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「商品・サービス」の記事一覧

  • リースバックの買い戻しに関するよくある質問

    リースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説

    リースバックは不動産売買と賃貸借契約を一体として契約するサービスです。不動産を売却した後も賃貸として自宅に住むことができ、条件を満たせば将来買い戻すこともできます。リースバックでは、売買金額や家賃が注目されますが、買い戻しについては詳しくわからない人も多いのではないでしょうか。 この記事では、リースバックの買い戻しの仕組みや注意点、買い戻し価格の目安について解説します。 リースバックで買い戻しをする仕組みとは? リースバック運営会社によって詳細は異なりますが、買い戻しは大きく分けて二つの方法で行われます。ひとつは、売買契約書上に特約として明記される方法、もう一方は売買予約契約として別の契約で締結される方法です。 買い戻しの特約は民法第579条、売買予約契約は民法第556条でそれぞれ定められており、この民法に応じて買い戻し代金や期間を定めることが一般的です。契約書の形式は異なりますが、いずれの場合にせよ、リースバックの利用者が一定期間内に買い戻しの意思を表明することによって、買い戻しが成立します。 出典) ・wikibooks「民法第579条」 ・wikibooks「民法第556条」 必ずしも買い戻しができるとは限らない リースバックで売却した物件は、契約書上にあらかじめ明記した特約の条件を満たしておけば、買い戻すことが可能です。しかし、家賃の滞納など、契約書に記載されている条件に違反すると買い戻せなくなります。 また、リースバックで家を売却した後、ずっと買い戻しの権利があるかというと、そうではありません。例えば契約書に買い戻し特約を明記している場合、民法上最長10年、期間の定めがない場合は5年となります。その他、細かく条件が定められることがありますが、具体的な内容は運営会社によって異なるため、契約前に確認しておくようにしましょう。 なお、運営会社が倒産した場合も、倒産後に物件がどのように取り扱われるかによって、買い戻せなくなることがあります。 買い戻し価格はどう決まる? リースバックの買い戻し価格は、当初の売却価格と買い戻し時点での市場価格とのバランスで決まります。運営会社次第では、一定期間の買い戻し価格をあらかじめ決めておくことも可能です。 買い戻し価格の目安 リースバック後の買い戻し価格の相場は、一般的に売却価格の1.1~1.3倍が目安です。なぜなら、売却価格に以下のような費用が上乗せされるからです。 売買時の費用 買い戻しにかかる費用 運営会社の利益 具体的にどの程度上乗せされるかについては、リースバック運営会社によって異なります。不動産取引は費用や税金が大きくなるため、売却時よりも高くなると考えておきましょう。 買い戻しを検討する場合の注意点 リースバックで買い戻しを検討する場合、以下のような注意点があります。 買い戻し価格は売却価格よりも高くなる 上述のとおり、リースバックで売却した自宅を買い戻す場合、当初の売却価格より買い戻し価格のほうが高く、不動産売買に関する諸費用も発生します。そのため、あらかじめ資金計画を立てておかないと必要な資金を用意できず、予定どおりに買い戻しができなくなる恐れがあります。 買い戻し条件に合意できない恐れがある リースバックでは、自宅を売却するときに売買予約契約の締結や売買契約書上に買い戻しに関する特約を明記しておかないと、買い戻し条件に合意できない恐れがあります。買い戻しに関するトラブルを回避するには、あらかじめ買い戻し条件を書面化しておきましょう。 買い戻しの際に住宅ローンが利用できない恐れがある 一度リースバックした家を買い戻す場合でも、住宅ローンを組むことは可能です。ただし、買い戻す際には、通常の不動産購入と同じように住宅ローンの審査が行われるため、必ず住宅ローンを利用できるとは限りません。例えば、リースバック利用以前に住宅ローンを延滞してしまっていた場合には、買い戻し時にローンを組むことが難しいと言えるでしょう。 また、金融機関によっては、そもそもリースバックの買い戻しには住宅ローンを利用できないケースもあるかもしれません。詳細は金融機関やリースバック運営会社に相談しておきましょう。 リースバックの買い戻しで損をしない方法とは? リースバックの買い戻し時の価格の計算方法は、運営会社毎に異なりますが、一般的には「売却価格から〇〇%上乗せした金額」で定められます。最初の契約の段階で買い取り価格を設定することができるため、あらかじめ確認しておきましょう。なお、少しでも安く買い戻したいと考えるのであれば、そもそもの売却価格を安くするのも一つの方法です。 例えば、売却価格に10%上乗せした価格を買い戻し価格とする会社であれば、2,000万円で売却した場合、買い戻し価格は2,200万円になりますが、1,500万円で売却すれば1,650万円になります。そのため、買い戻しを前提としてリースバックを利用するのであれば、売却価格を抑えて取引するのもいいでしょう。 まとめ リースバックで買い戻すときのデメリットは、売却金額よりも高い金額で買い戻すこと自体です。そのため、最初から買い戻し前提でリースバックを利用する際には、本当にリースバックでなければ抱えている問題を解決できないのかをよく考えた方が良いでしょう。 そのうえでリースバックを利用すると決めた場合は、契約書の内容について確認し、買い戻しに向けた資金計画をしっかりと立てておきましょう。後から後悔することのないように、契約前からしっかりと準備を行うことが大切です。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

  • 住み替えにリースバックを利用するメリットを解説

    持ち家にお住まいの方が住み替えをする場合、「自宅の売却」と「新居の購入」という2つの不動産取引を行います。また、住宅ローンの手続きや仮住まいの準備も必要になるため、計画的に進めないと予想以上に資金や手間がかかるかもしれません。 住み替えをスムーズに進めるにあたり、リースバックを利用することで住み替え時の悩みを解消できる可能性があります。この記事では、住み替えにリースバックを利用するメリットについて詳しく解説します。 3つの住み替え方法 持ち家の住み替え方法は、大きく「買い先行」と「売り先行」、「同時決済」の3つに分けられます。 買い先行は、新居を購入してから自宅の売却活動を始める方法、売り先行は、自宅の売却をしてから新居を探す方法です。それに対して同時決済は、新居購入と自宅売却の決済日を合わせる方法です。 それぞれの方法のメリットやデメリット、選び方については以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント 買い先行とリースバックの比較 買い先行は新居を決めてから自宅を売却するため、住み替え資金の確保や自宅の住宅ローンの返済が課題となります。リースバックを利用すれば、こうした資金面に関するデメリットを解消できます。 ダブルローンの心配がない 自宅の住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローンとのダブルローンになる恐れがあります。住宅ローンは、自宅の売却代金で完済できますが、予定どおりに売却できなかった場合はダブルローンとなり、月々の返済負担が大きくなります。リースバックを利用すれば、売却代金で自宅の住宅ローンを完済できるので、ダブルローンの心配はなくなります。 新居の住宅ローン審査に通りやすい 自宅の住宅ローンが残っていると、与信面から新居のローン審査が厳しくなります。理想の物件が見つかっても、住宅ローンを組めなければ住み替えはできません。リースバックで自宅を売却して住宅ローンを完済することで、新居の住宅ローン審査に通りやすくなります。 頭金を用意できる 新居を購入する際は、頭金や手付金として物件価格の10%程度の資金を求められることがあります。買い先行では自宅の売却代金を活用できないため、貯蓄状況によっては手元資金が不足する恐れがあります。リースバックで先に自宅を売却すれば、売却資金を住宅ローンの完済に充て、その残りを頭金に利用できます。 売り先行とリースバックの比較 売り先行は先に自宅を売却するので、新居が決まるまでの仮住まいが必要です。リースバックを利用すれば、新居が決まるまで自宅にそのまま住み続けられるので、仮住まいの問題を解消できます。 仮住まいの手間がかからない 仮住まいを用意する際は、通勤や生活の便を考慮して物件を探さなくてはなりません。子育て中の場合は、子どもの学区内での転居する必要もあります。リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら新居を探すことができます。仮住まいを用意する必要がなく、引っ越しは自宅から新居への1回で済みます。 仮住まいの費用負担が小さく済む 仮住まいへの引っ越しが必要な場合、毎月の家賃だけでなく、転居費用や敷金、礼金などの初期費用も発生します。新居探しが長引けば費用が膨らみ、家計に大きな負担となります。リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら新居を探すことができるので、余分な引っ越し費用がかかりません。加えて、敷金や礼金などが不要なリースバックを利用すれば、さらに余計な費用をかけずに済みます。 住み替えにリースバックを利用する注意点 リースバックを利用して住み替えをする場合、自宅の売却価格が市場価格と比較して安くなる点に注意が必要です。リースバック以外の方法として、不動産業者が媒介して買主を見つける「仲介」と、不動産業者自身が直接購入する「買取」の2つの不動産売却方法があります。 まず、一般的な仲介での売却は不動産の時価を基準に取引されることが多いため、仲介に比べるとリースバックの売却価格は安い傾向にあります。一方で、不動産会社自身が買い取る場合は、リースバック運営会社が買い取る場合と本質的には同じため、売却価格に大きな差はないと言えるでしょう。もし自宅を少しでも高く売る必要がある場合には、仲介で売却活動を進めるのがよいでしょう。 ただし、仲介は買主が見つかるまでに時間がかかることがあります。また、買主が見つかったとしても、希望価格で売却できるとは限りません。仲介や買取、リースバックのどれで売却するかは、売却価格だけでなくその他の費用や手続きの手間も考慮して決めることが大切です。 まとめ 持ち家の住み替えでは、住宅ローンや仮住まいの問題など、スムーズに進められない要因が多々あります。リースバックを利用することで、買い先行や売り先行のデメリットを解消できるかもしれません。住み替えをスムーズに進めたい場合には、リースバックの利用を検討してはいかがでしょうか。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 相続で不動産担保ローンを利用する4つの事例を紹介

    相続で不動産担保ローンを活用する4つの事例を紹介

    不動産を含む相続が発生した時、相続税の支払いや遺産分割の方法によっては、まとまったお金が必要になることがあるでしょう。そのような時、不動産担保ローンを活用できるかもしれません。 この記事では、相続時に不動産担保ローンを活用する4つの方法をご紹介していきます。 相続で不動産担保ローンを活用する4つの事例 一口に「相続で不動産担保ローンを活用できる」と言っても、「相続が発生してから」活用する場合と「相続が発生する前に」活用する場合の大きく2つが考えられます。 また、相続が発生してから不動産担保ローンを利用するケースは、「相続税の支払いに利用する」「法定相続分の支払いに利用する(代償分割)」「遺留分の支払いに利用する」ケースの3つにわかれます。さらに、相続が発生する前に不動産担保ローンを利用するケースは、「親族間売買をする」ケースが考えられます。順に解説します。 相続税の支払いに利用する 相続が発生し、その相続財産の価値が控除分を超えるとき、相続税を支払う必要があります。そして、相続税として納める税金は基本的に現金で用意しなければなりません。相続財産として不動産だけでなく、まとまった現金も相続した場合では、相続税の支払いを現金で用意できるかもしれません。一方で、相続財産が不動産だけの場合など、現金が足りないこともあるでしょう。 相続税は相続があったことを知ったときから10カ月以内に納める必要があります。流通性の高い不動産であれば、期間内に相続不動産を売却して相続税の支払いをすることもできますが、流通性が低く売却までに時間がかかることもあります。このような時に、不動産担保ローンの活用は有効な手段の一つです。 法定相続分の支払いに利用する(代償分割) 相続方法にはいくつかの種類がありますが、代償分割を選んだ場合にも、不動産担保ローンを活用できます。代償分割とは、相続人の内の誰かひとりまたは数人が不動産などの現物を相続し、その他の相続人に対して相続分に応じた現金を支払う方法です。 法定相続分の支払いに利用する事例 たとえば、相続財産が3,000万円で、配偶者と子2人の相続人がいるケースを考えてみましょう。配偶者と子の場合の法定相続分は配偶者と子が2分の1ずつです。そのため、子供が2人のとき、配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は4分の1ずつとなります。 相続財産3,000万円が全て現金であれば、配偶者に1,500万円、子に750万円ずつ相続させることが可能です。しかし、相続財産が不動産しかない場合、簡単に分割することができません。こうした場合に、ひとりの子が不動産を相続して、不動産を相続しなかった配偶者や子に法定相続分に応じた支払いをするといった方法があります。この方法を代償分割と呼びます。 上記の場合、他の相続人に支払うための資金を現金で用意しなければなりませんが、多額の現金を手元から支払うのは難しいでしょう。不動産担保ローンを活用すれば、相続不動産を担保に代償分割のための資金を借りられます。 遺留分の支払いに利用する 遺留分の支払いに不動産担保ローンを活用することも考えられます。遺留分とは配偶者や子、直系尊属(※1)など、一部の法定相続人(※2)が取得できる一定割合の相続財産のことです。その遺留分の総額は相続財産全体の2分の1で、法定相続人が直系尊属のみの場合は3分の1となります。また、遺留分の総額から法定相続人の法定相続分に応じて遺留分が決定します。 ※1被相続人の父母、父母がどちらも亡くなっている場合は祖父母 ※2兄弟姉妹や兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に相続人となる甥姪には遺留分が認められていません。 法定相続人にはそれぞれ法定相続分が決められていますが、遺言によって、法定相続人以外や法定相続分とは異なる配分で相続がなされることがあります。しかし、遺留分が認められている法定相続人は、自分に認められた遺留分までであれば、相続後に遺留分減殺請求を求めることができます。 遺留分の支払いに利用する事例 例えば、先ほどと同様に相続財産が3,000万円で、配偶者と子2人の相続人がいる場合で、被相続人の遺言によって、子の内の1人だけにこの3,000万円の相続がされるケースを考えてみましょう。 相続人が配偶者と子なので、相続財産全体の2分の1が遺留分の総額として扱われます。そして、法定相続分は配偶者と子ともに2分の1となるので、遺留分は配偶者が4分の1、子が8分の1ずつとなります。つまり、相続財産を受け取れない配偶者は、相続財産の4分の1である750万円、子は相続財産の8分の1である375万円分の遺留分減殺請求できます。 遺留分減殺請求を受けた側は現金で支払わなければなりませんので、相続不動産を担保とした、不動産担保ローンを活用することで問題を解決できるかもしれません。 親族間売買をする 相続発生前に、あらかじめ不動産の親族間売買をする場合には、不動産担保ローンの利用が考えられます。居住用財産で、自己居住用であれば住宅ローンを利用することも考えられますが、そうでない場合には住宅ローンの利用はできません。また、銀行などの金融機関では一般的に親族間売買を取り扱っていません。 一方で、不動産担保ローンであれば住宅ローンのように自己居住用でなければならないといった制約はなく、親族間売買でも取り扱うことの出来る可能性があります。ただし、住宅ローンと比べると金利が高いなど、融資条件が悪くなってしまう点には注意が必要です。 まとめ 相続時に不動産担保ローンを利用する4つの事例を解説しました。不動産の相続では相続税の支払いに現金を用意できず困る場合があるでしょう。また、速やかに売却活動を行っても、中々買い手が見つからず、相続税の支払いに間に合わない場合もあります。 このような場合、不動産担保ローンを有効に活用出来るかもしれません。その他にも、遺留分や代償分割など活用できる機会は多いため、手元資金が不足する時には、不動産担保ローンを検討してみるといいでしょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 不動産の評価は一物五価とも呼ばれ、同じ不動産でも指標によって評価額は変化します。そして、相続の際の不動産評価額のことを、「相続税評価額」と言います。では、この相続税評価額はどのように算出すれ...記事を読む

  • 住宅ローンを払い終えたらやること

    住宅ローン完済後の手続きについて解説

    住宅ローンの借り入れ時は、不動産会社のサポートもあり、手続きを滞りなく進めることができる人が多いでしょう。一方で、住宅ローンを約定返済で完済した後の手続きは、不動産会社のサポートがないため、理解していない人も多いのではないでしょうか。住宅ローン完済後の手続きをしないと、自宅売却や資産活用の際に不都合が生じることがあるため注意が必要です。 この記事では、住宅ローン完済の方法や、完済後の手続きについて詳しく解説します。 住宅ローン完済の方法 住宅ローンを完済する時は、「約定返済で完済」するか「繰上返済で完済」するかの2種類に大別されます。住宅ローンを約定返済で完済する場合は、特に手続きは必要ありません。一方で、住宅ローンを繰上返済で完済する場合は、原則として金融機関の窓口で手続きをする必要があります。 繰上返済で完済する場合は、契約者本人が金融機関の窓口に返済依頼書を提出し、返済用口座に返済資金を入金するのが一般的な流れです。ただし、インターネットやアプリ上で手続きが可能な金融機関もあります。 借入残高のほか、完済日当日までの未払利息、金融機関所定の手数料も必要です。返済シミュレーションや金融機関の窓口で確認をし、必要な金額を把握しておきましょう。 なお、住宅ローンの完済手続きはすぐに完了するわけではありません。通常は、完済手続きの完了まで数週間から1カ月程度かかるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。まずは金融機関に問い合わせて、手続きの流れや必要書類を確認することから始めましょう。 住宅ローン完済後の手続き 住宅ローン完済後の手続きは、「抵当権の抹消手続き」と「火災保険の質権設定の解除」の大きく2種類に分かれます。 抵当権の抹消手続き 住宅ローンを利用する際、自宅に抵当権を設定する登記手続きが行われます。この抵当権は、住宅ローンを完済しても、自動的に抹消されるわけではないので、抹消手続きが必要です。 一方で、抵当権が設定されたままでも、ただ居住するだけであれば何か不都合が生じるわけではありません。しかし、不動産を売却したり、相続が発生したり、不動産を担保に融資を受けたりする場合は、設定されている抵当権の抹消手続きをしなければなりません。 そのため、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権の抹消手続きを行っておくと良いでしょう。抵当権の抹消手続きは、自身で必要な書類を準備して手続きを行うほか、司法書士などの専門家に手続きを依頼することもできます。抵当権の抹消手続きの流れは、後ほど詳しく説明します。 火災保険の質権設定の解除 火災保険に質権設定をすると、融資をした金融機関が契約の被保険者や、ほかの債権者に優先して保険金を取得できるようになります。住宅ローンを借りる際、火災保険の質権設定は必ずしも行われるわけではありませんが、保険金請求権や返還保険料請求権に対して質権を設定されることもあります。 仮に住宅ローンの担保となっている建物が火災で全焼した場合、金融機関は抵当権を実行できなくなります。このような理由から、建物が火災で全焼しても金融機関が貸付金を回収できるように、住宅ローンを組むときに火災保険の質権設定がされます。 火災保険に質権設定がされていると、住宅ローン完済後に金融機関から「保険証券」「質権消滅承認請求書」などの書類が送付されるので、保険会社に連絡して質権消滅手続きを行います。不明点があれば、金融機関や保険会社に相談しましょう。 なお、火災保険が満期を迎えた後は、「更新」「乗り換え」「解約」の3つの選択肢がります。火災や自然災害で建物が被害を受けると、生活を立て直すためにまとまったお金がかかります。基本的に解約は避け、更新または乗り換えを検討するのがいいでしょう。 自身で抵当権の抹消手続きをする流れ ここでは、抵当権の抹消手続きの流れや必要書類、費用などについて詳しく説明します。 金融機関から完済書類を受領 管轄法務局を確認 抵当権抹消登記申請書の取得・記入 必要書類の準備 法務局へ申請 住宅ローンを完済後、金融機関から抵当権抹消に関する書類が送付されます。抵当権の抹消手続きは法務局で行う必要があるため、物件所在地の管轄の法務局を調べましょう。法務局のホームページから抵当権抹消登記申請書をダウンロードして印刷し、必要事項を記入します。記入内容に誤りがあると、手続き完了までに時間がかかるので注意しましょう。 必要書類が準備できたら、法務局に持参して申請を行います。無事に受理され、申請内容に問題がなければ手続きは完了です。申請内容に不備があった場合は法務局から連絡が来るので、指示に従って補正申請を行いましょう。 抵当権の抹消手続きに必要な書類 金融機関から送付される抵当権の抹消手続きに必要な書類は以下のとおりです。 登記済証(登記識別情報) 弁済証書/抵当権解除証書 抵当権抹消の委任状 金融機関の資格証明書 登記済証は、抵当権設定時に抵当権者(金融機関)に交付される書類です。法務局がオンライン化された後に発行された場合は登記識別情報になります。登記済証は赤いゴム印が押されており、登記識別情報はパスワード部分にシールが貼られています。 弁済証書/抵当権解除証書は、住宅ローンの返済が終了したことを証明する書類で、金融機関によって名称が異なります。抵当権抹消の委任状は、金融機関が物件所有者に抵当権の抹消手続きを委任するための書類です。代理人欄が空欄になっているので、申請者の署名・捺印が必要です。 金融機関の資格証明書は、住宅ローンを借りていた金融機関の登記簿です。「代表者事項証明書」「登記事項証明書」など、金融機関によって名称が異なります。金融機関の資格証明書は、有効期限が3カ月しかないので注意しましょう。 自分で抵当権の抹消手続きを行う場合は、上記書類のほかに本人確認書類や印鑑証明書、抵当権抹消登記申請書の作成なども必要です。 抵当権の抹消手続きにかかる費用 抵当権の抹消手続きでは、「登録免許税」と「登記取得費用」がかかります。登録免許税は、登記申請の際にかかる税金で、1つの不動産につき1,000円かかります。たとえば、一戸建ての場合は土地と建物それぞれ1,000円ずつかかるため、合計2,000円*です。 ※土地が一筆の場合 また、抵当権を抹消する不動産の登記内容の確認や、手続き後に抵当権抹消が行われたかを確認するための登記取得費用も必要です。物件種類や取得方法によって異なりますが、一通につき500円程度かかります。 司法書士に抵当権の抹消手続きを依頼する 抵当権の抹消手続きは前述のとおり、自身で行うことが可能ですが、手続きが不安だったり、手間に思ったりすることもあるでしょう。そのような時には、司法書士に手続きを依頼すると良いでしょう。 専門家である司法書士に依頼すれば、自身で行う費用に加えて司法書士報酬が発生しますが、確実に手続きをしてもらえるので安心です。知り合いに司法書士がいない場合でも、司法書士会のホームページを確認し、近くの司法書士に問い合せしてみましょう。 抵当権の抹消手続きを司法書士に依頼する場合の司法書士報酬は1~1.5万円が相場で、実費と合わせて数万円程度の費用がかかります。住宅ローンの完済が借り換えの場合は、完済する住宅ローンの抵当権抹消と新たに借りる住宅ローンの抵当権設定を同時に依頼する形になります。 抵当権の抹消手続きを行わない時の影響 住宅ローンを完済した後に抵当権を抹消しなくても、すぐに大きな影響が出るわけではありません。しかし、不動産の売却や借入を行う際にスムーズに手続きができなくなるので、完済後は速やかに手続きをしておくほうが良いでしょう。 売却への影響 住宅ローンを完済した不動産を売却する場合、抵当権が設定されたままでは買主側に不都合が生じます。なぜなら、新しい買主がその不動産を担保にローンを借りる際に抵当権を設定する必要があるからです。 法律上では抵当権が設定されたままでも、不動産を売却することは可能です。しかし、実際の取引においては「抵当権が残っている状態では売却できない」と考えておくといいでしょう。 ローン審査への影響 住宅ローンを完済した不動産を担保に借り入れをしない限り、抵当権を抹消しなくてもローン審査に影響はありません。住宅ローンを完済していれば、抵当権が残っていても信用情報においては借り入れがないことになっています。 ただし、住宅ローンを完済した不動産を担保に新たな借り入れを行う場合、抵当権の設定が必要になるため、完済した住宅ローンの抵当権は抹消しなくてはなりません。急にまとまったお金が必要になれば、不動産を担保に借り入れを行う可能性も考えられます。 資金が必要になったときに慌てずに済むように、住宅ローンを完済したタイミングで抵当権を抹消しておきましょう。 住宅ローン完済後に考えるべきこと 住宅ローンを完済したことで、毎月の返済に充てていた金額が自由に使えるようになります。だからこそ、その分のお金を今後どのように扱うのか、考えておくことが大切です。 まず考えられるのが、将来のための貯金でしょう。今後の自宅の修繕やリフォームのため、子供の教育資金、老後の生活資金など、住宅ローンの完済後にも想定しておく出費はいくつか考えられます。一方で、全てを貯金に回すのではなく、これまで返済のために我慢していた旅行や趣味の費用に充てるのも良いでしょう。人生を楽しくするための出費も含めて、今後の資金計画を立てることをお勧めします。 住宅ローンの完済に資金の大部分を充ててしまい、手元資金が少ない、今後の生活費が苦しい、といった悩みを抱えている人もいるかもしれません。また、完済後すぐに急にまとまった資金が必要となり、困ってしまうこともあるでしょう。そのような場合には、住宅ローンを完済した持ち家を活用することで、資金を工面できる可能性があります。 関連記事はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? まとめ 住宅ローンを完済したら、そのタイミングで抵当権を抹消しておくのがおすすめです。抵当権が設定されたままでも、当面は不都合が生じることはありません。しかし、抵当権が設定されたままでは、不動産の売却や借り入れの手続きに時間がかかってしまいます。 抵当権の抹消は自身で手続きできますが、司法書士に依頼することも可能です。申請内容に不備があると時間や手間がかかるので、不安がある場合は司法書士に依頼して手続きを進めましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点 住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ロー...記事を読む

  • 住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    長く住み続ける予定でマイホームを購入しても、仕事や人間関係、環境の変化などを理由に「住み替えたい」と思うこともあるでしょう。しかし、住宅ローンが残っている状況では、新しい家に住み替えができるか不安を感じるのではないでしょうか。 住宅ローンが残っている場合、自宅の売却代金で残債を完済するのが基本です。ただし、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、「住み替えローン」を利用する方法もあります。 この記事では、住み替えローンの概要やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。 住み替えローンとは? 住み替えローンとは、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない時に、残債を新居の購入代金と併せて借入する事ができるローンのことです。 自宅の資産価値よりも住宅ローン残高のほうが多い状態のことを「オーバーローン(貸出超過)」といいます。住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新たに購入する家の購入資金をまとめて借りることができるため、オーバーローン状態であっても利用できます。 「住み替えたいが自宅の売却代金で住宅ローンを返済しきれない」という場合は、住み替えローンを検討するといいでしょう。 住み替えローンを利用する際の流れ 住み替えローンの手続き自体は、通常の住宅ローンと大きな違いはありません。ただし、住み替えの際は「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。 自宅の売却活動では、不動産仲介業者に自宅の査定を依頼し、仲介により売却するのが一般的です。また、不動産会社と直接取引することで、より早期に売却できます。どちらも売却価格の合意後に売買契約を締結することになります。また、新居の購入活動では、不動産会社に物件を紹介してもらい、購入物件が決まったら売主と売買契約を締結します。 住み替えローンを利用するときは、自宅の売却(住宅ローンの完済)と新居の購入の決済は同じ日に行わなくてはなりません。自宅の売却と新居の購入はどちらから始めても構いませんが、なるべく平行して活動を進めて決済日を合わせる必要があります。 住み替えローンのメリット 住み替えローンのメリットは以下のとおりです。 住宅ローンの残債を完済できなくても住み替えができる 住み替えローンの最大のメリットは、自宅の売却代金で住宅ローン残債を完済できなくても住み替えができることです。 住宅ローンの残債が減るのを待つことなく、自分の好きなタイミングで住み替えができます。転勤や子どもの進学などでどうしても住み替えが必要な場合は、住み替えローンを利用するといいでしょう。 手元資金を使わずに済む 住み替えローンは、住宅ローン完済のために手元資金を使わずに済むのもメリットです。 手元資金で住宅ローンの残債を完済すれば借入はなくなりますが、大幅に手元資金が減ってしまう可能性があります。急にまとまったお金が必要になる可能性もあるので、もしものときに備えて「まとまったお金を残しておきたい」と考える人もいるでしょう。 住み替えローンを利用すれば、手元にお金を残しながら新居に住み替えができます。 住み替えローンのデメリット 一方で、住み替えローンには以下のデメリットもあります。 不動産の価格以上に借入金額が膨らむ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることになるため、借入金額が膨らんでしまいます。借入金額が増えれば、これまでよりも返済負担は大きくなるでしょう。 せっかく住み替えをしても、ローン返済が困難になれば新居を手放すことになりかねません。住み替えローンを利用する場合は、無理なく返済できるかを見極めることが大切です。 金融機関の審査が厳しい 住み替えローンは、住宅ローンに比べると金融機関の審査が厳しい傾向にあります。 不動産(新居)の評価額以上の金額を融資するオーバーローンであるため、返済能力や新居の担保価値を厳しく審査されます。そのため、勤務先や年収、ローン返済歴などによっては審査落ちの可能性もあります。 住み替えローンの注意点 住み替えローンは、自宅の売却と新居の購入を同時決済しなくてはなりません。そのため、不動産会社や金融機関と相談し、同じ日に決済できるように調整する必要があります。 新居の購入は物件や購入日を自分で選べるため、コントロールできる部分が多いといえますが、仲介で自宅の売却をしようとしても、買主が見つからないと手続きを進めることができないため、決済日の調整が難しいでしょう。 そのため、売却は購入のタイミングに併せて不動産会社に直接買い取りを依頼するなど、購入と同時に決済が出来るよう段取りをしておく必要があります。このように売却を仲介ではなく、不動産会社による直接買い取りにする場合には、価格が時価より下がりやすいので注意が必要です。 自宅売却で譲渡損失が生じても税制上の特例が使える 自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合、譲渡損失(売却損)が発生する可能性が高いでしょう。マイホームの売却で譲渡損失が生じた場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 また、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、最長3年間にわたって繰り越して各年の所得から控除できるため、所得税や住民税が軽減されます。特例が利用できるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることができるのがメリットです。ただし、借入金額が膨らむため、審査に通ったとしても毎月の収支を圧迫する恐れがあります。住み替えローンの利用は慎重に判断しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 住宅ローンを比較する5つのポイント

    住宅ローンを比較する5つのポイント

    マイホームは、住宅ローンを利用して購入するのが一般的です。さまざまな金融機関が住宅ローンを扱っているので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 自分に合った住宅ローンを選ぶには、比較するポイントを理解しておくことが大切です。この記事では、住宅ローンを比較する5つのポイントをお伝えします。 住宅ローンの比較ポイント1:審査基準 住宅ローンでは、基本的に審査金利と返済比率が独自に決められています。 まず、審査金利とは、住宅ローン審査で使われる金利のことで、通常は適用金利よりも高めに設定されています。次に、返済比率は年収に対する年間返済額の割合(年間返済額÷年収)を意味し、一般的には30~35%が基準といわれています。 高めの金利で審査が行われると借入可能額が下がるため、借入希望額によっては審査に落ちる可能性があります。また、連帯債務者の収入を返済比率にどのように組み込むかによっても、審査結果は変わってきます。 注文住宅の場合は、土地先行決済の分割融資(つなぎ融資、土地先行融資)への対応が可能かどうかも確認しておきたいポイントです。 まずは不動産会社や金融機関の担当者に話を聞き、借りられそうだと判断できる場合は仮審査に申し込んでみましょう。 関連記事はこちら住宅ローンの審査基準は?通らない場合の対処法も紹介 住宅ローンの比較ポイント2:金利 住宅ローンは適用金利が下がるほど、毎月の返済額や総返済額を減らすことができます。金利タイプが同じであれば、最も金利が低い住宅ローンを選ぶといいでしょう。 住宅ローンで比較が難しいのが、固定金利期間選択型(当初固定型)の住宅ローンです。固定金利期間が終了すると、一般的に変動金利に切り替わるため、当初の固定金利だけでなく、変動金利も考慮して比較する必要があります。 住宅ローンの比較ポイント3:手数料 住宅ローンを借りる際は以下の手数料がかかります。 事務手数料 保証料 司法書士に払う登記費用 事務手数料は、借入金額にかかわらず定額の場合もあれば、借入金額の一定割合(借入金額×〇%)の場合もあります。借入金額が大きいときは、定額を選ぶと費用を抑えられる可能性があります。 保証料は、保証会社に支払う費用です。債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合、保証会社が代わりに返済する仕組みになっています。保証料は一括で払うか、0.2%程度の金利が上乗せされます。 保証料が無料の住宅ローンもありますが、その場合は事務手数料が高くなることがあります。そのため、事務手数料と保証料はセットで比較するといいでしょう。 住宅ローンを借りる際は所有権の移転登記や抵当権を設定する必要があるため、司法書士に払う登記費用もかかります。司法書士は一般的に自分で探すのではなく、金融機関や不動産会社に紹介してもらえます。 また、繰り上げ返済や借り換えなどを見据えて、一部繰上返済手数料や全額繰上返済手数料も忘れずに確認しておきましょう。 住宅ローンの比較ポイント4:団体信用生命保険 住宅ローンの団体信用生命保険(団信)とは、債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になった場合に、住宅ローンの残債が全額弁済される保険のことです。団体信用生命保険は、特約の種類や上乗せされる保険料(金利)が比較対象となります。 特約については、特定の疾病にかかると住宅ローン残高が0円になる、一定期間の返済相当額を保障してくれるなど、さまざまな種類があります。住宅ローンを比較する際は、特約の種類をそろえるとわかりやすいでしょう。 団体信用生命保険は、基本的に年齢や性別による保険料の違いはありません。一方で、医療保険やがん保険で保障を確保しようとすると、年齢が高くなるほど保険料が割高になるため、借入時の年齢が上がれば上がるほど団体信用生命保険による保障が有利に働きます。 住宅ローンの比較ポイント5:口座開設の手間、返済のしやすさ 住宅ローンでは、他の金融機関の口座を返済口座に指定できないことが多いため、口座を持っていない場合は新たに口座開設が必要になります。 マイホームを購入するときはやることが多いので、金利差が小さい場合はすでに口座を持っている金融機関で住宅ローンを借りるのも一つの考え方です。取引の実績があれば、金利優遇などを受けられる可能性もあります。 ただし、口座開設の手続きはアプリ上で完結するなど、短時間で済むこともあります。また、他の金融機関から手数料無料で返済口座に資金移動ができたり、他行の口座を返済口座に指定できたりする銀行もあります。 住宅ローンを選ぶときは、口座開設の手間や返済のしやすさについても比較しましょう。 まとめ 上記で紹介した5つのポイント以外にも、住宅ローンを利用すると、特典を受けられることがあります。たとえば、金融機関によっては、振込手数料やATM手数料が一定回数まで無料になります。また、新たな借り入れの際に金利優遇が適用されることもあります。住宅ローンの特典内容は金融機関によって異なるので、どのような特典を受けられるかも確認しておくといいでしょう。 住宅ローンは、比較するポイントを明確にすると選びやすくなります。ただし、希望条件をすべて満たす住宅ローンがあるとは限らないので、何を重視するか優先順位をつけることが大切です。マイホームを購入するときは、今回紹介したポイントを参考に住宅ローンを比較してみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンの返済額を計算する方法とは?金利と利子の違いを解説 住宅ローンを借りるとき、「金利が低いかどうか」が気になる人は多いと思います。一方で、その金利を用いてどのように住宅ローンの返済額が決まるのかまで正しく理解できている人は、意外に少ないかもしれ...記事を読む

  • 5つの活用事例を紹介~リースバック編~

    リースバックの5つの活用事例

    リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金の確保をはじめ、ローン返済や相続対策など、さまざまな場面で活用できます。この記事では、リースバックの活用事例を5つ紹介します。 ①定年後の生活資金の不安を解決した事例 Aさんの状況 年代・職業70代男性・法人代表者 物件種別戸建 借入状況残債500万円(事業用ローン) 月返済額10万円 Aさんは事業を営んでいますが、年齢的に「仕事を長く続けることが難しい」と感じるようになりました。しかし、事業用ローンがまだ500万円残っており、「早めにローンを返したい」という悩みがあります。 そこでAさんはリースバックで自宅を売却し、事業用ローンを完済することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下のとおりです。 売買価格1,750万円 家賃12万円 手元資金1,250万円 Aさんは売却代金で、無事に事業用ローンを完済することができました。毎月の支出は2万円増えたものの、手元に1,000万円以上の資金を確保でき、老後の生活資金に関する不安も軽減されました。 関連記事はこちら老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット ②住宅ローン返済の不安を解決した事例 Bさんの状況 年代・職業60代男性・アルバイト 物件種別マンション 借入状況残債1,500万円(住宅ローン) 月返済額(管理費等含む)12.5万円 Bさんは勤めていた会社を定年退職し、アルバイトを始めました。会社員時代に比べて収入は大幅に減少しており、住宅ローンや管理費などの支払いを負担に感じています。少しでも返済負担を軽減したいと考えていますが、新居探しや引っ越しが負担であることや、住み慣れた生活圏を変えたくないため、できれば引っ越しはしたくありません。 そこでリースバックを活用し、自宅マンションを売却することにしました。 リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下のとおりです。 売買価格1,600万円 家賃8.6万円 手元資金100万円 Bさんは売却代金で、住宅ローンを完済することに成功しました。また、運営会社と交渉したところ、売買価格を抑えることで家賃を下げることができたため、毎月の支出を約4万円減らすことができました。 関連記事はこちら住宅ローン残債がある物件はリースバックを利用できない? ③相続トラブルの不安を解決した事例 Cさんの状況 年代・職業80代女性・無職 物件種別マンション 借入状況残債なし 月返済額(管理費等含む)5.3万円 Cさんは2年前に夫を亡くし、自宅マンションでの一人暮らしです。住宅ローンなどの残債はなく、住居費用は管理費や修繕費用のみのため、貯金と年金で生活に必要な資金は確保できています。しかし、自分が亡くなった後の相続について心配しています。 Cさんは親の自宅に関する相続トラブルを経験しており、子どもたちには同じ思いをさせたくないと考えています。解決策を模索していたところ、知人からリースバックを紹介され、マンションを売却することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下のとおりです。 売買価格1,800万円 家賃11.5万円 手元資金1,800万円 不動産を現金化すれば、複数の相続人に財産を分配しやすくなるので、不動産に関する相続トラブルを回避できます。 また、生前に必要な金額をシミュレーションすることで、家賃を無理のない金額に抑えながら十分な手元資金を確保できました。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 ④離婚による財産分与のトラブルを解決した事例 Dさんの状況 年代・職業50代男性・会社員 物件種別マンション 借入状況残債2,000万円(住宅ローン) 月返済額(管理費等含む)16万円 会社員のDさんは妻と離婚することになりましたが、財産分与に関する話し合いがまとまっていません。というのも、Dさん所有のマンションは住宅ローンが残っており、Dさんは売却を考えていましたが、子供の学区の問題などから妻と子は同じ家に住み続けることを希望しています。 そのため、住宅ローンを完済しながらも妻と子が同じ家に住み続けることのできるリースバックを活用し、マンションを売却することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下のとおりです。 売買価格2,800万円 家賃12万円 手元資金800万円 Dさんは売却代金で住宅ローンを完済し、妻を賃借人とすることで、お互いが納得する形で離婚による財産分与の問題を解消することに成功しました。また、毎月の支払負担を減らしたいという希望もあったため、運営会社と条件について話し合い、相場賃料よりも低い金額で借りることができました。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い? ⑤自宅の住み替え時の難題を解決した事例 Eさんの状況 年代・職業40代男性・会社員 物件種別マンション 借入状況残債3,000万円(住宅ローン) 月返済額(管理費等含む)15万円 会社員のEさんは、現在住んでいるマンションが手狭になったため、住み替えを検討しています。しかし、自宅の住宅ローンの残債が大きく、融資の面から先に新たな物件を購入するのが難しい状況です。 そこで、自宅を売却した後に物件を探すことを検討します。通常の不動産売買では引っ越しが必要になるため、リースバックを活用することにしました。リースバック運営会社から提示された条件と手元に残った資金は以下のとおりです。 売買価格3,500万円 家賃15万円 手元資金500万円 自宅の売却代金で、住み替えの重荷となっていた住宅ローンを完済することができました。また、現在の自宅に住み続けながら、余裕をもって物件選びができるようになりました。 関連記事はこちら住み替えにリースバックを利用するメリットを解説 まとめ リースバックは老後資金の確保だけでなく、資金調達やローン返済、相続対策など、さまざまな活用方法があります。今回紹介した5つの事例を参考に、リースバックの活用を検討してみましょう。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

  • 住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点

    住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点

    住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借りて既存の住宅ローンを一括返済することです。現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を減らせる可能性があります。 ただし、住宅ローンの借り換えは諸費用がかかるため、必ず効果が出るとは限りません。金利やローン残高、返済期間といった諸条件によっては損をするケースもあるため、住宅ローンを借り換えるべきかを冷静に見極めることが大切です。 この記事では、住宅ローンの借り換えで忘れてはいけない注意点について説明します。 借り換えの効果が期待できないケースがある 住宅ローンの借り換えを検討するときは、総返済額だけに注目しないことが大切です。借り換えによって総返済額が減少したとしても、諸費用を合算して考えると、実際には総返済額がほとんど変わらない、または損をするケースもあります。 一般的に、住宅ローンの借り換え効果が期待できる目安は以下のとおりです。 金利差1.0%以上 ローン残高1,000万円以上 残存返済期間10年以上 これら3つの条件に当てはまる場合は、借り換えを検討してみるといいでしょう。住み替えの予定があるなど完済までの期間が短い、または借り換え前と後の金利差が小さい場合は、住宅ローンの借り換え効果は期待できません。 住宅ローンの借り換えには諸費用がかかる 住宅ローンの借り換えを検討する際は、どのような諸費用がかかるかを理解しておくことが大切です。借り換えでかかる主な諸費用をまとめました。 完済にかかる費用:繰り上げ返済手数料、抵当権抹消登記費用など 借入にかかる費用:保証料、事務手数料、抵当権設定費用、印紙税など 既存の住宅ローンを完済するときは、繰り上げ返済手数料や抵当権を抹消するための費用がかかります。また、新たに借りる住宅ローンについては、保証料や事務手数料、抵当権の設定費用などが必要です。 住宅ローンに関する各種手数料は、金融機関によって異なります。また、店頭とインターネットのどちらで手続きするかによって、手数料が変わることもあります。 借り換えにかかる諸費用が高額になると、費用を回収するまでに長期間かかるので注意しましょう。 諸費用を組み込んで借り換えをすると元金が増加する 住宅ローン借り換えの諸費用を準備できないときは、諸費用を組み込んで借り換えをすることも可能です。すべての諸費用をローンに組み込めるとは限りませんが、準備するお金は少なく済みます。 ただし、諸費用を組み込むと元金が増加し、諸費用を別途支払うより月々の返済額や総返済額が増えてしまうため、結果として借り換え効果が小さくなります。 金利などの諸条件によっても変わりますが、基本的には諸費用を元本に組み込まずに借り換え・返済する計画を立てましょう。 住宅ローンの借り換えをうまく利用するには 住宅ローンの借り換えをうまく利用するには、借り換えによって得られる効果やリスクをはっきりさせることが大切です。具体的には、以下の3点について検討しましょう。 将来的な住み替えの可能性は? 将来的に現在の持ち家を売却して、別の家に住み替える可能性はないでしょうか。住み替えの予定があるなら、あと何年住んだら借り換えのメリットが出るのかを試算しておきましょう。退職金などの臨時収入で早期に完済した場合も借り換え効果が少なくなります。 具体的な予定がなくても、子どもが独立して夫婦二人の生活になれば、現在よりコンパクトな物件に住み替えたいと考えるかもしれません。 ライフスタイルの変化に対応できるように、住み替えや早期完済の可能性を考慮して住宅ローンの借り換えを検討することが大切です。 毎月の返済額の軽減効果は? 住宅ローンの借り換えを検討するときは、毎月の返済額の軽減効果も判断材料となります。毎月の返済軽減額と借り換えにかかる諸費用を比較し、何年で諸費用を回収できるかを試算しましょう。 実際に計算をしてみると、予想以上に諸費用の回収に期間がかかることもあります。最終的には総返済額を減らすことができても、一時的に手元資金が不足して急な出費に対応できなくなる恐れがあるので注意が必要です。 諸費用を含めた総返済額の軽減効果は? 諸費用を含めて総返済額の軽減効果を得られないと、住宅ローンの借り換えを行うメリットはありません。「元々の総返済額」と「借り換え後の総返済額+諸費用」を比較し、どれだけ返済負担が軽減できるのかを確認しましょう。 住宅ローンの借り換えでは2つの金融機関と同時やり取りする必要があり、手続きも煩雑で時間と手間がかかります。「労力に見合った借り換え効果を得られるか」という視点で、借り換えを行うか判断するといいでしょう。 まとめ 持ち家で住宅ローンを返済している場合、新しい住宅ローンに借り換えることで総返済額を軽減できる可能性があります。ただし、ここ数年の低金利の環境下に借り入れをした人にとっては、住宅ローンの借り換えでメリットが出せるケースはそれほど多くありません。 借り換えを行うか判断する際は、諸費用を含めて総返済額の軽減効果を得られるか見極めることが大切です。ホームページで「住宅ローンの借り換えシミュレーション」を提供している金融機関もあるので、借り換えを検討するときに活用してみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60...記事を読む

  • 任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説

    任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点を解説

    住宅ローンの返済が困難になって自宅を売却せざるを得なくなった場合、任意売却をすることで競売を回避できます。任意売却なら自分の意志で自宅を売却できるため、市場価格に近い値段で売却できる可能性があります。しかし、任意売却でも競売でも、自宅の売却後には新たに住む家を探す必要があります。 そこで、任意売却にリースバックを利用すれば、住宅ローンの返済に充てる資金を確保しながら、そのまま自宅に住み続けることが可能です。この記事では、任意売却にリースバックを利用するメリットや注意点について解説します。 任意売却とは 任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になったときに、債権者と債務者の間で合意し、担保不動産を売却することです。任意売却では通常の不動産売買と同じ方法で売却できるので、「経済的な事情を知られずに売却できる」「市場価格に近い値段で売却できる」といったメリットがあります。 関連記事はこちら競売を回避する「任意売却」とは?注意点や流れを解説 任意売却にリースバックを利用するメリット 任意売却にリースバックを利用するメリットは以下のとおりです。 売却後も自宅に住める 通常の不動産売却の場合は、売却後に自宅を手放すことになります。別に住む家を見つけて引っ越しが必要になるため、手続きに手間がかかり、引っ越し費用も用意しなくてはなりません。一方で、リースバックであれば、売却後も慣れ親しんだ自宅に住み続けることができます。引っ越しも不要のため、経済的にも利点があると言えるでしょう。 将来的に買い戻しができる リースバックで売却した不動産は、将来的に買い戻しができます。多くのリースバック運営会社では、買い戻しができる期間が定められています。任意売却後に仕事や経済状況が安定すれば、買い戻して再び自宅を所有することも可能です。 任意売却にリースバックを利用する注意点 任意売却にリースバックを利用する場合は、以下の点に注意が必要です。 売却価格が住宅ローンの残債を上回る必要がある 通常、リースバックの売却価格は単独で決まるものではなく、家賃とのバランスによって決まります。売却価格が安くなれば家賃も安くなる関係にあるため、通常はリースバック運営会社との調整が可能です。 しかし、任意売却では担保不動産を売却することで債務を返済しなければならないため、家賃を安くするために価格を下げようと思っても、金融機関(債権者)に認められなければ、リースバック運営会社が提示する売却価格で利用できるとは限りません。 売却価格が安くなる恐れがある リースバックでは、不動産の売却価格が市場価格の7割程度となるのが一般的です。そのため、仲介による不動産売却よりも売却価格が安くなる恐れがあります。また、リースバック運営会社は数が限られるため、通常の不動産買取業者への売却よりも価格が安くなる恐れもあります。 自宅に住み続けることにこだわりがなければ、仲介で売却するほうが自宅を高く売ることができるかもしれません。 リースバック以外の選択肢は? 住宅ローンの返済が困難になった自宅の所有権を手放したくない場合は、「親子間売買」という方法もあります。具体例として、親が住宅ローンを返済するのが難しくなったときに、そのまま住み続けるために親から子に自宅を売却するケースが挙げられます。 親子間売買の注意点は、売買価格と実勢価格の乖離が大きいと贈与とみなされて贈与税が発生する恐れがあることです。また、親子間売買は通常の不動産売買と同じ税金が発生し、譲渡益が生じる場合は所得税や住民税が課税されます。 関連記事はこちら不動産の親子間売買は難しい?デメリットと手続きについて解説 親子間売買で住宅ローンを組むのは難しい 親子間売買は金融機関の審査が厳しいので、住宅ローンを組むのが難しいです。加えて、不動産は高額であるため、購入資金を全額自己資金でまかなうのも現実的ではありません。 親子間売買の資金調達方法として、不動産担保ローンが挙げられます。不動産担保ローンは住宅ローンと比較して金利がやや高くなりますが、まとまった資金を長期間借りることができるので、選択肢のひとつとして検討してもよいでしょう。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 まとめ 住宅ローンの返済が厳しい場合は、任意売却としてリースバックを利用することで自宅に住み続けながら返済に充てる資金を確保することができます。一方で、通常の任意売却と比較して売却価格が安くなる恐れがあるのがデメリットです。 もし、リースバックを選択肢のひとつと考えるのであれば、まずはリースバックの仮査定を申し込み、売却価格の目安を把握しましょう。具体的な目安を知ることで、本当に自分がリースバックに向いているかどうかを判断しやすくなるのでおすすめです。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 住宅ローンの返済が厳しくなった人はどうすればいい?FPが解説

    コロナ禍が追加!自然災害債務整理ガイドラインとは?

    コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍で失業・収入減となり返済が困難になった人に適用される特則が加わったことによる変更点についても知っておきましょう。 住宅ローンを払えないときは延滞前に金融機関に相談を コロナ禍の影響で、2020年冬のボーナスは減額や支給がない企業も増えました。特に、中小企業への影響は大きく、飲食・観光含むサービス業などではボーナスどころか、会社の存続すら危ぶまれるところもあるようです。 コロナ禍による収入減や、ボーナス減・不支給で、住宅ローンの返済に苦しむ人はどうしたらいいのでしょうか。選択できる方法を考えてみましょう。 まず、最初のステップで絶対にやってはいけないのは、住宅ローンの延滞です。家計が厳しい、住宅ローンの返済ができないという場合は、とにかく金融機関へ相談に行きましょう。この段階では他の方法はありません。 関連記事はこちら融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説! 金融機関に相談して認められれば、返済期間を延ばしてもらう、しばらく利息だけの返済にしてもらうなどの方法が適用されます。ただし、返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)などの状況によっては適用されない場合もあるので注意が必要です。 フラット35では次のような選択肢がありますが、適用を受けるには一定条件もあります。 <フラット35の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長(最長15年、完済時の年齢上限80歳) 最長3年間、元金の支払いを据置いて利息だけ支払う(返済期間は変わらず) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 機構団信特約料が別払いならその支払いの猶予も可 出典)住宅金融支援機構「新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ」 民間の住宅ローンについては、金融機関によって対応が異なりますが、選択できる方法としては、次のようなもの挙げられます。ただし、現在の家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもありますので、個別に相談をして確認しましょう。 <民間の返済方法の変更メニュー> 返済期間の延長 返済猶予(一定期間、利息だけの支払いとする) ボーナス払いの見直し(ボーナス返済分を月払いに変更など) 金利タイプの変更(例:固定金利期間選択型→変動金利型) ※家計や返済負担率などの状況によっては、適用されないケースもある 例えば、残債2800万円の住宅ローン(詳細条件は下記のとおり)で、条件変更や返済猶予が受けられた場合、どれくらい軽減されるかを試算したものです。 <現在のローン> 残債2800万円 毎月返済額(ボーナス払い分)82,782円(191,016円) 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなしに変更した場合 残債2800万円 毎月返済額100,780円 残返済期間28年 全期間固定金利1.4% ボーナス払いなし&変動金利0.5%に変更した場合 残債2800万円 毎月返済額89,321円 残返済期間28年 変動金利0.5% ボーナス払いなし&変動金利&返済期間を5年延長した場合 残債2800万円 毎月返済額76,716円 残返済期間33年 変動金利0.5% 住宅ローンの返済が苦しくなったときの最初の方法としては上記のようなものとなりますが、あくまでも一時しのぎにすぎません。これによって時間を稼いでいる間に、家計や収入の立て直しを図ることがマストです。それが難しい場合は、後述する売却などの手段を検討することになります。 関連記事はこちら自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説 住宅ローンを払えず延滞し続けるとどうなる? 最初の段階で延滞してはいけないと前述しましたが、もしも延滞してしまったらどうなるのかについても知っておきましょう(金融機関によっても異なる場合があるので、実際には借りている金融機関で確認を)。 延滞1カ月 延滞をしてしまうと、返済する予定だった住宅ローンの元金部分に遅延損害金が発生します(遅延日数分)。さらに、金融機関によっては金利優遇が受けられなくなることもあり、店頭金利の適用となって返済額が大きく増加する場合もあります。 延滞2~3カ月 金融機関から催告書や督促状が届き、延滞損害金の請求もあります。 延滞4~6カ月 金融機関から、「期限の利益の喪失」に関する通知が届き、住宅ローン債務の一括返済を求められます。保証会社を利用している住宅ローンでは、保証会社が金融機関に対して「代位弁済」し、以降は保証会社から請求されます。 *延滞3カ月超は信用情報機関に載り、一定期間、借入れやクレジットカードの使用などが制限される可能性もあります。 延滞7~12カ月 住んでいたマイホームは任意売却(残債がある状態で抵当権を解除しての売却)をしたり、競売にかけられたりします。 関連記事はこちら競売を回避する「任意売却」とは?注意点や流れを解説 競売や任意売却をしても住宅ローンが完済しきれずに残ってしまうと、その債務を返済しながらの生活になってしまいます(無担保ローンで高金利)。これを解消できるよう、後述する「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」がコロナ禍も対象とする特則もできました。 住宅ローンを払えないときの対処法は? コロナ禍で住宅ローンの返済が困難な状態にあり、返済猶予などをしても収入回復のメドが立たないという場合もあるでしょう。その場合は、傷が深くなる前に、売却など別の方法を検討する必要があります。 最も避けなくてはいけないことが、一時しのぎで高金利のカードローンやキャッシングなどに手を出す行為です。 どうしても、今後3カ月から半年以内に家計や収入の立て直しが難しいときは、家計のダメージが広がらないうちに住宅を手放すことを考えましょう。自主的な売却の方が競売よりも高く売れる可能性が高いです。ただし、有利に売却しようと考えたら、時間がかかります。不動産業者の直接買い取りだと早めに売れますが、価格は2~3割程度安くなります。 なお、自宅を売却してもそのまま住み続けたい場合にはリースバックという選択肢もあります。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 「自然災害債務整理ガイドライン」にコロナ禍が加わった 最後に1つ、重要な変更点を押さえておきましょう。 「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」に、新型コロナウイルス感染症の影響で失業や収入減となり住宅ローンの返済が困難になった人に適用される特則ができ、2020年12月1日から適用となりました。 この特則は、住宅ローンを借りている人が、債務免除を受けて、生活再建を行うことを目的としています。自己破産等の法的倒産手続きではなく、特定調整手続きを活用した債務整理による債務免除を行うことで、信用情報に登録されることもありません。 対象となるのは、2020年2月1日以前からの債務(住宅ローンやその他のローンが幅広く含まれる)に加え、2020年10月30日までに新型コロナ対応のために負担した債務です。 関連記事はこちらコロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介! 特定調停手続で債務整理をした場合は、以下のようなメリットを受けながら、対象債務の減免が受けられます。 特別定額給付金などの差押禁止財産に加え、財産の一部を手元に残せる 信用情報登録機関に登録されないので、その後の借入の可能性を残せる 弁護士、不動産鑑定士など専門家の支援が無償で受けられる 一定の財産を残しつつローンの減額や免除を受けることができ、住宅を手放さずに、住宅ローン以外のローンだけを減免する方法もあるようです。 簡易裁判所の特定調停手続を行う必要がありますが、弁護士などの登録支援専門家が必要な書類の作成や債権者との協議などの手続を無償で支援してくれます。利用するには、最も借入残高が多い債権者から、制度利用の同意を得た上で弁護士などに手続支援を依頼します。こうした制度も上手に活用しましょう。 出典)自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて リースバックの仮査定はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。 任意整理完済後は住宅ローンが借りれない!ではどうする? 借金の返済が出来なくなってしまった場合など、任意整理をすれば返済負担を軽減できる可能性があります。しかし、任意整理はどのように行うのか、任意整理をした場合に自宅などの所有資産がどうなるか気に...記事を読む

  • リースバックとリバースモーゲージの違いを徹底解説

    リースバックとリバースモーゲージの違いとは

    近年、まとまった老後資金を確保する手段として「リースバック」や「リバースモーゲージ」が注目されています。もし、まとまった老後資金の確保を目的として利用を検討する場合には、リースバックとリバースモーゲージの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。 この記事では、リースバックとリバースモーゲージの違いと、どちらが自分に向いているかを判断する基準について解説します。 リースバックとリバースモーゲージの概要 リースバックの概要 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結して毎月家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックは不動産取引であるため、基本的に年齢制限や年収基準、家族の同居制限はありません。また、賃借権は相続されるので、契約者にもしものことがあっても配偶者は住み続けられます。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リバースモーゲージの概要 リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に相続人が自宅の売却もしくは現金一括で元本を返済します。一般的なローンとは異なり、毎月の支払いは利息のみなので、月々の返済額を抑えられるのがメリットです。 ただし、元金は据え置きなので、長生きするほど利息負担が増えるリスクがあります。また、自宅の売却代金よりローン残債の方が多かった場合、残った債務が相続人に引き継がれることがあります。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 リースバックとリバースモーゲージの共通点と違い リースバックとリバースモーゲージの共通点 まず、リースバックとリバースモーゲージの共通点は以下のとおりです。 不動産を活用した資金調達方法 不動産を売却する商品・サービス リースバックとリバースモーゲージは、自宅を活用して資金調達できるのは同じです。タイミングは異なりますが、どちらも最終的には自宅を売却するため、相続後に不動産が残らないのも共通点です。 リースバックとリバースモーゲージの違い リースバックとリバースモーゲージは不動産を活用して資金を調達できるという点から似ていると感じるかもしれませんが、リースバックは不動産売買+賃貸借契約、リバースモーゲージは不動産担保融資であり、その特徴や仕組みは大きく異なります。 具体的には、以下のような違いがあります。 所有権移転のタイミング 資金の受け取り方(売却と融資) 月々の支払い(家賃と利息) リースバックは、自宅を売却して賃貸に切り替えた時点で所有権は運営会社に移転します。それに対して、リバースモーゲージは債務者の死亡後、自宅を売却して元本を返済する仕組みなので、債務者が生きている間は自宅の所有権は移転しません。 また、リースバックは売却資金を受け取り、その後は毎月家賃を払うのに対し、リバースモーゲージは融資金を受け取り、毎月利息を払う点も異なります。 リバースモーゲージと比較したリースバックのメリット リバースモーゲージと比較したリースバックのメリットは以下の4つです。 誰でも利用できる リースバックは不動産売却なので、基本的に与信面で断られることはありません。また、年齢制限や年収基準がないので、持ち家があれば高齢者でも利用しやすいでしょう。 一方で、リバースモーゲージは自宅を担保とした融資であるため、金融審査があります。年齢制限や年収基準が設定されていることが多く、一定の収入がないと与信面で否決される可能性があります。 ローンを完済できる リースバックは不動産売却なので、住宅ローンが残っていても売却資金で完済できます。ただし、売却資金が住宅ローンの残債を上回る必要がある点には注意が必要です。 一方で、リバースモーゲージは融資なので、ローンが残っている状態がずっと続きます。毎月の支払いは利息のみですが、市場金利が上昇すれば、毎月の返済額が増えて支払いが困難になる可能性があります。 相続対策になる リースバックは自宅を売却して現金化するため、相続時に財産分与しやすいのがメリットです。特に複数の相続人がいる場合、自宅をどのように分けるかを考える必要がないので、相続問題を回避しやすくなります。 一方で、リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みですが、売却資金がローン残債より少ない場合、残った債務は相続人に引き継がれます(リコース型の場合)。ノンリコース型なら債務が残っても相続人に返済義務は生じませんが、リコース型に比べて適用金利が高い傾向にあります。 持ち家の所有リスクを移転できる リースバックで自宅を売却すれば、持ち家の所有リスクを移転できます。そのため、自宅の維持管理のためのメンテナンスコストが不要である点や、突発的な地震や台風といった自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用は運営会社が負担してくれるので安心です。 一方で、リバースモーゲージは、資金調達後も持ち家であることに変わりはないので、メンテナンスコストや建物に被害が出たときの修繕費用は自身で負担しなくてはなりません。住まいに関する資金も借り入れする事ができますが、借入金が膨らんでしまう点には注意が必要です。 リバースモーゲージと比較したリースバックのデメリット 一方で、リバースモーゲージと比較したリースバックのデメリットは以下の2つです。この2つのデメリットを考慮したうえで、どちらがいいかを判断しましょう。 所有権を手放すことになる リースバックを利用する場合は自宅を売却するので、所有権を手放すことになります。所有権を手放せばその家は自分のものではなくなり、自由にリフォームを行うこともできなくなります。 一方で、リバースモーゲージは資金調達後も持ち家であることに変わりはないので、自由にリフォームを行うことができます。 自宅を相場より安い金額で売却してしまう リースバックを利用した場合、自宅の売却価格は相場の7割程度となってしまいます。そのため、売却価格にだけ着目すると、リースバックは取引時点で損失を確定することになります。 一方で、リバースモーゲージの場合、リバースモーゲージを利用することが自宅の売却価格に影響を及ぼすことはありません。ただし、最終的に自宅を売却するまでに価値が下がり、結果的に損失が出る場合もあるので注意しましょう。 まとめ リースバックとリバースモーゲージを比較すると、利用しやすさや相続対策、所有リスクを移転できる点などはリースバックの方が優れています。しかし、自身の状況によっては必ずしもリースバックがいいとも限りません。 リースバックとリバースモーゲージのどちらを利用すべきか悩んでいる場合は、専門家や金融機関に相談するのも有効です。両者の違いを十分に理解したうえでどちらを利用すべきかを判断しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックと不動産担保ローンの違いとは リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適...記事を読む

  • 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるようになるかもしれません。この記事では、老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリットを紹介します。 メリット①:老後資金を確保できる 持ち家があって老後の生活費が足りない場合、通常は自宅の売却を検討するのではないでしょうか。しかし、自宅を売却すると転居先を決めたり、引っ越しの手間や費用が発生したりします。また、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいのであれば、リースバックも選択肢のひとつとなるでしょう。 リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。また、住宅ローンの返済が苦しくて老後資金を貯められない場合も、リースバックの売却資金で住宅ローンを一括返済すれば、家計収支を改善できます。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) メリット②:相続問題が解決される リースバックは、複数の相続人がいる場合に、相続問題を解決する手段としても利用できます。不動産は実物資産であるため、複数の相続人がいる場合は簡単に分けられません。相続資産の大部分を自宅が占める場合、財産をどのように分けるか折り合いがつかず、相続争いが起こることもあります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、所有権がリースバック運営会社に移転するため、自宅をどう分けるかを考えなくて済みます。特に相続財産が自宅と預貯金のみの場合、不動産を現金化すれば相続財産は預貯金のみとなるので、均等に分配しやすくなります。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 メリット③:固定費の増加要因や突発的な支出がなくなる 老後の家計収支を安定させるには、固定費を下げたり、突発的な支出を減らしたりすることが大切です。 持ち家の場合、家賃を払う必要はありませんが、固定資産税がかかります。また、マンションなら、管理費や修繕積立金の支払いも必要です。他にも、設備の故障などで急にまとまった支出が発生する可能性もあるでしょう。 そのようなときにリースバックで賃貸に切り替えて、毎月一定額の家賃を払うようにすれば、家計管理がしやすくなります。また、固定資産税や管理費・修繕積立金がなくなり、家賃のみの支払いになるほか、老朽化などで設備が故障した場合の費用がオーナー負担となるのも安心材料です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 メリット④:自然災害リスクを減らせる リースバックで自宅を売却して賃貸に切り替えれば、自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用などはリースバック運営会社が負担してくれます。しかし、持ち家の場合は、修繕や建て替えにかかる費用は自分で負担しなくてはなりません。 持ち家の場合には火災保険や地震保険に加入することで備えることもできますが、保険に加入していても、保険金で費用を全額カバーできず、持ち出しが発生する場合があります。また、災害などで住むことができない状態になったとしても、住宅ローンが残っている場合、基本的にローン返済は免除されません。 近年では、地球温暖化の影響により、台風や洪水などの自然災害リスクが高まっています。また、日本は地震大国でもあり、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大地震も発生しているので、楽観視できないでしょう。そのため、自宅に住み続けながら自然災害リスクに備えたいなら、リースバックは有効な手段となるでしょう。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 老後のリースバックに関するよくあるご質問 老後にリースバックを利用するにあたり、よくあるご質問を3つ紹介します。 Q. リースバックを利用した後、ずっと住み続けられますか? リースバックの賃貸借契約には、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。定期借家契約の場合は再契約できる保証がなく、2~3年の契約期間満了後に退去しないといけなくなる恐れがあります。できるだけ長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選ぶと安心です。 Q. 毎月の家賃を安くすることはできますか? リースバックの家賃は売却価格と家賃のバランスで決まり、売却価格が安くなると家賃も安くなります。そのため、運営会社と交渉して売却価格を抑えることで、周辺の賃料相場より家賃をかなり安く設定することも可能です。ただし、売却価格を抑えすぎると調達できる資金が少なくなります。リースバックの家賃を安くしたい場合は、売却価格とのバランスを検討してから交渉しましょう。 Q. 配偶者が契約を引き継ぐことができますか? 自宅をリースバックで売却した場合、残された配偶者が契約者である夫(妻)が死亡した後も住み続けられるか気になるのではないでしょうか。賃貸借契約は相続の対象になるため、夫(妻)の死亡後も配偶者が契約を引き継ぐことが可能です。念のため、運営会社に契約を引き継げるかを確認しておくと安心です。 デメリットは「家を遺せないこと」 リースバックの最大のデメリットは、家を遺せないことにあります。自宅の所有権が運営会社に移転してしまうので、子供に家を遺したい場合は、リースバックを利用すべきではありません。 家を遺すことにこだわりがなければ、老後資金や相続問題など、自身の抱えている悩みがリースバックによって解決できるのかどうかを考えてみましょう。ご自身で判断が難しければ、専門家に相談してみるのもおすすめです。 まとめ 「家を遺せない」というデメリットを許容できるのであれば、老後のリースバックはいくつかの問題を解決する選択肢となります。持ち家があり、老後資金や相続、自然災害などの不安を抱えているなら、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • リースバックの家賃設定を解説!家賃が高いというのは本当か?

    リースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い?

    リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられる商品です。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金を確保したい高齢者を中心に利用者は年々増加しています。 その一方で、リースバックは「家賃が高い」と言われることもあります。家賃を払い続けられるか心配で、リースバックを利用するか迷っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、リースバックの家賃が高いと言われる理由と家賃を安く抑える方法について解説します。 リースバックの家賃はどう決まる? 家賃の計算方法 リースバックの家賃は、不動産の売却価格と期待利回り、周辺の家賃相場などによって決まります。具体的な家賃は、以下の計算式で求められます。 家賃(月額) = 売却価格 × 期待利回り ÷ 12ヵ月 つまり、期待利回りが一定であれば、不動産の売却価格が安くなるほど家賃も安くなり、売買価格が同じだったとしても期待利回りが低ければ家賃も安くなる、ということです。 期待利回りとは 期待利回りとは、物件の売却価格に対する年間賃料の割合を表す数値です。例えば期待利回りが5%というのは、年間賃料が売却価格の5%である、ということを表します。期待利回りは物件種別や築年数、運営会社の運営方針、財務状況によって変わります。 運営会社によっては、売買価格は相対的に高くとも、家賃が周辺の賃料相場より高いこともあるかもしれません。反対に、運営会社によっては、利回りを低く設定し、家賃が周辺の賃料相場より低いこともあるかもしれません。 リースバックは「家賃が高い」と言われる理由 リースバックは一般的な不動産賃貸とは異なり、周辺相場で家賃が決まるわけではなく、不動産の売却価格などが考慮されます。売買価格によっては、家賃が相場よりも高く設定されることもあるため、「リースバックは家賃が高い」というイメージがあるのかもしれません。 例えば、「住宅ローン残高の多い物件」や「競売を申立てられた物件」は、売却価格を高くせざるを得ないため、家賃が賃料相場より高くなることが多いでしょう。なぜなら、リースバックを利用するには、運営会社が買取をするために、住宅ローン借入のために設定されている抵当権の抹消が必要だからです。 どうしたらリースバックの家賃を安くできるのか 上述のように家賃を決める際には、売却価格と期待利回りが要因となります。つまり、売却価格を下げ、期待利回りの低い運営会社を選定する事が家賃を安く抑える方法です。 そのため、家賃だけに焦点を当てるのであれば、複数の会社に査定を出して期待利回りの低い会社を選定した上で、売却価格を下げることで家賃を最も安くすることが有効でしょう。ただし、運営会社の方針によっては交渉に必ずしも応じてもらえるとは限りません。そのため、価格や家賃の相談に乗ってもらえるかを確認してみましょう。 リースバックで家賃が安くなった事例を紹介 ここでは、リースバックで家賃が家賃相場より安くなった事例を2つ紹介します。 事例① Aさんは、急遽まとまったお金が必要になりました。持ち家(マンション)を所有していますが、家族がいるため、できれば引っ越しはしたくありません。そこでリースバックの利用を検討していました。運営会社との面談で「なるべく家賃を安くしたい」という希望を伝えたところ、以下の条件を提示され、契約に至りました。 物件エリア江戸川区 物件種別区分マンション 築年数・間取り18年、3LDK 売却価格3,400万円 家賃相場20.3万円/月 家賃18万円/月 Aさんの場合、5,000万円ほどで借り入れた住宅ローンの残高が2,000万円まで減っていました。マンションの売却価格は市場価格より安くなりましたが、家賃は相場より安く抑えることができたため、しばらくは引っ越しせずに暮したいと考えているようです。 事例② Bさんは、目先にまとまったお金が必要になったため、リースバックを検討していました。運営会社との面談で「家賃を安く抑えたい」「将来的に買い戻す可能性がある」という希望を伝えたところ、以下の条件を提示され、契約に至りました。 物件エリア横浜市保土ヶ谷区 物件種別戸建て 築年数・間取り15年、木造2階建て(延床面積150㎡) 売却価格1,950万円 家賃相場19.4万円/月 家賃13万円/月 家賃相場19.4万円に対し、家賃は13万円で、家賃は相場より5万円以上安くなりました。また、調達資金の一部を信用借り入れの返済に充てたことで、家計改善にもつながりました。 まとめ リースバックは「家賃が高い」というイメージがあるかもしれませんが、家賃は売却価格とのバランスで決まるため、売却価格を安く抑えることで家賃を安くできます。また、運営会社を比較したり、諸条件を交渉したりすることでも、家賃を安くできるかもしれません。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックにかかる税金と節税方法について解説 リースバックの利用を検討する中で、利用にあたってどのような税金が発生するのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。リースバックは不動産取引の一種であり、リースバックにかかる税金は不動産売却...記事を読む

  • 相続争いを生まないためのリースバックという選択肢

    相続争いを生まないためのリースバックという選択肢

    自宅を所有していると、老後も住み続けられる安心感がある一方で、相続に不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産は実物資産であるため、相続人が複数いると簡単に分けられません。また、相続財産の大部分を不動産が占める場合は、財産をどう分けるか折り合いがつかず、相続争いが生まれる可能性があります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、同じ家に住み続けながら相続争いを回避できます。この記事では、リースバックで相続問題を解決できる理由について説明します。 なぜ相続争いが生まれるのか 相続争いが生まれる理由はさまざまですが、その最たる例のひとつが不動産(自宅)に関連する理由です。たとえば、相続財産が不動産と預貯金のみで、不動産が占める割合が大きいと相続争いが生まれやすくなります。なぜなら、複数の相続人がいる場合、相続人全員が納得する形で財産を分けるのが難しいからです。 均等に財産を分けるという観点で考えれば、不動産は持分相続ができるので、1つの不動産を複数人で相続することも可能です。しかし、相続後にその不動産を1人の使用者が専有した場合には、相続人の間に不平等が生まれることになります。親族間で賃貸借契約を結んで適正な家賃を支払うことで平等に近い形に是正することは可能ですが、あまり現実的な方法とは思えません。 相続争いの具体例を紹介 不動産の相続の難しさがイメージできるように、具体例を1つ紹介します。相続財産が不動産(4,000万円)と預貯金(2,000万円)の合計6,000万円、相続人が配偶者と子2人のケースについて確認しましょう。法定相続分は配偶者が1/2、子はそれぞれ1/4です。相続財産は合計6,000万円なので、法定相続割合で分けると以下のようになります。 配偶者:3,000万円(6,000万円×1/2) 子(A):1,500万円(6,000万円×1/4) 子(B):1,500万円(6,000万円×1/4) また、法定相続割合で不動産と預貯金を均等に分割する場合、相続財産は以下のように分けられます。 配偶者:不動産2,000万円、預貯金1,000万円(合計3,000万円) 子(A):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 子(B):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 不動産に持分を設定することで、上記のように資産を均等に分けることができます。しかし、その不動産を配偶者のみが占有して利用する場合には、当然平等であるとは言えないでしょう。 リースバックで相続問題を解決できる理由 先程紹介したようなケースの場合、リースバックを利用することで相続問題を解決できます。リースバックとは、自宅を売却したうえで賃貸借契約を結び、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 相続争いを避けるために自宅を売却すると、通常は別の住居を探さなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。また、不動産を現金化することで、相続財産は預貯金のみとなるため、相続財産を均等に分配できます。 先ほどのケースで、リースバックを利用しており、不動産を2,800万円*で売却していた場合には下記のような遺産分割となります。 ※一般的にリースバックの買取価格は評価額の7割程度とされているため、4,000万円×70%=2,800万円としています。 配偶者:預貯金2,400万円 子(A):預貯金1,200万円 子(B):預貯金1,200万円 上述のとおり、相続財産が預貯金のみであれば、相続人同士でもめることなくスムーズに遺産分割ができるでしょう。加えて、もしその家に住み続けたい相続人がいた場合でも、賃貸借契約を承継し、自らが家賃を支払ってその家に住み続けることになるので、公平と言えます。 リースバックを利用するタイミング リースバックの利用は相続争いを無くすという点からは、生前に行うことが理想ですが、相続発生後であっても可能です。しかし、相続発生後に手続きをすると、相続税や所得税などの税金面で複雑化することや、持分相続の場合に共有者全員の同意が必要などの制限が発生します。 このような点から相続発生後のリースバック利用にも争いが生まれる可能性があり、相続発生後にリースバックを利用するのであれば、生前にリースバックを利用しておいた方が良いと言えるでしょう。 もう一つの選択肢としての不動産担保ローン 相続する不動産に長期的な視点で資産価値がある場合やその不動産への愛着が強いなどの理由で所有権を手放したくない場合には、不動産担保ローンを利用するといいでしょう。不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を金融機関に担保として差し入れるかわりにお金を借りられる融資方法の一つです。 そのため、相続財産である不動産を担保に融資を受けることで、相続人同士の金銭的な不平等を解決するための資金を用意することができます。 関連記事はこちら相続で不動産担保ローンを活用する4つの事例を紹介 Appendix:リースバックで相続税対策できる? 不動産の相続税評価額は、おおよそ実際に売却できる金額の7~8割程度の金額となるため、不動産を売却して現金化するよりも相続税を抑えることができると考えられます。そのため、一般的には資産を現金として持っておくよりも不動産として持っておく方が、相続税対策になると言われています。 一方で、リースバックは元々相場の7割程度の価格で売却する仕組みであり、運営会社と話し合って月々の家賃と売却価格も抑えることができる場合もあります。そうして手元に入る現金が、不動産の相続税評価額を下回るのであれば、相続税対策になることもあるでしょう。 まとめ 相続財産の大部分を不動産が占める場合、複数の相続人がいると相続争いが生まれる恐れがあります。しかし、リースバックを利用すれば、住む家を確保しながら財産を均等に分配できない問題を解決できます。自宅の相続に不安を感じているなら、リースバックを活用した相続対策も検討してみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • リースバックのよくあるご相談7選

    リースバックのよくあるご相談7選

    リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。老後資金を確保したい高齢者を中心に、リースバックの利用者は年々増加しています。 リースバックには興味があるものの、仕組みや特徴があまり理解できず、疑問や不安を感じている人もいるかもしれません。この記事では、リースバックでよくあるご相談とその回答をまとめて紹介します。 Q1. 住宅ローンが残っていても利用できますか? A. 住宅ローンが残っていても、リースバックは利用できます。 ただし、運営会社に自宅を売却するときには、通常の不動産売却と同様に住宅ローンの借り入れ時に設定されている抵当権を抹消する必要があります。 抵当権を抹消するには、リースバックで調達した資金で住宅ローンを一括返済しなければなりません。そのため、売却価格が住宅ローンの残高を上回っていないと、リースバックを利用するのは難しいでしょう。 一般的に、リースバックの売却価格は市場価格よりも安くなる傾向にあります。そのため、住宅ローンが残っていることでリースバックを利用できるか自身で判断できない場合は、運営会社に相談してみましょう。 関連記事はこちら住宅ローン残債がある物件はリースバックを利用できない? Q2. 売却した不動産を買い戻すことはできますか? A. リースバックで売却した不動産は、買い戻しができる場合が多いです。 リースバックの買い戻し価格は、当初の売却価格と買い戻し時点での市場価格とのバランスで決まります。ただし、一般的には買い戻し価格が売却価格よりも高くなるので注意が必要です。 一部の運営会社では、売却時に特約や売買予約契約を締結して、一定期間の買い戻し価格をあらかじめ決めておける場合もあります。運営会社によって買い戻しができる期間や買い戻し価格は異なるので、契約前に確認しておくことが大切です。 なお、買い戻しの希望がある場合には、後々の買い戻しに関するトラブルを避けるため、不動産売却の契約と同時に買い戻しに関する特約や契約を締結しておくようにしましょう。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 Q3. 早く資金が欲しいのですが、入金までにどれくらい期間がかかりますか? A. 一般的には、入金まで2週間~1か月程度かかります。 リースバックの契約までには、不動産の価値を評価するための実地査定や、保証会社、火災保険の手続きなども必要になるため、早くても2週間程度かかると考えておきましょう。 なお、リースバックには、運営会社が物件を買い取って貸主になるケースや、運営会社とは別の会社が物件を買い取って貸主になるケースなど、複数のケースが存在します。資金調達を急いでいる場合は、リースバック運営会社が直接買い取りを行う会社に相談して、最短でいつ入金されるかを確認するのがおすすめです。 関連記事はこちらリースバックの契約までの流れと必要書類、注意点を解説 Q4. 家賃の支払いを安く抑えることはできますか? A. 売却価格との相談次第では、家賃の支払いを安く抑えられる可能性があります。 リースバックの売却価格と家賃は、それぞれ単独で決まるわけではありません。家賃が安くなれば、その分売却価格も安くなるため、家賃と売却価格のバランスを確認して総合的に判断する必要があります。 そのため、リースバックを利用する際には、手元に確保したい資金と、毎月支払うことのできる家賃を踏まえた上で、売却価格を重視するのか、家賃を重視するのかを考えておきましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い? Q5. できるだけ長く住み続けることはできますか? A. 賃貸借契約を再契約、もしくは更新することで、長く住み続けることができます。 「定期借家契約」の場合、多くの運営会社が定期借家契約期間を2、3年程度と設定していることが多いです。しかし、賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」であっても、運営会社によっては、契約期間満了後に再契約に応じる場合もあります。 ただし、「定期借家契約」は確実に再契約をできるわけではありません。できるだけ長く住み続けたい場合には、借主の意向で契約の更新ができる「普通借家契約」が可能な運営会社を選ぶか、定期借家契約期間を最低限住み続けたい期間に設定できるかを確認しておくと安心です。 関連記事はこちらリースバックの退去について解説!強制退去させられることはある? Q6. 高齢で年金受給者なのでも利用できますか? A. 売却する不動産に一定の価値があれば、通常は高齢者や年金受給者でも利用できます。 リースバックは不動産売買契約と賃貸借契約が一体となったサービスであるため、融資商品とは異なり、年齢制限や収入の基準を設けていないことが多く、高齢であっても利用できる可能性は高いです。 ただし、賃貸借契約において、保証会社の審査で家賃の支払い能力がないとみなされれば、リースバックを利用できない恐れもあります。まずは運営会社に相談して、利用できるかを確認してみましょう。 関連記事はこちら老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット Q7. 手元資金がほとんどないのですが、費用はどれくらいかかりますか? A. リースバックでかかる費用は、売却する不動産の状況や運営会社によって異なります。 リースバックは不動産売買契約と賃貸借契約が一体となったサービスなので、それぞれの契約にかかる費用が発生します。しかし、サービス利用にかかる費用は不動産の売却価格で精算できるため、事前に手元資金を準備する必要はありません。 不動産売買契約にかかる費用は以下のとおりです。 仲介手数料:売却価格の3%+6万円 ※仲介の場合のみ 印紙代:1万円前後 抵当権抹消費用:2万円前後 ※抵当権の抹消がある場合のみ また、賃貸借契約にかかる費用は以下のとおりです。 敷金:家賃の1~2か月分程度 礼金:家賃の1~2か月分程度 更新料:家賃の1か月分程度 保証料:家賃の1か月分程度 火災保険料:数万円 リースバックの不動産売買契約にかかる費用は運営会社が仲介なのか、直接買い取りなのかによって大きく変わります。 賃貸借契約にかかる費用は、敷金や礼金、更新料などの費用のほか、火災保険料や事務手数料などの費用がかかります。敷金や事務手数料などの費用が無料の会社もある一方で、30~50万円程度の事務手数料を請求される場合もあります。 運営会社によっては、上記記載の費用以外にも手数料がかかる場合もあるので、どんな費用がいくらかかるかを必ず確認しておきましょう。併せて、リースバックにかかる税金についても把握しておけば、費用に関する悩みは解消できるでしょう。 関連記事はこちらリースバックにかかる税金と節税方法について解説 まとめ この記事では、リースバックでよくある一般的な相談とその回答を紹介しました。リースバックは運営会社によって対応が異なる部分もあるため、複数の運営会社を比較、検討したうえで契約する会社を選ぶことが大切です。リースバックを検討しているなら、まずは運営会社に相談して疑問や不安を解消しておきましょう。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

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