住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • 残価設定型住宅ローンとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

    残価設定ローンは、マイカーローンで利用されることがあるローンの一種です。最近では、住宅の購入においても残価設定型の住宅ローンが普及し始めています。残価設定型住宅ローンを利用すれば、月々の返済負担の軽減につながるかもしれません。 この記事では、残価設定型住宅ローンの概要や仕組み、メリット・デメリットを解説します。 残価設定型住宅ローンとは マイカーローンなどで利用される残価設定型ローンとは、あらかじめ将来の残価(資産価値)を設定し、その資産の購入価格から残価を差し引いた金額で借りるローンです。通常のローンに比べると、毎月の返済額を抑えられます。 この仕組みを住宅ローンに当てはめたものが残価設定型住宅ローンです。通常の住宅ローンに「返済額軽減オプション」「買取オプション」という2つの権利が付与されており、選択するオプションによって将来、自宅をどうするのか決めることができます。 残価設定型住宅ローンは、JTI(一般社団法人 移住・住みかえ支援機構)が住宅メーカーや金融機関と提携して提供しています。 <JTIの協賛住宅メーカー・住宅事業者> 大和ハウス工業株式会社 住友林業株式会社 ミサワホーム株式会社 パナソニック ホームズ株式会社 トヨタホーム株式会社 旭化成ホームズ株式会社 <JTIの指定金融機関> 日本住宅ローン株式会社 株式会社三菱UFJ銀行 楽天銀行株式会社 従来の住宅ローンは返済方法に柔軟性が低く、「役職定年や定年退職による収入減少でローン返済が苦しくなる」「子育てが終わっても簡単に住み替えができない」といった課題がありました。 しかし、残価設定型住宅ローンは毎月の返済額の軽減や住み替えが通常の住宅ローンに比べて行いやすくなるため、ライフスタイルの変化に対応しやすい特徴があります。 令和3年3月19日に閣議決定された「住生活基本計画(全国計画)」では、「健全なリースバックの普及、リバースモーゲージや残価設定ローン等の多様な金融手法の活用を進め、住宅の資産価値の合理化・明確化を推進」と明記されていることから、国も残価設定型住宅ローンの普及を進めていることがわかります。 出典)国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」P.15 残価設定型住宅ローンの仕組み 残価設定型住宅ローンは、借り入れ時点では一般的な住宅ローンと同じですが、あらかじめ決められた残価設定月からは、返済額軽減オプションと買取オプションのどちらかを行使できるようになります(詳細は後述)。 残価設定月は、JTIが保証する住宅の残価とローン残高が初めて同じ金額になる月を指します。現状では、住宅ローンを借り入れてから20~25年目前後に残価設定月が決まることが多いです。 出典)一般社団法人移住・住みかえ支援機構「残価設定型住宅ローン利用者フォーラム」 JTIが提供する残価設定型住宅ローンの対象住宅は認定長期優良住宅のみです。どんな住宅ローンにもオプションを付与できるわけではなく、前述のJTIの指定金融機関に限られます。 出典)一般社団法人移住・住みかえ支援機構「FAQ どんな住宅でも利用可能ですか?」 また、JTIとの提携機関以外にも残価設定型住宅ローンを提供する金融機関があります。例えば、とある金融機関では、ローン最終回に原本の一部を一括返済することで初回返済時から返済負担が軽減される商品があります。詳細については各金融機関に相談するといいでしょう。 残価設定月以降の選択肢 残価設定月を迎えると、その月以降いつでもオプションの行使を行うことが可能です。それぞれのオプションと行使しない場合について確認していきましょう。 ※筆者作成 返済額軽減オプション 返済額軽減オプションを行使した場合は、返済額が大幅に圧縮され、借主が亡くなるまで借り続けることが可能です。この仕組みを新型リバースモーゲージといい、亡くなるまで家を所有し住み続けることができます。 住宅完成から50年経過後は利息のみの支払いとなります。借主と配偶者が亡くなった後は、買取オプションが自動的に行使され、JTIが住宅とローンを引き取る仕組みになっています。 買取オプション 買取オプションは、残価設定月以降はいつでも行使でき、その時点での住宅ローン残高と同じ金額でJTIに住宅(土地・建物)を買い取ってもらうことができます。住宅を手放しさえすれば売却代金でローンを完済し、住み替えも可能となります。 オプションを行使しない場合 自己資金で住宅を購入する(住宅ローンの一括返済) 自己資金で残価相当分のローン残高を一括返済し、住宅を買い取る方法もあります。この場合、まとまった自己資金が必要になります。 残価分で住宅ローンを組み直す 残価分について、住宅ローンを組み直して返済を継続する方法です。JTIの残価設定型住宅ローンの場合、オプションを行使せずに当初の住宅ローンのまま継続することも可能です。 残価設定型住宅ローンのメリット 残価設定型住宅ローンのメリットは以下のとおりです。 毎月の返済額が軽減される 残価設定型住宅ローンは、借入金額から住宅の残価を差し引いた金額を返済する仕組みです。そのため、金利や返済期間などの条件が同じであれば、一般的な住宅ローンよりも毎月の返済額が軽減されます。 残価設定月以降に返済額軽減オプションを行使すれば、毎月の返済額はさらに軽減され、最終的には利息のみの支払いとなります。 残価での買取保証がある 残価設定型住宅ローンには買取オプションが付与されており、行使すると住宅ローン残高と同額で物件を買い取ってもらえます。そのため、売却価格がローン残高を下回り、自宅売却後もローンが残ってしまうリスクを回避できます。 なお、買取オプションは義務ではないので、一般の売却方法で残価より高く売却できる場合は行使する必要はありません。 残価設定型住宅ローンのデメリット 一方で、残価設定型住宅ローンには次のようなデメリットもあります。 ローン期間が終了しても資金が必要 残価設定型住宅ローンは、ローン期間が終了した後は先ほど紹介した3つの選択肢があります。どのパターンを選択しても資金が必要です。 たとえば、ローンを一括返済して住宅を購入する場合は、まとまった自己資金が必要です。ローンを組み直したり、リバースモーゲージ型住宅ローンに移行したりする場合は返済が続きます。 一般的な住宅ローンより費用がかかる 残価設定型住宅ローンを利用する際は、JTIに対して55,000円(税込)の手数料がかかります。また、リバースモーゲージ型住宅ローンに移行すると、毎月の返済額は軽減されても、支払利息の増加によって総返済額は増える場合があります。 残価設定型住宅ローンの利用事例 JTIが提供する「残価条件シミュレーション」を利用して、残価設定型住宅ローンの利用事例を1つ紹介します。 <条件>江戸川区東小岩の場合 借入年齢:35歳 当初借入期間:35年 返済方式:元利均等方式 借入金利:1.5% オプション行使後金利:2% 借入金額:5700万 諸経費:60万 郵便番号:133-0052 土地取引価格:4500万円 路線価:295千円 土地面積:130㎡ 建物価格:1200万円 建物延床面積:120㎡ <毎月の返済額> 当初住宅ローン(当初返済期間35年) 返済額軽減オプション行使後 年齢 35歳~ 52歳5か月~ 85歳~※ 月返済額 174,525円 85,679円 25,200円 ※この年齢以降は元本据え置き このシミュレーションは、詳しい住所等を入力しないでも、郵便番号だけで大まかな残価設定条件がわかるようにした簡易計算です。実際に残価設定型住宅ローンの利用する場合には、具体的な所在地や物件毎の情報をもとに個別に査定が必要となりますので、このシミュレーションの結果と大きく食い違うことがありえます。 まとめ 残価設定型住宅ローンは毎月の返済額の軽減や買取に関するオプションが付与されるため、ライフスタイルの変化に対応しやすいのがメリットです。ただし、ローン期間終了後に自己資金が必要で、通常の住宅ローンに比べて費用がかかる可能性もあります。現状では利用できる住宅や金融機関が限られるため、検討する場合は住宅メーカーなどに相談してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 資金洗浄(マネー・ローンダリング)とは?仕組みや対策を解説

    銀行口座の開設や送金、クレジットカードの発行などで金融機関を利用すると、資金洗浄(マネー・ローンダリング:以下「マネロン」)の対策として本人確認などを求められることがあります。マネロンが犯罪であることは知っていても、具体的にどのような行為を意味するのか十分に理解できていないかもしれません。 この記事では、マネロンの概要や仕組み、金融機関などで行われている対策についてわかりやすく解説します。 資金洗浄(マネー・ローンダリング)とは? 資金洗浄とは、犯罪によって得た収益を、その出所や真の所有者をわからないようにして、捜査機関による収益の発見や検挙などを逃れようとする行為をいいます。 マネロンを放置すると、犯罪収益が将来の犯罪活動や犯罪組織の維持・強化に使用されるため、組織的な犯罪やテロ行為などを助長することにつながります。また、犯罪収益が移転して通常の事業活動に使われることにより、健全な経済活動に悪影響を与えます。 安全な暮らしを守り、健全な経済発展を実現するには、世界中の国々と連携しながらマネロン対策に取り組む必要があります。 出典)財務省「教えて!マネロン等対策」 FATF(金融活動作業部会)の役割 FATF(ファトフ)とは、Financial Action Task Forceの略称で、1989年のアルシュ・サミットでマネロン対策の国際基準策定と履行を担うために設立されました。FATFでは、マネロン対策の国際基準として定めた「FATF勧告」に基づき、参加国間の遵守状況や履行状況について監視(相互審査)を実施しています。 2019年10月から11月には、日本のFATF勧告の遵守状況について審査が実施され、2021年8月に第4次対日相互審査報告書が公表されました。その結果、「重点フォローアップ国」と評価されています。報告書の内容については、以下から確認できます。 出典)財務省「対日相互審査報告書の概要(仮訳・未定稿)」 政府は、この報告書の公表を契機として「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策に関する行動計画」の策定・公表及び「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議」を設置し、マネロン対策の強化を図っています。 出典) ・文化庁「FATF 第4次対日相互審査報告書の公表について」 ・金融庁「FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書の公表について」 マネロンの手口 マネロンは、主に次の3段階のプロセスを経て資金の浄化が行われます。 プレイスメント(placement) レイヤリング(layering) インテグレーション(integration) プレイスメントとは、犯罪によって得た収益を、金融システムや合法的な商取引の流れに取り込むプロセスです。偽名・架空名義の銀行口座に犯罪行為で得た資金を入金するなどの方法があります。 レイヤリングとは、金融システムに取り込んだ犯罪収益の出所をわからなくするためのプロセスです。銀行口座から複雑な送金取引を繰り返し、何度も資金を移動させるような方法があります。 インテグレーションとは、出所をわからなくした犯罪収益を合法的なビジネスによる収益のように偽造することで、通常の経済活動に戻すプロセスです。 これら3つのプロセスによって、犯罪によって得た資金を通常の経済活動で使用したり、再び犯罪行為に利用することが可能になります。 マネロンの事例 国家公安員会の「犯罪収益移転危険度調査書(令和5年12月)」によると、令和2~4年の3年間の検挙事例において、マネロンに悪用された主な取引の集計結果は以下のとおりです。 出典)国家公安員会「犯罪収益移転危険度調査書(令和5年12月)P.30」 最も多いのは内国為替取引の584件、次いで現金取引297件、預金取引160件となっています。内国為替取引とは、預金取扱金融機関(銀行、信用金庫、信用協同組合など)を利用した国内送金(預貯金の預入れ・払戻し、手形・小切手の利用は除く)のことです。預金取扱金融機関の商品・サービスが、マネロンに悪用された取引の多くを占めています。 マネロンを計画・実行しようとする者が、迅速で確実な資金移動が可能な内国為替取引を通じて、他人または架空名義の預金口座に犯罪収益を振り込ませる事例が多くみられます。最終的には、預金口座に入金された犯罪収益は現金化されるため、その後の追跡は難しくなります。 クレジットカードの不正利用の増加に伴い、クレジットカードがマネロンに悪用された取引も増加傾向です。また、前払式支払手段(商品券、磁気式・IC式プリペイドカード、インターネット上で利用できるプリペイドカードなど)、暗号資産、資金移動サービスなど、決済手段の多様化を悪用される場合もあります。 金融機関で行われるマネロン対策 前述のように、預金取扱金融機関の商品・サービスがマネロンに悪用されるケースが多発しています。そのため、金融機関で以下のような取引を行う場合は、マネロン対策の一環として取引内容や取引目的の確認を受けることがあります。 現金や小切手による高額の取引 収入や資産などに見合わない高額の取引 短期間のうちに何度も行われる取引 送金先、送金目的、送金原資などについて不明瞭な点がある取引 上記はあくまでも例示であり、実際には金融機関が個別・具体的に判断します。また、個人と法人によっても確認される事項は異なります。 個人の場合 個人が金融機関を利用する場合、取引内容や状況によっては次のような確認を求められる可能性があります。 氏名、住所、生年月日、職業などの本人確認 取引の目的 その際、各種書面の提示を求められることもあります。 法人の場合 法人が金融機関を利用する場合、取引内容や状況に応じて次のような確認を求められる可能性があります。 法人の住所、事業内容、株主情報など 法人の実質的支配者(氏名、住所、職業、居住国など) これらについて、窓口や書類郵送での再確認、各種書面の提示を求められることもあります。 まとめ 近年マネロンは複雑かつ高度化しており、日本および国際社会にとってマネロン対策は重要な課題です。私たちの身近にある預金口座やクレジットカードなどの取引が、マネロンに悪用されるケースが増えています。金融機関を利用する際に、マネロン対策として取引内容の確認などを求められる可能性があることを理解しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2024.09.04用語
  • 住宅のリフォームローンとは?特徴や種類について紹介

    リフォームローンは、資金使途が住宅の修繕や増改築などの場合に利用できるローン商品の一種です。自宅の老朽化などでリフォームが必要になり、資金が不足する場合は、リフォームローンを検討するかもしれません。 この記事では、リフォームローンの概要や特徴、種類について紹介します。 リフォームローンの特徴 リフォームローンとは、住宅の修繕や増改築、設備の交換などを行う際に借りられるローン商品です。建物の老朽化で、屋根や外壁、内装、水回りの改修などが必要な場合や、中古住宅を購入する場合などに活用できます。 関連記事はこちらリフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説 リフォームローンは、「担保の有無」「金利タイプ」「資金使途」などの項目で金融機関ごとに特徴があります。それぞれ確認していきましょう。 担保の有無 リフォームローンは、「有担保型」と「無担保型」の2つに分けられます。 有担保型:リフォームする住宅を担保に入れる 無担保型:担保不要で借り入れができる 一般的に、有担保型は無担保型よりも低金利で借入限度額が大きく、長期間の借り入れが可能です。ただし、担保物件の審査も必要なため時間がかかり、抵当権設定費用などの負担も生じます。 対して無担保型は、有担保型よりも審査が早く、登記費用もかかりませんが、有担保型より金利は高めで、借入限度額も小さい傾向にあります。まとまった資金を借り入れる場合は有担保型、小規模のリフォームを行う場合は無担保型が向いているでしょう。 金利タイプ リフォームローンの金利タイプは、住宅ローンと同様に変動金利と固定金利の2種類があります。 変動金利:市場金利の変化に応じて定期的に金利が見直される 固定金利:契約時から返済終了まで金利が変わらない 変動金利は、固定金利に比べて契約時の金利が低いのがメリットです。ただし、返済期間中に市場金利が上昇すると、適用金利も上昇して総返済額が増加します。 固定金利は契約時に月々の返済額や総返済額が固定されるので、返済計画を立てやすく、金利上昇リスクを回避できるのが特徴です。 返済期間が短い場合は変動金利タイプ、返済期間が長い場合や将来の金利上昇に備えたい場合は固定金利タイプが適しているでしょう。 資金使途 リフォームローンでは、リフォーム費用のみを借り入れる商品のほかに、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借り入れる「リフォーム一体型ローン」もあります。 リフォーム一体型ローンは、中古住宅を購入してリフォームする場合に利用できます。住宅ローンとリフォームローンを別々に契約する必要がなく、1つにまとめることができるため、返済状況を管理しやすいでしょう。 住宅金融支援機構のリフォームローン ここでは具体例として、住宅金融支援機構が提供するリフォームローンを3つ紹介します。 グリーンリフォームローン グリーンリフォームローンは、一定の基準を満たす省エネリフォーム工事に対する融資です。住宅の省エネルギー化によって環境負荷の低減と、健康で快適な生活を実現するため2022年に開始しました。 融資額は最大500万円です。融資手数料は無料で、無担保・無保証で利用できます。融資を利用するには、工事着工前に適合証明の申請や工事計画内容の確認が必要です。 出典)住宅金融支援機構「グリーンリフォームローン」 リフォーム融資(耐震改修工事) リフォーム融資(耐震改修工事)とは、住宅の耐震改修または耐震補強の工事に対する融資です。融資限度額は1,500万円で、住宅部分の工事費が上限となります。融資手数料無料・無保証で利用できますが、抵当権の設定は必要です(融資額が300万円以下の場合は不要)。 出典)住宅金融支援機構「リフォーム融資(耐震改修工事)」 リフォーム融資【高齢者向け返済特例】 リフォーム融資【高齢者向け返済特例】とは、満60歳以上の人を対象としたリフォームローンです。部分的バリアフリー工事やヒートショック対策工事、耐震改修工事を含むリフォームを行う場合に利用できます。融資限度額は1,500万円です。 毎月の支払いは利息のみで、借入金の元金は申込人が亡くなったときに、相続人が融資対象住宅の売却や自己資金などにより一括返済する仕組みになっています。 出典)住宅金融支援機構「リフォーム融資【高齢者向け返済特例】」 中古住宅の購入時に活用できるリフォームローン 住宅金融支援機構が提供しているリフォーム一体型の住宅ローンとして、フラット35リノベを活用できます。フラット35リノベとは、中古住宅の購入とあわせて一定の要件を満たすリフォームを実施すると、フラット35の金利が引き下げられる制度です。 中古住宅を購入後に自らリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」、住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する「買取再販タイプ」の2つがあります。以下の図は、一般的な手続の流れです。 リフォーム一体タイプ ※1 リフォーム工事前の中古住宅について、【フラット35】の技術基準への適合状況を適合証明検査機関が確認します。リフォーム工事を行う住宅が中古マンションらくらくフラット35等の場合または買取再販タイプの場合は「事前確認」を省略することができます。 ※2 リフォーム工事後の中古住宅について、【フラット35】および【フラット35】リノベの技術基準に適合していることを適合証明検査機関が確認します。 ※3 リフォーム一体タイプの資金実行はリフォーム工事完了後となります。中古住宅の代金決済の際に「つなぎ融資」が必要な場合は、取扱金融機関にご相談ください(「つなぎ融資」は取扱金融機関等のローンです。)。 出典)フラット35「リノベ(中古住宅購入+リフォーム(融資手続))」 買取再販タイプ ※1 リフォーム工事前の中古住宅について、【フラット35】の技術基準への適合状況を適合証明検査機関が確認します。リフォーム工事を行う住宅が中古マンションらくらくフラット35等の場合または買取再販タイプの場合は「事前確認」を省略することができます。 ※2 リフォーム工事後の中古住宅について、【フラット35】および【フラット35】リノベの技術基準に適合していることを適合証明検査機関が確認します。 出典)フラット35「リノベ(リフォーム済み住宅の購入(融資手続))」 金利引き下げメニューは、住宅の要件(省エネルギー性、耐震性など)に応じて「金利Aプラン」と「金利Bプラン」の2種類が用意されています。 ※2025年3月31日までの申込受付分に適用 子育て世帯は、フラット35の「子育てプラス」との併用が可能です。一定の要件を満たすと、子どもの人数などに応じて金利が引き下げられます。 出典) ・フラット35「家族構成と建て方に合わせた組合せで金利を引下げ!ポイント早見表 ・フラット35「子育てプラスとは?」 関連記事はこちらフラット35の子育て支援とは?金利引き下げの条件や注意点を解説 リフォームローン借り入れまでの流れ 金融機関でリフォームローンを組む場合、一般的な手続きの流れは以下のとおりです。 仮審査の申し込み 仮審査の結果通知 本審査の申し込み 本審査の結果通知 契約手続き 融資実行 借り入れまでの流れや必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。 まとめ リフォームの工事費用を自己資金でまかなうのが難しい場合、リフォームローンを利用すれば必要な資金を準備できます。リフォームローンは、金融機関によって担保の有無や金利タイプ、資金使途などが異なります。工事規模や予算などに合わせて最適な商品を選びましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • ABL(動産・債権担保融資)とは?仕組みや特徴をわかりやすく解説

    「事業資金を借りたいが、担保となる資産もないから難しい」と考える中小企業の経営者もいるかもしれません。しかし、ABL(動産・債権担保融資)を利用すれば、企業が保有する在庫や売掛金などを担保に金融機関から融資を受けられる可能性があります。 この記事では、ABLの仕組みや特徴、利用までの流れをわかりやすく解説します。 ABL(動産・債権担保融資)とは ABLとは、「Asset Based Lending」という英単語のそれぞれの頭文字を取った略称で、企業が保有する在庫や売掛金、機械設備などの事業資産を担保にした融資の一種です。 企業が金融機関から事業資金を借り入れる場合、経営者による個人保証をつけたり、不動産を担保に入れたりするのが一般的です。しかし、ABLなら担保となる不動産がなくても、企業が保有している在庫などの資産を有効活用して事業資金を調達できます。 出典)経済産業省経済産業政策局産業資金課「ABLのご案内」 ABLの仕組み ※筆者作成 企業が保有する在庫や売掛金、機械設備などは収益を生み出すための大切な資産です。ABLでは、借り手となる企業は信用力を補完するために、事業価値に基づいてこれらの資産を担保として提供します。 対して貸し手となる金融機関は、提供された担保の価値や企業の事業価値を見極めて資金を融資します。担保となった在庫や機械設備は金融機関の名義になりますが、在庫の販売や設備の使用はこれまでどおり企業が行えます。売掛金も企業が回収して運転資金として活用できるため、事業に支障はありません。 ABLの特徴 ABLは以下のような特徴があります。 担保となる不動産がない企業でも融資を受けられる 経営管理の効率化ができる 在庫管理コストの低下につながる 金融機関の審査、企業側の登記手続きに時間がかかる 企業は金融機関に対して担保の状況(在庫や売掛金の増減など)を定期的に報告する義務がある ABLは、担保不動産に頼らず資金調達できるのが最大のメリットです。担保価値の評価の際は、在庫や売掛金などの管理体制も確認されます。管理体制の見直しに着手することで、経営管理の効率化・在庫管理コストの低下などの効果も期待できるでしょう。 一方で、担保にする在庫や売掛金の評価を受け、資産の登記を行う必要があるため、通常の融資よりも時間がかかります。金融機関への報告義務があることもデメリットとして挙げられます。 上記のほかに、貸し手との約束であるコベナンツを守る義務があることにも注意が必要です。ABLでの融資契約を締結する際に、「財務指標を一定以上に保つこと」「正確な決算書類を定期的に提出すること」などの事項について覚書を締結します。 ABLの評価におけるポイント ABLで融資申し込みをすると、金融機関は在庫や売掛金などの資産が担保としてどの程度の価値を持つか調査を行います。評価における主なポイントは以下のとおりです。 <売掛金の評価のポイント> 売掛先となっている企業数(売掛先が分散されているか) 売掛先の信用力 売掛金の管理方法 <在庫の評価のポイント> 市場規模や将来性 主要な販売先 在庫の保存状態・管理体制 これらの評価にあたり、金融機関は必要に応じて外部の動産評価会社を利用します。その場合、借り手である企業側が資産の評価にかかる費用を負担することもあります。ただし、東京都ではこの評価費や保証料用の必要経費について中小企業への補助を行っています。条件は以下のとおりです。 <東京都が行う中小企業への支援> 担保とするものが機械・設備の場合は融資額の4% 担保とするものが売掛債権・在庫の場合は融資額の3.5%(ただし、小規模企業者(※)が売掛債権を担保とした2,000万円未満の融資を利用する場合、70万円) 創業5年未満中小企業の場合は融資額の4%を上限として、必要経費の2分の1(小規模企業者、創業5年未満中小企業の場合は全額)を補助  ※小規模企業者とは、中小企業のうち、従業員数が製造業等30人以下(卸・小売・サービス業は10人以下)の事業者等です。 出典) ・東京都産業労働局「東京都動産・債権担保融資(ABL)制度」 ・東京都産業労働局「東京都動産・債権担保融資制度のご案内」 ABLが向いている企業 ABLは、農産物や製品、機械設備、売掛金などさまざまな資産を担保にできます。健全な経営を行い、担保として活用できる資産を保有していれば、幅広い企業がABLの対象となるでしょう。 特に次のような特徴を持つ企業は、ABLの利用が向いているといえます。 流動資産(売掛金、在庫など)を多く保有している企業 固定資産(機械設備など)の規模が大きい企業 売上高が急速に拡大した企業 在庫を多く保有する必要がある場合、その在庫を担保に融資を受けることで安定的に運転資金を確保できます。ABLなら、機械設備などの動産も担保として活用可能です。また、売上高が短期間で拡大し、在庫や売掛金が増加した場合の運転資金としての利用も想定されます。 ABLが向いているか確認したい場合は、以下のチェックリストを活用しましょう。 区分 No チェック項目 〇/✕ 企業の特徴 1 自社の商品・取り扱い製品の品質に自信を持っている 2 市場性のある在庫や、信用力がある取引先の売掛金等の流動資産を保有している 3 不動産がない、または少ないが、機械等の固定資産を保有している 資金ニーズ 4 原材料を一定の時期にまとめて仕入れる必要がある 5 季節によって在庫の販売量に大きな差がある 6 原材料の仕入れから、製品化し販売・回収するまでの資金の立て替えが必要になる 7 規模拡大や業種部門の転換等により、運転資金の必要性が高まっている 経営管理 8 財務諸表を電子データで作成している/作成できる 9 在庫や売掛金等の残高について、パソコン等で正確なデータを管理している 10 貸し手に事業内容を深く理解してもらい、信頼関係を強化したい ※筆者作成 出典)経済産業省経済産業政策局産業資金課「ABLのご案内」P.22 ABL適正チェックテストの中で、〇の数が多い企業ほど、ABLに向いている可能性が高いといえます。適性があると判断できる場合は、取扱金融機関に問い合わせてみるといいでしょう。 ABLの利用事例 ABLで増加運転資金を確保し、商品ラインナップを拡大したA社の事例を紹介します。 <A社の詳細> 業種卸売・小売業(ベビー服と子ども服の卸売・販売) 創業数十年 資本金3,500万円 売上高15億円 従業員数80人 A社は健全な経営を行っており、小売店舗は幅広い品ぞろえが支持されて、地元では人気があります。しかし、少子化による将来的な市場規模の縮小が課題です。そこで金融機関に相談したところ、ABLによる資金調達の提案を受けました。 業種の特性上、A社は多くの在庫を保有する必要がありますが、その在庫は担保として評価対象となります。そこでABLで増加運転資金を確保し、新たにオーガニックコットン製品の取り扱いを開始しました。ネット販売も始めたことで新たな市場を開拓でき、売上増加にもつながりました。 出典)経済産業省経済産業政策局産業資金課「ABLのご案内」P.10 ABL利用までの流れ ABLの利用について金融機関に相談する際は、企業の概要や財務状況、在庫や売掛金などの資産状況がわかる書類を準備するといいでしょう。具体的には、組織図や決算書類、売掛金明細、在庫明細などが考えられます。 融資申し込みを行うと、審査を経て融資契約を結びます。また、担保となる資産について債権譲渡登記や動産譲渡登記を行います。これらの登記手続きは、資産の所有権が金融機関に移ったことを第三者に対して主張するための制度です。 まとめ 担保となる不動産がなくても、ABLを利用すれば在庫や機械設備、売掛金などを担保に融資を受けられるかもしれません。運転資金の確保や事業拡大を目的に資金調達をしたい中小企業の経営者は、ABL(動産・債権担保融資)の活用を検討してみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 ファクタリングとは?仕組みや種類、注意点を紹介 ファクタリングとは、事業者の資金調達方法の1つです。保有している売掛債権を早期に資金化できるため、うまく活用すれば資金繰りの改善が期待できます。一方で、ファクタリングを巡って悪質なトラブルも...記事を読む

  • 老後のマンション住まいのメリット・デメリットを解説

    老後の住まいとしてマンションを検討することがあるかもしれません。マンションは利便性が高いイメージがありますが、実際に住んだことがない人は、自分に合っているか不安に感じることもあるでしょう。 この記事では、戸建てと比較しながら老後の住まいにマンションを選ぶメリットやデメリット、注意点について解説します。 老後の住み替えの主な理由 SBIエステートファイナンス株式会社が2022年6月に実施したアンケート調査によると、60歳以上の持ち家所有者で「自宅を住み替えたい」と考えている人の主な理由は、「建物の老朽化」と「間取りへの不満(広すぎる、狭すぎる)」がともに38%を占めていました。 これらの理由から簡易的なリフォームでは解決しにくい建物への不満があると考察できます。また、建物自体に問題がなくとも、定年退職や子どもの独立といったライフイベントがタイミングとして考えられるでしょう。 関連記事はこちらシニアが自宅売却と物件購入を同時に実現する難しさ 高齢になるほどマンションは困りごとが少ない 住宅金融支援機構の調査によると、住宅について困っていることについて「特に困っていることはない」と回答した50代~70代の割合は以下のとおりです。 「特に困っていることはない」の割合 年代/住まい マンション 戸建て 50代51.4%42.3% 60代62.3%39.0% 70代80.0%43.4% マンションと戸建てを比較すると、全年代でマンションのほうが「特に困っていることがない」という回答が多い結果となりました。さらに、マンションは高齢になるほど「特に困っていることはない」の割合が増加しており、70代では8割にのぼります。 出典)住宅金融支援機構「高齢者の住宅ニーズ等の分析」P.16 項目別では、マンションは「住宅が狭い」、戸建ては「庭の手入れや冬の雪かきが面倒」「内壁や外壁がところどころ傷んでいる」の割合が高くなっています。 出典)住宅金融支援機構「高齢者の住宅ニーズ等の分析」P.16 老後の住まいにマンションを選ぶメリット 老後のマンション住まいは、戸建てに比べて次のようなメリットがあります。 管理が楽 マンションでは、毎月管理費と修繕積立金を支払うことで管理会社が共用部の清掃や修繕を行います。エントランスや廊下、庭などの清掃は管理人に任せることができます。さらに、エレベーターなどの設備の故障、建物の劣化なども管理会社が修繕工事を手配してくれます。 戸建てでは、基本的に清掃や修繕はすべて自分で行うことになるので、マンションのほうが管理は楽といえます。 利便性が高い 高齢になるにつれて、体力面で長距離の移動は難しくなるかもしれません。郊外に位置する戸建ての場合、エリアによっては買い物や通院に時間がかかります。 マンションは都市部の駅近など、利便性の高いエリアに供給されていることが多いです。公共交通機関が利用しやすく、商業施設や病院などが近くにあるマンションなら老後も快適に暮らせるでしょう。 セキュリティが高い マンションは、セキュリティが高いのもメリットです。近年では、オートロックや防犯カメラ、宅配ボックスなどが標準でついているところもあります。外部から侵入しにくい環境が整っているため、防犯面以外でも無理な勧誘などのトラブルを回避できるでしょう。 戸建てもセキュリティ対策は可能ですが、共用のエントランスや常駐の管理人がいないため、マンションに比べると外部から侵入しやすく、防犯強化のための費用もかかります。 資産価値が維持されやすい 戸建ては、築年数が古くなると建物の評価が下がることが一般的です。それに対して、マンションは資産価値が維持されやすく、立地が良ければ築年数が古くなっても値上がりする可能性もあります。 万が一、老後の生活費が不足した場合、資産価値が維持されていれば、不動産売却や自宅を担保にした借り入れにより、まとまった資金を作ることも可能です。 老後の住まいを選ぶ際のポイント 老後の住まいを選ぶ際の主なポイントは次の3つです。 持ち家か賃貸か マンションか戸建てか 都市部か郊外か 住まいを選ぶうえではさまざまな要因が関係しますが、基本的には上記3つを組み合わせて考えるといいでしょう。それぞれの特徴を理解できれば、自分に合った理想の住まいが見えてきます。老後の住まいを選ぶ3つのポイントについては、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちら老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 老後の住まいにマンションを選ぶ注意点 老後の住まいにマンションを選ぶ場合は、次のような点に注意が必要です。 騒音やプライバシーのトラブルがある マンションは、同じ建物内に多くの人が住む集合住宅です。部屋は別でも近隣との居住空間は近いため、騒音やプライバシーに関するトラブルが発生しやすい環境といえます。 生活音だけでなく、ゴミの出し方や駐車場の使い方などでトラブルになり、人間関係がうまくいかなくなる場合もあります。 戸建ても近隣トラブルが発生する恐れはありますが、近隣とは建物が分かれており、一定の距離が保たれているため、マンションに比べるとトラブルは発生しにくいでしょう。 リフォームやリノベーションの制限がある マンションでは管理規約が定められており、その規約を守って生活する必要があります。規約において、リフォームやリノベーションに制限が設けられているケースも少なくありません。 希望に合わせてリフォームやリノベーションができる戸建てに比べると、マンションは自由度は低いといえるでしょう。 マンションならではの制限がある マンションは「ペット禁止」などの制限が設けられていることもあり、戸建てに比べると自由度が低い傾向にあります。また、思わぬエレベーターの故障など、マンションならではの問題が発生することもあります。 まとめ マンションのメリットは、物件管理に手間がかからず、利便性やセキュリティが高いことです。また、戸建てに比べて資産価値が維持されやすい傾向にあります。一方で、騒音などのトラブルが発生しやすく、リフォームなどの制限が設けられていることがあります。 それぞれのメリットとデメリットを比較検討したうえで、老後の住まいにマンションを選ぶかを検討しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 シニアが住み替える際の4つのポイント シニア世代は、子どもの独立や退職などをきっかけに生活環境が大きく変化します。今住んでいる家がライフスタイルに合わなくなると、将来を見据えて住み替えを検討することもあるでしょう。 この記事では...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 不動産買取のメリット・デメリットとは?不動産業者の選び方も解説

    一般的に不動産を売却する場合は「不動産買取業者へ売却する方法」と「不動産仲介業者を通して売却する方法」の2種類があります。どのような場合に不動産買取を利用し、どのような不動産業者を選べばわからない人もいるかもしれません。 この記事では、不動産買取業者の選び方のポイントや注意点について詳しく解説します。 不動産買取のメリット まずは、不動産買取のメリットについて解説します。不動産買取業者へ直接売却する場合は、不動産仲介で売却するより手間がなくスピーディーなのが特徴です。不動産会社に買い取ってもらう方法は、即時買取と買取保証の2種類があります。 即時買取 買取保証 即時買取は、売却にかかる期間が短いのがメリットです。不動産仲介で売却を行う場合、買主を探すための期間が必要なため、概ね約3か月〜半年程度の時間がかかります。そのため、離婚や相続などすぐに不動産を売却したい場合は即時買取が向いているでしょう。 買取保証は、不動産買取と不動産仲介の両方の面を持った売却方法です。まずは、市場価格で売却できるように販売活動を行い、売れない場合は最終的に買取業者が買い取ってくれるのがメリットです。買取保証は、売却までに時間がある方やなるべく高値で売りたい方に向いているでしょう。 不動産買取のデメリット 一方で、不動産買取にはデメリットもあります。 不動産買取業者で売却する場合は、不動産仲介よりも売却価格が低くなる傾向があるのがデメリットです。不動産買取業者は、購入した不動産のリフォームやリノベーション、解体などを行い、利益がでるように再販する仕組みです。 そのため、それらの諸費用を引いた買取価格となるため、売却価格が低くなってしまいます。 なるべく高値で売りたい方は、不動産仲介で依頼すると良いかもしれません。不動産仲介で売却する場合は、短期間で売却することが難しい一方で、市場価格に近い価格で売却しやすいです。 不動産買取業者の選び方 不動産買取業者の中には、高額な手数料を取ったり、嘘をついて契約する悪質な業者も存在します。ここからは、不動産買取業者の選び方について解説します。 不動産買取業者の対応エリアを確認 不動産買取業者を選ぶ際は、不動産の対応エリアの確認をしましょう。不動産会社は大手の不動産業者だとしても、すべての地域の不動産買取に対応している訳ではありません。事前に対応しているエリア内であるか確認してから査定をしてもらう必要があります。 また、対応エリアを確認したら、エリア内での買取実績を確認しましょう。地域の相場を調査することで、適正な価格相場が把握でき、高値で買い取ってもらう交渉がしやすくなるかもしれません。 不動産買取業者の専門分野を確認する 不動産会社を選ぶ際は、不動産買取業者の専門分野を確認しましょう。不動産買取業者によって、戸建て、マンション、土地など、買取の専門分野が異なるので、相場に見合わない価格を提示されてしまうケースがあります。 専門分野を確認すると、「戸建ての買取のみ」「マンションの買取のみ」といった物件種別が限られていることもあります。不動産買取業者の専門分野を確認し、より経験や知識が豊富な業者を選定しましょう。 買取実績が豊富な不動産買取業者を選ぶ 不動産買取業者を選ぶ際は、買取実績や事例が豊富な業者を選ぶことも重要なポイントです。買取の実績が豊富であれば、地域の不動産買取の相場や需要なども把握しているため、よりよい条件で買取してくれる可能性があります。 特に戸建ての買取は、地域密着型の不動産買取業者を選ぶのがおすすめです。大手の不動産業者でも買取を行っていますが、地域の環境やニーズを細かく把握しておらず、適正価格を見極めにくい傾向があります。 できるだけ高く買い取ってほしい場合は、買取実績が豊富な買取業者に何社かに見積もりを依頼し、比較検討しましょう。 目的に合ったサービスや対応力を確認する 不動産買取業者を選ぶ際は、目的にあったサービスや対応力も確認しましょう。例えば、即時買取や買取保証を行っているのかは、売却活動を行う上で重要です。さらに、リースバックを取り扱っているかどうかもポイントになるかもしれません。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 また、営業担当者の対応力も大切なポイントとなります。資格を持っているか、経験や知識が豊富か、疑問点にも誠実に答えてくれるかなどを確認し、スムーズに取引できるか確認しましょう。 買取価格を比較する 不動産買取業者を選ぶ際は、複数の買取業者の価格を比較しましょう。さまざまな買取業者の査定を受けることで、買取価格の交渉がしやすくなります。 最低でも、2~3社に見積もりを出してもらうのがおすすめです。不動産買取業者によって得意とする物件種別や実績が変わってくるため、より高く売りたい方は複数の業者に見積もりをお願いしましょう。 不動産買取の流れ ここからは、不動産買取の流れについて解説します。 1.不動産会社の選定 上述のようなポイントに基づき情報収集を行いましょう。売りたい不動産のエリアの買取価格の相場を把握することで、適切な価格で売却でき、買取時の損失を抑えられるでしょう。 また、不動産会社には得意とする専門分野がある場合や、物件種別によっては買取を受け付けていない場合もあります。口コミやWebサイトなどの情報を参考に、売りたい不動産がどこで高く売れそうか情報収集を行いましょう。 2.不動産の査定 近年、物件の条件や住所などを入力するだけで、簡易査定を行ってくれるサービスが増えています。不動産買取業者を扱うポータルサイトでは、複数社に簡単に査定依頼を申し込めます。 「早く売りたい」、「高い査定額を提示する会社に売りたい」という方は、簡易査定に申し込みましょう。ただし、より正確な買取金額を試算してもらうためには、訪問査定が必要となります。 また、査定後に会社を比較する際は、別途手数料が発生しないか、不当な条件になっていないかなどの確認が必要です。付帯するサービスの質や営業担当の対応力についても確認しておきましょう。 3.不動産会社と売買契約 不動産会社の買取金額や契約内容に納得したら、不動産会社と売買契約を結びます。契約書には、不動産の売却価格、支払い条件、引き渡し日などが記載されているため、納得できれば契約を締結します。 契約書は、誤りがないか隅々まで確認をすることが重要です。契約書に印を押した後は、簡単に契約内容を変更できないため注意しましょう。 4.引き渡し 一般的に、売買契約書で定めた日程に、不動産の引き渡しと決済が行われます。決済日は司法書士の立ち合いのもと、登記手続きを行います。また、決済日には、不動産の権利証や固定資産税・都市計画税納税通知書など司法書士に提出する書類が必要となるため、事前に必要なものについて確認しておきましょう。 引き渡し前には、契約時と物件の状況が変わっていないか、物件の状態の最終確認も行われます。 不動産買取の注意点 ここからは、不動産買取の注意点について解説します。 1.買取に対応できない場合もある 不動産買取業者は、不動産会社が買取した物件をリフォームやリノベーション、解体などをして再販することで利益を得ます。そのため、立地の悪い土地や地盤が弱い土地など、再販が期待できない物件は買取をしてくれる不動産業者が限られるでしょう。 ただし、たとえ1社に断られた場合でも、ほかの不動産会社は買い取ってもらえる可能性もあるため、複数の不動産買取業者に査定してもらうようにしましょう。 2.不動産仲介よりも買取相場が安い傾向にある 不動産買取は、不動産仲介よりも買取相場が安い傾向にあります。不動産の買取価格は、不動産会社がリフォームや解体などの付加価値をつけて再販することが前提で買取を行うため、リフォームやリノベーション、解体などにかかる費用が想定されて差し引かれるからです。 ただし、不動産仲介の場合は物件の価格帯や築年数・エリア・不動産の状態などによって、そもそも売却しづらい場合もあります。不動産仲介か不動産買取か迷ったら、不動産会社に相談するのがよいでしょう。 3.仲介手数料はないが、税金が発生する 不動産買取には仲介手数料はありませんが、不動産仲介での売却と同様に税金が発生します。不動産売却時にかかる税金は、「譲渡所得税」、「登録免許税」、「印紙税」の3種類です。 譲渡所得税:不動産を売却して利益が生じる場合にかかる税金。 登録免許税:抵当権抹消登記の際にかかる税金。登録免許税額は不動産1個につき1,000円。 印紙税:不動産売買契約書に貼付する収入印紙代。 出典) ・国税庁「土地や建物を売ったとき」 ・津地方法務局「抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税」 関連記事はこちら不動産の購入・売却にかかる税金をそれぞれ解説 4.不動産売却時は住宅ローンを完済する必要がある 不動産売却時は、住宅ローンを組んだ不動産に設定された抵当権を抹消する必要があり、そのためにはローンを完済しなければなりません。住宅ローンを売却額で補えない場合は、自己資金から支払う必要があるため注意しましょう。 まとめ 不動産買取は、不動産を早く売却しやすい点がメリットです。しかし、不動産仲介よりも買取価格が安い傾向があるなどの注意点について理解しておくことが大切です。 また、不動産買取業者を選ぶ際は、複数の会社に査定してもらい、高額な価格で買い取ってくれる業者を選ぶことがポイントです。不動産買取業者を選ぶ際は、本記事の買取業者の選び方を参考にしてみてください。 家を売る前に知っておきたい不動産査定のポイントと注意点を解説 家を売るとき、いくらで売れるかの目安を把握するため、不動産査定を検討するでしょう。しかし、不動産査定を依頼する際は、どのようなことに注意すればいいかわからないかもしれません。 この記事では、...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2024.08.09自宅売却
  • 土地収用法とは?手続きの流れや補償内容をわかりやすく解説

    公共事業のために土地が必要な場合、その事業の施行者である起業者から立ち退きを求められることがあります。補償などで合意できない場合は、土地収用法による手続きが行われ、最終的には、土地を明け渡さなくてはならない場合がほとんどです。 この記事では、土地収用法の概要や手続きの流れ、補償内容について解説します。 土地収用法とは 土地収用法とは、土地を収用するための要件や手続き、損失の補償などを規定した法律です。公共の利益と私有財産の調整を図ることを目的としています。収用とは、国や地方公共団体などの起業者が、公共事業のために必要となる土地などを土地収用法に定められた手続きに基づいて取得することです。 公共事業のために土地を取得する場合、通常は起業者が土地所有者と話し合い、契約を締結してその土地を取得します。これを任意交渉といいます。 しかし、補償内容や土地の所有権などに関する話し合いがうまくいかず、同意が得られないこともあります。その場合、起業者が土地収用法に基づく手続きをすることで、土地の取得が可能になります。 出典) ・福島県収用委員会「土地収用のあらまし」 ・徳島県「収用」って何ですか?」 土地収用の流れ 土地の所有者に立ち退きを要求する前に、施行者は「事業認定手続」と「収用裁決手続」の2つの手続きを行います。 出典)東京都収用委員会「収用手続の流れ」 事業認定手続 事業認定手続とは、国土交通大臣または知事が、起業者から申請された事業に公益性があるかを判断する手続きです。申請事業が認定されると、起業者は土地を収用する権利が付与されます。 収用裁決手続 収用裁決手続とは、収用委員会が土地所有者に対する補償金の額、起業者が土地の権利を取得する時期、土地所有者が土地を明け渡す期限を裁決する手続きです。 収用委員会とは、土地収用法に基づいて各都道府県に置かれている行政委員会です。知事から独立し、公正中立な立場で審理や調査を行って裁決を下す権限を付与されています。収用裁決手続の流れは以下のとおりです。 裁決申請・明渡裁決申立て 収用委員会による審理 権利取得裁決・明渡裁決 1.裁決申請・明渡裁決申立て 起業者が、収用委員会に対して裁決申請と明渡裁決申立てを行います。裁決申請は土地の所有権などを取得するため、明渡裁決申立ては土地にある建物を移転させて、土地の明け渡しを求めるために行われるものです。 2.収用委員会による審理 収用委員会は申請書や申立書の内容が法令に適合していれば受理し、審理において起業者や土地所有者、関係人の意見を聞きます。明らかになった争点を整理し、必要な調査・検討を行ったうえで裁決を行います。 3.権利取得裁決・明渡裁決 権利取得裁決の裁決事項は、「収用する土地の区域」「土地に関する損失の補償」「権利取得の時期」の3つです。権利取得裁決により、起業者は権利取得の時期までに補償金を支払い、土地の所有権を取得します。 一方、明渡裁決の裁決事項は、「明け渡すべき土地の区域」「明渡しに関する損失の補償」「明渡しの期限」の3つです。明渡裁決により、起業者は明渡し期限までに補償金を支払います。権利者は土地にある建物を移転し、期限までに土地を明け渡す必要があります。 出典)東京都収用委員会「土地収用のあらまし」P.8 土地収用の補償内容 土地収用の補償は、「土地に関する補償」と「明渡しに関する補償」の2つに分けられます。 土地に関する補償 土地に関する補償には次のようなものがあります。 土地補償 収用する土地の対価に当たる補償。 補償金の額は近傍の類似した土地の取引価格などを考慮して算定する。 借地権などの権利消滅補償 収用により所有権以外の権利は消滅するため、その権利に対する額が補償される。 補償金の額は権利の取引価格や契約内容などを考慮して算定する。 残地補償 土地収用によって残地が生じたとき、利用価値の低下によって 損失が生じる場合は元の価格との差額が補償される。 金銭による補償が原則ですが、替地の取得が難しく、これまでの生活が維持できないなど特別な事情がある場合に限り、替地による補償が認められます。 明渡しに関する補償 明渡しに関する補償には次のようなものがあります。 建物補償 建物を移転するための費用 工作物補償 塀、門扉など建物以外の物件を移転するための費用 立竹木補償 庭木などの樹木を移植するための費用 動産移転補償 引越しに要する費用 借家人補償 建物の賃借人が家主との契約関係を続けるのが難しい場合に、 同種同等の建物を賃借するのに必要な費用 営業休止補償 営業休止期間中の収益減少額などの費用 仮住居補償 建物の居住者がいる場合、仮住居に必要な費用 家賃減収補償 建物の家主が賃貸していて、移転期間中に得ることができない賃料などの費用 移転雑費補償 新たに土地を取得し、建物を移転する場合、移転先の選定に必要な費用 収用する土地に建物がある場合、通常は移転するための費用が補償されます。ただし、事業認定後に建物を新築・増築した場合は、原則として損失の補償を請求することはできません。 出典)東京都収容委員会「収用制度の概要」 明け渡しを求められたらどうすればいい? 起業者から明け渡しを求められた場合、権利取得裁決前の交渉段階であれば拒否できます。「補償金の額に納得がいかない」など、受け入れられない理由があるなら拒否することも可能です。しかし、拒否し続けても、権利取得裁決および明渡裁決後は強制的に明け渡しとなります。 補償内容の異議申し立て 補償内容に異議がある場合、基本的には裁決前に交渉しなければなりません。ただし、裁決後も裁決書の正本の送達を受けてから6か月以内であれば、裁判所へ損失の補償に関する訴えを提起できます。その際、訴訟の相手方は起業者となります。 土地収用を求められた際には、補償金額などの交渉ができる場合もあるので、弁護士などの専門家に相談しておくと安心です。 出典)東京都収用委員会「収用手続の流れ」 まとめ 公共事業のために立ち退きを求められた場合、交渉段階であれば拒否できます。しかし、収用委員会による裁決が行われると、最終的には土地を明け渡さなくてはなりません。起業者から立ち退きの交渉があった場合は、土地収用の手続きを見据えたうえで、どのように対応するかを検討しましょう。 区分所有法とは?概要や対象となる建物、主な規定内容について解説 区分所有法は、マンションの所有者や管理組合にとって重要な法律です。マンション暮らしを検討している人や既に住んでいる人は、区分所有法を理解しておくことで、安心して生活できるでしょう。 この記事...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

    2024.08.07制度
  • 不動産売買の仲介手数料とは?相場と上限額や計算方法を解説

    不動産仲介で売買を行う場合、一般的に仲介手数料が発生します。不動産売買の仲介手数料は、不動産会社に対する成功報酬や手続の代行費用といった意味合いがあり、その金額は法律で上限が定められています。 この記事では、不動産売買の仲介手数料の計算方法や支払うタイミングについて解説します。 不動産売買の仲介手数料とは 一般の人がマンションや戸建て、土地などの不動産を売買する場合、不動産会社に仲介を依頼することが多いでしょう。不動産仲介会社に依頼すると、物件の案内から引き渡しまで不動産会社を介して取引を進めます。 仲介手数料は、不動産会社の不動産売買に関わる活動に対して支払う成功報酬として位置付けられており、売買が成立しない場合は支払う必要はありません。 仲介手数料の上限額 不動産売買における仲介手数料は、宅地建物取引業法第46条で上限が定められています。そのため、上限を超える額を請求することは法令違反となりますが、上限額を超えない範囲であれば不動産会社が自由に仲介手数料の金額を決めることが可能です。 出典)全日本不動産協会 埼玉県本部「不動産売買の仲介手数料はいくら必要?計算方法や値引き交渉の可否などを徹底解説!」 上限は法律で決まっていますが、下限は定められていないため、仲介手数料の値引きは不可能ではありません。物件の売却に併せて購入も依頼する場合や、そもそも物件の価格が高い場合などは、交渉できる余地があるでしょう。 一方で、不動産会社にとって仲介手数料は、不動産売買の仲介に関わる人件費、広告費、交通費などの諸経費をまかなう重要な収入源となります。そのため、価格の安い物件や流通性の低い物件では、手数料の値引きが物理的に困難なこともあります。 不動産売買の仲介手数料の計算方法 仲介手数料の上限額は、不動産売買価格によって異なります。売買価格が200万円以下であれば価格の5%、200万超から400万円以下であれば価格の4%、400万円を超える場合は売買価格の3%に消費税を足した金額が上限額です。 不動産売買価格(税別) 仲介手数料の上限額 200万円以下 売買価格×5%+消費税 200万円超〜400万円以下 売買価格×4%+消費税 400万円超 売買価格×3%+消費税 速算式での計算方法 仲介手数料の計算は、前述のとおり不動産の売却価格を200万円以下、200万円超から400万円以下、400万円超の3つに分類し、それぞれに対応する割合をかけて足し合わせると求められます。 しかし、この計算には時間がかかるため、より簡単に仲介手数料を求められる「速算式」が存在します。速算式の計算方法は以下のとおりです。 不動産売買価格(税別) 仲介手数料の上限額(消費税率10%の場合) 200万円以下 (売買価格×5%)×1.1 200万円超〜400万円以下 (売買価格×4%+2万円)×1.1 400万円超 (売買価格×3%+6万円)×1.1 たとえば、売買価格が3,000万円(税別)の場合、表の400万円超に当てはまるので、上限額は105.6万円{(売買価格:3,000万円×3%+6万円)×1.1}と計算できます。 売買価格ごとの仲介手数料の上限 前述のとおり、仲介手数料は法律で定められている上限を超えなければ、自由に設定できます。速算表で計算した売買価格ごとの仲介手数料の上限額は下表となります。 仲介手数料の上限早見表 不動産売買価格(税別) 仲介手数料の上限額(税込) 1,000万円39万6,000円 2,000万円72万6,000円 3,000万円105万6,000円 4,000万円138万6,000円 5,000万円171万6,000円 6,000万円204万6,000円 7,000万円237万6,000円 8,000万円270万6,000円 9,000万円303万6,000円 10,000万円336万6,000円 ※費用は目安であり、実際の金額は不動産仲介会社に確認してください。 不動産取引で仲介手数料を支払うタイミング 仲介手数料は、契約成立に対する成功報酬という位置づけなので、不動産売買が成立した以後に支払う必要が生じます。支払う時期は、売買契約時や物件の引き渡し時の2回に分けて支払うことが一般的です。 また、仲介手数料を支払う人は売主か買主かを問わず、不動産仲介を不動産会社に依頼した人が支払います。売主と買主の個人間で取引をする場合や、売主か買主の一方しか不動産仲介会社へ依頼していない場合には、依頼をしていない人に仲介手数料は発生しません。 しかし、取引でトラブルが生じた場合は当人同士での解決が必要になります。また、不動産会社の知見やネットワークを利用することで、不動産の売買が円滑に進むことが多いでしょう。 出典)全日本不動産協会 埼玉県本部「不動産売買の仲介手数料はいくら必要?計算方法や値引き交渉の可否などを徹底解説!」 不動産取引で仲介手数料のほかに必要な費用 不動産売買に際して物件費用や仲介手数料のほかにもかかる費用があります。売主側と買主側でそれぞれかかる税金については、こちらからご確認ください。 関連記事はこちら不動産の購入・売却にかかる税金をそれぞれ解説 なお、土地と建物の固定資産税について、年度の途中で売主から買主に不動産を引き渡した際は、買主が固定資産税相当額(固定資産税精算金)を支払うことが一般的です。引き渡し後の日数分の税額を日割りで計算し、買主が日割り精算金を売買価格に上乗せして売主に支払います。 出典)公益社団法人 全日本不動産協会「賃貸不動産の売買における固定資産税精算金の取扱いについて」 税金以外にかかる費用 税金以外については、取引によって異なりますが、主に以下のような費用がかかります。 【売主・買主の双方にかかる費用】引越し費用 買主が新たに家を購入し引越しをする場合、すぐに新居に住み替えられないことがあります。仮住まいが必要になる場合は、現在の家から仮住まい、仮住まいから新居と2回引越しすることになり負担も大きくなるため注意しましょう。 売主は現在住んでいる家を売却する際、引越し費用のほか引越し時のごみの廃棄やハウスクリーニング費用についても必要な場合があるので、余裕を持って準備しましょう。 【売主にかかる費用】土地の測量費用 土地の測量費用は、売主が土地を売却する際に隣地との土地の境界を確定するために必要です。測量は義務ではありませんが、買主としては測量された土地を購入することで隣地とのトラブルを回避できるため、土地の売却時に測量を行うことは一般的といえるでしょう。 費用は土地の大きさ、境界の数、隣地所有者の数などにより異なります。自宅によっては測量費用が高額になることもあるので、事前に不動産会社や土地家屋調査士に相談するとよいでしょう。 【買主にかかる費用】住宅ローン関連費用 買主が住宅ローンを組む場合は以下の費用がかかります。家の購入金額だけではなく、借り入れに伴う諸費用についても念頭に入れておきましょう。 住宅ローン事務手数料 住宅ローン保証料 火災保険料(地震保険は任意) 団体信用生命保険料 関連記事はこちらマイホームの購入予算はどう決める?頭金や住宅ローンの考え方 【その他必要に応じてかかる費用】 .bold-text { font-weight: bold; } ・建物の解体費用 売主が土地を売却する際、建物の解体費は、売主が更地にして土地を売る時に発生します。たとえば、国土交通省の公表する「我が国の住生活をめぐる状況等について」によれば、関東の木造住宅の解体費用の相場は1坪あたり3.7万円、50坪で185万円とされています。 出典)国土交通省「我が国の住生活をめぐる状況等について(前回までの補足)」P.7 ・住宅ローンの返済事務手数料 売主に住宅ローンの残債があり、ローンの一括返済を行う場合は手数料がかかる金融機関もあるので予め確認しておきましょう。 まとめ 不動産を売買する際には仲介手数料が必要となります。仲介手数料は、法律で上限が定められているため、不動産売買価格をもとに上限額を算出することも可能です。 仲介手数料が無料になったり、上限額よりも低く抑えられたりするケースもありますが、仲介手数料の金額だけでなく、実際に営業担当に話をしてみたり、手続きの対応スピードをみたりして、不動産会社を選ぶのがおすすめです。 仲介手数料のほかにも税金の支払いや引っ越し費用なども、不動産売買には必要になります。トラブルを避けるためにも、どんな費用がどのように発生するのかを理解してから、実際に不動産取引をするようにしましょう。 マイホーム選びのポイントは?購入経験者のアンケート結果もご紹介 マイホームは「人生最大の買い物」ともいわれます。一度購入すると簡単には手放せないため、「絶対に後悔したくない」と考える人も多いのではないでしょうか。希望条件が決まらない場合は、理想の暮らしを...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

  • 住宅ローンを滞納したらどうなる?対処法も併せて解説

    収入の減少や、まとまった支出の発生で、住宅ローンが払えなくなってしまう人もいるでしょう。住宅ローンを滞納すると、自宅が競売にかけられる恐れがあります。住宅ローンの返済が苦しいと感じたら、なるべく早く対処することが重要です。 この記事では、住宅ローンの滞納で発生する問題点や返済できない場合の対処法について紹介します。 住宅ローンを滞納するとどうなる? 住宅ローンの返済が滞ると、最終的には競売によって相場よりも安い価格で自宅を手放さなければならない恐れがあります。各金融機関によって競売に至るまでのスケジュールは異なりますが、大まかな流れは以下のとおりです。 出典)一般社団法人 全国任意売却協会「住宅ローンが払えない場合どうなる?流れをわかりやすく解説」 支払督促が届く 住宅ローンを滞納してから支払督促が届くまでの期間は金融機関によって異なりますが、滞納から1~2か月が目安となります。 督促状とは、住宅ローンの返済が期日までに行われない場合に、速やかな支払いを求める請求書のことです。金融機関によっては、電話で支払督促が行われる場合もあります。この時点で適切に対応するようにしましょう。 なお、カードローンなどで立て替えるのは、逆に状況が悪化する恐れがあるので避けたほうがいいでしょう。 催告書が届く 住宅ローンの滞納から催告書が届くまでの期間も金融機関によって異なりますが、2~3か月程度が目安となります。催告書とは、督促状を送付しても対応しない場合に債務の履行(住宅ローンの返済)を強く要求する最終通告です。 この段階で何かしらの対策を行わないと、期限の利益喪失通知がきて、住宅ローンの一括返済を求められます。なお、期限の利益を喪失するタイミングは、契約ごとに異なります。 関連記事はこちら期限の利益とは?意味や喪失事由、注意点について解説 この後何も対処せず競売手続きまで移行すると、自宅を差し押さえられ、相場よりも安い価格で売却される恐れがあります。 関連記事はこちら競売とは?競売を回避すべき理由とその回避方法 住宅ローンが払えない場合どうする? 住宅ローンが払えない場合、支払督促や催告書を無視し続けてはいけません。返済が苦しいと感じたら、まずは住宅ローンを組んだ金融機関に相談しましょう。返済の目途が立たないなど、現在の状況を正直に伝えることが大切です。 住宅ローンを払えない状況が一時的なものである場合、きちんと説明すれば返済条件の見直し等に応じてもらえる可能性があります。 滞納の解消が見込めない場合は、競売にかけられる前に住宅ローンの借り換えや自宅の売却を検討しましょう。具体的には、次のような選択肢があります。 滞納したときの対処法①:住宅ローンの借り換え 住宅ローンを借り換えることによって、月々の返済額を軽減できる可能性があります。銀行の住宅ローンに借り換えることが、経済条件的には有利なことが多いですが、すでに滞納している場合の借り入れは難しいかもしれません。 銀行の住宅ローンが借り入れできなかったとしても、不動産担保ローンが選択肢になるかもしれません。 不動産担保ローン 不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を担保に借り入れができるローン商品です。 現在の住宅ローンより返済期間を延ばして借り換えれば、総返済額は増えますが、月々の返済額を軽減することができます。ただし、不動産担保ローンの金利は、通常の住宅ローンに比べて高い傾向があるため、事前にシミュレーションを行うなど注意が大切です。 住宅ローンの月々の返済額を減らしたい場合は、不動産担保ローンへの借り換えも視野に入れるといいでしょう。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 滞納したときの対処法②:自宅の売却 不動産仲介での売却 不動産仲介による売却ができれば、相対的に高値で売却できるため、負債を精算できる確率が高いでしょう。一方で、すでに住宅ローンの返済が滞ってしまい、ローンの完済ができないと思われる場合は、金融機関側に任意売却をすることを合意してもらう必要があります。 任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になったときに債権者と債務者の間で同意し、金融機関などの合意を得て担保不動産を売却することです。不動産が競売にかけられる前に、債務者が自分の意志で不動産を売却することから任意売却と呼ばれています。また、「任売」という略称を用いられることがあります。 関連記事はこちら競売を回避する「任意売却」とは?注意点や流れを解説 不動産会社への売却 不動産会社への売却であれば、仲介による売却よりも早く自宅を現金化することができます。ただし、不動産仲介による売却は時価で売りやすいのに対し、市場価格の7~8割程度となることが一般的です。 任意売却を認められなかった場合や、不動産仲介による売却が長引いてしまったときなどは、不動産会社への売却が選択肢となるでしょう。 リースバックという選択肢 リースバックとは、自宅をリースバック運営会社に売却すると同時にその会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックでの売却は、売却までの期間や価格は不動産会社への売却と大きく変わりません。 所有権は手放すことになりますが、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるのもメリットです。滞納解消のために自宅を売却した後も、引っ越しせずに住み続けたい場合はリースバックが向いているでしょう。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 まとめ 住宅ローンが払えないときは、支払督促や催告書を無視せず早く金融機関に相談することが大切です。払えない状況が一時的なものであれば、返済条件の見直し等に応じてもらえる可能性があります。 滞納の解消が見込めない場合は、任意売却や直接買取、住宅ローンの借り換えやリースバックなどで自宅の売却を検討しましょう。 無料の仮審査を申込む ご所有の不動産を担保にいくらまで融資可能かをご回答いたします。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 コロナ禍が追加!自然災害債務整理ガイドラインとは? コロナ禍による収入減で、住宅ローンの返済に苦しむ人も増えているようです。住宅ローンの返済が厳しくなったときにできることは何があるでしょう? また、2020年12月から「自然災害債務整理ガイド...記事を読む

  • 三為契約とは?不動産仲介との違いや注意点を解説

    三為(さんため)契約は、不動産売買で用いられることがある契約形態の1つです。一般的な不動産仲介とは仕組みが異なるため、不動産を売買する予定があるなら三為契約の仕組みを理解しておくと安心です。 この記事では、不動産売買における三為契約の概要や不動産仲介との違い、注意点について解説します。 三為契約とは 三為契約とは、「第三者の為にする契約」という言葉の略称で、民法537条および538条に規定されています。 民法537条(第三者のためにする契約) 契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。 2 前項の契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。 3 第一項の場合において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。 民法538条(第三者の権利の確定) 前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。 2 前条の規定により第三者の権利が発生した後に、債務者がその第三者に対する債務を履行しない場合には、同条第一項の契約の相手方は、その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。 出典)民法(e-Gov法令検索) 不動産売買では、売主と買主で売買契約を締結するのが一般的です。しかし、三為契約では売主と買主の間に不動産業者が入り、売主と不動産業者、不動産業者と買主がそれぞれ売買契約を締結します。 三為契約を用いた不動産取引を扱う不動産業者は「三為業者」と呼ばれます。 三為契約の仕組み 上述のとおり、三為契約では売主と買主の間に三為業者が入り、それぞれと売買を行います。不動産売買が行われると、通常は所有権の移転登記を行います。しかし、三為契約では不動産業者への所有権移転登記を省略し、買主に直接所有権の移転登記を行う点で異なります。 ※筆者作成 このように、間に入っている不動産業者を省略し、売主から買主へ直接所有権を移転することを「中間省略登記」といいます。 中間省略登記について 中間省略登記は、原則禁止されています。これは取引の当事者をそれぞれA、B、Cとしたときに、物件の所有権がA⇒B⇒Cと移転しているのであれば、不動産登記もA⇒B⇒Cと移転していることを明示すべきであるという考えからです。 しかし、これには例外があり、法務省から法務局、地方法務局に対する通知がされています。(平成19年1月12日法務省民二第52号民事第二課長通知) 出典)一般社団法人 不動産適正取引推進機構「最近の判例から(5) 登記情報と登記原因証明情報の不一致を理由とする中間省略登記申請の却下処分が適法とされた事例」 不動産登記の申請情報(A⇒Cへの所有権移転)と登記原因証明情報(A⇒B⇒Cの取引の経緯)の合致という基本理念を踏まえつつ、A、B、C三者間で「第三者のためにする契約」又は「買主の地位の譲渡」により、AからCへの直接の所有権移転があったと認められる場合は、直接AからCへの所有権移転登記が可能とされています。 三為契約と一般的な不動産仲介との違い 不動産仲介は、不動産仲介会社が売主と買主の間に入って両者の売買契約を成立させる方法です。売主と買主とをつなぐという意味では、三為契約と不動産仲介は同じです。 しかし、三為契約は不動産業者が売主と買主それぞれと売買契約を行うのに対し、不動産仲介は売買契約ではなく媒介契約を行います。不動産仲介にも売主と買主それぞれの仲介となる「両手仲介」、一方の仲介となる「片手仲介」が存在します。 ※筆者作成 なお、不動産仲介では不動産業者が受け取れる仲介手数料は以下のように上限額が決められていますが、三為契約では不動産業者の売買差益の上限は定められていません。 仲介手数料の上限額 契約金額(税別) 仲介手数料の上限額 200万円以下 (契約金額×5%)+消費税10% 200万円超 400万円以下 (契約金額×4%+2万円)+消費税10% 400万円超 (契約金額×3%+6万円)+消費税10% 三為契約における三為業者のメリット 三為契約を用いた不動産売買は、三為業者にとって以下のようなメリットがあります。 仕入コストを下げられる 一般的な買取再販事業の場合、物件を仕入れする際に仕入資金が必要となります。しかし、三為契約の場合、仕入れにあたっての手付金は必要ですが、残金は買主が決済時に支払うことで精算されるため、仕入れにかかる費用を大幅に削ることが可能です。 売買に係る諸費用を軽減できる 一般的な買取再販事業の場合、物件の仕入れ時と販売時に登記費用等の諸費用が発生します。しかし、三為契約であれば、物件の登記費用が発生しないため、費用を抑えることができます。 在庫の保有リスクがない 一般的な買取再販事業の場合、在庫の売れ残りリスクを抱えます。在庫が売れ残ると、仕入資金をローンで賄っている場合には、大きな赤字となるリスクを抱えます。しかし、三為契約では、物件を所有することがないので、在庫の保有リスクがありません。 三為契約における買主の注意点 三為契約を用いた不動産売買は、買主にとって以下のような注意点があります 利用できる融資が限られる 一般的な不動産取引では、物件の売買と同時に登記が行われるため、仕入れや販売、最終的な買主への決済、登記までの一連の取引が明確です。 一方で、三為契約の場合、不動産業者は売買契約を締結するものの、所有権登記は行われません。売主から買主へ物件の所有権が直接移転することから、取引全体の流れが把握しにくいという特徴があります。 このような特徴から、金融機関によって三為契約への融資を取り扱わないことも珍しくありません。 通常より割高な物件を購入する恐れがある 一般的な不動産取引では、売主と買主が双方確認できる売買価格にて合意して取引が行われます。 一方で三為契約の場合、買主は売主の売却価格を把握できず、売主も買主の購入希望価格を知りません。そのため、売主と買主の双方が適正価格を把握していないと、売主は割安に売却し、買主は割高に購入してしまう恐れがあります。 本人確認を徹底する 売主と買主の間に三為業者が入ることで、売主に疑義がある(身元詐称、行為能力制限者)ことを悪意で隠される、過失で見逃す場合でも所有権自体が覆る恐れがあります。売主の顔が直接見えない分、司法書士などにしっかりと双方の本人確認をしてもらいましょう。 また、宅建業者が三為業者として入ることで、不動産の隠れたる瑕疵は三為業者が負うことになるため、不動産取引における売主、買主双方のメリットにもなり得ます。 まとめ 不動産売買における三為契約は、違法な契約ではありません。ただし、一般的な不動産仲介とは仕組みが異なり、買主に不利益が生じる恐れもあります。不動産を購入する際は売買契約書の内容を十分に確認し、不明点を解消してから契約を締結しましょう。 契約不適合責任とは?請求できる権利や期間について解説 不動産取引において、物件の引き渡し後に不具合が発覚する場合があります。物件が契約内容に適合しない場合、売主は買主に対して契約不適合責任を負います。不動産の購入を考えているのであれば、契約不適...記事を読む 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。