからどう手をつけていいか?全く分からない状態でした。今回は今さら聞けない初歩的なことまでわかりやすく説明してもらい、目の前が明るくなった気がします。 FP加藤:そう言っていただければ、私も嬉しいです。廃業については慎重に検討するべきですが、やはり弁護士などの専門家のアドバイスを求められるのが一番だと思います。ぜひ、信頼できる専門家に出会い、手続きをスムーズに進められることを願っています。 執筆者紹介 加藤 隆二(Ryuji Kato) 勤続30年の銀行員でマネーライター、 ファイナンシャルプランニング技能士2級。銀行員として事業資金調達から、住宅ローン、カードローンなど借入全般に従事。 ”明るい廃業®”を掲げる新生銀行に ニッポンの経営者の本音を聞いた 日本には、2021年6月時点でおよそ367万4000社の企業があります。(総務省・経済産業省による発表)そのうち中小・小規模事業者の数は99.7%を占めるといいます。 そして、2017年に中...記事を読む

  • 資産承継と資金調達を同時に解決。「資産承継ローン」が次世代に残すもの

    資産承継と資金調達を同時に解決。「資産承継ローン」が次世代に残すもの

    総人口に占める65歳以上の割合が3割を超え、高齢者率が主要国の中で最高となった日本では、2025年には約800万人いる団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会を迎えます。労働人口は減っていく中、年金や老後2,000万円問題など老後の資金についての不安が高まっています。 また、資産に関しては土地や家屋などの不動産が相続財産全体の4割を占めていますが、遺産としての不動産は管理や分配が難しく、トラブルに発展するケースも少なくありません。 図:相続財産の金額構成推移 出典)国税庁(2020年) こうした悩みを抱える方々のために新生インベストメント&ファイナンスは、資産承継における問題解決を目的とした「資産承継ローン」を商品化しています。今回は、新生インベストメント&ファイナンス株式会社 代表取締役社長 山田茂様にお話を伺いました。 老後資金の調達と資産の承継を同時にできる新しい形の不動産担保ローン ―――新生インベストメント&ファイナンス様について教えてください 新生銀行グループ唯一の不動産ノンバンクとして、個人や個人事業主、中小企業のビジネスサポートや資産形成など多様なニーズにお応えしております。また、第二種金商業者として、グループの中で行われている投資ビジネスのストラクチャーやプラットフォームを提供するというユニークな機能も持ち合わせています。 私自身は不良債権回収や回収管理のシステム構築、外資系サービサーへの出向など債権管理に関するキャリアを積み、2000年以降は債権投資のビジネスに携わってまいりました。その後、新生銀行の不動産ファイナンス部、不動産リスク管理部で不動産ファイナンスの営業、リスク管理を担当し、2020年より現職についております。 ――資産承継ローンとはどのようなサービスですか? 高齢者が、負債の整理や老後の資金の確保、相続対策などを目的に、親族や親族が経営する法人に不動産を売却する際に利用できる不動産担保ローンです。信頼できる人に不動産を引き継ぎながら資金ニーズも満たすこともできる、これまでにない新しい形のサービスです。 ――どのような経緯から生まれたサービスなのでしょうか? 老後の資金や会社の負債整理など高齢のお客様が資金調達を考えるケースは多数あります。しかし、不動産を所有されていたとしても返済期間の設定などの問題もあり、不動産を担保に借入をするのは難しいのが現状です。不動産を利用した資金調達方法としては「セール&リースバック」「リバースモーゲージ」などもありますが、第三者に大切な家や事業所を売却してしまう寂しさ、賃料を払い続けることに不安を感じる方もいらっしゃいます。 こうしたお悩みを持つお客様に寄り添えるサービスが必要なのではないかということから「資産承継ローン」が誕生しました。 ―――サービス開始からこれまでにどれくらいの方が利用されていますか? 2021年8月のサービス開始から34件が成約しています。店舗・事務所が主体の商業ビルをお孫さんが設立した新設法人に売却することによる資産承継、資産管理会社に収益用の不動産を売却されて、事業資金を捻出されるなど様々なケースがあります。 不動産の価値を最大限に活かす”第三の選択肢” ――ほかの不動産担保ローンとの違いはどこにあるのでしょうか? 老後資金対策として利用されるサービスには「セール&リースバック」や「リバースモーゲージ」などがあります。「セール&リースバック」は不動産を売却後に賃貸契約を結び住居を確保しながら資金を調達するもの、「リバースモーゲージ」は不動産を担保に老後資金を借入し、死後に物件を売却し借入金を返済する仕組みになっています。 どちらも不動産を第三者に売却することが前提のため、資産を受け継ぐ人がいない場合の選択肢として有効だと思います。ただし、不動産価値が下がるリスクを踏まえ、資金調達額は実勢価格より低くなる傾向があります。「セール&リースバック」で7~8割、「リバースモーゲージ」なら5割程度となっています。 また、「老後の資金調達」が目的の場合、余命を考えて賃貸や借入の時期の設定を行うのは困難で、どちらのサービスも資金不足などの不安が残ることは避けられません。 一方で「資産承継ローン」は不動産担保ローンビジネスを展開してきた当社のノウハウから不動産価値を的確に見極め、実勢価格の8割の資金調達ができます。ローンの返済が完了すれば不動産は承継者の手元に残りますので、愛着のある不動産や事業所が第三者の手に渡ることもありません。 ――資産承継ローンの最大のメリットはどこでしょうか? 単なる資金調達ではなく、大切な資産を「未来に残す」ことができる点です。資金を承継する方が設立した法人に不動産を売却することもできるので、個人の負債にはなりません。リスクを不動産担保に集約することで、買い主様の負担を減らすことができるのは大きなメリットだと思います。 代表者の個人保証も原則不要ですので、買い主様が個人の住宅ローンを契約する場合にも影響しません。負債がある場合には売却する新設法人に名義を移して、債務と不動産の切り離しを行うこともできます。 大切な資産を未来につなぎ活用する ――資産承継ローンが向いているのはどのようなお客様でしょうか? 負債や老後資金に関して身近に相談できる人がいる、事業や資産を受け継いでくれる親族や社員がいるという方には最適なサービスです。事業法人から資産管理会社への不動産売買の際にもご利用できますので、本業と、収益不動産の管理を分けたいというニーズにも対応できます。相続対策としては、身近で自分の世話をしてくれている人に確実に不動産を残したい、財産分与の際のトラブルを未然に防ぐ方法として利用されるのも有効です。 ―――具体的な事例としてはどのようなものがあるのでしょうか? アパート経営をされているお客様で一時家賃収入が滞った際に契約したアパートローンの一括返済を求められてご相談いただいたケースがあります。「返済のためにアパートを売却するのは避けたい、子供たちに引き継ぎたい」とのご希望でした。現在はアパート経営も順調で、返済に関しても問題ないと判断し、資産承継ローンをご利用いただきました。 お子様に売却することで負債となっていたローンを完済でき、お客様が長年続けてきた事業であるアパート経営もお子様に引き継ぐことができました。 また他の事例として事業承継と資産承継を同時に実現できたケースもあります。 自社ビルを所有して学習塾を経営されていたお客様は、「事業は信頼できる従業員に引き継ぎ、所有しているビルは子供に引き継がせたい」というご希望があり、資産承継ローンをご利用いただきました。お子様2人を株主とする資産管理会社を設立し自社ビルを売却。学習塾とは長期の賃貸借契約を結び、安定収入を生む優良不動産を承継することができました。 そして、当初の想定にはなかったのですが、予想外に多かったのが離婚された際の住宅ローンに関するご相談です。ご夫婦がそれぞれに住宅ローンを契約していると離婚時に一括返済が必要になります。しかし、売却はせずにそのままどちらかが住み続けたいという場合には資産承継ローンの活用が有効です。ご夫婦どちらかの持ち分を売買するという形で一人が不動産を所有し、資産承継ローンを利用して返済していくことで、不動産を手放すことなく円満に解決できます。 時代とともに不動産担保ローンのニーズも変化していくことを考えると、こうした事例も増えていくのかもしれないと感じています。 サステナブルな社会のために 課題に応える商品に ――老後資金の不安や企業の事業承継が進まないなど社会問題についてはどうお考えでしょうか? 日本は65歳以上が3割を占める高齢化社会ですが、同時に「企業の高齢化」「不動産の高齢化」といった問題もあります。中小企業において休廃業は倒産件数と比べても高い水準が続いています。また、不動産も市場で取引される中古物件の平均築年数は右肩上がりになっています。 「人」「企業」「不動産」、この3つの高齢化の課題に、適切なソリューションを提供する金融機関が少ないことが、スムーズな事業・資産の承継を妨げている可能性があります。 老後資金の不安や承継者問題、築年数を経た不動産の活用など、人生や企業の最終局面で生まれる資金ニーズに対してどのように応えていくか。そのひとつとして不動産をより良い形で活用する手助けができるサービスを提供していくことが必要だと思っています。 ――資産承継ローンに関する想い、今後の展開について教えてください ご高齢の方が資金調達を考える時には不動産を売却するか、土地を担保に借入をするかといった選択がほとんどでした。しかし、身近に相談できる人や資産承継者がいる場合には、資産承継ローンを使えば、資金調達と同時に、大切な資産を引き継ぐという選択肢も生まれます。サステナブルな社会に貢献できるサービスとして資産承継ローンを育てていきたいと考えています。 新生インベストメント&ファイナンス社「資産承継ローン」についてはこちら 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 ”明るい廃業®”を掲げる新生銀行に ニッポンの経営者の本音を聞いた 日本には、2021年6月時点でおよそ367万4000社の企業があります。(総務省・経済産業省による発表)そのうち中小・小規模事業者の数は99.7%を占めるといいます。 そして、2017年に中...記事を読む

  • 老齢年金とは?受給要件や年金額、請求手続きについて解説

    老齢年金とは?受給要件や年金額、請求手続きについて解説

    老齢年金は、老後の生活を支える重要な収入源です。公的年金に加入している人は、一定の年齢に達すると老齢年金を受け取れます。老齢年金はどんな仕組みで、いくら受け取れるのでしょうか。 この記事では、老齢年金の受給要件や年金額、請求手続きについて詳しく解説します。 老齢年金とは 老齢年金とは、公的年金制度の加入者だった人に対して老後の保障として給付される年金です。原則65歳から支給開始となり、一生涯受け取れます。ただし、保険料納付済期間と保険料免除期間などを足した資格期間が10年以上あることが受給要件となります。 老齢年金は、加入していた年金制度により、国民年金の「老齢基礎年金」と厚生年金保険の「老齢厚生年金」の2種類が支給されます。 老齢基礎年金 老齢基礎年金は、国民年金もしくは厚生年金保険や共済組合等に加入していた人が受け取れます。20歳から60歳になるまでの40年間の国民年金加入期間などに応じて年金額が計算されます。 国民年金保険料を納付した期間のほか、会社員として厚生年金に加入していた期間や保険料の免除を受けた期間も年金額の計算に含まれます。 原則65歳から受給開始ですが、60歳から75歳の間で受給開始年齢を選択する「繰り上げ受給」や「繰り下げ受給」も可能です。 老齢厚生年金 老齢厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金保険や共済組合等に加入していた人のみが対象です。厚生年金加入時の報酬額や加入期間などに応じて年金額が計算されます。老齢厚生年金も原則65歳から受け取ることができ、老齢年金と同様に「繰り上げ受給」や「繰り下げ受給」も可能です。 老齢年金の受給要件(資格期間) 老齢年金を受給するには、10年以上の資格期間が必要となります。資格期間とは、以下3つを合計した期間のことです。 保険料納付済期間 保険料免除期間 合算対象期間 国民年金保険料を納めた期間や厚生年金加入期間はもちろん、国民年金保険料の免除や納付猶予を受けた期間も資格期間に含まれます。厚生年金加入期間は、加入した月から加入をやめた日(退職日の翌日など)の前月までの月単位で計算します。 合算対象期間は、海外在住者が国民年金に任意加入しなかった期間、または任意加入したが保険料を納付しなかった期間などが該当します。保険料免除期間や合算対象期間は資格期間の対象にはなりますが、年金額には反映されない点に注意が必要です。 老齢年金の年金額 老齢年金の年金額は、老齢基礎年金と老齢厚生年金で異なります。 老齢基礎年金は、保険料の納付状況に応じて年金額が決定され、20歳から60歳の40年間の保険料をすべて納めると、満額の年金を受け取れます。令和5年度(2023年度)の年金額(満額)は年795,000円(月66,250円)です。 老齢厚生年金は、「報酬比例部分」と「定額部分」の合計が年金額となります。 報酬比例部分は、平均報酬月額に一定の給付率と加入期間の月数を乗じて計算します。定額部分は「1,657円×被保険者期間の月数」で計算します。ただし、昭和31年4月1日以前に生まれた方は、1,652円となります。老齢厚生年金は基本的に収入が高く、加入期間が長い人ほど年金額は増えます。 令和3年度(2021年度)の老齢年金受給者の平均年金月額は、国民年金の56,479円に対し、厚生年金は145,665円です。 厚生年金加入者は同時に国民年金の加入者でもあるため、65歳から老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受け取れます。国民年金のみの自営業者に比べて、厚生年金に加入する会社員の年金額は手厚い傾向にあります。 出典)厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況P8、P20」 老齢年金の請求手続き 老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取るには請求手続きが必要です。手続きの流れは下記のとおりです。 「年金請求書」が自宅に届く 「年金請求書」を年金事務所や市区町村に提出する 「年金証書」「年金決定通知書」などが自宅に届く 1~2ヵ月後に年金の受け取りが開始される 老齢年金の受給権が発生する年の誕生月の約3ヵ月前に、日本年金機構などから年金請求書が届きます。必要事項を記入して、受給開始年齢の誕生日の前日以降に提出しましょう。 提出先は、年金加入期間が国民年金のみの人は住所地のある市区町村、それ以外の人は最寄りの年金事務所です。 請求時には、戸籍抄本や住民票などの添付書類が必要です。同封されているパンフレットを確認し、添付書類を準備しましょう。年金請求書の提出から1ヵ月程度で年金証書や年金決定通知書が届き、その約1~2ヵ月後に年金の受給が開始されます。 年金の請求をせず、年金を受けとれるようになったときから5年を過ぎると、5年を過ぎた分の年金については時効により受け取れなくなる恐れがあるので、注意しましょう。 出典)日本年金機構「年金の時効」 繰り上げ受給と繰り下げ受給 老齢年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、希望すれば65歳より前に年金を受け取る「繰り上げ受給」、受給開始を65歳より後に受け取る「繰り下げ受給」も選択可能です。 繰り上げ受給は60歳から65歳の間に請求でき、「繰り上げた月数×0.4%」の年金額が減額されます。たとえば、60歳時点では最大で24%の減額となります。年金を早く受け取れますが、減額された年金額は生涯変わらない点に注意が必要です。 繰り下げ受給は65歳から75歳の間に請求でき、「繰り下げた月数×0.7%」の年金額が増額されます。たとえば、70歳時点では42%、75歳時点では84%の増額となり、増額された年金は生涯変わりません。65歳以降も一定の収入があり、当面は年金なしでも生活できるなら、繰り下げ受給を利用して年金額を増やすのも選択肢の一つでしょう。 関連記事はこちら老齢年金の繰り上げと繰り下げ、どっちがお得? 在職老齢年金 在職老齢年金とは、60歳以降に厚生年金に加入して働きながら受け取る老齢厚生年金のことです。給与や賞与の額と老齢厚生年金の額によっては、年金の一部または全額が支給停止となる場合があります。 老齢厚生年金(比例報酬部分)の月額である「基本月額」と、給与や賞与をもとに計算する「総報酬月額相当額」の合計が48万円を超えると、老齢厚生年金の一部または全額が支給停止となります。 なお、「老齢基礎年金」は支給停止の対象外で全額支給されます。 まとめ 老齢年金は10年以上の資格期間が受給要件で、原則65歳から受け取れます。日本年金機構などから年金請求書が届いたら、忘れずに手続きを行うことが大切です。状況に応じて、繰り上げ受給や繰り下げ受給も検討しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介 「人生100年時代」や「老後2,000万円問題」などに起因して、「老後資金」という言葉が注目を集めています。老後破産に陥らないためにも、夫婦で必要な老後資金を把握し、なるべく早くから準備して...記事を読む

  • 終活の認知は高いが、実際に行っている人は約1割

    終活の認知は高いが、実際に行っている人は約1割

    近年、「終活」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。一方で、終活に実際に取り組んでいる人がどれくらいいるのか、わからない人も多いでしょう。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である20歳以上の男女321名を対象に、SBIエステートファイナンスが終活と住まいの終活に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 終活は認知度が高いが実際には行われていない Q1.終活という言葉を知っていますか? 終活という言葉は2009年に雑誌連載から生まれた言葉とされ、比較的新しい言葉にもかかわらず、認知度は93%と浸透していることがわかります。なお、表は省略していますが、すべて年代でほとんど違いはなく、90%程度の認知度となりました。 Q2.ご自身の終活は行っていますか? もしくは今後行いたいと思いますか? すべての年代で「今後行いたい」が最も多く、「すでに行っている」と答えた割合は約10%と大変少ないことがわかります。60代以上の人でも少ないことから、60歳を超えても自分事にできていないことがわかりました。 高齢になるほど終活を専門家に相談しない Q3. 終活について誰かに相談したことはありますか? 相談したことがないと回答した割合が約80%となっています。 Q4. 終活の相談をしたことがあると答えた人にお伺いします。実際に誰に相談しましたか?(複数回答可) 年代が下がるにつれて「親しい友人・知人」が多く、反対に年代が上がるにつれて「子ども」と答えた人が多くなり、60代以上では過半数を占めることがわかります。 Q5. 終活の相談をしたことがないと答えた人にお伺いします。今後、もしも相談するとしたら誰にしますか?(複数回答可) 40代以下と50代については「専門家」へ相談するとの回答が多く、60代以上では「子ども」が多いことがわかります。 【考察】 終活の相談をしたことがある人もない人も、年代が上がるにつれて「子ども」に相談する割合が増えています。これは自身や子どもの年齢が上がるにつれて、終活がより自分事になってくることや、子どもが相談相手として適任になってくるからと考えられます。 一方で、終活の相談をしたことがある人は年代が上がるにつれて「専門家」に相談する割合が増えていますが、相談をしたことがない人は年代が上がるにつれて割合が下がっています。この結果は、年代が上の人は親族への相談で解消できると考えていたが、実際は相談内容がより専門的な内容になることで親族や子どもでは問題を解消できずに、結果として専門家に相談せざるを得ない状況になったのではないでしょうか。 終活のきっかけは年を取ったと感じたとき Q7. 何がきっかけで終活に取り組むと思いますか?すでに取り組んでいる人は取り組んだきっかけを選んでください(複数回答可) 終活に取り組むきっかけはすべての年代で「自分が年を取ったと感じたとき」が最も多い結果となりました。終活と関連したイベントに「遺言書の作成」がありますが、遺言書に関する調査によると、「遺言書の作成」に取り組むきっかけは「自身の体調不良」が最も多いとされています※。遺言書は死に直面した際に行うもの、終活は健康なうちに行うものといった、意識の違いがあるのではないかと考えられます。 ※出典)公益財団法人日本財団「遺言書に関する調査」 Q8. ご自身が相続をする際、ご自宅をどのように相続させたいですか? 「不動産として相続させたい」がすべての年代で最も多いことがわかります。 Q9.ご両親の家の相続方法はどのように考えていますか? 大きな特徴は見られませんでしたが、高齢になるにつれて「相続することは考えていない」人が多くなることがわかりました。 【考察】 2世代にわたる家の相続方法を確認したところ、自分の家は「不動産として相続させたい」がすべての年代で1番多いことがわかりました。一方で、両親の家の相続については、年代が上がるにつれて「相続することは考えていない」が増えていくことがわかりました。 「不動産として相続させたい」が1番多い要因は、いずれの年代も子どもと過ごした持ち家には愛着があり、そのまま子どもに住んでほしいという想いがあるのではないでしょうか。 一方で、年代が上がるにつれて「相続をすることは考えていない」が多くなる要因は、自身も自立した生活を送っており相続を受ける必要がないため、両親が築いた資産は本人達が好きに利用すればよいという想いがあるからかもしれません。 まとめ 「終活」を認知しているものの、実際に行っている人は約1割ということがわかりました。また、相続をする側とされる側の認識の違いがあることも示唆される結果となりました。「終活」と聞くと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、親子間で財産をどうするか話すだけでも立派な「終活」です。争続にならないためにも、親子で話し合う「終活」を行ってみてはいかがでしょうか。 参考)SBIエステートファイナンス 終活の認知度は9割、終活を行っているのは約1割、重い腰を上げるのは加齢への自覚~SBIエステートファイナンスが「終活と住まいの相続」に関するアンケート調査を実施~ 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際...記事を読む

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