住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • 納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説

    納税証明書とは?種類ごとの記載事項や取得方法などを解説

    融資や自治体のサービス、車検などを申し込むとき、納税証明書を求められることがあります。そもそも、納税証明書とはどのような書類なのでしょうか。日常生活で納税証明書が必要になる場面は多くないので、種類や取得方法がよくわからない人もいるでしょう。 この記事では、納税証明書の概要や種類ごとの記載事項、取得方法などについて詳しく解説します。 納税証明書とは 納税証明書とは、納付すべき税額や納付した税額、所得金額などを証明する書類です。住宅ローンの審査を受けたり、自治体のサービスを利用したりする際に、提出を求められることがあります。 しかし、一言に納税証明書と言っても、証明する税金の種類(税目)によって記載事項や交付請求先が異なるので注意が必要です。納税証明書ごとの記載事項や取得方法の詳細は後述します。 納税証明書と課税証明書や所得証明書の違い 納税証明書と類似する書類として「課税証明書」や「所得証明書」があります。課税証明書は対象税目の課税額を証明する書類で、所得証明書は1年間(1月1日~12月31日)の所得金額を証明する書類です。 一方で、納税証明書は、対象税目の課税額の納付状況を証明する書類です。納税証明書が求められる場面では、税金の納付漏れがないかを確認されます。そのため、納税証明書を求められた際に、課税証明書や所得証明書を提出しても要件を満たさないので注意しましょう。 納税証明書の種類と対象税目 納税証明書は、課税主体に応じて「国税」「県税(都税)」「市税」の3種類に分けられます。その名のとおり、国税は国、県税(都税)は都道府県、市税は市区町村が課税・徴収する税金です。国税に対して、県税(都税)と市税を合わせて「地方税」といいます。主な対象税目は、それぞれ以下のとおりです。 国税:所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税など 県税(都税):住民税(県民税)、事業税、自動車税、不動産取得税など 市税:住民税(市民税)、固定資産税・都市計画税、軽自動車税など 納税証明書を取得する際は、対象税目を管轄する窓口に申請する必要があります。国税は現在の住所地を所轄する税務署、県税は県税事務所(都税は都税事務所)、市税は市区町村役場が窓口です。 ただし、東京23区内では市町村税も都税として課税されているため、市区町村役場ではなく、一律で都税事務所で取得する点には注意が必要です。 最近では、国税はオンラインでの交付請求にも対応しています。地方税は、マイナンバーカードを利用したコンビニ交付サービスに対応している自治体もあります。詳しくは、居住地の自治体のホームページを確認しましょう。 出典) ・財務省「税金には、どういった種類のものがありますか」 ・東京都主税局 納税証明書(国税)の記載事項と取得方法 ここでは、国税の納税証明書の記載事項と取得方法を解説します。 納税証明書(国税)の記載事項 国税の納税証明書は、税目や証明内容によって「その1」「その2」といった名称で分類がされます。国税の納税証明書の種類と主な記載事項は下表のとおりです。 国税の納税証明書の種類と主な記載事項 納税証明書の種類証明内容 その1納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等 その2所得金額(所得税、復興特別所得税、法人税) その3未納税額がないこと その3の2所得税、復興特別所得税、消費税・地方消費税(個人用) その3の3法人税、消費税・地方消費税(法人用) その4証明期間に滞納処分を受けたことがないこと 国税は、税目や証明内容によって納税証明書の種類が変わります。そのため、国税の納税証明書が必要な場合は、証明内容に応じた納税証明書の種類を選ぶ必要があります。 金融機関や地方自治体から国税の納税証明書を求められた場合、取得書類を間違えてしまうと再取得が必要となるため、取得の前に必ず確認しておきましょう。 出典)国税庁「[手続名]納税証明書の交付請求手続」 納税証明書(国税)の取得方法 国税の納税証明書は、オンラインで請求する方法と、書面(納税証明書交付請求書)で請求する方法の2つがあります。どちらの場合でも、現在の住所地を所轄する税務署が請求先です。 交付請求の際は、手数料が必要です。請求方法、納税証明書の種類によって金額が異なるので注意しましょう。必要な金額は下表のとおりです。 証明書の種類オンラインで請求書面で請求 その1・その2税目数×年度数×枚数×370円税目数×年度数×枚数×400円 その3・その4枚数×370円枚数×400円 上記の金額を、オンラインで請求する場合は電子納付、窓口や郵送など、書面で請求する場合は収入印紙で納付します。証明書を窓口で直接受け取る場合は現金での納付も可能です。 また、交付請求の際は本人確認書類も必要となります。個人の場合は個人番号確認書類も必要となるので忘れず用意しましょう。 出典) ・国税庁「平成28年1月から、納税証明書交付請求時の本人確認書類が変わります」 ・国税庁「納税証明書を請求される方へ」 納税証明書(都税・県税)の記載事項と取得方法 ここでは、都税・県税の納税証明書の記載事項と取得方法を解説します。 納税証明書(都税・県税)の記載事項 東京都が課税・徴収している各税目について、納付すべき税額や納付した税額、未納額などが証明されます。主な記載項目は以下のとおりです。 納税義務者の住所(所在地) 氏名(名称) 税目 年度 課税額 未納額 課税事務所等 一例として、都税について説明していますが、その他の道府県が発行する納税証明書も記載事項に大きな違いはありません。 都税の納税証明書は、当年度分を含めて6年度分を発行でき、証明書に納付日の記載はありません。また、「未納税額がないことの証明」や「完納証明」という名目の証明書は東京都主税局では発行していないため、納税証明書で代用する必要があります。 なお、都で発行している「滞納処分を受けたことがないことの証明」は、「未納がないことの証明」にはならないので注意しましょう。このように、自治体により書類の扱いが異なる場合もあるので、納税証明書を求められた場合には詳細を確認するようにしましょう。 出典)東京都主税局「よくあるお問合せ」 自動車税の納税証明書 自動車税は、都道府県が課税・徴収する税金です。納税証明書には、自動車登録番号や車体番号などが記載されています。車検を受ける際は、運輸支局・自動車検査登録事務所にて納税確認を電子的に行えるようになったため、平成27年4月から、車検時の自動車税納税証明書の提示が省略可能になりました。 一方で、自動車税の納付間もない場合など、納付してからすぐに車検を受けるときなどには、紙の納税証明書が必要な場合があります。自動車税の納税通知書は、金融機関やコンビニで納付して領収日付印が押されると「納税証明書」として利用できます。 出典) ・東京都主税局「よくあるお問合せ」 ・千葉県「車検のとき、納税証明書がいらなくなったと聞きましたが。」 納税証明書の取得方法(都税・県税) 都税や県税の納税証明書も、オンラインで請求する方法と、書面(納税証明書交付請求書)で請求する方法の2つがあります。どちらの場合でも、現在の住所地を所轄する都道府県税事務所が請求先です。 交付請求の際は、手数料が必要です。国税の納税証明書とは異なり、請求方法等によらず一律で1税目につき400円です。また、国税の納税証明書とは異なり、収入印紙での支払いができない点にも注意しましょう。例えば、郵送で申請する場合は収入印紙ではなく定額小為替を用意する必要があります。 出典) ・東京都主税局「各証明の申請について」 ・東京都主税局「都税に関する証明等申請時の「本人確認」方法について」 納税証明書(市税)の記載事項と取得方法 ここでは、市税の納税証明書の記載事項と取得方法について解説します。 納税証明書(市税)の記載事項 市区町村が課税・徴収する税金について、納付すべき金額や納付した税額が証明されます。たとえば、横浜市の納税証明書には以下の事項が記載されています。 納税義務の確定した納付すべき税額 納付済の税額 滞納処分を受けたことがないこと* 法定納期限等* ※申出がない場合は記載なし 他の市区町村が発行する納税証明書についても、記載内容に大きな違いはありません。市税の納税証明書は、市区町村役場の担当窓口に申請すれば取得できます。証明内容によっては申出が必要だったり、別の書類が必要になったりする場合もあります。証明が必要な内容を窓口で伝えた上で、申請することが大切です。 出典)横浜市「納税証明書」 納税証明書(市税)の取得方法 市税の納税証明書は、市区町村役場が請求先です。ただし、東京23区内であれば都税事務所が請求先になります。たとえば、さいたま市の場合、窓口に行かない方法として納税証明書の種類によって異なるものの、コンビニ、電子申請、郵送申請があります。 市税の証明書も手数料が必要ですが、市区町村によって異なります。そのため、市区町村のホームページなど確認しておく必要があります。あくまで目安ですが、1税目につきおおよそ300~400円です。その他マイナンバーカードでの取得だと200円になる場合もあります。 出典)さいたま市「市税の証明書等を取得したいときは」 まとめ 納税証明書は、証明内容や税目によって証明書の種類や取得方法が異なります。必要なときに問題なく手続きができるように、納税証明書の内容や申請窓口を理解しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【令和5年版】住宅ローン控除とは?取得した住宅の状況に分けて解説 住宅ローン控除(住宅ローン減税ともいいます)とは、住宅ローンを利用して住宅の新築、取得又は増改築等をした場合に利用できる、所得税額等を控除する制度です。住宅ローン控除を利用する場合、自身の状...記事を読む

    2021.10.20用語
  • 融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説!

    融資のリスケとは?メリットやデメリットを解説!

    自営業者は景気悪化などで経営不振に陥り、資金繰りに悩むこともあるでしょう。借入金の返済に困ったときは、金融機関にリスケ(リスケジュール)を依頼する方法があります。ただし、リスケにはデメリットもあるので、特徴を理解してから計画的に進めることが大切です。 この記事では、融資のリスケのメリットとデメリット、リスケ以外の資金繰り改善方法について解説します。 リスケとは リスケとは、リスケジュール(reschedule)の略語です。ビジネス用語として「スケジュールの見直し」の意味でよく使われますが、「返済計画の見直し」という意味でも使われます。 一般的に、銀行などの金融機関が使う「リスケ」は、後者を意味しており、借入金の返済が困難になった際に返済条件を変更するという意味で使われます。資金繰りが厳しくなった際には、金融機関と交渉することで融資のリスケができる可能性があります。具体的なリスケの方法は以下のとおりです。 一定期間、返済額を減額する 一定期間、元本支払いを据え置きする 返済期間を延長し、返済額を減額する 融資のリスケの申込件数 金融庁の調査によると、2020年3月10日~2024年6月末の期間にリスケの申込みを行った中小企業者の数は、銀行分で約166万件(約1,055件/日)、協同組織金融機関分(信用金庫など)で約135万件(約858件/日)です。多くの中小企業者が、金融機関にリスケの相談や交渉を行っていることがわかります。 この背景にあるのは、2009年に施行された中小企業金融円滑化法です。中小企業金融円滑化法は2013年3月末で期限を迎えていますが、金融庁は金融機関に対して、引き続き円滑な資金供給や貸付条件等の変更に努めるように要請しています。そのため、現在もリスケに応じてもらいやすい状況が続いています。 実際に、同期間内の審査中や取下げを除くリスケの実行率は、銀行分が95.4%、協同組織金融機関分が96.3%です。実行率が非常に高いことから、正当な理由があればリスケに応じてもらえることがわかります。 出典) ・金融庁「金融機関における貸付条件の変更等の状況について」 ・(銀行分)貸付条件の変更等の状況について ・(協同組織金融機関分)貸付条件の変更等の状況について 融資のリスケをするメリット・デメリット 融資のリスケをするメリット 借入金の返済に困ったときに融資のリスケをするメリットは以下の2つです。 借り換えをするよりも余計な費用がかからない 経営立て直しのための時間的猶予を確保できる 資金繰りを改善するには、借り換えという選択肢もありますが、借り換えは既存借入の全額返済手数料、新規借入の事務手数料などの費用が発生します。一方で、融資のリスケによる支払条件の変更であれば、余計な費用はかかりません。 また、融資のリスケをすると資金繰りが楽になるので、経営の立て直しに集中して取り組むことができます。経営課題の改善に取り組んで業績が回復すれば、今までどおり事業を継続できるでしょう。 融資のリスケをするデメリット 融資のリスケをするデメリットは以下の2つです。 新規の融資を受けづらくなる 返済が長期化する 通常、融資のリスケが行われている期間は、その金融機関からは追加融資を受けられません。返済原資を明確に示すことができなければ、他の金融機関から融資を受けるのも難しいでしょう。新規融資を受けられないと手元資金のみで資金繰りをしなくてはならないため、追加融資を考えている場合は、融資のリスケの前に運転資金を確保する必要があります。 融資のリスケは、返済が長期化するのもデメリットです。返済条件の見直しによって、一時的に資金繰りは楽になるかもしれません。しかし、長い目で見るとかえって返済負担が増し、経営にマイナスの影響を与える場合もあります。 融資のリスケ交渉のポイントと注意点 融資のリスケにあたり、最も大切なのは「どのようにして経営を立て直すか」です。融資のリスケはあくまでも返済条件の見直しであり、債務や利息が免除されるわけではありません。加えて、融資のリスケによって返済条件が見直されるのは、一般的に半年~1年程度の一定期間のみです。 金融機関にリスケ交渉を行う場合は、直近の実績と今後の予測を立てた資金繰り表、事業計画書、経営改善計画書などの作成や担保や保証人に関する資料を準備し、金融機関側に納得してもらうことが大切です。 融資のリスケに応じてもらったとしても、その後の対策を講じなければ根本的な解決にはならないため、融資のリスケを行うことで、本当に経営を立て直すことができるのかをしっかりと考えたうえで利用しましょう。 融資のリスケ中に可能な不動産を活用した資金調達方法 リスケを行っている期間は一般的に新たな融資を受けることが難しくなりますが、不動産を所有していればその不動産を活用して資金を確保できるかもしれません。具体的には、以下のような方法があります。 不動産担保ローン まずは、不動産担保ローンで資金調達をする方法です。不動産担保ローンは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保にすることで、運転資金や既存借入の借り換えとしても利用することができます。借り換えによって毎月の返済額を減らすことができれば、資金繰りを改善して経営の立て直しに注力できます。 不動産担保ローンは、信用力と担保不動産の価値を総合的に判断して審査を行うため、融資のリスケ中でも借入れができる可能性があります。また、金融機関によっては家族所有物件などの不動産も担保として申込みできます。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 リースバック 次に、リースバックで資金調達をする方法です。リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスのことです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けることができます。 リースバックで売却した不動産は将来的に買い戻しができるので、経済状況が安定した後に再購入することも可能です。一方で、リースバックは、基本的に売却価格が市場価格よりも安くなります。加えて、所有権がリースバック運営会社に移転するので、リフォームや建て替えなどが自由にできなくなってしまう点に注意が必要です。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 自宅売却 自宅を売却して資金調達を行う方法もあります。ただし、自宅を売却すると転居先を探す必要があるなど、生活環境を大きく変えることになるので、現実的には難しいかもしれません。また、住宅ローンの残債がある場合には、そもそも売却価格が住宅ローンの残債を上回っていなければ、売却することが難しいでしょう。 これらの理由から、自宅売却は不動産担保ローンやリースバックなどの選択肢を取れない場合の最終的な手段になるかもしれません。 その他の資金調達や対策 不動産を利用する以外にも資金調達や経営状況を改善するための対策もとれます。 ファクタリング ファクタリングとは、企業が保有している売掛債権(売掛金など)をファクタリング会社が一定の手数料を差し引いて買い取るサービスです。売掛債権の支払期日が到来する前に資金化できます。 ファクタリングの法的な位置づけは、「債券譲渡契約(売買契約)」のため金融機関からの融資とは異なり、貸借対照表上の借入金(負債)が増えません。 関連記事はこちらファクタリングとは?仕組みや種類、注意点を紹介 ABL(動産・債権担保融資) ABLとは、「Asset Based Lending」という英単語のそれぞれの頭文字を取った略称で、企業が保有する在庫や売掛金、機械設備などの事業資産を担保にした融資の一種です。 企業が金融機関から事業資金を借り入れる場合、経営者による個人保証をつけたり、不動産を担保に入れたりするのが一般的ですが、ABLなら担保となる不動産がなくても、企業が保有している在庫などの資産を有効活用して事業資金を調達できます。 関連記事はこちらABL(動産・債権担保融資)とは?仕組みや特徴をわかりやすく解説 日本政策金融公庫の融資制度 日本政策金融国庫は、「国民生活事業」、「農林水産事業」、「中小企業事業」の3つの事業を主軸に支援を行う政府系金融機関です。経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)や事業再生・企業再建支援など経営再建が必要な企業への融資制度が用意されています。 金融機関でのリスケが難しそうな場合は、日本政策金融国庫の融資制度への借り換えを検討するのも良いでしょう。それぞれ利用できる融資制度や諸条件が異なるため、まずは窓口で相談してみましょう。 出典)日本政策金融国庫「中小企業事業」 中小企業庁による支援 全国の商工会議所等が運営する中小企業活性化協議会では、収益力低下、借入増加のおそれのある中小企業を対象に収益力改善支援を実施しています。具体的には、1~3年間の収益力改善計画と資金繰り計画の作成と、その後の定期的なモニタリングなどを行ってくれます。 計画作成にあたって融資のリスケが必要と判断された場合は、1年間の収益力改善計画を作成してくれます。融資のリスケを検討している場合や、今後経営をどう立て直すか悩んでいる場合は、収益力改善支援の利用を検討しても良いかもしれません。 出典)中小企業庁「収益力改善支援」 まとめ 借入金の返済に困ったときは、金融機関に融資のリスケを申込むことで返済条件を見直してもらえる可能性があります。融資のリスケをして一時的に資金繰りが楽になれば、経営立て直しに集中して取り組むことが可能です。 不動産を所有している場合は、融資のリスケ以外の選択肢としてノンバンクの不動産担保ローンやリースバックも検討してみましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 物上保証人と連帯保証人の違いとは? 「保証人」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。一方で、保証人が「どのような責任を負うことになるか」理解をしている人は少ないかもしれません。また、一口に「保証人」と言っても、「物上保...記事を読む

    2021.10.13用語
  • リ・バース60の4つの活用事例

    リ・バース60の活用事例を4つ紹介

    リ・バース60とは、満60歳以上の人向けの住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、元本は債務者が亡くなったときに担保物件を売却して返済するか、相続人が現金で一括返済するかを選べます。リ・バース60はそれほど広く認知されている商品ではないため、どのような場面や目的で利用できるかイメージできないかもしれません。 この記事では、リ・バース60の活用事例を4つ紹介します。 リ・バース60の活用事例1:老朽化した自宅のリフォーム資金 70歳代のAさんは自宅の老朽化によって設備が古くなり、使い勝手が悪くなってきたため、リフォームを検討しています。今のところ健康状態に問題はありませんが、将来への備えとしてバリアフリー対応の必要性も感じています。 収入は年金しかなく、預貯金を使ってしまうことに不安があったため、リフォームは無理だと諦めていました。そんな折にテレビCMでリ・バース60を知ったので、金融機関に相談したところ、受付が可能ということで早速申込みをしました。本事例の詳細は以下のとおりです。 リ・バース60の活用事例1:老朽化した自宅のリフォーム資金 申込人70歳代:年収200万円台(年金受給) 連帯債務者配偶者(80歳代):年収100万円台 資金使途リフォーム 必要資金400万円 借入金額400万円 自己資金なし 毎月の支払額0.9万円(年利2.7%) 無事に融資を受けることができ、設備の入れ替えやバリアフリー工事を行うことができました。毎月の返済額は0.9万円に抑えられたので、年金収入のみでも問題なく返済できています。 リ・バース60の活用事例2:返済に困っていた住宅ローンの借り換え 70歳代のBさんはアルバイトで収入を得ていますが、住宅ローンがまだ残っており、毎月の返済に悩みを抱えていました。このままでは老後の生活費を確保できないため、毎月の返済負担を減らしたいと思っています。 それを知ったBさんの娘が金融機関に相談したところ、リ・バース60を提案され、住宅ローンの借り換えの申込みをしました。本事例の詳細は以下のとおりです。 リ・バース60の活用事例2:返済に困っていた住宅ローンの借り換え 申込人70歳代、年収300万円台(アルバイト) 連帯債務者なし 資金使途借り換え 必要資金1,000万円 借入金額1,000万円 自己資金なし 毎月の支払額3.0万円(年利3.6%) リ・バース60で住宅ローンを借り換えたことで、毎月10万円のローン返済額を3万円に減らすことができました。毎月の支出が大幅に減って家計が楽になり、老後資金への不安が軽減されました。 リ・バース60の活用事例3:新居への住み替え資金 60歳代のCさんは子どもが独立してから、「今の家は広すぎる」と感じるようになりました。できれば今の家を売却し、妻と二人で暮らすのにちょうどよい広さのマンションに住み替えたいと考えています。 一方で、老後の生活を考えると、なるべく預貯金は残しておきたいという希望もあります。何かいい方法はないかとインターネットで探していたところ、リ・バース60を知り、生活利便性の高い首都圏のマンションへの住み替え資金の申込みをしました。 本事例の詳細は以下のとおりです。 リ・バース60の活用事例3:新居への住み替え資金 申込人60歳代、年収300万円台(自営業) 連帯債務者なし 資金使途住み替え 必要資金2,700万円 借入金額1,300万円 自己資金1,400万円 毎月の支払額3.6万円(金利 年3.3%) マンション購入代金の50%程度の頭金が必要だったので、一時的に預貯金から払いましたが、今まで住んでいた自宅を頭金より高く売却することが出来たので、預貯金を減らさずに済みました。また、毎月の支払額は3.6万円に抑えることができました。 リ・バース60の活用事例4:老朽化した自宅の建替え資金 60歳代のDさんは自宅の老朽化に伴い、建て替えを検討しています。老後の生活資金を考えると、全額自己資金で家を建て替えるのは不安です。一部は住宅ローンを組むことを希望していますが、通常の住宅ローンを借りるのは難しい状況にあります。 ハウスメーカーに相談したところ、担当者からリ・バース60を提案され、取扱金融機関に申込みをしました。本事例の詳細は以下のとおりです。 リ・バース60の活用事例4:老朽化した自宅の建替え資金 申込人60歳代、年収100万円未満(年金受給) 連帯債務者70歳代、年収200万円台 資金使途建て替え 必要資金2,800万円 借入金額1,400万円 自己資金1,400万円 毎月の支払額2.8万円(金利 年2.4%) 建て替えの工事期間は半年程度仮住まいで過ごすこととなりましたが、リ・バース60を利用したことで、無事に自宅の建て替えの費用を工面することができました。収入は年金のみですが、毎月の支払額が少ないので問題なく返済できています。 まとめ 今回紹介した4つの事例のように、リ・バース60なら高齢の人でも自宅の購入・建て替え、リフォームに必要な資金の融資を受けられるかもしれません。返済は利息のみで、毎月の支払額を抑えられるのもメリットです。年齢や収入の関係で通常の住宅ローンを利用できない場合は、リ・バース60を検討してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リ・バース60は住宅ローン控除等の優遇制度を受けられる? リ・バース60は、満60歳以上の方でも借り入れができる高齢者向けの住宅ローンです。毎月の返済は利息のみであるため、月々の返済負担が小さいのがメリットです。元本は、債務者が亡くなったときに担保...記事を読む

  • 自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説

    自宅売却の流れや損をしないためのポイントを解説

    持ち家に住んでいても、住み替えなどを理由に自宅の売却を検討することがあるでしょう。不動産を売却したことがないと、どのように手続きを進めればよいかわからないかもしれません。また、どうせ自宅を売るなら「少しでも高く売却したい」「損をしたくない」と思うのではないでしょうか。 自宅の売却で失敗を避けるには、手続きの流れや注意点を理解してから売却活動を始めることが大切です。この記事では、自宅売却の流れや損をしないためのポイント、かかる費用・税金について詳しく解説します。 自宅を売却する2つの方法 自宅を売却する方法は、一般的に「買取」と「仲介」の2つに分けられます。 買取:不動産会社に直接買い取ってもらう方法 仲介:不動産会社に買い手を見つけてもらう方法 買取と仲介は特徴が異なるので、状況に合わせて自分に合った方法を選択する必要があります。まずは、買取と仲介それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。 買取のメリット・デメリット 買取は不動産会社が買主となるため、短期間で売却が可能です。購入希望者の内覧に対応する必要がなく、買主に対して生じる「契約不適合責任」も免責となるのが一般的です。なお、「契約不適合責任」とは、以前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものです。2020年4月の民法改正に伴い、「契約不適合責任」として整理・追加がされています。 一方で、買取は仲介に比べると売却価格が低い傾向にあります。不動産会社は、付加価値をつけて再度販売することを前提に買取を行います。再販にかかる経費やリスクを考慮して買取価格を決定するため、市場価格よりも安くなります。 買取は早期に現金化できるので、住み替え先が決まっていて売却を急いでいる場合や、流通性が低く買い手が付きづらい物件などに向いています。 仲介のメリット・デメリット 仲介は、自宅を市場価格で売却できるのがメリットです。希望価格で購入してくれる買い手が見つかるまで売却活動ができるので、買い手が見つかれば相場より高い価格で売却することも可能です。 一方で、仲介は売却までに時間がかかる傾向にあります。不動産会社と媒介契約を締結し、主に個人の買い手を見つける必要があるため、買取に比べると売却までに時間がかかってしまいます。また、売買が成立した場合は仲介手数料の支払いが必要です。 自宅売却に時間をかけられる場合や、出来るだけ市場価格に近い価格で売却したい場合は、仲介が向いているでしょう。 自宅売却の流れ 自宅の売却は以下の流れで手続きを進めます。 査定を依頼して不動産会社を選ぶ 売却活動をする(仲介の場合) 売買契約を締結する 決済・引き渡しを行う 買取は不動産会社が買主となるため、2の売却活動は不要です。それぞれの項目について詳しく説明します。 査定を依頼して不動産会社を選ぶ 自宅を売却するときは、まず不動産会社に査定を依頼して、自宅がいくらで売れそうかを確認します。査定金額は不動産会社によって異なります。買取にせよ仲介にせよ、複数の会社に依頼して査定金額を比較することが大切です。 買取の場合は、買取価格が一番高い会社を選びましょう。基本的に提示された買取価格が変更されることはありません。 仲介の場合は、不動産会社と媒介契約を締結する必要があります。査定金額を確認した上で、以下の3種類から媒介契約を選びましょう。 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約 一般媒介契約は、複数の不動産会社に仲介を依頼できる契約です。多くの購入希望者にアプローチできますが、物件情報のレインズ(不動産流通機構)への登録や売主に対する売却活動の報告は義務付けられていません。また、複数の不動産会社とやり取りするので手間がかかります。 専任媒介契約は、1つの不動産会社のみに仲介を依頼できる契約です。売主が自分で見つけた買い手と直接取引することも可能です。不動産会社は媒介契約締結後7営業日以内に物件をレインズに登録し、売主に対して2週間に1回以上売却活動の状況を報告する義務があります。 専属専任媒介契約も、1つの不動産会社のみに仲介を依頼できる契約です。ただし、売主は自分で見つけた買い手と直接取引はできません。レインズへの登録は媒介契約締結後5営業日以内、売主に対して1週間に1回以上の報告が義務付けられています。 専任媒介契約と専属専任媒介契約の契約期間は3ヵ月で、実務上は両者に大きな違いはありません。信頼できる会社を1社選定できる場合は、専属専任や専任媒介契約がおすすめです。1社に絞るのが難しく、複数の会社に依頼したい場合は一般媒介契約を検討しましょう。 売却活動をする(仲介の場合) 仲介の場合、買い手を見つけるための売却活動を行います。売却活動のほとんどは不動産会社に任せられます。ただし、住みながら売却活動する場合は、内覧に応じるなどの手間が発生します。 すべてを不動産会社任せにするのではなく、「いくらで売却したい」「いつまでに売却したい」といった希望をはっきり伝えることが大切です。後でトラブルにならないように、定期的に進捗状況を確認し、不明点や疑問点があればその都度解決しておきましょう。 売買契約を締結する 自宅の買い手が決まったら売買契約を締結します。売買契約時の主な必要書類は以下のとおりです。 不動産売買契約書 収入印紙(契約書に貼付する印紙代) 本人確認書類 印鑑(実印) 印鑑証明書 登記済権利書(または登記識別情報) 固定資産税納税通知書 手付金の領収書 必要書類は不動産会社が提示してくれるので、確認して準備を進めましょう。 売買契約時には、通常、売買代金の一部(10%程度)を手付金として受け取ります。契約書に手付解除の定めがあれば、期限日までに買主は支払った手付金を放棄、売主は受け取った手付金の倍額を払うことで契約解除が可能です。 契約後にトラブルが発生しないように、あらかじめ契約解除の方法などについて確認しておくことが大切です。 決済・引き渡しを行う 売買契約後は、契約書で取り決めた決済日に残金が入金されます。自宅は決済日に合わせて買主に引き渡しを行います。 住宅ローンが残っている場合は、抵当権の抹消手続きも必要です。不動産会社を通じて司法書士に依頼しておくと、スムーズに手続きを進められます。 自宅売却にかかる期間 自宅の売却を決めてから売買が成立するまで、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。仲介で売却する場合の標準的な期間は以下のとおりです。 査定から媒介契約:2週間~1ヵ月程度 売却活動:1ヵ月~半年程度 売買契約から決済・引き渡し:1~2ヵ月程度 査定から引き渡しまで、3ヵ月~1年程度かかるのが一般的です。実際には、買主を見つけるまでの期間によって大きく変わってきます。人気のエリアや物件であれば、問い合わせも多く売却に苦労しないかもしれませんが、流通性の低いエリアや物件では1年以上売却にかかるでしょう。 一方で、買取は売却活動を行う必要がないので、抵当権が設定されていなければ数週間で売却できるケースもあります。 自宅売却で損をしないためのポイント 自宅の売却は取引金額が大きいので、手続きの進め方によって手元に残るお金が変わってきます。ここでは、自宅売却で損をしないためのポイントをお伝えします。 不動産の相場観を身に付ける 自宅売却で損をしないためには、いくらで売れそうか不動産の相場観を身に付けてから売却活動を始めることが大切です。インターネットや不動産会社のチラシなどで、住んでいる地域の同じような物件がいくらで売りに出されているかを確認しておきましょう。 不動産には相場があるので、「いくらで売りたいか」と「いくらで売れるか」は別問題です。希望売却価格と相場に「いつまでに売りたいか」という要素を組み合わせて、売出価格を慎重に判断する必要があります。 売出価格が高すぎると買い手が見つからず、安すぎると手元に残る金額が減ってしまいます。仲介を依頼する不動産会社を選ぶ段階で、あまりに高すぎる査定金額や、反対に・低すぎる査定金額を提示する会社は除外するといいでしょう。 不動産売却の仕組みを理解する 自宅を売却する前に、不動産売却の仕組みを理解することも必要です。取引ルールを理解しないまま売却活動を始めると、不動産会社からの提案や売買契約の内容が正しいか判断できません。有利な条件での売却が難しくなり、トラブルが発生するリスクも高まります。 特に確認しておきたいのが、不動産仲介におけるルールです。先程も触れたように、媒介契約は種類によって報告義務などが細かく定められています。 たとえば、一般媒介契約は複数の会社に仲介を依頼できますが、レインズへの登録や売主への報告は義務付けられていません。レインズは、不動産会社専用のネットワークシステムです。全国の物件情報が共有されているので、レインズに登録するほうが早期の売買成立につながります。また、不動産会社から定期的に報告をもらえるほうが手間はかからず、安心して売却活動を進められるでしょう。 媒介契約を選択する際には、流通性の高く人気のエリアの物件では一般媒介による売却とし、流通性が低く買い手が見つかりづらい物件では専任媒介を選択するといいかもしれません。媒介契約の選択に正解はありませんが、状況に合わせて自分にあった契約を選ぶことが大切です。 信頼できる会社を選ぶ 自宅売却で損をしないためには、不動産会社選びも重要なポイントです。さまざまな不動産会社が仲介に対応していますが、実績や強み、顧客への対応などは会社によって異なります。不動産会社を選ぶときは、以下のポイントを重視しましょう。 仲介におけるルールや報告義務を順守している 自分の相場感と査定金額が大きく離れていない 査定金額にしっかりとした根拠が示されている 疑問点や不明点を質問したときに丁寧に回答してくれる 不動産仲介の実績が豊富 インターネット上に悪い評判がない(少ない) 希望条件に近い形で売却できるように、複数の会社に査定を依頼して、信頼できる会社を見極めましょう。 自宅売却のための体制を整える 自宅を売却するときは、希望条件で売却できる体制を整えましょう。不動産は建物の外観だけでなく、部屋の状態も重要な要素です。部屋をきれいな状態に保ち、家具のレイアウトなども工夫すれば、内覧者によい印象を持ってもらえます。 また、売却を急ぐと売却価格が安くなりやすいので、余裕をもって売却活動を進めましょう。可能であれば、空室の状態で売却活動を行うほうが希望条件で売却しやすくなります。 自宅売却でかかる費用・税金 自宅の売却では、仲介手数料などの費用や税金がかかります。さらに、住宅ローンが残っている場合は、自宅の売却代金でローンを完済しなくてはなりません。 実際に手元に残るお金は売却価格とは異なるので、費用や税金も考慮して売却を進める必要があります。ここでは、自宅売却でかかる費用と税金について詳しく解説します。 仲介手数料 仲介手数料は、仲介での売買が成立したときに不動産会社に支払う手数料です。宅地建物取引業法により、不動産会社が受け取れる仲介手数料の上限額は以下のように決められています。 仲介手数料の上限額 契約金額(税別) 仲介手数料の上限額 200万円以下 (契約金額×5%)+消費税10% 200万円超 400万円以下 (契約金額×4%+2万円)+消費税10% 400万円超 (契約金額×3%+6万円)+消費税10% たとえば、自宅の売却価格が2,000万円の場合、仲介手数料は以下のように計算します。 (2,000万円×3%+6万円)+(2,000万円×3%+6万円)×10%=72.6万円 仲介手数料は、上限額いっぱいで請求されるのが一般的です。査定金額を確認した段階で、仲介手数料の概算金額を計算しておきましょう。 印紙税 不動産売買契約書は印紙税の課税文書であるため、税額分の収入印紙を貼付する必要があります。印紙税額は、以下のように契約金額によって異なります。 印紙税額 契約金額(税別) 印紙税額 軽減税額 100万円超500万円以下 2,000円 1,000円 500万円超1,000万円以下 1万円 5,000円 1,000万円超5,000万円以下 2万円 1万円 5,000万円超1億円以下 6万円 3万円 1億円超5億円以下 10万円 6万円 2022年3月31日までに作成される売買契約書の印紙税については、軽減税額が適用されます。売主分と買主分の2通の契約書を作成する場合は、それぞれ印紙税を負担します。 出典)国税庁「印紙税額一覧表(2021年5月現在)」 抵当権抹消に関する費用 売却する自宅に抵当権が残っている場合は、抹消手続きが必要です。抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産1つにつき1,000円です。土地と建物にそれぞれ抵当権が設定されている場合、登録免許税額は2,000円となります。 抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合は別途報酬が発生するので、見積もりをとって費用を確認しましょう。 出典)法務局「登録免許税の計算」 固定資産税・都市計画税の精算 固定資産税・都市計画税は、1月1日現在で不動産を所有している人に課税される税金です。その年の途中で不動産を売却しても、1月1日現在の所有者に全額が請求されます。 売買契約日以降の固定資産税・都市計画税は買主の負担となるため、日割り計算をして売買契約時に精算するのが一般的です。売買契約を締結する前に、不動産会社に固定資産税・都市計画税の精算方法を確認しておきましょう。 譲渡所得税 譲渡所得税は、不動産の売却で利益(譲渡所得)が出た場合にかかる税金です。譲渡所得に一定の税率をかけて税額を計算します。譲渡所得を求める計算式は以下のとおりです。 譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 譲渡価額は自宅の売却価格です。 取得費は、自宅を取得するためにかかった費用です。自宅の購入代金や仲介手数料などが含まれます。ただし、建物については減価償却費を控除した後の金額となります。取得費がわからない場合は、譲渡価額の5%相当額を取得費とみなすことが可能です。 譲渡費用は、自宅を売却するときに払う仲介手数料、建物の取り壊し費用などです。一定の要件を満たして税制特例が利用できる場合は、特別控除額として譲渡所得から一定額を控除できます。 譲渡所得が求められたら、一定の税率をかけて税額を計算します。譲渡所得税の税率は、自宅の所有期間に応じて以下のように異なります。 譲渡所得税額 区分 所得税 復興特別所得税 住民税 税率合計 長期譲渡所得 15% 0.315% 5% 20.315% 短期譲渡所得 35% 0.63% 9% 39.63% 自宅を売却した年の1月1日現在で所有期間が5年超の場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。 出典)国税庁「土地や建物を売ったとき」 自宅売却で利用できる税制特例 自宅(マイホーム)を売却して譲渡所得が生じた場合は、「3,000万円の特別控除の特例」が利用できます。所有期間に関わらず、一定の要件を満たす場合は譲渡所得から最高3,000万円が控除できるため、譲渡所得税の節税になります。 このほかに、「軽減税率の特例」「買換え(交換)の特例」といった税制特例も用意されています。 税制特例を利用するには、必要書類を添付した上で確定申告書の提出が必要です。税制特例は併用できないものあり、どれを利用するのが有利かは状況によって異なります。自分で判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「土地や建物を売ったとき」 住宅ローンが残っている自宅を売却する際の注意点 住宅ローンが残っている自宅を売却するには、ローンを完済し抵当権を抹消する必要があります。一般的には、自宅の売却代金が残債を上回っている場合は、売却代金を返済原資としてローンを完済できるので、問題なく売却ができます。一方で、自宅の売却代金が残債を下回っている場合は、自己資金で補填したり、住み替えローンを利用する必要があります。売却後もローンが残っている場合、金融機関が抵当権の抹消に同意してくれないためです。 住宅ローンが残っている自宅を売却する際は、事前に住宅ローンの残債と自宅の売却価格を把握し、ローンを完済できるかを確認したうえで売却活動を行うとよいでしょう。 まとめ 自宅を売りたいと思ったら、まずは自宅売却の流れや相場感、不動産の取引ルール、費用などを理解することが大切です。その後は複数の不動産会社に自宅の査定を依頼し、信頼できる会社を見極めることがポイントとなります。自宅売却を成功させるために、しっかりと準備を整えてから売却活動を始めましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの方法と成功させるポイント 持ち家に住んでいても、転勤や家族構成の変化などのライフスタイルの変化などを理由に住み替えを検討することがあるでしょう。 住み替えは新居の購入や自宅の売却、住宅ローンの手続きなど、同時に進めな...記事を読む

    2021.09.22自宅売却
  • リースバックできない物件の特徴とは?

    住宅ローン残債がある物件はリースバックを利用できない?

    リースバックは家を売却しても家賃を支払うことでそのまま家に住み続けられるサービスです。資金使途が自由なため、借金の返済や一度にまとまった資金を調達するための手段として利用することができます。一方で、状況次第ではリースバックを利用できない場合もあります。 この記事では、リースバックを利用できない原因について解説します。 リースバックを利用できない原因とは リースバックを利用できない原因は、不動産自体に問題があるか、不動産以外に問題があるか、に大別されます。 リースバックの運営会社(以下、「運営会社」)は、リースバックの利用者(以下、「利用者」)から不動産を買い取り、賃貸することになりますが、借主(利用者)が退去した後にはその不動産を第三者に売却しなければなりません。そのため、「借主の退去後にもその不動産は需要があるのか」という点も踏まえて、リースバックをするかどうかを判断します。 不動産が原因でリースバックを利用できない場合は、その不動産の建物部分と土地部分に分けて、何が問題かを考えることができます。不動産以外が原因でリースバックが利用できない場合も含めて、それぞれ順に解説します。 リースバックを利用できない原因:建物 まずは、建物に問題がある場合です。具体的には以下のような問題が考えられます。 物件に瑕疵がある 瑕疵とは、造成や設備の不良など建物に何らかの欠陥があることをいいます。本来なら備えている物件の品質や性能を満たしていない状態であり、物理的な瑕疵だけでなく心理的瑕疵も含まれます。 物理的瑕疵には、雨漏りやシロアリなどが該当し、それらの生活上の重大な瑕疵がある場合リースバックは難しいでしょう。ただし、事前に大規模なリフォームなどで修繕できる場合は、利用できる可能性があります。 また、物理的瑕疵の他にも自殺者が出た・殺人事件が起こったなどの心理的瑕疵の場合、不動産として取り扱いが難しいことが多いです。 既存不適格物件である 既存不適格物件とは、現行の建築基準などの違反しているものや再建築できないような物件のことをいいます。建築物は、建築基準法や都市計画法などさまざまな法律に則り建築されるものです。しかし、それらの法律は適時改正されているため、以前の法律では問題なくても、現行の基準には違反しているという場合もあります。 改築や建て替えで現行の基準に適合できれば問題ないですが、適合できない場合は不動産としては売りにくくなり、リースバックも難しくなります。ただし、既存不適格だからといって必ずしも取り扱いができないとは限りません。詳細は、リースバック運営会社に確認してみるといいでしょう。 物件がマンションである 建物が古くなれば資産価値が低下しますが、戸建てであれば少なくとも土地の資産価値分は担保できます。それに対してマンションは、立地条件が良くないと、将来安定して売却できるとは言い切れない側面があります。また、リースバック後の所有権は運営会社に移転するため、賃貸借期間中の管理費や修繕費は運営会社の負担となります。 以上を踏まえると、リースバックはマンションよりも戸建ての方が扱いやすいといえます。運営会社によってはそもそもマンションを取り扱わない場合もあるので、運営会社に確認しましょう。 特殊な物件である 賃貸併用住宅やテナントが入っている物件や、工場やクリーニングが入っているような物件など、事業用の不動産も取り扱いが難しいです。こうした物件も第三者への売却が難しく、リースバックを利用できない場合があります。 共有持ち分である 持ち主が複数いる場合、リースバックには持ち主全員の承諾が必要となります。ペアローンなどで所有者が夫婦や親子である場合や、相続した物件の所有者が相続者全員といった場合などがあるでしょう。ただし、所有者全員の合意があればリースバックを利用できます。 リースバックを利用できない原因:土地 続いて、土地に問題がある場合です。具体的には以下のような問題が考えられます。 借地権である 借地権とは、土地の所有者に地代を支払うことで建物を建設して利用できる権利のことです。借地権が付いている物件は、土地と建物の所有者が違うため取り扱いが複雑になります。リースバックに限らず物件を売却するには、物件の所有者だけでなく土地の所有者の許可が必要になります。そのため、土地の所有者の許可を得られればリースバックを利用できる可能性はあるでしょう。 市街化調整区域である 市街化調整区域とは、自治体によって定められた市街化を抑制すべき区域のことをいいます。この区域の物件は、建築に制限がかかるため建て替えなどが難しいです。建て替えが難しい場合、物件としての流通性が低いため、リースバックを利用できない恐れがあります。 運営会社の取り扱いエリア外である 運営会社によっては、取扱物件のエリアが決まっている場合があります。地方都市のみやマンションのみといった制約がある場合は、対象外の物件は取り扱ってもらえないでしょう。運営会社の取り扱いエリアについては、それぞれの会社のホームページなどに記載されているので、事前に確認する必要があります。 共有持ち分である 建物と同様に、持ち主が複数いる場合はリースバックには持ち主全員の承諾が必要となります。詳細は土地の場合と同様です。 リースバックを利用できない原因:不動産以外 不動産以外のリースバックを利用できない原因として、以下のような問題が考えられます。 住宅ローンの残債がある 住宅ローンの残債がある物件の場合、売却金額で住宅ローンが完済できれば問題なくリースバックが利用できます。しかし、売却金額で住宅ローンが完済できない場合は、リースバックが難しくなるでしょう。 売却金額で完済できなかったとしても、手元資金から完済することができます。しかし、利用者のほとんどが手元資金を確保するために行うため、現実的には難しいといえます。 個人の与信力がない リースバックで賃貸借契約を締結するときに家賃保証会社を利用する場合、その保証会社の審査が入ります。家賃保証会社では、家賃の支払能力(安定した収入、借金の有無など)や滞納歴などについて審査されますが、そもそも利用者は持ち家を所有している人が対象なので、持ち家があるほどの与信力があれば、問題なく審査に通過できる場合がほとんどです。 ただし、家賃保証会社によっては高齢者や生活保護受給者への審査が厳しい場合もあります。もし家賃保証会社の審査に通らなければ、リースバック自体も難しくなるでしょう。どうしても家賃保証会社の審査が通らない場合は、保証人を付けることでリースバックを利用できる可能性があるので、運営会社に相談してみましょう。 まとめ リースバックを利用できない原因について解説しました。問題によっては対策できるものもあり、また、リースバックを運営する不動産会社によっても基準が異なるので、ひとつの会社で落ちたからと言って諦める必要はないでしょう。この記事を参考に、リースバックを利用できない原因を理解したうえで、リースバックを検討してみてください。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

  • 空き家を相続したらどうするべき?対処方法や税制特例について解説

    空き家を相続したらどうするべき?対処方法や税制特例について解説

    相続で取得した実家に住む予定がない場合、何もしなければ空き家になってしまいます。空き家の状態で放置することには、さまざまなリスクが存在します。 そのため、空き家を相続する予定があるなら、どのように対処するかを事前に考えておくことが大切です。この記事では、相続した空き家を放置するリスクや対処方法、税制特例について解説します。 空き家問題は深刻化している 総務省の「住宅・土地統計調査(2018年)」によると、全国の空き家率は13.6%で過去最高となりました。「居住世帯のない住宅」のうち空き家は846万戸で、2013年からの5年間で26万戸(3.2%)増加しています。 空き家数はこれまで一貫して増加が続いており、空き家問題は深刻化しています。2014年11月には「空き家等対策特別措置法」が公布され、さまざまな対策が講じされていますが、空き家の増加を抑制できていないのが現状です。 出典) ・総務省統計局「2018年(平成30年)住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」 ・e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」 相続した空き家を放置するリスク 相続した空き家を放置すると、以下のようなリスクがあります。 固定資産税の負担が増える 住宅用地の固定資産税は、特例措置によって以下のように減額されています。 小規模住宅用地(200㎡以下の部分:6分の1に減額) 一般住宅用地(200㎡を超える部分:3分の1に減額) しかし、適切な管理を行わずに空き家を放置すると特例措置の対象から除外されるため、固定資産税の負担が増えてしまいます。 出典)国土交通省「空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置(令和5年度税制改正」 劣化による資産価値下落リスク 実物資産である不動産は、適切に管理を行わないと建物が劣化して資産価値が下落するリスクがあります。特に居住者がいない物件は特に劣化が早いため、早めに対策をする必要があるでしょう。 資産価値が下がるとなかなか買い手が見つからず、売却が困難となります。「賃貸に出す」「不動産を担保に融資を受ける」など、資産として活用することも難しくなるでしょう。 周辺住民とのトラブル 空き家を放置して建物が劣化すると、倒壊や屋根・外壁の落下、火災が発生する恐れがあります。また、ゴミの不法投棄、衛生の悪化、悪臭、雑草などにより、周辺環境に大きな影響を与えます。何も対策を講じなければ、周辺住民とトラブルになりかねません。 空き家を相続したときの対処方法 空き家を相続したら、まずは相続登記を行いましょう。相続登記とは、相続した不動産の所有権(名義)を前の所有者から相続人に移転する手続きです。名義変更を行わないと、売却などの取引を行うことができません。 相続登記を自身で行うのが難しい場合は、司法書士に代行してもらうといいでしょう。相続登記が済んだ後は、以下3つの対処方法が考えられます。 売却する 相続した空き家を売却して現金化する方法です。複数の相続人がいる場合、現金化することで遺産を分割しやすくなるでしょう。売却後は維持費が不要となり、管理の手間がかからなくなるのもメリットです。 賃貸に出す 相続した空き家を入居希望者に貸し出す方法です。空き家を賃貸に出せば、毎月家賃収入を得られます。 ただし、空き家を賃貸に出せる状態にするには、リフォームやハウスクリーニングが必要です。また、入居者がいないと賃料を得られないので、賃貸需要があるかを見極めることが大切です。 住居として使う 相続した空き家を自身の住居として利用する方法もあります。築年数が古く、間取りがライフスタイルに合わなくても、リフォームを行って住みやすくすることは可能です。すでに持ち家に住んでいる場合は、セカンドハウスとして利用してもいいでしょう。 関連記事はこちら相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 相続した空き家を売却するときの税制特例 不動産を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、通常は譲渡所得税がかかります。しかし、空き家の売却で一定の要件を満たすと以下の税制特例が適用されるため、譲渡所得税の節税になります。 相続不動産についての特例については下記のコラムで詳しく解説しています。 関連記事はこちら相続不動産の売却にかかる税金とその税制特例について解説 売却が難しい場合は相続放棄も選択肢 相続した実家が遠方にあって住む予定がなく、売却も難しい場合は「相続放棄」も選択肢となります。 ただし、相続財産をすべて放棄することになるため、プラスの財産(預貯金など)があっても引き継ぐことができません。また、相続放棄をしても、相続財産管理人が管理を開始するまでは実家の管理責任はなくなりません。 相続放棄するほうがよいかは状況によって異なるので、弁護士などの専門家に相談して判断しましょう。 まとめ まずは空き家を相続する前に、相続した後にどのように活用するかを考え、売却が出来ないなど扱いに困るような物件であれば相続放棄をするという選択肢があります。一方で、需要のあるエリアなどの不動産であれば、売却や賃貸に出すなどの選択肢があるでしょう。自身で判断できない場合には、専門家に依頼するなどして、後悔のない選択をしましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 相続時の不動産評価方法は?評価に関する特例も併せて解説 不動産の評価は一物五価とも呼ばれ、同じ不動産でも指標によって評価額は変化します。そして、相続の際の不動産評価額のことを、「相続税評価額」と言います。では、この相続税評価額はどのように算出すれ...記事を読む 不動産相続について徹底解説!知っておきたい手続きや費用 不動産を相続することになった場合、さまざまな手続きが必要になります。不動産相続では、相続税や遺産分割で、トラブルが発生することもあります。不動産相続をスムーズに進めるには、手続きの流れを理解...記事を読む

    2021.09.08相続税金
  • 仮住まいなしで住み替えをする5つの方法

    仮住まいなしで住み替えをする5つの方法

    持ち家の方が自宅を住み替える場合、住み替えの方法によっては仮住まいが必要です。 仮住まいとして賃貸物件を借りると、毎月の家賃だけでなく、引っ越し費用や敷金・礼金などの費用もかかります。また、通勤や生活の便、子どもの学区などを考慮して物件を探さなくてはならないため、負担が大きいでしょう。 住み替えで仮住まいを準備せず、直接新居へ引っ越すにはどうすればよいのでしょうか。この記事では、仮住まいなしで住み替えをする方法を5つ紹介します。 買い先行(ダブルローン) 買い先行とは、新居の売買契約を済ませてから持ち家の売却を行う方法です。自宅を売却する前に住み替えができるため、引っ越しは1回で済みます。自宅を空室にしてから売却するので内覧希望者に対応しやすく、高値で売却しやすいのもメリットです。 買い先行の注意点は、自宅の住宅ローンの残債が大きいと、新居の住宅ローン審査が厳しくなることです。住宅ローンを組めなければ、新居購入は難しくなります。また、新居の住宅ローンが通ったとしても、現在の自宅とのダブルローンとなります。そのため、自宅の売却に時間がかかると、返済負担が大きくなる恐れがあります。 買い先行は、自宅の住宅ローンを完済している人や資金力のある人向けの選択肢といえるでしょう。 買い先行(売却つなぎ) 買い先行では先に新居を購入するため、自宅の売却代金を新居の購入に使うことができません。気に入った物件が見つかっても、頭金や手付金を用意できなければ新居の購入は難しくなります。 つなぎ融資で現在の自宅を担保に融資を受ければ、住み替えによる一時的な資金不足を解消でき、新居の頭金や手付金の問題で、新居購入に進めない問題を解決できます。つなぎ融資の借入期間は通常1年以内の短期で、自宅の売却代金で一括返済する仕組みになっています。 一方で、住み替えでつなぎ融資を利用する際には以下のような注意点があります。 住宅ローンに比べて金利や事務手数料が高い傾向にある 新居の住宅ローンの審査に影響を与える可能性がある 自宅の売却価格が予定より下がると返済に支障が出る可能性がある つなぎ融資を扱う金融機関が少ない つなぎ融資はどうしても新居の頭金や手付金が必要で、問題なく返済可能と判断できる場合のみ利用を検討しましょう。 同時決済(不動産仲介) 同時決済とは、自宅の売却決済と新居の購入決済を同日に設定する方法です。新居購入と自宅売却のタイミングを合わせるので、仮住まいなしで住み替えができます。同時決済は「買い重視」と「売り重視」の2つに分けられます。 買い重視:新居を決めてから自宅の売却決済日を合わせる 売り重視:自宅の売却を決めてから新居の購入決済日を合わせる 新居の購入活動を先にすると、納得できるまで物件を探せます。しかし、自宅の売却を購入決済に合わせて決めなければならないので、売却期間が短くなることで、売却価格が安くなりやすいデメリットがあります。 反対に自宅の売却活動を先にすると、売却に時間をかけられるので相場価格で売却しやすくなります。ただし、新居の検討期間を十分に確保できないため、妥協して物件を決めることになるかもしれません。 同時決済を選択する場合には、それぞれの特徴を理解した上で、買い重視と売り重視のどちらで進めるか決めることが大切です。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント 同時決済(不動産業者買取) 自宅の売却は、不動産業者に直接買い取ってもらう方法もあります。 仲介での売却活動は、買い手が見つかるまでに時間がかかることがあります。買取であれば、比較的短期で決済可能です。そのため、新居を決めてから買取の契約をしても、スピード感を持って対応できます。 ただし、買取は自宅の売却価格が相場価格よりも下がる傾向にあります。同時決済に合わせるために利用する他、不動産仲介での売り出しで長期間売却できなかった場合や、仲介での売却が難しい場合などに利用を検討するといいでしょう。 リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。売却先であるリースバック運営会社に家賃を払うことで、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで自宅を売却して住み替えまで住み続ければ、仮住まいは不要です。また、売却代金で自宅の住宅ローンを完済し、残った資金を新居の頭金に利用することができます。 リースバックの注意点は、住み替えまで家賃を払う必要があることです。また、リースバックの売却価格は相場価格よりも下がる傾向にあります。そのため、買取の場合と同様に自宅を高く売却する必要がある方には不向きな方法です。 また、リースバックは先に自宅を売却するので、思うような物件が長い間見つからなくても後戻りしづらい点にも注意が必要です。売却した自宅の買い戻しも可能ですが、買い戻し価格は売却価格より高くなるのが一般的です。 買い戻し条件は運営会社によって異なります。買い戻し価格や買い戻し可能期間などの条件が書面化されていないと、買い戻しできるか不透明な部分もあります。住み替えをやめる可能性がある場合など、リースバックの利用は慎重に判断した方がいいでしょう。 関連記事はこちら住み替えにリースバックを利用するメリットを解説 まとめ 自宅の売却方法を工夫することで、仮住まいなしで住み替えをすることは可能です。今回紹介した方法は、それぞれメリット・デメリットがあります。資産状況や家族構成などから何を優先するかを明確にした上で、自分に合った住み替え方法を選択しましょう。 リースバックならSBIスマイル リースバックの商品詳細はこちら ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの方法と成功させるポイント 持ち家に住んでいても、転勤や家族構成の変化などのライフスタイルの変化などを理由に住み替えを検討することがあるでしょう。 住み替えは新居の購入や自宅の売却、住宅ローンの手続きなど、同時に進めな...記事を読む

    2021.09.01住み替え
  • リ・バース60のよくある質問

    リ・バース60のよくある質問

    リ・バース60は、満60歳以上の方向けの住宅ローンです。一般的な住宅ローンは、安定収入が必要で年齢制限もあるため、高齢になると借りるのが難しくなります。一方で、リ・バース60であれば、住宅ローンを利用できない高齢の方でも融資を受けやすいです。リ・バース60は通常の住宅ローンとどのような点で異なるのか疑問を持つかもしれません。 この記事では、リ・バース60のよくある質問とその回答を紹介します。 リ・バース60とリバースモーゲージの違いは何ですか? リバースモーゲージとリ・バース60は、資金使途に違いがあります。リバースモーゲージは一般的に老後の生活資金や医療費、介護費用などに利用できます。一方で、リ・バース60は「リバースモーゲージ型住宅ローン」なので、住宅に関連する資金使途(住宅の購入・建築、リフォーム、住宅ローンの借り換えなど)に限定されています。 資金使途以外の「自宅を担保にする」「毎月の返済が利息のみ」「債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する」などの特徴は、リ・バース60と共通しています。 いくらまで借りることができますか? リ・バース60の融資限度額は、次のうち最も低い額です。 (1)8,000万円 (2)所要金額の100% (3)担保評価額の50%または60% (3)の担保評価額については、担保とする住宅(セカンドハウスを含む)が長期優良住宅の場合は「担保評価額の55%または65%」です。 つまり、不動産評価が1億5千万円以上にならない限りは、評価の50%以内の範囲の必要な金額が上限となります。例えば、不動産評価が1億円の融資限度額は概ね5千万円程度となります。 契約できる年齢の制限はありますか? リ・バース60では満60歳以上の方が対象ですが、金融機関によっては年齢上限を設けていることがあります。また、満50歳以上60歳未満の方でも利用できる場合もあります。ただし、満50歳以上60歳未満の方の融資限度額は、担保評価額の30%となるなど、条件が一部異なります。 つまり、年齢の下限は基本的には60歳、上限はない、もしくは金融機関によって異なると考えておきましょう。 債務者の死後、必ず担保不動産は売却されますか? 担保不動産は必ずしも売却されるわけではありません。相続人が残債務を一括で返済する場合は、担保不動産を引き継ぐことができます。また、債務者が生前に元金を繰上返済して、担保不動産の売却を回避することも可能です。 残債務を一括で返済しない場合は、担保不動産を売却して残債務を一括で返済する必要があります。担保不動産の売却を希望しない場合には、あらかじめ残債務を一括返済するか、死後に一括返済出来るよう資金を準備しておくといいでしょう。 債務者の死後、担保不動産の売却はだれがどのような方法で行うのですか? 債務者が亡くなった後の担保不動産の売却は、以下のどちらかで行います。 相続人が自ら売却 住宅金融支援機構が競売により売却 相続人は、どちらの方法で担保不動産を売却するか選択できます。競売よりも相続人が自ら売却活動を行うほうが、高く売却できる可能性があります。残債務を上回る金額で売却できた場合、その余剰金は相続人が受け取れます。 なお、担保不動産の売却代金が残債務に満たない場合、リコース型であれば残った債務の返済が必要で、ノンリコース型であれば残った債務の返済は不要です。 担保不動産が残債務以上の金額で売却できた場合はどうなりますか? 担保不動産の売却によって、金融機関と住宅金融支援機構が回収すべき金額以上で売却できた場合、余剰金は相続人が受け取れます。 売却代金が担保不動産の取得価格を上回った場合、売却益が譲渡所得となり、所得税等が課税される場合があります。詳しくは、税務署や税理士に確認しましょう。 担保不動産の売却による返済後に債務が残った場合どうなりますか? リ・バース60の債務者が死亡し、担保不動産の売却で返済した後に債務が残った場合は、次のうちいずれかの取扱いとなります。 ノンリコース型:相続人は残った債務を返済する必要がない リコース型:相続人は残った債務を返済する必要がある 2022年度においては、ノンリコース型の利用割合が99.0%を占めており、大多数がノンリコース型を選択していることがわかります。 なお、ノンリコース型は、リコース型に比べて金利が高くなることがあります。また、残債務のうち返済不要となる部分は債務免除益とみなされ、所得税等が課税される場合があります。詳しくは、税務署や税理士に確認するといいでしょう。 出典)住宅金融支援機構「【リ・バース60】の利用実績等について (2023年1月~3月及び2022年度分」 まとめ リ・バース60であれば、60歳以上の方でも融資を受けられるので、住宅の購入・建築やリフォーム、住宅ローンの借り換えなどに必要な資金を準備できます。また、毎月の支払は利息のみで、返済負担が小さい点も魅力です。 リ・バース60の仕組みを理解して、老後の住まいづくりにうまく活用しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リ・バース60の活用事例を4つ紹介 リ・バース60とは、満60歳以上の人向けの住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、元本は債務者が亡くなったときに担保物件を売却して返済するか、相続人が現金で一括返済するかを選べます。リ・バ...記事を読む

  • リースバックの買い戻しに関するよくある質問

    リースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説

    リースバックは不動産売買と賃貸借契約を一体として契約するサービスです。不動産を売却した後も賃貸として自宅に住むことができ、条件を満たせば将来買い戻すこともできます。リースバックでは、売買金額や家賃が注目されますが、買い戻しについては詳しくわからない人も多いのではないでしょうか。 この記事では、リースバックの買い戻しの仕組みや注意点、買い戻し価格の目安について解説します。 リースバックで買い戻しをする仕組みとは? リースバック運営会社によって詳細は異なりますが、買い戻しは大きく分けて二つの方法で行われます。ひとつは、売買契約書上に特約として明記される方法、もう一方は売買予約契約として別の契約で締結される方法です。 買い戻しの特約は民法第579条、売買予約契約は民法第556条でそれぞれ定められており、この民法に応じて買い戻し代金や期間を定めることが一般的です。契約書の形式は異なりますが、いずれの場合にせよ、リースバックの利用者が一定期間内に買い戻しの意思を表明することによって、買い戻しが成立します。 出典) ・wikibooks「民法第579条」 ・wikibooks「民法第556条」 必ずしも買い戻しができるとは限らない リースバックで売却した物件は、契約書上にあらかじめ明記した特約の条件を満たしておけば、買い戻すことが可能です。しかし、家賃の滞納など、契約書に記載されている条件に違反すると買い戻せなくなります。 また、リースバックで家を売却した後、ずっと買い戻しの権利があるかというと、そうではありません。例えば契約書に買い戻し特約を明記している場合、民法上最長10年、期間の定めがない場合は5年となります。その他、細かく条件が定められることがありますが、具体的な内容は運営会社によって異なるため、契約前に確認しておくようにしましょう。 なお、運営会社が倒産した場合も、倒産後に物件がどのように取り扱われるかによって、買い戻せなくなることがあります。 買い戻し価格はどう決まる? リースバックの買い戻し価格は、当初の売却価格と買い戻し時点での市場価格とのバランスで決まります。運営会社次第では、一定期間の買い戻し価格をあらかじめ決めておくことも可能です。 買い戻し価格の目安 リースバック後の買い戻し価格の相場は、一般的に売却価格の1.1~1.3倍が目安です。なぜなら、売却価格に以下のような費用が上乗せされるからです。 売買時の費用 買い戻しにかかる費用 運営会社の利益 具体的にどの程度上乗せされるかについては、リースバック運営会社によって異なります。不動産取引は費用や税金が大きくなるため、売却時よりも高くなると考えておきましょう。 買い戻しを検討する場合の注意点 リースバックで買い戻しを検討する場合、以下のような注意点があります。 買い戻し価格は売却価格よりも高くなる 上述のとおり、リースバックで売却した自宅を買い戻す場合、当初の売却価格より買い戻し価格のほうが高く、不動産売買に関する諸費用も発生します。そのため、あらかじめ資金計画を立てておかないと必要な資金を用意できず、予定どおりに買い戻しができなくなる恐れがあります。 買い戻し条件に合意できない恐れがある リースバックでは、自宅を売却するときに売買予約契約の締結や売買契約書上に買い戻しに関する特約を明記しておかないと、買い戻し条件に合意できない恐れがあります。買い戻しに関するトラブルを回避するには、あらかじめ買い戻し条件を書面化しておきましょう。 買い戻しの際に住宅ローンが利用できない恐れがある 一度リースバックした家を買い戻す場合でも、住宅ローンを組むことは可能です。ただし、買い戻す際には、通常の不動産購入と同じように住宅ローンの審査が行われるため、必ず住宅ローンを利用できるとは限りません。例えば、リースバック利用以前に住宅ローンを延滞してしまっていた場合には、買い戻し時にローンを組むことが難しいと言えるでしょう。 また、金融機関によっては、そもそもリースバックの買い戻しには住宅ローンを利用できないケースもあるかもしれません。詳細は金融機関やリースバック運営会社に相談しておきましょう。 リースバックの買い戻しで損をしない方法とは? リースバックの買い戻し時の価格の計算方法は、運営会社毎に異なりますが、一般的には「売却価格から〇〇%上乗せした金額」で定められます。最初の契約の段階で買い取り価格を設定することができるため、あらかじめ確認しておきましょう。なお、少しでも安く買い戻したいと考えるのであれば、そもそもの売却価格を安くするのも一つの方法です。 例えば、売却価格に10%上乗せした価格を買い戻し価格とする会社であれば、2,000万円で売却した場合、買い戻し価格は2,200万円になりますが、1,500万円で売却すれば1,650万円になります。そのため、買い戻しを前提としてリースバックを利用するのであれば、売却価格を抑えて取引するのもいいでしょう。 まとめ リースバックで買い戻すときのデメリットは、売却金額よりも高い金額で買い戻すこと自体です。そのため、最初から買い戻し前提でリースバックを利用する際には、本当にリースバックでなければ抱えている問題を解決できないのかをよく考えた方が良いでしょう。 そのうえでリースバックを利用すると決めた場合は、契約書の内容について確認し、買い戻しに向けた資金計画をしっかりと立てておきましょう。後から後悔することのないように、契約前からしっかりと準備を行うことが大切です。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

  • 住み替えにリースバックを利用するメリットを解説

    持ち家にお住まいの方が住み替えをする場合、「自宅の売却」と「新居の購入」という2つの不動産取引を行います。また、住宅ローンの手続きや仮住まいの準備も必要になるため、計画的に進めないと予想以上に資金や手間がかかるかもしれません。 住み替えをスムーズに進めるにあたり、リースバックを利用することで住み替え時の悩みを解消できる可能性があります。この記事では、住み替えにリースバックを利用するメリットについて詳しく解説します。 3つの住み替え方法 持ち家の住み替え方法は、大きく「買い先行」と「売り先行」、「同時決済」の3つに分けられます。 買い先行は、新居を購入してから自宅の売却活動を始める方法、売り先行は、自宅の売却をしてから新居を探す方法です。それに対して同時決済は、新居購入と自宅売却の決済日を合わせる方法です。 それぞれの方法のメリットやデメリット、選び方については以下の記事で詳しく解説しています。 関連記事はこちら住み替えの方法と成功させるポイント 買い先行とリースバックの比較 買い先行は新居を決めてから自宅を売却するため、住み替え資金の確保や自宅の住宅ローンの返済が課題となります。リースバックを利用すれば、こうした資金面に関するデメリットを解消できます。 ダブルローンの心配がない 自宅の住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローンとのダブルローンになる恐れがあります。住宅ローンは、自宅の売却代金で完済できますが、予定どおりに売却できなかった場合はダブルローンとなり、月々の返済負担が大きくなります。リースバックを利用すれば、売却代金で自宅の住宅ローンを完済できるので、ダブルローンの心配はなくなります。 新居の住宅ローン審査に通りやすい 自宅の住宅ローンが残っていると、与信面から新居のローン審査が厳しくなります。理想の物件が見つかっても、住宅ローンを組めなければ住み替えはできません。リースバックで自宅を売却して住宅ローンを完済することで、新居の住宅ローン審査に通りやすくなります。 頭金を用意できる 新居を購入する際は、頭金や手付金として物件価格の10%程度の資金を求められることがあります。買い先行では自宅の売却代金を活用できないため、貯蓄状況によっては手元資金が不足する恐れがあります。リースバックで先に自宅を売却すれば、売却資金を住宅ローンの完済に充て、その残りを頭金に利用できます。 売り先行とリースバックの比較 売り先行は先に自宅を売却するので、新居が決まるまでの仮住まいが必要です。リースバックを利用すれば、新居が決まるまで自宅にそのまま住み続けられるので、仮住まいの問題を解消できます。 仮住まいの手間がかからない 仮住まいを用意する際は、通勤や生活の便を考慮して物件を探さなくてはなりません。子育て中の場合は、子どもの学区内での転居する必要もあります。リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら新居を探すことができます。仮住まいを用意する必要がなく、引っ越しは自宅から新居への1回で済みます。 仮住まいの費用負担が小さく済む 仮住まいへの引っ越しが必要な場合、毎月の家賃だけでなく、転居費用や敷金、礼金などの初期費用も発生します。新居探しが長引けば費用が膨らみ、家計に大きな負担となります。リースバックを利用すれば、自宅に住み続けながら新居を探すことができるので、余分な引っ越し費用がかかりません。加えて、敷金や礼金などが不要なリースバックを利用すれば、さらに余計な費用をかけずに済みます。 住み替えにリースバックを利用する注意点 リースバックを利用して住み替えをする場合、自宅の売却価格が市場価格と比較して安くなる点に注意が必要です。リースバック以外の方法として、不動産業者が媒介して買主を見つける「仲介」と、不動産業者自身が直接購入する「買取」の2つの不動産売却方法があります。 まず、一般的な仲介での売却は不動産の時価を基準に取引されることが多いため、仲介に比べるとリースバックの売却価格は安い傾向にあります。一方で、不動産会社自身が買い取る場合は、リースバック運営会社が買い取る場合と本質的には同じため、売却価格に大きな差はないと言えるでしょう。もし自宅を少しでも高く売る必要がある場合には、仲介で売却活動を進めるのがよいでしょう。 ただし、仲介は買主が見つかるまでに時間がかかることがあります。また、買主が見つかったとしても、希望価格で売却できるとは限りません。仲介や買取、リースバックのどれで売却するかは、売却価格だけでなくその他の費用や手続きの手間も考慮して決めることが大切です。 まとめ 持ち家の住み替えでは、住宅ローンや仮住まいの問題など、スムーズに進められない要因が多々あります。リースバックを利用することで、買い先行や売り先行のデメリットを解消できるかもしれません。住み替えをスムーズに進めたい場合には、リースバックの利用を検討してはいかがでしょうか。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む