住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • 終身建物賃貸借契約とは?メリット・デメリット、普通建物賃貸借契約との違い、手続き方法を分かりやすく解説

    終身建物賃貸借契約とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説

    終身建物賃貸借契約は、高齢者が安心して賃貸住宅に居住できる仕組みです。老後も賃貸暮らしを続けるなら、終身建物賃貸借契約に対応している賃貸住宅も選択肢のひとつです。この記事では、終身建物賃貸借契約の概要やメリット・デメリット、手続きの流れについて解説します。 終身建物賃貸借契約とは? 終身建物賃貸借契約とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者単身・夫婦世帯等が終身にわたり安心して賃貸住宅に居住することができる仕組みとして、借家人が生きている限り存続し、死亡時に終了する相続のない一代限りの借家契約です。 賃借人は生涯同じ家で安心して生活でき、一代限りの契約であるため、死亡時に相続は発生しません。基本的に入居できるのは60歳以上に限られます。ただし、60歳以上の配偶者との同居であれば、60歳未満でも入居ができます。 なお、終身建物賃貸借契約をするには、対象となる不動産が都道府県知事の認可を受けている必要があります。また、賃貸住宅が一定の基準に適合していることも要件です。 出典)東京都住宅政策本部「終身建物賃貸借制度」 終身建物賃貸借契約のメリット 終身建物賃貸借契約のメリットは以下のとおりです。 死亡するまで住み続けられる 終身建物賃貸借契約は契約期間が終身であるため、賃借人が死亡するまで同じ家に住み続けられ、賃貸人からの解約は、原則以下のとおりです。 老朽や損傷などにより、住宅を維持できない場合 入居者が長期にわたり居住しておらず、住宅の管理が困難な場合 入居者に不正行為や公序良俗に反する行為、事実が判明した場合 中途解約は基本的に都道府県知事の承認が必要です。それに加え、6か月前に入居者に対して解約の申入れを行わなければならず、急に賃貸人から退去を求められることが少ない点も安心です。 なお、老人ホームへの入所や親族との同居などの理由で居住できなくなった場合は、1ヵ月前に申入れを行うことで、賃借人からの解約が可能です。 契約終了後の手続きが簡単 終身建物賃貸借契約は、賃借人の死亡によって契約が終了します。相続が発生せず、契約終了の手続きが不要のため、相続人に迷惑をかけずに済みます。同居配偶者は、賃借人の死亡を知った日から1ヵ月以内に申し出れば、引き続き居住が可能です。 バリアフリーの要件を満たしている 終身建物賃貸借契約の対象不動産は、一定のバリアフリー基準を満たしています。「段差のない床」「浴室等の手すり」などが備わっており、高齢者にとっては住みやすいでしょう。 高齢者でも家を借りられる 一般的な賃貸住宅では、健康面や金銭面の不安から高齢者の入居を敬遠するケースもあります。それに対し、終身建物賃貸借契約は、高齢者が生涯にわたって賃貸住宅に居住できる制度であるため、高齢を理由に入居を断られる心配がありません。 更新料がかからない 普通建物賃貸借契約では契約期間が定められており、契約更新の際に家賃1ヵ月分の更新料がかかるのが一般的です。一方、終身建物賃貸借契約は契約期間が終身のため、更新料はかかりません。同じ家に長く住む場合は、住居費の負担軽減が期待できます。 終身建物賃貸借契約のデメリット 終身建物賃貸借契約には、以下のようなデメリットもあります。 事前に認可されている不動産でないと利用できない 終身建物賃貸借契約を利用できるのは、都道府県知事から認可を受けた不動産に限られます。認可されている不動産はまだ少ないので、住みたいエリアに終身建物賃貸借契約に対応した物件がない可能性もあります。 同居配偶者や60歳以上の親族以外は入居できない 終身建物賃貸借契約は、賃借人や同居人に一定の制限があります。賃借人は、基本的に60歳以上の高齢者に限られます。また、同居配偶者や60歳以上の親族以外は入居できないので注意が必要です。 終身建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約、定期建物賃貸借契約の違い 終身建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約、定期建物賃貸借契約の違いは以下のとおりです。 区分 終身建物賃貸借契約 普通建物賃貸借契約 定期建物賃貸借契約 契約の方法公正証書等の書面による契約に限る書面でも口頭でも可公正証書等の書面による契約に限る 期間または期限賃借人の死亡に至るまで1年以上または期間の定めなし期間の定めなし 契約の更新無し正当事由がない限り更新更新なし、再契約が必要 賃料増減額請求権 増減を請求できる※1 増減を請求できる※2 増減を請求できる※3 相続の有無無し有り有り ※1 賃料を改定しない特約があるときは増減を請求できない ※2 賃料を増額しない特約があるときは増額を請求できない ※3 増減額請求権を排除する特約を定めることが可能 終身建物賃貸借契約は、契約方法が公正証書等に限られ、契約期間が終身で更新や相続がないのが特徴です。 終身建物賃貸借契約の手続き方法 終身建物賃貸借契約は、賃借人側に特別な準備は必要ありません。都道府県ごとに、終身建物賃貸借契約が利用できる住宅一覧が公表されているため、確認して問い合わせてみましょう。入居したい物件が見つかったら、賃貸人と終身建物賃貸借契約を締結します。 出典)東京都終身認可住宅一覧(令和5年4月1日現在) 賃貸人の手続き 賃貸人が終身建物賃貸借契約をするには、事前に都道府県知事の認可を受ける必要があります。手続きの流れは以下のとおりです。 賃貸住宅の概要や賃貸条件等を記載した「事業認可申請書」を作成する 間取図等の必要な書類を添付する 都道府県知事等の自治体の長に提出する 一定のバリアフリー基準等に適合していることが要件となるため、物件の状況によっては手すりの設置などの対応も必要です。 出典)国土交通省住宅局安心居住推進課「終身建物賃貸借契約の手引き」 まとめ 高齢者は、健康面や金銭面の問題で賃貸住宅の入居を断られるケースが少なくありません。しかし、終身建物賃貸借契約を利用できる不動産であれば、高齢者でも安心して同じ家に住み続けられます。老後も賃貸暮らしを続けたい場合は、終身建物賃貸借契約に対応した物件を探してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるように...記事を読む

  • 【2022年度版】リフォームで活用できる補助金の種類や金額の目安、申請時の注意点を解説

    【令和5年版】リフォームで活用できる補助金の種類と金額の目安

    住宅のリフォームを検討する際には、補助金制度の仕組みにも目を向けて計画を立てるのがおすすめです。補助金には全国一律で適用されるものと、自治体ごとに独自で設けられているものがあるので、あらかじめ細かく情報収集することが大切です。 この記事ではリフォーム関連の補助金の種類やそれぞれの仕組み、利用条件などについて詳しく解説します。 補助金を活用できるリフォームの種類 一口にリフォームといっても、その内容は目的によって異なります。そして、どのような種類のリフォームを行うかによって、補助金の支給対象になるかどうかも変わります。 補助金を活用しやすいリフォームの代表的な種類は以下のとおりです。 介護・バリアフリーに関するリフォーム 介護やバリアフリーに関するリフォームでは、特定の施工内容について、介護保険を利用した住宅改修制度などの補助金を活用することができます。たとえば、トイレを和式から洋式に換える、浴室の扉を引き戸にするなど、介護に必要なリフォームは補助金の支給対象となります。 また、「手すりを設置する」、「床の段差を解消する」、「床を滑りにくい素材に変更する」といったバリアフリー化に関する施工も補助金の支給対象です。 省エネ・エコ・断熱に関するリフォーム 省エネやエコに繋がるリフォームでは、持続可能な住環境の推進を目的としたリフォームが補助金の支給対象となります。具体的には、窓や壁などの断熱リフォーム(複層ガラスの導入、内窓の設置など)、高効率給湯器(エコキュートなど)の設置、節水性の高いトイレに交換するといった施工が挙げられます。 また、太陽光発電システムや蓄電池といった「創エネ」に関する設備の導入にも、補助金制度を活用できる場合があります。 耐震診断・耐震改修に関するリフォーム 耐震診断や耐震補強工事といった基本的な安全性に関わるリフォームは、多くの自治体が補助金の支給対象としています。具体的には、専門家による耐震診断の費用や耐震補強・改修工事などが挙げられます。なお、旧耐震基準で建てられた建物(1981年5月31日以前に建築確認を受けた、倒壊リスクが高いとされる建物)であることが、利用条件に含まれる場合もあるため、注意が必要です。 また、自治体によっては、安全面や周囲への被害防止の観点から、倒壊の危険があるブロック塀の撤去や解体工事の費用についても補助金の支給対象としています。 テレワークに関するリフォーム 自治体によっては、「新しい生活様式」の推進に向けたテレワーク関連のリフォーム補助金を取り扱っている場合があります。具体的には、間仕切りの設置によるワークスペースの確保や換気、防音工事、衛生管理対策などが挙げられます。 また、国土交通省が実施している「長期優良住宅化リフォーム推進事業」においても、テレワークスペースを確保するためのリフォーム工事が補助金の支給対象となる場合があります。ただし、耐震改修工事や断熱改修工事などの性能向上工事と併せてリフォームを行う必要があるので注意が必要です。 その他のリフォーム 自治体によっては、アスベスト除去や景観の改善など、健康被害の予防や環境整備に関するリフォーム補助金が設けられている場合があります。また、豪雪地域の自治体では、屋根の改修などの雪対策に利用できる補助金制度が設けられている場合もあります。 それ以外にもシンプルな増改築や間取り変更、外壁の補修、床暖房の設置にまで利用できる補助金など、地域によって異なる特色があるので、自治体のホームページなどで調べてみると良いでしょう。 リフォームで活用できる補助金の要件や金額の目安 補助金の仕組みは種類によって異なるため、それぞれの特徴を的確に把握しておくことが大切です。ここでは、代表的な5つの補助金制度について、具体的な要件や金額の目安を解説します。 介護保険 介護保険には、要支援、要介護と自治体から認定された方がバリアフリーリフォームを行う際に、工事費用の一部を補助してもらえる制度が設けられています。運営主体は各自治体ですが、全国共通で利用できる補助金制度です。 利用にあたっては、担当のケアマネージャーなどと相談し、理由書を作成してもらう必要があります。また、介護保険の補助金利用は、着工前に申請を行わなければならないため、注意が必要です。 補助金の上限額は20万円であり、工事費用の最大9割までが補助される仕組みです。なお、一回の工事費用が20万円に満たなかった場合、次回に差額分を利用可能です。 出典)厚生労働省「介護保険における住宅改修」 長期優良住宅化リフォーム推進事業 長期優良住宅とは、長期間にわたって快適かつ安全に居住できる施工が行われた住宅のことです。一般住宅から長期優良住宅へのリフォームを行う際に、一定の性能向上を満たしていれば、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金制度を利用できます。 補助金額は工事内容に応じて異なりますが、一戸あたり100~250万円となっています。また、三世代同居対応の設備拡充や、子育てをしやすい住宅への改修なども対象となる場合があります。 この制度を利用するためには、着工前に住宅診断(インスペクション)を行う必要がありますが、申請手続きは居住者本人ではなく施工会社が行います。あらかじめ施工会社に対応してもらえるかどうかを確認しておくと良いでしょう。 出典)国立研究開発法人建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」 住宅エコリフォーム推進事業 住宅の省エネ化を推進するための事業であり、ZEHレベルの高い省エネ性能へリフォームする場合に活用できる補助金制度です。ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。具体的には省エネ診断、省エネ設計、省エネ改修などが挙げられます。 なお、省エネ診断では「補助率3分の1(民間実施の場合)」、省エネ設計も「補助率3分の1(民間実施の場合)」、省エネ改修では「補助率11.5%(一戸建ての上限は512,700円)」が限度となっています。 出典)住宅エコリフォーム推進事業実施支援室「事業概要」 既存住宅における断熱リフォーム支援事業/次世代省エネ建材実証支援事業 既存住宅における断熱リフォーム支援事業と次世代省エネ建材実証支援事業は公募形式による補助金制度で、高性能な断熱材や「次世代省エネ建材」を使用したリフォームを行うときに適用されます。 「断熱リフォーム支援事業」では、断熱材、断熱用の窓、断熱用ガラス、断熱仕様の玄関ドアを用いるリフォームを対象に、一戸あたり120万円を上限として工事費用の3分の1以内が支給されます。 「次世代省エネ建材実証支援事業」では、外張り断熱、内張り断熱、窓断熱の3つの区分から施工内容を選択可能であり、外断熱なら一戸あたり300~400万円、内断熱なら一戸あたり200万円、窓断熱なら一戸あたり150万円を上限に、対象経費の2分の1以内が支給されます。 出典) ・公益財団法人北海道環境財団「既存住宅の断熱リフォーム支援補助金について」 ・一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和4年度 次世代省エネ建材の実証支援事業のご紹介」 リフォームで活用できる補助金の申請時の注意点 リフォームに関する補助金を利用する際には、申請のタイミングに注意する必要があります。 リフォームを着工する前に申請が必要な場合がある 補助金制度の中には、「着工前」に申請を行わなければならない場合があります。この場合、リフォーム工事の着工後や完了後に申請をしても受理されず、補助金が利用できないため注意が必要です。 また、利用条件として工事完了の期限が設けられている場合もあるため、スケジュールを逆算したうえで工事日を調整することも大切です。 予算の上限で早めに締め切られることがある 補助金制度の中には、あらかじめ自治体などの運営主体が予算の上限総額を設定している場合があります。予算の上限に達すると、期限内であっても締め切られてしまうため、なるべく早く申請手続きを行うことが大切です。 なお、一般的な補助金は年度ごとに募集がかけられ、夏や秋ごろには利用枠が埋まってしまう恐れがあります。補助金利用の可否によって出費には大きな差が生まれるので、施工会社にも前もって相談しておくと良いでしょう。 補助金を申請するには? 補助金には様々なものがあり、種類によって取り扱う窓口は異なります。また、申請にあたって必要となる書類や手続きのタイミング、具体的な手順などもそれぞれ違うので注意が必要です。 たとえば、介護保険の補助金制度を利用するなら、まずは担当のケアマネージャーに相談し、理由書を作成してもらう必要があります。円滑に申請を済ませるためにも、利用したい補助金に応じてどのような手続きが求められるのかを確認しておきましょう。 まとめ 住宅のリフォームには、介護・バリアフリーに関するものや省エネ・環境保護に関するものなど、様々な種類の補助金制度が用意されています。その中から適切な補助金制度を正しく申請することで、リフォーム費用の一部を賄える場合もあります。リフォームを行う際には、事前に補助金制度の仕組みを調べておくことが大切です。 また、補助金には施工会社を通して申請するものも多いので、不明点があれば遠慮をせずに専門家へ相談しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • 不動産投資の8つのリスクとその対策

    不動産投資の8つのリスクとその対策

    不動産投資は長期の安定収入が期待できますが、投資である以上、損失が生じるリスクもあります。ただし、事前に対策を講じることで、ある程度リスクを軽減できます。物件を購入する前に、どんなリスクがあるかを知っておくことが大切です。 この記事では、不動産投資の8つのリスクとその対策について解説します。 ①空室リスク 空室が生じて、家賃収入を得られなくなるリスクです。入居者が見つからず、空室期間が長引くと収益性が低下します。融資を利用して物件を購入する場合は、ローン返済に支障が出る恐れもあるので注意が必要です。 賃貸需要のあるエリアの物件を選ぶ 空室リスクを下げるには、賃貸需要のあるエリアの物件を選ぶことが有効です。「人口が多い」「ターミナル駅に近い」「大学や工場が近くにある」「スーパーなどの施設が充実している」などの要件を満たす物件は、一定の賃貸需要を見込める可能性があります。 また、不動産会社などが発表している「住みたい街ランキング」をもとにエリアを選定するのも1つの方法です。 入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶ 賃貸管理を委託する場合は、入居者募集に強い賃貸管理会社を選ぶことも有効です。賃貸管理会社によって、実績やノウハウに差があります。入居率や平均空室期間などを参考に、入居者募集に強い賃貸管理会社を選びましょう。 ②家賃滞納リスク 入居者が家賃を滞納して、収入を得られなくなるリスクです。入居者保護の観点から、家賃滞納が発生しても強制的に退去させるのは難しいため、発生防止に力を入れる必要があります。 入居審査を厳しくする 家賃滞納を防ぐには、入居審査を厳しくすることが有効です。経歴や年収、勤務先、人柄といった属性から、家賃滞納を起こす恐れがないかを見極めましょう。 なお、入居者募集は賃貸管理会社に任せられますが、自分でも入居希望者の属性に問題がないかを確認した上で賃貸借契約を締結することが大切です。 家賃保証会社と連帯保証人の両方を求める 家賃保証会社を利用すれば、家賃滞納が発生した際に保証会社が立て替えてくれまが、家賃保証会社だけでなく、連帯保証人も立ててもらうとより安心です。両親や親戚など入居者にとって身近な人に連帯保証人になってもらうことで、「迷惑をかけられない」という気持ちが働き、家賃滞納への抑止力となることが期待できます。 ③災害リスク 地震や火災、水害などで建物に被害が出るリスクです。近年では、地球温暖化の影響で自然災害が多発しています。必ずしも避けることのできるものではありませんが、リスクを抑えることはできます。 火災保険、地震保険に加入する 物件を購入する際は、火災保険や地震保険に加入しておくと安心です。 建物に被害が出ても、保険金で復旧費用をカバーできます。火災保険だけでは、地震が原因の火災の場合に補償してもらえないため、地震保険にも加入することをお勧めします。 新耐震基準の物件を選ぶ 地震への対策として、1981年以降に建てられた「新耐震基準」の物件を選びましょう。新耐震基準は「震度6以上でも倒れない」とされており、大地震が発生しても建物倒壊を回避できる可能性があります。 ただし、築年数が経過している物件は、適切なメンテナンスや修繕が行われているかで建物の状態が変わります。そのため、「築浅物件や管理状態が良好な物件を選ぶ」「投資エリアを分散する」といった対策も有効です。 ハザードマップを活用する ハザードマップを活用し、災害に強い地域の物件を選ぶことも有効です。自治体のホームページに掲載されているので、物件購入前に災害リスクを確認しておきましょう。 ④修繕リスク 経年劣化により、建物や設備が老朽化するリスクです。不動産投資では、設備や建物の老朽化が、入居者募集や家賃、資産価値、売却活動などに大きな影響を与えます。 メンテナンスや修繕の計画を立てる 不動産は実物資産であるため、年数が経過するほど建物や設備の老朽化が進みます。ただし、適切なメンテナンスや修繕を行うことにより、老朽化のスピードを遅らせ、建物を長く良好な状態に保つことは可能です。 あらかじめメンテナンスや修繕の計画を立てておき、その計画を実行できるように修繕費用を確保しておきましょう。また、物件の購入前のシミュレーションには必ず設備の交換費用や、管理費や修繕積立金の増加を見込んでおきましょう。 ⑤不動産価格下落リスク 不動産価格が下落して、物件の資産価値が低下するリスクです。購入時より資産価値が大きく低下すると、売却時に損失が生じて、最終的な損益がマイナスになる恐れがあります。 中古物件を選ぶ 新築の物件価格にはいわゆる「新築プレミアム」が上乗せされており、購入から数年で価格が2割程度下落することも珍しくありません。一方で、中古物件は新築に比べて不動産価格の下落ペースが緩やかな傾向にあります。 ただし、中古物件であっても築年数の経過とともに資産価値は下落するため、定期的に査定依頼をして、売却時期を検討することが大切です。そのほか、再販業者の利益が大幅に乗っている物件や、市場価格よりも高値で売り出されている物件ではないかの確認は必ずしましょう。 不動産価格が安定している地域の物件を選ぶ 不動産価格の推移は、エリアによって差があります。直近はもちろん、長期の価格推移も確認して、値動きが比較的安定している地域の物件を選ぶと良いでしょう。また、地方自治体から出されている「将来人口推計」を確認して、人口減少が見込まれている地域を避けるのも有効です。 ⑥家賃下落リスク 家賃が下落して、不動産投資の収益性が低下するリスクです。ほとんどの場合、築年数が経過するほど家賃は下落します。 人気が高いエリアの物件を選ぶ 家賃下落を抑えるには、賃貸需要が見込める物件を選ぶことが有効です。人気が高いエリアの物件は家賃相場が安定しており、築年数が経過しても家賃が下落しにくい傾向にあります。 ⑦流動性リスク 買い手が見つからず、所有物件を売却できなくなるリスクです。不動産投資は売却によって最終的な損益が確定するため、売却も想定しておく必要があります。 売却しやすい物件を選ぶ 購入時に立地や築年数、建物の構造を考慮して、売却しやすい物件を選ぶことが重要です。たとえば、築年数が経過した地方の一棟アパートよりも、首都圏の築浅区分ワンルームのほうが買い手を見つけやすいでしょう。 また、周辺物件よりグレードが高い、同じくらいの築年数の物件が少ないなどの差別化要素があれば、よりリスクを減らせるかもしれません。 定期的に査定を依頼して資産価値を確認する 定期的に査定を依頼して、物件の資産価値を確認することも大切です。不動産は、基本的に築年数が経過するほど資産価値は下落し、買い手を見つけにくくなります。査定額の変化から、売却時期を見極めましょう。 ⑧金利上昇リスク 不動産投資ローンの適用金利が上昇して、返済負担が増えるリスクです。融資を利用しており、変動金利の場合、市場金利の動向に応じて定期的に適用金利が見直されます。 自己資金を多めに準備する 不動産投資ローンを借りる際は、自己資金を多めに準備しましょう。頭金を多く入れて借入金額を少なくすれば、金利が上昇しても支払利息の負担を抑えられます。 不動産投資は、他人資本(借入金)を活用して効率的に資産を増やせるのが魅力です。しかし、融資を受けられるとしても、無理な借り入れをしないことが金利上昇リスクへの対策となります。 固定金利を検討する 長期の借り入れを行う場合は、固定金利を選ぶのも選択肢です。契約時の適用金利は変動金利より高くなりますが、固定金利であれば、市場金利が上昇しても適用金利は変わりません。 契約時に毎月の返済額や総返済額が確定するため、返済計画を立てやすいのもメリットです。 関連記事はこちら変動型の金利はどう決まる? まとめ 不動産投資にはさまざまなリスクがありますが、事前に対策を講じることで、リスク軽減が期待できます。成功率を高めるためにも、物件購入前に不動産投資のリスクと対策を理解しておきましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 不動産投資の始め方 老後の資金作りや副業として、不動産投資を始める会社員が増えています。マンションやアパートといった投資物件は、安定した家賃収入を得られるのが魅力です。一方で、不動産投資に興味はあっても、投資経...記事を読む

    2023.02.08不動産投資
  • 不動産投資でかかる費用と税金の種類、注意点を解説

    不動産投資でかかる費用と税金の種類、注意点を解説

    不動産投資では、物件を売買するときや所有中にさまざまな費用や税金がかかります。長期にわたる安定収入を確保するには、物件取得前にどのような費用や税金がかかるかを把握し、シミュレーションをしたうえで、物件を選ぶことが大切です。 この記事では、不動産投資でかかる費用や税金の種類と注意点を解説します。 不動産投資でかかる費用の種類 まずは、不動産投資でかかる費用の種類を確認していきましょう。 購入時にかかる費用 不動産投資で物件を購入する際にかかる費用は以下のとおりです。 費用 内容 金額の目安 仲介手数料 仲介業者に支払う手数料 売買価格×3.0%+6万円+消費税 司法書士報酬 司法書士に所有権移転登記や抵当権設定登記を依頼する場合に支払う費用 10~20万円程度 融資手数料 融資を利用する際に必要な事務手数料や保証料 金融機関によって異なる。 仲介手数料は、不動産の売買価格によって変わります。仮に物件価格が3,000万円であれば、仲介手数料の金額は「96万円+消費税」となります。なお、仲介業者なしで不動産を購入する場合は不要です。 所有権移転登記や抵当権設定登記(融資を利用する場合に必要)を司法書士に依頼する場合、司法書士報酬が必要になります。10~20万円程度が目安ですが、実際にかかる費用は司法書士によって異なります。また、融資を利用して購入をする場合には、融資事務手数料が発生します。 所有中にかかる費用 不動産投資で物件の所有中にかかる費用は下記のとおりです 。 費用 内容 金額の目安 修繕費 不定期で発生する修繕費、設備交換費用など 物件種別や築年数、管理状況などに左右される 管理費・修繕積立金 区分マンションの場合に毎月支払う費用 管理費:月額220円/㎡程度修繕積立金:月額180円/㎡程度 業務委託手数料 賃貸管理及び収納代行を依頼する場合に管理会社に支払う費用 家賃の5.0%程度 ローンの支払利息 不動産投資ローンの支払利息 借入残高の2.0~5.0%程度 火災保険料、地震保険料 加入する火災保険・地震保険の保険料 年数万円程度 税理士報酬 税理士に確定申告を依頼する場合に支払う費用 3万円程度(確定申告のみを依頼する場合) その他費用 不動産投資に必要な交通費、通信費、教材費、交際費など 支出内容によって異なる 区分マンションに投資する場合は、管理費・修繕積立金の支払いが必要です。金額はあくまで目安であり、実際には物件種別や築年数、管理状況などに左右されます。 賃貸管理を依頼する際の業務委託手数料や不動産投資ローンの支払利息も、管理会社や金融機関によって異なるため、購入前に確認しておくことが大切です。税理士報酬は、顧問契約を締結する場合は月数万円程度の顧問料が発生し、決算時に追加費用がかかることもあります。 そのほか、会計上は減価償却費も費用として計上されます。実際に手元のお金を支払うものではありませんが、確定申告などでは知っておく必要があります。 売却時にかかる費用 不動産投資で物件を売却する場合は、以下の費用がかかります。 費用 内容 金額の目安 仲介手数料 仲介業者に支払う手数料 売買価格×3.0%+6万円+消費税 司法書士報酬 司法書士に抵当権抹消登記を依頼する場合に支払う費用 2万円程度 ローン返済手数料 不動産投資ローンの残債を一括返済するための費用 金融機関によって異なる 不動産投資では、基本的に物件売却時にも仲介手数料がかかります。ただし、仲介なしで不動産を売却する場合は不要です。 また、抵当権抹消登記(融資を利用していた場合に必要)を司法書士に依頼する場合、司法書士報酬も必要になります。加えて、ローンが残っている不動産を売却する場合は、ローン返済手数料も発生します。 不動産投資でかかる税金の種類 次に、不動産投資でかかる税金の種類を確認していきましょう。 購入時にかかる税金 物件購入時にかかる税金は下記のとおりです。 税金 内容 税額の目安 印紙税 売買契約書に貼付する収入印紙 契約金額による※1 登録免許税 土地・建物の所有権移転登記、抵当権設定登記にかかる税金※2 所有権移転登記:固定資産税評価額×2.0%抵当権設定登記:借入金額×0.4% 不動産取得税 不動産を取得した際にかかる税金 固定資産税評価額×4.0% 固定資産税 購入した年の残日数分の日割り計算分 固定資産税額×購入した年の残日数/365日 ※1 契約金額1,000万円超 5,000万円以下の場合は2万円 ※2 融資を利用していた場合のみ必要 印紙税は売買契約時、登録免許税は司法書士報酬に含めて支払うのが一般的です。不動産取得税は、物件取得から半年~1年後に都道府県から納税通知書が届きます。また、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課される税金であるため、購入した年の残日数分を購入時に支払う必要があります。 なお、上記の税額は本則税率の場合であり、軽減税率が適用される場合もあります。 所有中にかかる税金 物件を所有している間は以下の税金がかかります。 税金 内容 税額の目安 固定資産税・都市計画税 毎年1月1日現在の土地・建物の所有者にかかる税金 固定資産税:固定資産税評価額×1.4%都市計画税:固定資産税評価額×0.3% 所得税・住民税 1年間の不動産所得(不動産投資の利益)にかかる税金 所得税:所得金額×5.0~45.0%復興特別所得税:その年の基準所得税額×2.1%住民税:所得金額×10.0% 物件を所有している間は、固定資産税・都市計画税を毎年支払います。 市区町村から納税通知書が届くため、自分で税額を計算する必要はありません。 不動産所得については、給与所得や事業所得などと合算して所得税額を計算し、確定申告をして税額を納めます。確定申告をすれば、住民税は市区町村から納税通知書が届きます。 売却時にかかる税金 不動産を売却する際は、以下の税金がかかります。 税金 内容 税額の目安 印紙税 売買契約書に貼付する収入印紙 契約金額による※1 登録免許税 抵当権抹消登記にかかる税金※2 不動産1個につき1,000円(土地と建物で合計2,000円) 譲渡所得税(所得税・住民税) 不動産の譲渡所得(売却益)にかかる税金 短期譲渡所得:譲渡所得×39.63%長期譲渡所得:譲渡所得×20.315% ※1 契約金額1,000万円超 5,000万円以下の場合は2万円 ※2 融資を利用していた場合のみ必要 印紙税は売買契約時、登録免許税は司法書士報酬に含めて支払うのが一般的です。 譲渡所得(売却益)が発生する場合は、確定申告をして譲渡所得税を納めなくてはなりません。譲渡した年の1月1日現在で、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年超の場合は「長期譲渡所得」となります。 不動産投資の費用・税金に関する注意点 不動産投資の費用や税金に関する注意点は主に以下2つです。 必要経費になる支出とならない支出がある 不動産投資では、関連支出を経費に計上すると課税所得が減額され、所得税・住民税の負担軽減が期待できます。 ただし、必要経費になる支出とならない支出があります。たとえば、不動産所得にかかる所得税や住民税、不動産投資に直接関係ない支出は必要経費になりません。 必要経費になるか判断できない場合は、税務署や税理士に相談しましょう。 期限内に確定申告を行う 不動産所得や譲渡所得が生じた場合は、必ず期限内に確定申告を行いましょう。確定申告期間は毎年2月16日~3月15日です。期限内に申告を行わないと、延滞税などがかかる恐れがあります。 自分で確定申告をするのが難しい場合は、税理士に依頼することも可能です。 関連記事はこちら確定申告とは?手続きの流れや方法を解説 まとめ 不動産投資では、さまざまな費用や税金が発生します。物件を購入する場合は、これらの費用を踏まえた収支シミュレーションをした上で投資判断を行うことが大切です。不動産投資でかかる費用や税金を理解して、優良物件を探しましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増や...記事を読む

    2023.02.01不動産投資
  • 年金のみで生活できるのは5人に1人

    年金のみで生活できるのは5人に1人

    近年、「老後破産」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。公的年金の財源や年金支給年齢引き上げの問題など、老後の生活に不安を感じている人も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、現在持ち家所有者である60歳~65歳の男女395名を対象に、SBIエステートファイナンスが老後破産に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。 年金のみで生活できるのは5人に1人 Q1.老後破産への不安はありますか? 老後破産への不安については、「不安がある」(36.7%)と「どちらともいえない」(34.2%)の回答が全体の70.9%となり、多くの人が老後破産について「不安はない」と言えないことが分かります。 【考察】 出典)内閣府『令和2年版高齢社会白書(全体版)』 内閣府が2019年に実施した「高齢者の経済生活に関する調査」によると、60~64歳の高齢者は25.6%の人が「家計にゆとりがなく、多少心配である」、もしくは「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しています。 SBIエステートファイナンスの調査は、内閣府による調査と集計方法や対象が異なるものの、老後破産について「不安がある」と回答した人が多い結果となりました。 次回の内閣府の調査では、新型コロナウイルスの影響や近年の物価上昇などを受けて、家計にゆとりがないと回答する人が増加するかもしれません。 Q2.将来、年金(厚生年金と国民年金)のみで家計収支はプラスになる予定ですか? 年金のみで家計収支がプラスになるのは19.5%で、80.5%の人は年金だけでは老後の生活費を賄えないと認識していることが分かります。 【考察】 厚生労働省の2021年度の調査によると、老齢年金の平均年金月額は145,665円であると分かります。また、家計年報によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均支出は225,550円です。これらの調査は、あくまでも収入と支出のそれぞれの平均値であり、家計収支がプラスである人がどれくらいいるのかは不明でした。 一方で、SBIエステートファイナンスの調査では80.5%の人の家計収支がマイナスであるということが分かり、平均年金月額と平均支出の約80,000円の差からも納得できる結果となりました。 出典) ・厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金令和4年12事業の概況』 ・令和2年度家計年報 Q3. 年金(厚生年金と国民年金)と将来想定される年金以外の収入(株や不動産収入等)で家計収支はプラスになりますか? 年金以外に想定される収入を含めたとしても、家計収支がプラスになる人は20.5%しか増えず、「いいえ」が60.0%を占め、老後の家計収支をプラスに出来ない人が大半であることが分かります。 年金以外に収入があっても、4人に1人は老後破産が不安 Q4.将来想定される年金(厚生年金と国民年金)と将来想定される年金以外の収入をすべてお答えください(複数回答可) 「個人年金保険」が39.2%ともっとも多く、次に「株式などの配当収入」が37.0%、「確定拠出年金」が25.3%とのことです。年金以外の収入を準備されていない人は15.9%となっています。 年金以外の収入源を持つ人の老後破産への意識の違い 年金以外の収入源が「無し」と回答した15.9%の人のうち、58.7%が老後破産について「不安がある」と回答しており、年金以外の収入源がある人と比較すると、老後破産への不安が高いことが分かります。 【考察】 「株式などの配当収入」や「民間の個人年金保険」の収入がある人は、約40%近くが「不安はない」と回答しています。一方で、「確定拠出年金」の収入がある人では、28.0%しか「不安はない」と回答していません。 確定拠出年金の制度が始まったのは2001年からのため、現在60~65歳の人は確定拠出年金だけでは、十分な収入になっていない可能性があります。また、「株式などの配当収入」や「不動産収入」がある人でも、4人に1人以上は老後破産について「不安がある」と回答しており、たとえある程度の資産を所有している人でも、老後破産は他人ごとではないのかもしれません。 まとめ 5人に1人しか年金のみでは家計収支はプラスにならず、安心した老後の生活を送るためには、年金以外の収入を早くから準備しておく必要があることが分かりました。まずは現時点での老後の収入金額の把握と、現時点での支出も踏まえ、節約できる費用なども考慮し、将来家計収支をプラスに出来るかどうかを確認しましょう。もし難しい場合は、収入を補填するための資産形成や住まいの資産価値の有効利用も含め、早めの対策をすることが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後破産とは?その原因と事前の準備・対策を解説 「老後破産」は、日本人の高齢化などにより、取り上げられるようになったテーマの一つです。様々なメディアなどで目にする機会も増え、老後の生活を不安に感じる人もいるでしょう。 この記事では、老後破...記事を読む

  • 不動産投資とは

    不動産投資とは?仕組みやメリット・デメリット、始め方を解説

    不動産投資は、安定収入が期待できる投資方法です。ゆとりある老後生活を送るための資産形成手段として注目されています。ただし、不動産投資にはリスクもあるため、不動産を購入する前に、正しい知識を身につけておくことが大切です。 この記事では、不動産投資の仕組みやメリット・デメリット、始め方について詳しく解説します。 不動産投資とは? 不動産投資とは、所有する不動産を貸し出して家賃収入を得る投資のことです。入居者がいれば、 自らが働くことなく毎月家賃収入を受け取れます。 「不動産投資は難しそう」と思うかもしれませんが、不動産選びから賃貸管理まで全てひとりで行う必要はありません。不動産を探す際には、不動産会社から紹介してもらいながら探すことができます。また、賃貸管理を管理会社に任せられるため、仕事をしながら副業として不動産投資に取り組むことも可能です。 不動産投資の利益は2種類 不動産投資の利益は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つに分かれます。 インカムゲインとは、不動産の所有中に継続して得られる利益のことです。家賃収入や更新料などの、安定的・継続的な利益が該当します。 キャピタルゲインとは、不動産の売却によって得られる利益(売却益)のことです。不動産価格が上昇し、取得時より高い価格で売却できれば、取得価額と売却価額の差額が利益となります。 投資対象不動産の種類 不動産投資の対象となる主な不動産の種類は以下のとおりです。 一棟マンション 一棟アパート 区分マンション 戸建て 一棟マンション・アパートの投資は貸し出せる部屋数が多い分、相対的に大きな利益が期待できます。ただし、不動産価格が高額で、多額の資金が必要になります。 区分マンションの投資は、マンションの1室を貸し出す方法です。一棟物件に比べると価格は低額ですが、戸数が少ない分、一棟物件ほどの大きな利益は期待できなくなります。 また、戸建てを貸し出す方法もあります。戸建てを貸し出す場合、主な入居者としてファミリー層が想定されます。ファミリー層は入居期間が長い傾向にあるため、長期的な安定収入が期待できます。一方で、アパートやマンションに比べると入居者が見つかりにくい側面もあります。 それぞれの特徴を理解して、投資の対象とする不動産を選びましょう。 新築と中古の違い 不動産投資は、「新築」と「中古」の違いを理解しておくことも重要です。 新築は建物や設備が新しいので、入居者が見つかりやすく、長く稼働できます。一方で、購入して中古になると、すぐに資産価値が大きく下がるデメリットもあります。 中古は新築より不動産価格が低額ですが、築年数が経過していると、購入後すぐに多額の修繕費がかかることもあるので注意が必要です。 不動産投資のメリット 不動産投資には、以下のようなメリットがあります。 安定収入を得られる 不動産投資は、入居者がいれば毎月家賃が得られます。一般的な仕事とは異なり、労働時間や場所などに収入が左右されません。うまく運用できれば、大きな労力をかけることなく安定収入を確保できるでしょう。 他人資本を活用できる 不動産投資では、借入金で不動産を取得可能です。また、入居者からの家賃収入でローンを返済できます。まとまった自己資金を準備しなくても、他人資本を活用して効率的に資産を形成できます。 働かずに収入が得られる 不動産投資は、入居者がいれば、自らが働くことなく毎月家賃収入を受け取れます。不動産購入後の賃貸管理も管理会社に任せられるため、本業の仕事以外に余分な手間やコストをかけることなく収入を得ることができます。 生命保険効果がある 不動産投資で金融機関から融資を受けるときは、「団体信用生命保険(団信)」に加入するのが一般的です。返済中に契約者が死亡した場合は、団信の保険金で残債が弁済されるため、家族にローンのない不動産を残せます。 インフレに強い インフレ(物価上昇)時は、実物資産である不動産の資産価値は下がりにくく、家賃は上昇しやすい傾向にあります。また、物価が上昇しても額面金額は変わらないため、借入金額は実質的に目減りします。これらの特徴から、不動産投資はインフレに強いと言えます。 不動産投資のデメリット 一方で、不動産投資は以下のようなデメリットもあります。 さまざまな費用がかかる 不動産投資は購入時や所有中、売却時に次のような費用がかかります。 購入時   仲介手数料印紙税登録免許税(所有権移転、抵当権設定)司法書士報酬ローン事務手数料不動産取得税など 所有中 管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)業務委託費(賃貸管理を業者に任せる場合)固定資産税・所得税住民税退去時の原状回復費用・修繕費など 売却時 仲介手数料印紙税登録免許税(抵当権抹消)ローン繰上返済手数料譲渡所得税(所得税・住民税) など 費用が収入を上回る場合、損失が生じてしまいます。購入時の費用だけでなく、投資期間中にかかる全ての費用も確認し、 収益を確保できるか見極めることが大切です。 関連記事はこちら不動産投資でかかる費用と税金の種類、注意点を解説 さまざまなリスクがある 不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。「空室リスク」「災害リスク」「流動性リスク」の3つが代表的です。 空室リスクは、入居者が見つからず家賃収入を得られなくなるリスクです。空室期間が長期化すると、ローン返済に支障が出る恐れがあります。 災害リスクは、地震や火事、台風などによって建物が被害を受けるリスクです。空室の長期化、家賃・資産価値の低下を招く恐れがあります。 流動性リスクは、不動産を売却できなくなるリスクです。不動産を売却するには、不動産会社と媒介契約を締結して買い手を見つけなければなりません。なかなか買い手が見つからず、現金化に時間がかかることもあります。 関連記事はこちら不動産投資の8つのリスクとその対策 不動産投資の始め方 「不動産投資を始めたい」と思ったら、以下の流れで手続きを進めましょう。 十分な 知識を身につける 不動産会社を探して不動産を紹介してもらう 売買契約、融資契約、賃貸管理契約を締結する 入居者を募集し、賃貸借契約を締結する(空室の不動産を購入する場合) 関連書籍やセミナーなどで十分な知識を身につけてから、不動産会社を探して不動産を紹介してもらいます。不動産会社を選ぶときは、実績や業績、評判などを確認し、複数の不動産会社を比較・検討しましょう。 不動産が見つかったら売買契約や融資契約を行い、必要に応じて賃貸管理を依頼します。既に入居者がいれば、契約後すぐに家賃収入を得られます。空室の不動産を購入する場合は、入居者募集を行いましょう。 関連記事はこちら不動産投資の始め方 まとめ 不動産投資は安定収入が期待でき、他人資本を活用して効率的に資産を形成できるのが魅力です。一方で、購入時だけでなく所有中や売却時にも費用がかかり、空室リスク、災害リスク、流動性リスクといったさまざまなリスクも存在します。不動産投資の成功率を高めるためにも、十分な知識を身につけてから不動産投資を始めましょう。 執筆者紹介 大西 勝士(Katsushi Onishi) 金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。 <運営ブログ> https://www.katsushi-onishi.com/ 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!? 不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増や...記事を読む

    2023.01.18不動産投資
  • 廃業したら借入金はどうなる?廃業と借入金の関係や手続きまで解説

    廃業したら借入金はどうなる?廃業と借入金の関係や手続きまで解説

    自分が経営してきた会社を廃業する。廃業に至るには様々な原因や理由がありますが、いずれにしても重く大きな決断です。しかし、その決断を下す前に、基礎知識を身につけておくことが重要です。 そこでこの記事では、「会社を廃業したら借入金はどうなる?」「廃業するとき借入金が残っている場合の手続きを知りたい」等の疑問を抱く相談者にFPが解説します。 〔ご相談者 Sさん〕 ・45歳男性。自身の経営する会社の代表。 ・資金繰りが悪化したことにより事業の経営が厳しいと思っている。 ・一方で、借入金が残っている状態であり、廃業が可能か、手続きについても相談したい。 会社の廃業にはどのような方法がある? Sさん:今まで頑張って会社経営をしてきましたが、最近は資金繰りが苦しくなってきました。自分の年齢も考えると、いっそのこと廃業したほうが楽になるのでは?と思い始めました。会社の運転資金として銀行からの借入金が残っていますが、親が残してくれた財産などで、債務を返して会社を終わらせるつもりです。そのほかにもいろいろわからないことが多いので、教えて下さい。 FP加藤:わかりました。まずひとことで「廃業」と言っても、債務が残っている状態での廃業は、特別清算や破産などいくつかのパターンに分かれます。 Sさん:廃業のパターン? まずそのあたりから教えてください。 FP加藤:債務が残っている状態で廃業する2つの方法は、大きく「特別清算」と「破産」に分かれます。 Sさん:特別清算、破産、どちらもあまり穏やかな単語ではないですね。 FP加藤:確かにイメージは良くはないと思います。ですが、それぞれ法律に則った手続きなので安心してください 関連記事はこちら倒産や破産、特別清算の違いとは?根拠法や用語の意味を解説 特別清算と破産の違いとは? FP加藤:特別清算と破産はどちらも、会社の財産をすべて処分して債務を支払い、残った債務は会社とともに消滅させるという廃業の手続きです。原則として、どちらも手続きをすれば、負債の返済義務がなくなります。 Sさん:2つにはどのような違いがあるんですか? FP加藤:言葉ではつかみにくいかも知れませんので、簡単な一覧表にして見ました。 2つの方法~「特別清算」と「破産」 特別清算破産 根拠法会社法破産法 申立人債権者、清算人、監査役、株主債権者、清算人、取締役、債務者 同意株主、債権者の同意が必要株主、債権者の同意は不要 出典) ・e-Gov法令検索(会社法:第511条) ・e-Gov法令検索(破産法:第18条、第19条) FP加藤:特別清算と破産の違いを比較すると上図のようになります。ここで出てきた新しい言葉「申立人」も簡単にポイントをお話しします。 Sさん:はい、お願いします。 FP加藤:申立人とは「特別清算や破産の手続きをする人」といった意味で、つまり当事者かつ手続きする資格のある人を指します。特別清算の申立人は、会社法により債権者・清算人・監査役・株主と定められています。一方で破産の申立人は、破産法で債権者・清算人・取締役・債務者です。 Sさん:それぞれ対応する法律があって、申立人も微妙に違うんですね。 FP加藤:そうですね、また特別清算では株主や債権者の同意が必要なのに対し、破産ではこうした同意が不要なところも違いますね。 Sさん:「特別清算と破産は根拠の法律は違い、当事者も微妙に違う」「特別清算は株主などの同意が必要だけれど、破産は当事者が単独で手続きできる」といった感じでしょうか? FP加藤:シンプルにまとめるとそうなりますね。 特別清算と破産、どちらが良いか Sさん:そこでいよいよ一番教えていただきたいことですが、特別清算と破産のどちらが良いんでしょうか? FP加藤:はい、そうですね。まず特別清算と破産は似て非なるものです。特別清算と破産のどちらが良いか? それは会社の状態により、ケースバイケースなんです。特別清算は、どちらかと言えば債権者と話し合いながら進めていく手続きと言えるでしょう。一方で破産は、債権者などの同意が不要な点からも、会社に残された資産がなく、裁判所の力を借りて強制的に会社を整理する手続きと言えます。 Sさん:では、私の会社はどうすれば良いでしょう? FP加藤:そうですね、会社の状況や資産内容など多角的に見てからでないと判断はできません。会社を廃業する場合において、すべての債務を返済することが可能であるなら、債権者の同意を得られるため特別清算の手続きを進めるのが良いでしょう。 廃業の注意点〜借入金を解消する2つの方法 FP加藤:ではここで、債務の中でも借入金をどうするか?について解説したいと思います。 Sさん:確かに、一番心配になるのは借入金のことですね。ぜひ教えてください。 金融機関からの借入金 FP加藤:銀行等の金融機関からの借り入れは、会社に完済できるだけの財産が残っていれば、そこから返済すれば終わりです。逆に財産がなければ、破産の手続きを選択し、債務を免れる選択が考えられます。ただし、代表者が会社の保証人になっていない場合の話です。 Sさん:それはどういう意味ですか? FP加藤:金融機関が会社に融資をする場合、代表者が会社の保証人になるのが一般的です。その場合、会社が特別清算と破産のどちらかを選択して会社の債務は消滅したとしても、 保証人になっている代表者の返済義務は残ります。そのため代表者に資産があるなら、特別清算を選択し代表者個人が会社の債務を返済するという対策も考えられます。一方で、会社だけでなく個人にも資産がない場合は、破産手続きにより廃業したあと、保証人である代表者個人も自己破産をするケースが想定されます。 役員からの借入金 Sさん:私の場合、会社に対して運転資金などを個人から融通し、会社決算でも個人からの貸付金としてかなりの額が残っています。こちらは廃業するときにどうすべきでしょうか? FP加藤:役員や代表者からの借入金については、悩ましい問題です。決算書に借入金と記載されているので、代表者からの借入金も会社から見れば金融機関からの融資や未払金と同じ債務です。とはいえ、金融機関からの融資や 仕入先への未払金を後回しにして、役員からの借入金を支払うと道義的にも問題が生じるでしょう。そう言った点から、役員からの借入は債務免除、つまりは帳消しになるケースが多いのです。 Sさん: なるほど、確かに役員など身内ばかりを優先してはいけませんね。ところで、個人が債務免除をした場合、税金などは大丈夫なのでしょうか? FP加藤:はい、その点ですが「得をした人が税金を払う」「もらった人が税金を払う」のが大原則です。例えば贈与税は、贈与を受けた人、つまりもらって得をした人が払うのが贈与税で、 贈与した人・あげた人には税金がかかりません。この考え方を引用すると、債務免除をした場合に得をするのは、借金を帳消しにしてもらった会社です。そして債務免除、つまり借金を帳消しにした個人に利益はないので、税金がかかりません。会社に対しては、債務免除益が発生し税金の課税対象になりますが、廃業する会社のほとんどは赤字企業なので、債務免除益は赤字に吸収されて終わりなのが一般的です。 まとめ Sさん:廃業について考え始めても、実は何をどこからどう手をつけていいか?全く分からない状態でした。今回は今さら聞けない初歩的なことまでわかりやすく説明してもらい、目の前が明るくなった気がします。 FP加藤:そう言っていただければ、私も嬉しいです。廃業については慎重に検討するべきですが、やはり弁護士などの専門家のアドバイスを求められるのが一番だと思います。ぜひ、信頼できる専門家に出会い、手続きをスムーズに進められることを願っています。 執筆者紹介 加藤 隆二(Ryuji Kato) 勤続30年の銀行員でマネーライター、 ファイナンシャルプランニング技能士2級。銀行員として事業資金調達から、住宅ローン、カードローンなど借入全般に従事。 ”明るい廃業®”を掲げる新生銀行に ニッポンの経営者の本音を聞いた 日本には、2021年6月時点でおよそ367万4000社の企業があります。(総務省・経済産業省による発表)そのうち中小・小規模事業者の数は99.7%を占めるといいます。 そして、2017年に中...記事を読む

  • 倒産や破産、特別清算の違いとは?根拠法や用語の意味を解説

    倒産や破産、特別清算の違いとは?根拠法や用語の意味を解説

    会社の経営が立ち行かなくなると、廃業を検討することもあるでしょう。「倒産」「破産」「特別清算」はいずれも廃業に関する用語ですが、廃業時に適切な方法を選択するためにも、用語の意味や違いを理解しておくことが大切です。 この記事では、「倒産」「破産」「特別清算」の意味やそれぞれの根拠法、違いについて解説します。 倒産とは 倒産は、中小企業倒産防止共済法第2条おいて、下記のいずれかに該当する場合と定義されています。 破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てがされること。 手形交換所において、その手形交換所で手形交換を行っている金融機関が金融取引を停止する原因となる事実についての公表がこれらの金融機関に対してされること。 電子記録債権法第二条第二項 に規定する電子債権記録機関において、その電子債権記録機関で電子記録債権を取り扱う金融機関が金融取引を停止する原因となる事実についての公表がこれらの金融機関に対してされること。 前三号に掲げるもののほか、過大な債務を負っていることにより事業の継続が困難となっているため債務の減免又は期限の猶予を受けることを目的とするものと認められる手続であって、その開始日を特定することができるものとして経済産業省令で定めるものがされること。 出典)中小企業倒産防止共済法(第2条) この条文から、倒産とは、法人や個人が破産手続・特別清算開始などの申立て、金融取引の停止、業績不振などによって経済的に破綻し、債務弁済や事業継続が困難な状態になることと言えます。 破産とは 破産とは、負債の整理方法の1つです。裁判所に破産手続開始の申立てをし、破産手続開始決定がされることで、債務者が支払不能の状態にあることを宣言します。なお、支払不能は破産法第2条において、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいうと定義されています。 出典)破産法(第2条) 破産手続開始決定の際は、原則として裁判所によって破産管財人(弁護士など)が選任されます。破産管財人は、債務者の全ての財産を現金化して債権者に分配します。破産管財人が選任されると、債務者は次のような制限を受けることがあります。 居住制限を受ける(転居・長期の旅行は裁判所の許可が必要) 郵便物が破産管財人に転送されることがある 破産管財人に対して財産状況の説明義務を負う 個人の場合は、破産手続開始の申立てをすると、同時に免責許可の申立てをしたものとみなされます。ただし、破産手続開始決定だけで債務の支払義務が免除されるわけではありません。事案に応じて免責判断が行われます。虚偽の説明をした場合など、事由によっては免責が認められないこともあります。法人には免責制度はありませんが、破産によって解散すると法人格を失い、債務が消滅するのが一般的です。 出典)裁判所「自己破産の申立てを考えている方へ」 特別清算とは 特別清算とは、債務超過の状態で解散した株式会社を清算するための法的手続きです。会社法第510条では、特別清算を開始する事由について下記のように記載されています。 清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。 債務超過の疑いがあること。 出典)会社法(第510条) 特別清算は破産に比べると厳格な手続きを要求されず、簡易かつ迅速に会社を清算できるのが特徴です。特別清算開始の決定後、会社が選任した清算人が財産目録や協定案の作成、債権者集会の招集などを行います。 債権者集会において、「出席者の過半数」および「総債権額の3分の2以上」の同意を得られると協定案が可決されます。その後、裁判所の協定認可の決定により、特別清算手続きが実施されます。 協定案の内容は、債務者の間で平等であることが求められます。ただし、不利益を受ける債権者の同意がある場合などは、債権者の間で差を設けることも可能です。 倒産や破産、特別清算の違い 「倒産」「破産」「特別清算」は、それぞれ根拠法に違いがあります。 倒産は「中小企業倒産防止共済法」で定義されている用語です。破産は「破産法」、特別清算は「会社法」において、申立てや手続開始、効力などについて記載されています。 また、倒産の根拠法である「中小企業倒産防止共済法」の中で、破産手続開始や特別清算開始が倒産の状態に該当すると記載されています。このことから、倒産は法人・個人が債務弁済や事業継続が困難な状態にあることを意味する大きな概念であり、破産や特別清算は倒産の1つであることがわかります。なお、負債の整理方法として、破産や特別清算のほかに「任意整理」「特別調停」「個人再生」「民事再生」などの方法を選択することも可能です。 まとめ 「倒産」「破産」「特別清算」はいずれも廃業に関する用語ですが、根拠法が異なります。実際に廃業を選択する際には、弁護士などの専門家に依頼し、その意味を正しく理解したうえで手続きを進めるようにしましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 ”明るい廃業®”を掲げる新生銀行に ニッポンの経営者の本音を聞いた 日本には、2021年6月時点でおよそ367万4000社の企業があります。(総務省・経済産業省による発表)そのうち中小・小規模事業者の数は99.7%を占めるといいます。 そして、2017年に中...記事を読む

    2023.01.04制度
  • 家族信託とは?仕組みやメリット・デメリット、手続き方法を解説

    家族信託とは?仕組みやメリット・デメリット、手続き方法を解説

    親の判断能力が低下した場合、子どもの判断で親の財産を運用・処分することはできません。親の認知症対策としては「成年後見制度」が一般的ですが、近年では新たな財産管理方法として「家族信託」が注目されています。家族信託とはどのような制度なのでしょうか。 この記事では、家族信託の仕組みやメリット・デメリット、手続き方法について解説します。 家族信託とは 家族信託とは、財産の管理・処分を家族に任せるための仕組みです。預貯金や不動産、有価証券のように換価できる財産を託すことができ、以下の三者で構成されます。 委託者(財産管理を任せる人) 受託者(委託者から任された財産を管理する人) 受益者(財産から生じる利益を受け取る人) 認知症などによる判断能力の低下に備えて、財産を管理する権限を家族(受託者)に与えます。本人(委託者)が判断能力を失った後は、本人の意向に沿って家族が財産管理を行います。家族信託では、委託者と受益者が同じ人になるケースが一般的です。 出典)家族信託普及協会「家族信託とは?(制度の概要)」 家族信託と成年後見制度の違い 成年後見制度とは、認知症などの理由で、財産管理や契約手続きなどを自分で行うのが難しい人を保護し、支援するための制度です。本人の判断能力が低下した後は、本人に代わって後見人が財産管理等の事務を行います。 成年後見制度は認知症対策として有効ですが、本人の財産保護の観点から、財産の運用や処分について柔軟に対応できないのがデメリットです。また、弁護士や司法書士などの専門職が後見人になる場合は、毎月2万円~6万円程度の支払いが発生し、原則として亡くなるまで続きます。 一方、家族信託は信託契約の内容を自由に決められるため、柔軟な財産管理と運用が可能です。 出典)東京家庭裁判所「成年後見人等の報酬額のめやす」 家族信託と商事信託の違い 家族信託と商事信託の大きな違いは、「受託者」です。上述のとおり、家族信託では家族が受託者となるのに対し、商事信託は信託会社や信託銀行が受託者となります。 つまり、営利目的で業として行われる信託であるため、信託報酬や手数料等の費用が発生することになります。一方で、家族信託と違って専門家が適切に財産を管理してくれます。「家族に迷惑をかけたくない」、「専門家に適切な財産管理をお願いしたい」といった場合は、商事信託も検討してみましょう。 家族信託は商標登録されている 家族信託という言葉は、一般社団法人家族信託普及協会が以下の目的で商標登録をしている言葉です。 「家族信託」という言葉を使いながら、家族親族でない方が「業として」信託を引き受ける商品名にこの言葉を使用するなど、一般の方々に誤解を与えてしまう使い方をされないことを防止する目的 同協会によると、正しく「家族信託」の名称を使用する場合は、協会の許可等なく「家族信託」という名称を使用しても良いとされています。ただ、各種広告やホームページ等を見ると、商標登録されている「家族信託」という名称を避け、「民事信託」等の名称が用いられている場合もあります。 出典)一般社団法人家族信託普及協会「商標登録につきまして」 家族信託のメリット 家族信託には以下のようなメリットがあります。 認知症の親の財産を犯罪から守ることができる 認知症になると判断能力が低下するため、詐欺などの犯罪に巻き込まれる恐れがあります。判断能力があるうちに信託契約を締結することで、信頼できる家族に財産管理を任せることが可能です。また、親が認知症になった後も、本人の意向に沿って子どもが管理・運用できるため、財産を犯罪から守ることができます。 子どもの判断で親の財産の管理・運用・処分ができる 家族信託では、受託者が委託者の財産を管理します。親が認知症になった場合は、受託者である子どもの判断で親の財産の管理・運用・処分が可能です。介護費用などが必要になっても、親の財産を現金化できるので安心です。 相続対策として活用できる 家族信託では、契約で財産の承継順位を定めることが可能です。最初に指定した受益者が亡くなっても、次の受益者を誰にするかを指定できます。生前贈与や遺言には、このような機能はありません。 また、不動産を複数の相続人で共有する場合、賃貸経営や処分を行う際は共有者全員の同意が必要です。家族信託で共有者の1人に不動産の管理処分権限を与え、不動産から生じる収益は各共有者に公平に分配することによって、相続トラブルの防止が期待できます。 家族信託のデメリット 家族信託は信託財産の金額に応じて、弁護士や司法書士への報酬、公正証書の作成費用、登記費用などがかかります。専門家への報酬は基準がないため、事前に料金を確認した上で依頼することが大切です。 信託財産から年3万円以上の収益が発生する場合は税務署への書類提出が求められるなど、受託者は税務申告の手間がかかる恐れがあります。 また、信託財産から生じた損失は、信託財産以外から生じた所得との損益通算ができません。大規模修繕の予定がある不動産などがある場合は、信託契約を締結する前に税理士と相談しましょう。 家族信託の手続き方法 家族信託の手続きの流れは以下のとおりです。 ①家族信託の目的、信託財産、受託者と受益者の決定 まずは家族信託を利用する目的を明確にした上で、信託する財産の範囲や管理方法、受託者と受益者を誰にするかなどを決めます。信託や相続に関する専門知識も必要になるため、弁護士などの専門家に相談しましょう。 ②信託契約の締結・公正証書の作成 次に、信託契約書を作成して契約を締結します。信託契約の際は、金融機関で信託口口座を開設する際に提出が求められるため、公正証書を作成しましょう。契約時に公証人が意思確認を行うため、信託契約の有効性を証明することができます。 ③信託財産の名義変更 信託契約を締結したら、信託財産の名義を委託者から受託者に変更します。信託財産に不動産が含まれている場合は、「所有権移転登記」と「信託登記」の2つが必要です。 所有権移転登記は、不動産の名義を委託者から受託者に移転する手続きで、委託者と受託者が共同で申請します。 信託登記は、不動産が信託財産であることを第三者に対抗するための登記です。受託者等の住所・氏名や信託の目的、不動産の管理方法などを登録します。 ④信託口口座の開設 受託者には分別管理義務があり、受託者固有の財産と信託された財産を明確に分けて管理することが求められます。信託財産を分別管理するために、金融機関で信託口口座を開設します。信託口口座の財産は、信託契約で定めた目的に従って、受託者の判断で管理・運用が可能です。 まとめ 家族信託を利用すれば、家族に財産の管理や処分を任せられます。成年後見制度に比べると柔軟な財産管理が可能で、相続対策に活用できるのもメリットです。親の財産管理を行う予定がある場合は、家族信託を検討してみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 自宅を所有していると、老後も住み続けられる安心感がある一方で、相続に不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産は実物資産であるため、相続人が複数いると簡単に分けられません。また、相続...記事を読む

  • <介護と保健ガイドブック>介護におけるコミュニケーション

    <介護と保健ガイドブック>介護におけるコミュニケーション

    介護におけるより良いコミュニケーションとは 介護される人の心理状態を理解しよう より良い介護を行うためには、介護される人、介護する人、この両者間のコミュニケーションが非常に大切なものになります。介護をされる人の心理状態を知っておくことはとても重要です。相手がどういう心理状態なのかを理解できれば対応の方法もわかり、お互いの関係を良好に保つことにつながります。 一見わがままだと思えることも、介護されることへの申し訳ないという思いや家族に負担をかけることへの罪悪感、今までできていたことができないことへのいら立ちなどからくるものなのかも知れません。ここでは介護を受ける人が一般的にどのような気持ちを持つことが多いのかを紹介します。 ただし、実際にはひとりひとりに個人差がありますので、紹介する心理状態が必ずしも当はまる訳ではありません。介護される人と介護する人がよく話し合い、お互いの気持ちを知り、思いやりを持って接することが大切です。 【介護を受ける人の心理状態】 それまで、できていたことができなくなることによるイライラ、焦り、不満などを抱えていることがある。 自由にできていたことが人の手を借りないとできなくなることによる欲求不満から、攻撃的になる場合もある。 介護してもらうことに申し訳ないという罪悪感を持っていたり、負い目を感じていたりする場合もある。 排泄や入浴などの介助を受ける場合、恥ずかしいという意識をもつ場合もある。 高齢者の一般的な心理背景 介護を受ける人との接し方のポイント 介護を受ける人と接する場合、具体的にどのようなことに配慮して、どのような心がまえ、態度で対応したらよいのでしょうか。そのポイントを紹介します。 傾聴、受容、共感が大事 相手の気持ちや考え、状態を理解するには、まず相手の話にじっくりと耳を傾ける「傾聴」が大事です。また、話を聞いたら否定せず、ありのままを受け入れる「受容」、そして、相手の喜怒哀楽に「共感」する姿勢を持つことも大切です。相づちを打ちながら聞く、相手の言ったことに質問をしたり、聞いた言葉をそのまま繰り返したりするなど、相手の話をよく聞いているということを示すようにしましょう。相手と目線の高さを合わせ、相手の表情も見ながら話すように心がけると、より良いコミュニケーションにつながります。 非言語コミュニケーションも大事 コミュニケーションは、言葉だけで行われるものではありません。例えば、声の大きさや発し方にも気を配りましょう。「高齢者は耳が遠いから大声で話す」と思いがちですが、十分に聞こえている人もいます。相手の状態を見て、声の大きさは調整するようにします。一般的に、少し低めの声で、ゆっくり、はっきりと話すと聞き取りやすいといわれています。また、言葉で説明するだけでは伝わりにくいと思う場合、身ぶりや手ぶりを交える、文字で書いて示す、現物を見せるなどの工夫も有効です。さらに、肩に手を置く、手を握るなど、スキンシップも有効な場合があります。このように相手の状態をよく観察しながら、上手にコミュニケーションがとれるように工夫しましょう。できるだけリラックスして話せるように静かな環境を整えることも大切です。 「できることは本人にやってもらう」のが基本 介護というと、なんでもかんでもお世話をするものと思いがちですが、手を出し過ぎるとその人の機能低下を招くことにもなりかねません。「できることは本人にやってもらう」のが基本です。そのためには、衰えた機能ばかりに目を向けるのではなく、その人ができることは何かを見つけて、その能力を引き出すような援助を心がけましょう。また、介護を受ける人は、それまで自力でできていたことが他人の手を借りなければできなくなっていることに負い目を感じている場合もあります。その人ができることを見つけ、何かの役に立っているという自己有用感を持ってもらうことも大切です。それが生きる喜び、生きたいという意欲にもつながります。いたずらに「頑張れ」と励ますだけではなく、その人の意に沿った具体的な目標を決め、達成できたらそれを一緒に喜び合うという姿勢を持ちましょう。 その人らしさ、その人らしい暮らしを大切に ここに挙げたのは一般的にいわれていることです。人にはそれぞれ個性があります。杓子定規に考えて決めつけることはせず、一人ひとりに合った対応を心がけましょう。本人の意志、その人らしい暮らし方を尊重することが、より良い関係を築くためにとても重要です。 よくある事例への対応 物を盗られたと訴える 物を盗られたと訴える「物盗られ妄想」は、アルツハイマー型認知症に多く見られる症状で、一番身近な介護者を疑うことも多いのです。このような場合、本人に理屈を説明しても納得してもらうことはむずかしく、介護者が見つけるとより疑いが強まる場合もあります。一緒に探し、本人が見つけるように誘導しましょう。 入浴や着替えをいやがる 服を脱がされることが恥ずかしくて拒否していることも考えられます。その場合は、同性の家族が一緒に服を脱いであげると抵抗感がなくなることもあります。また、入浴は浴室でするということにこだわらず、部分的な清拭を行ったり、ベッドサイドで足浴をしたりすることでもよいでしょう。無理をすると思わぬ事故につながることもあるので、介護サービスなどの入浴サービスを利用することも一案です。 知らない間に出て行き、帰れなくなる 昔住んでいた家や思い出深い場所に行ってみたくなり、知らない間に出て行き、帰る場所がわからなくなって徘徊し保護されるケースも…。このような場合は無理に止めず、一緒に出かけて近所を一周すると落ち着くこともあります。また「今日はもう遅いので、明日にしましょう」などと声がけをし、延期してもらうことで落ち着くこともあります。声がけで止めるのがむずかしい場合、玄関などにセンサーをつけておく、夜間などは二重ロックをかけるなどの対応策をとることも考えましょう。 介護をする人自身が健康を損なわないように まじめな人ほど、介護の手を抜いたり他人任せにすることに罪悪感を感じ、頑張ってしまいがちです。しかしそれが続くと、介護をする人が体調を崩したり、精神的に追い詰められたりしてしまいます。ここでは、介護をする人の心身を守るために心がけておきたいことを紹介します。 周りに協力を求め、一人で抱え込まない もっとも大切なのは、ひとりで抱え込まないことです。協力してくれる人を周りにたくさんつくっておくことで精神的な余裕が生まれます。家族内で分担をする、それが無理ならば離れている兄弟や近所の人、あるいは介護ヘルパーなどのプロの手もぜひ借りましょう。 介護を支援する制度をうまく利用する 介護保険制度だけではなく、その他の公的なサービスも徐々に増加しています。まずは自治体の窓口で、どのようなサービスが利用できるのかを相談してみましょう。各自治体ごとに提供されるサービスが異なりますので、情報収集をしっかりと行うことが大切です。また、福祉用具や機器の貸し出しなど、経済的な負担を軽減する制度もあるので上手に利用しましょう。 家族だからできる介護とは? 介護のための技術を習得しているプロの手を借りたほうが安全であったり、介護される人も気が楽だったりする場合もあるでしょう。しかし家族には、苦楽をともにしてきた経験や時間という、他人には共有できないものがあります。あるベテランのヘルパーは「私たちがどんなに頑張っても、家族の間でのやりとりから生まれる自然な笑顔を引き出すことはできない」と言います。公的サービスも大いに活用すべきですが、家族だからこそできることを同時に考えていくことが、より良い介護につながります。 広がり始めた「見守りサービス」 超高齢社会を迎え、一人暮らしの高齢者や高齢の夫婦のみといった「高齢者だけの世帯」が増えています。離れて暮らす家族にとって、高齢の親や親族の安否をつねに確認できることは、安心につながります。高齢者が住み慣れた土地で自立して暮らし続けるには、周囲の見守りが欠かせません。現在、地方自治体や多くの民間事業者などが、効果的な高齢者の「見守りサービス」に取り組んでいます。 見守りサービスには、安否の確認や通報、駆けつけを代行してくれるものなど、さまざまなタイプがあります。自治体が実施している見守り関連事業には「安否確認」「緊急通報システム」「配食サービス」「コミュニティ活動や学習活動」「サロンの運営・管理」などがあります。介護保険によるサービスに加え、多くの自治体では、民生委員や地域包括支援センターによる一人暮らしの高齢者への見守り活動、民間事業者と連携した支援の提供などに取り組んでいます。 サービスの情報 新型コロナウイルスの影響により、離れて暮らす高齢の家族を訪ねることが困難な状況の中で、カメラ型やセンサー型などの見守り装置の設置が注目されています。パソコンやスマホを使って、遠隔で家族を見守ることが可能です。 自治体が行う支援やサービスについては、内容や要件などが各自治体によってそれぞれ異なります。利用する際は、居住する市区町村の福祉課や地域包括支援センターなどに問い合わせてください。民間事業者が手がけるサービスについては、企業の公式サイトなどで情報を入手することができます。自治体と連携しているサービスでは、機器の設置などが助成対象になる場合があります。 出典)一般社団法人日本保健情報コンソシウム発行 『介護をする家族のための介護と保健ガイドブック』より引用