住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • コロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介!

    コロナで住宅ローンの返済がお困りの方へ、ローン減免制度を紹介!

    新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した人を対象に、住宅ローンに加え、カードローン等のその他の債務を抱える方の返済負担を軽減する制度が新たに開始されました。新制度は自然災害による被災者向けの債務整理ガイドラインを改正し、新型コロナを対象に加えた特則で、2020年12月1日から適用されています。 住宅ローンの返済が困難になって自己破産を行う場合、通常は自宅を手放さなくてはなりません。しかし、新制度を利用すれば、自宅を手放すことなく債務の減額・免除を受けられる可能性があります。 この記事では、ローン減免の新制度の概要やポイント、申請の流れについて解説します。 ローン減免制度の概要 ローン減免の新制度は、新型コロナの影響で返済困難となった債務を抱える個人・個人事業主の生活や事業の再建を支援するための制度です。新制度を利用すれば、住宅ローンに加えてカードローンなどの債務を抱える個人・個人事業主は、住宅を手放すことなく、住宅ローン以外の債務の減額・免除を申し出ることができます。具体的には、新型コロナの影響で、以下のような状況にある場合に利用可能です。 失業または収入の減少によりローンが返済できない 住宅ローンに加えてカードローンなどの債務も増え、返済の見通しが立たない 事業を廃業して再スタートしたいが債務を返済できない 新制度では、以下の債務が減免の対象となります。 2020年2月1日以前に借りていた債務 2020年2月2日~10月30日に借りた新型コロナ対応関連の債務 2020年2月1日以前の債務は、住宅ローンやカードローン、事業性ローンなどが対象です。2020年2月2日以降の債務は、政府系金融機関や民間金融機関の新型コロナ関連の貸付が対象となります。 債務の減免を受けるには、一定の要件を満たすことや借入先の同意、簡易裁判所の特定調停手続きが必要です。一定の要件を満たしているかは、債務者の財産や新型コロナの影響前後の収入状況、信用情報などから総合的に判断されます。 ローン減免制度の3つのポイント ローン減免の新制度のポイントは以下3つです。 手続支援を無料で受けられる 新制度を利用する場合、弁護士などの「登録支援専門家」による手続支援を無料で受けられます。手続きには金融機関との協議や書類作成などが必要ですが、専門家から無料で支援してもらえるため、ローン返済が困難な人にとっては利用しやすいでしょう。 個人信用情報として登録されない 債務整理を行う場合、通常は個人信用情報に登録されるため、当面は借り入れが難しくなります。しかし、新制度なら個人信用情報に登録されないため、将来借り入れがしやすいメリットがあります。 財産の一部を手元に残せる 債務者の生活状況や個別事情によって異なりますが、財産の一部を手元に残すことも可能です。新制度を利用することで、通常の債務整理(自己破産など)より多くのお金を残せるかもしれません。 ローン減免制度の申請の流れ ローン減免の新制度を申請するときの流れは以下のとおりです。 借入先の金融機関に手続着手を申出 専門家による手続支援の開始 債務整理の申出 特定調停の申立 調停条項の確定(債務整理の成立) 新制度の利用を希望する場合、まずは最も多額のローンを借りている金融機関に手続着手の申出を行います。金融機関の同意を得られたら、地元弁護士会などを通じて登録支援専門家による手続支援を依頼しましょう。 その後は専門家の支援を受けながら、金融機関に債務整理の申出を行い、必要書類の作成や金融機関との協議を進めます。債務整理の対象にしようとするすべての金融機関から同意を得られた場合、簡易裁判所へ特定調停を申し立て、調停条項が確定すれば債務整理は成立します。 ローン減免制度の注意点 ローン減免の新制度を利用する際は、以下の点に注意する必要があります。 新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合は利用できない 過去に滞納などの契約違反があると利用できない可能性がある 特定調停の申立費用は債務者の負担となる 今回の新制度は、あくまでも新型コロナの影響での失業・収入減により、債務の返済が困難になった個人・個人事業主が支援の対象です。新型コロナ以外の理由でローン返済が困難になった場合、新制度は利用できません。 利用要件を満たすかどうかは、収入状況やローンの支払条件、家計の状況などから総合的に判断されます。そのため、過去に滞納などの契約違反がある場合は、金融機関から同意を得られない可能性があります。 また、専門家による手続支援は無料で受けられますが、特定調停の申立費用については債務者の負担となります。 まとめ 新型コロナの影響で住宅ローンやカードローンなどの返済に困っている場合、ローン減免の新制度を利用すれば、自宅を手放さずに済むかもしれません。また、新制度は個人信用情報に傷がつかないので、将来借り入れがしやすいメリットもあります。専門家による手続支援も無料で受けられるので、まずはローンを借りている金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【FP相談事例】コロナウイルスの影響で住宅ローン返済に困ったら コロナウイルスの影響で家計の収入がダウンし、住宅ローンが重荷になってきた家庭は少なくありません。住宅ローンそのものの見直しも考えられますが、長期的なローン負担を気にして、もっと迅速かつ身軽に...記事を読む

  • リースバックとリバースモーゲージの違いを徹底解説

    リースバックとリバースモーゲージの違いとは

    近年、まとまった老後資金を確保する手段として「リースバック」や「リバースモーゲージ」が注目されています。もし、まとまった老後資金の確保を目的として利用を検討する場合には、リースバックとリバースモーゲージの違いをしっかりと理解しておくことが大切です。 この記事では、リースバックとリバースモーゲージの違いと、どちらが自分に向いているかを判断する基準について解説します。 リースバックとリバースモーゲージの概要 リースバックの概要 リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結して毎月家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックは不動産取引であるため、基本的に年齢制限や年収基準、家族の同居制限はありません。また、賃借権は相続されるので、契約者にもしものことがあっても配偶者は住み続けられます。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リバースモーゲージの概要 リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に相続人が自宅の売却もしくは現金一括で元本を返済します。一般的なローンとは異なり、毎月の支払いは利息のみなので、月々の返済額を抑えられるのがメリットです。 ただし、元金は据え置きなので、長生きするほど利息負担が増えるリスクがあります。また、自宅の売却代金よりローン残債の方が多かった場合、残った債務が相続人に引き継がれることがあります。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 リースバックとリバースモーゲージの共通点と違い リースバックとリバースモーゲージの共通点 まず、リースバックとリバースモーゲージの共通点は以下のとおりです。 不動産を活用した資金調達方法 不動産を売却する商品・サービス リースバックとリバースモーゲージは、自宅を活用して資金調達できるのは同じです。タイミングは異なりますが、どちらも最終的には自宅を売却するため、相続後に不動産が残らないのも共通点です。 リースバックとリバースモーゲージの違い リースバックとリバースモーゲージは不動産を活用して資金を調達できるという点から似ていると感じるかもしれませんが、リースバックは不動産売買+賃貸借契約、リバースモーゲージは不動産担保融資であり、その特徴や仕組みは大きく異なります。 具体的には、以下のような違いがあります。 所有権移転のタイミング 資金の受け取り方(売却と融資) 月々の支払い(家賃と利息) リースバックは、自宅を売却して賃貸に切り替えた時点で所有権は運営会社に移転します。それに対して、リバースモーゲージは債務者の死亡後、自宅を売却して元本を返済する仕組みなので、債務者が生きている間は自宅の所有権は移転しません。 また、リースバックは売却資金を受け取り、その後は毎月家賃を払うのに対し、リバースモーゲージは融資金を受け取り、毎月利息を払う点も異なります。 リバースモーゲージと比較したリースバックのメリット リバースモーゲージと比較したリースバックのメリットは以下の4つです。 誰でも利用できる リースバックは不動産売却なので、基本的に与信面で断られることはありません。また、年齢制限や年収基準がないので、持ち家があれば高齢者でも利用しやすいでしょう。 一方で、リバースモーゲージは自宅を担保とした融資であるため、金融審査があります。年齢制限や年収基準が設定されていることが多く、一定の収入がないと与信面で否決される可能性があります。 ローンを完済できる リースバックは不動産売却なので、住宅ローンが残っていても売却資金で完済できます。ただし、売却資金が住宅ローンの残債を上回る必要がある点には注意が必要です。 一方で、リバースモーゲージは融資なので、ローンが残っている状態がずっと続きます。毎月の支払いは利息のみですが、市場金利が上昇すれば、毎月の返済額が増えて支払いが困難になる可能性があります。 相続対策になる リースバックは自宅を売却して現金化するため、相続時に財産分与しやすいのがメリットです。特に複数の相続人がいる場合、自宅をどのように分けるかを考える必要がないので、相続問題を回避しやすくなります。 一方で、リバースモーゲージは、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みですが、売却資金がローン残債より少ない場合、残った債務は相続人に引き継がれます(リコース型の場合)。ノンリコース型なら債務が残っても相続人に返済義務は生じませんが、リコース型に比べて適用金利が高い傾向にあります。 持ち家の所有リスクを移転できる リースバックで自宅を売却すれば、持ち家の所有リスクを移転できます。そのため、自宅の維持管理のためのメンテナンスコストが不要である点や、突発的な地震や台風といった自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用は運営会社が負担してくれるので安心です。 一方で、リバースモーゲージは、資金調達後も持ち家であることに変わりはないので、メンテナンスコストや建物に被害が出たときの修繕費用は自身で負担しなくてはなりません。住まいに関する資金も借り入れする事ができますが、借入金が膨らんでしまう点には注意が必要です。 リバースモーゲージと比較したリースバックのデメリット 一方で、リバースモーゲージと比較したリースバックのデメリットは以下の2つです。この2つのデメリットを考慮したうえで、どちらがいいかを判断しましょう。 所有権を手放すことになる リースバックを利用する場合は自宅を売却するので、所有権を手放すことになります。所有権を手放せばその家は自分のものではなくなり、自由にリフォームを行うこともできなくなります。 一方で、リバースモーゲージは資金調達後も持ち家であることに変わりはないので、自由にリフォームを行うことができます。 自宅を相場より安い金額で売却してしまう リースバックを利用した場合、自宅の売却価格は相場の7割程度となってしまいます。そのため、売却価格にだけ着目すると、リースバックは取引時点で損失を確定することになります。 一方で、リバースモーゲージの場合、リバースモーゲージを利用することが自宅の売却価格に影響を及ぼすことはありません。ただし、最終的に自宅を売却するまでに価値が下がり、結果的に損失が出る場合もあるので注意しましょう。 まとめ リースバックとリバースモーゲージを比較すると、利用しやすさや相続対策、所有リスクを移転できる点などはリースバックの方が優れています。しかし、自身の状況によっては必ずしもリースバックがいいとも限りません。 リースバックとリバースモーゲージのどちらを利用すべきか悩んでいる場合は、専門家や金融機関に相談するのも有効です。両者の違いを十分に理解したうえでどちらを利用すべきかを判断しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックと不動産担保ローンの違いとは リースバックと不動産担保ローンは、不動産を活用して資金調達するところは同じですが、特徴や仕組みには違いがあります。両者の違いを理解しておくことで、ご自身のライフスタイルや考え方に合わせて最適...記事を読む

  • 自宅購入はより安全で優れた不動産投資!?

    自宅購入はより安全で優れた不動産投資!?

    不動産投資といえば、マンションやアパートを貸し出して家賃収入を得ることをイメージするのではないでしょうか。しかし、考え方によっては賃貸暮らしの家賃支出をなくし、ローンの返済とともに資産を増やすことが出来る自宅購入も不動産投資の一種といえるでしょう。 不動産投資には空室リスクをはじめ、さまざまなデメリットが存在しますが、自宅購入ならこれらのデメリットをカバーできます。自宅購入で失敗を避けるには、不動産投資と同様に物件選びやローンの借り方に注意することが大切です。 この記事では、自宅購入が不動産投資より優れている理由や自宅購入の失敗例について解説します。 自宅購入が不動産投資より優れている5つの理由 自宅購入が不動産投資より優れている理由は以下の5つです。 空室リスクがない マンションやアパートといった収益不動産への投資では、入居者がいれば毎月家賃収入を得られますが、空室になってしまうと家賃は入ってきません。不動産投資では家賃収入でローンを返済していくこととなりますが、空室期間が長くなると自己資金の持ち出しが発生し、返済が困難になる可能性があります。 一方で自宅購入の場合は、自身が居住するため空室はありません。もちろん自身が居住するため家賃収入は得られませんが、ローンを完済すれば自宅は資産となります。そのまま住み続けられるのはもちろん、ある程度残債が減ることで「売却してまとまった現金を手に入れる」「自宅を担保にお金を借りる」など、資金調達手段として活用できるのも魅力です。 自らの努力で資産価値を維持できる 不動産投資の場合、たとえオーナーであっても、賃貸中は入居者の許可なく部屋に入ることはできません。入居者やその使い方によっては資産価値を低下させる恐れがありますが、賃貸中にオーナーができることは限られてしまいます。 一方で自宅購入であれば、自らの努力で資産価値を維持することが可能です。定期的にメンテナンスをしたり、必要に応じてリフォームをしたりすることで、建物を健全な状態に保てます。 ローンをより低金利で借りることができる 不動産投資ローンに比べると、住宅ローンは低金利で借りることができます。不動産は物件価格が高額なので、少しの金利差で総返済額は大きく変わります。 不動産投資ローンの場合、物件の担保評価や債務者の属性などによって適用金利は変わってきます。一般的に金利は2%以上になることが多く、住宅ローンのような低金利で借りることは難しいでしょう。 一方で住宅ローンの場合、変動金利なら0.5%未満で借りることも可能です。また、最長35年間固定金利で借りられる「フラット35」の適用金利は1.310%~2.060%(返済期間21~35年の場合:2020年11月現在)で、固定金利でも低金利で借りられます。 出典) ・価格.COM 住宅ローン商品一覧 ・【フラット35】 団信がより優れている 不動産の購入でローンを借りる場合、万一に備えて団体信用生命保険(団信)に加入するのが一般的です。そして、団信の保証内容は、不動産投資ローンより住宅ローンのほうが手厚い傾向にあります。 団信の仕組みとして、被保険者が死亡または所定の高度機能障害になったときに、ローン残高を保険金で一括返済するのは同じです。しかし、住宅ローンの場合は「がん保障特約」「疾病保障付き」など内容が充実しており、上乗せされる金利も比較的低くなっています。 税制面での優遇が非常に大きい 自宅購入は、不動産投資に比べて税制面での優遇も非常に大きいものがあります。具体的には、以下2つの税制優遇が受けられます。 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除) 売却時の3,000万円の特別控除 住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して自宅を購入した場合に当初10年間(2020年12月31日までに居住した場合は13年間)、住宅ローン年末残高の1%(控除限度額40万円)が所得税から控除される制度です。所得税の節税によって、金利負担を軽減できます。 また、自宅を売却したときは、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があります。自宅を売却して利益が出たとしても、譲渡所得が3,000万円までは税金がかかりません。 出典) ・国税庁 所得税 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除) ・国税庁 譲渡所得 No.3302 マイホームを売ったときの特例 自宅購入の3つの失敗例を紹介 このように、自宅購入は不動産投資にはないメリットがありますが、購入物件やローンの借り方によっては失敗してしまうこともあります。ここでは、自宅購入の失敗例を3つ紹介します。 必要以上の家を購入する たとえば、こだわりの注文住宅を建てるなど、必要以上の家を購入すると失敗しやすくなります。注文住宅は、あくまでも建てた人にとって利便性が高いだけで、一般に受け入れられるとは限りません。 そのため、建築に係るコストと市場評価との乖離が広がり、思うような価格で売却できなくなる恐れがあります。将来の売却を視野に入れるのであれば、必要以上の家を購入するのは避けたほうがいいでしょう。 今買える物件を買ってしまう 購入物件を十分に検討せず、今買える物件を買ってしまうのも失敗例のひとつです。たとえば、長期間売れ残っている物件は、需要が少ないと考えられます。このような物件は市場の流通性が低いので、なかなか買い手が見つからず、売却時に苦労する可能性があります。 そのため、購入したいと思った時に売り出している物件の中から選ぶのではなく、市場価値のある(=需要のある)不動産の売り出しを待つことが良いと言えるでしょう。 今借りれるローンを借りてしまう 住宅ローンは、金利によって数年後の残債が大きく変わります。転職直後など条件が悪くなりやすいときに高い金利で住宅ローンを借りると、毎月の返済額や総返済額が増えてしまいます。 今住宅ローンを借りれたとしても、状況によっては、もう少し待ったほうがより良い条件で借りれるケースもあります。住宅ローンを借りる際は、より有利な条件で借りられるタイミングを見極めることも大切です。 まとめ ここまで紹介したように、自宅購入は不動産投資にはないメリットがたくさんあります。もし賃貸暮らしのまま、不動産投資を始めようとしているのであれば、収益不動産を購入して家賃収入を得ることと、自宅を購入して家賃の支出を無くすことと、どちらがお得かを検討してみましょう。また、自宅を購入する方がより安全な投資になるかもしれないということを頭に入れておいてください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住宅ローンが残っていても自宅を賃貸に出せる? 住宅ローンを借りて自宅を購入した後、急な転勤などで、住み替えが必要になった場合、いずれは元の自宅に戻りたいと考え、自宅を賃貸に出せないか検討することもあるかもしれません。この記事では、住宅ロ...記事を読む

  • 老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット

    リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックを利用することで老後の不安を解消し、より快適な生活が送れるようになるかもしれません。この記事では、老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリットを紹介します。 メリット①:老後資金を確保できる 持ち家があって老後の生活費が足りない場合、通常は自宅の売却を検討するのではないでしょうか。しかし、自宅を売却すると転居先を決めたり、引っ越しの手間や費用が発生したりします。また、慣れ親しんだ自宅に住み続けたいのであれば、リースバックも選択肢のひとつとなるでしょう。 リースバックで自宅を売却すれば、まとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。また、住宅ローンの返済が苦しくて老後資金を貯められない場合も、リースバックの売却資金で住宅ローンを一括返済すれば、家計収支を改善できます。 関連記事はこちら老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編) メリット②:相続問題が解決される リースバックは、複数の相続人がいる場合に、相続問題を解決する手段としても利用できます。不動産は実物資産であるため、複数の相続人がいる場合は簡単に分けられません。相続資産の大部分を自宅が占める場合、財産をどのように分けるか折り合いがつかず、相続争いが起こることもあります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、所有権がリースバック運営会社に移転するため、自宅をどう分けるかを考えなくて済みます。特に相続財産が自宅と預貯金のみの場合、不動産を現金化すれば相続財産は預貯金のみとなるので、均等に分配しやすくなります。 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 メリット③:固定費の増加要因や突発的な支出がなくなる 老後の家計収支を安定させるには、固定費を下げたり、突発的な支出を減らしたりすることが大切です。 持ち家の場合、家賃を払う必要はありませんが、固定資産税がかかります。また、マンションなら、管理費や修繕積立金の支払いも必要です。他にも、設備の故障などで急にまとまった支出が発生する可能性もあるでしょう。 そのようなときにリースバックで賃貸に切り替えて、毎月一定額の家賃を払うようにすれば、家計管理がしやすくなります。また、固定資産税や管理費・修繕積立金がなくなり、家賃のみの支払いになるほか、老朽化などで設備が故障した場合の費用がオーナー負担となるのも安心材料です。 関連記事はこちら老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説 メリット④:自然災害リスクを減らせる リースバックで自宅を売却して賃貸に切り替えれば、自然災害で住居に被害が出ても、修繕費用などはリースバック運営会社が負担してくれます。しかし、持ち家の場合は、修繕や建て替えにかかる費用は自分で負担しなくてはなりません。 持ち家の場合には火災保険や地震保険に加入することで備えることもできますが、保険に加入していても、保険金で費用を全額カバーできず、持ち出しが発生する場合があります。また、災害などで住むことができない状態になったとしても、住宅ローンが残っている場合、基本的にローン返済は免除されません。 近年では、地球温暖化の影響により、台風や洪水などの自然災害リスクが高まっています。また、日本は地震大国でもあり、過去には阪神・淡路大震災や東日本大震災といった大地震も発生しているので、楽観視できないでしょう。そのため、自宅に住み続けながら自然災害リスクに備えたいなら、リースバックは有効な手段となるでしょう。 関連記事はこちら地震保険とは?火災保険との違いや補償内容を解説 老後のリースバックに関するよくあるご質問 老後にリースバックを利用するにあたり、よくあるご質問を3つ紹介します。 Q. リースバックを利用した後、ずっと住み続けられますか? リースバックの賃貸借契約には、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。定期借家契約の場合は再契約できる保証がなく、2~3年の契約期間満了後に退去しないといけなくなる恐れがあります。できるだけ長く住み続けたい場合は、普通借家契約が可能な運営会社を選ぶと安心です。 Q. 毎月の家賃を安くすることはできますか? リースバックの家賃は売却価格と家賃のバランスで決まり、売却価格が安くなると家賃も安くなります。そのため、運営会社と交渉して売却価格を抑えることで、周辺の賃料相場より家賃をかなり安く設定することも可能です。ただし、売却価格を抑えすぎると調達できる資金が少なくなります。リースバックの家賃を安くしたい場合は、売却価格とのバランスを検討してから交渉しましょう。 Q. 配偶者が契約を引き継ぐことができますか? 自宅をリースバックで売却した場合、残された配偶者が契約者である夫(妻)が死亡した後も住み続けられるか気になるのではないでしょうか。賃貸借契約は相続の対象になるため、夫(妻)の死亡後も配偶者が契約を引き継ぐことが可能です。念のため、運営会社に契約を引き継げるかを確認しておくと安心です。 デメリットは「家を遺せないこと」 リースバックの最大のデメリットは、家を遺せないことにあります。自宅の所有権が運営会社に移転してしまうので、子供に家を遺したい場合は、リースバックを利用すべきではありません。 家を遺すことにこだわりがなければ、老後資金や相続問題など、自身の抱えている悩みがリースバックによって解決できるのかどうかを考えてみましょう。ご自身で判断が難しければ、専門家に相談してみるのもおすすめです。 まとめ 「家を遺せない」というデメリットを許容できるのであれば、老後のリースバックはいくつかの問題を解決する選択肢となります。持ち家があり、老後資金や相続、自然災害などの不安を抱えているなら、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説

    老後に賃貸と持ち家ではどう違う?メリット・デメリットを解説

    賃貸暮らしをしていると、老後に向けて自宅を購入すべきか悩むのではないでしょうか。賃貸か持ち家かによって、老後の生活においてそれぞれメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに応じてどちらがいいかは変わってきます。 老後に持ち家があることで、老後の生活費が不足したときに資金調達手段として活用できるかもしれません。そのため、老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすかは、老後資金も考慮して選択することが大切です。 この記事では、賃貸と持ち家で老後の生活がどう違うかについて解説します。 老後に賃貸で暮らすメリット・デメリット 老後に賃貸で暮らす主なメリット・デメリットは以下のとおりです。 賃貸のメリット 老後の賃貸暮らしには、以下のようなメリットがあります。 メンテナンス費用がかからない 災害リスクがない 自宅の老朽化や設備の故障などにより物件設備の交換が必要になった場合、賃貸であれば、物件の所有者であるオーナーがメンテナンス費用を負担してくれます。そのため、突発的な支出が生じる可能性は少ないでしょう。 また、地震や台風などの災害で建物に被害が出たときも、修繕にかかる費用はオーナー負担です。被災して住めない状態になった場合は、住めるようになるまで家賃を払う必要もありません。ただし、家財はオーナーに補償してもらえないため、火災保険に加入して備えておく必要があります。 このように、賃貸であれば自宅にかかる定期的なメンテナンスコストや突発的に発生する災害のリスクを回避できるメリットがあります。 賃貸のデメリット 一方で、老後の賃貸暮らしには、以下のようなデメリットもあります。 家賃の支払いが一生続く 契約・更新できない可能性がある 老後に賃貸で暮らす場合には、家賃の支払いが一生続くことになります。そのため、老後資金に余裕がある場合には問題ありませんが、老後の生活資金を確保していないと家計収支が立ち行かなくなり、最悪の場合は老後破綻になりかねません。 また、賃貸で暮らす場合は高齢になって安定収入がなくなると、信用上の問題から契約が更新できなくなる恐れもあります。高齢になるほど保証人を求められるケースが増えてくるため、家族など頼める人がいないと契約や更新を断られる可能性があります。 なお、老後の生活ではバリアフリー対応が必要になることもありますが、賃貸は内装や間取りの仕様変更ができません。一方で、賃貸であれば、自身の状況に応じた高齢者向け住宅へ転居する選択肢があるので一概にデメリットとはいえないでしょう。 老後の生活に配慮した賃貸物件の選び方 老後に賃貸で暮らす場合は、以下のような点を考慮して物件を選ぶと良いでしょう。 家計に合った物件を選ぶ 老後に賃貸で暮らす場合、自身の家計に合った物件を選ぶことが重要です。特に、家賃に関しては、住み続ける限り一生支払わなければならず大きな負担となるため、家計とのバランスを考慮する必要があります。老後は収入が年金のみとなり、働いていた頃の給与収入よりも少なくなることが一般的です。自身の家計に見合った家賃でなければ、生活費を圧迫したり老後資金の不足に繋がる可能性があります。そのため、自身の収入や貯蓄額、ライフプランを考慮した上で家計に見合った物件を選ぶようにしましょう。また、断捨離をしてワンサイズ小さな物件を選ぶなど、家賃を抑えるために工夫をすることも一つの方法です。 バリアフリーが充実している物件を選ぶ 老後に賃貸で暮らす場合は、バリアフリーが充実している物件を選ぶことをおすすめします。例えば、段差が多い家や広すぎる家は移動が大変であり、大きな負担となります。さらに、現在は元気であっても高齢になるにつれて予期せぬ怪我や病気のリスクが高まりますので、将来的に体が不自由になってしまう可能性もあります。そのような場合に、バリアフリーが充実している物件を選択しておくことで、転居をする必要が無く今までの住まいで生活を続けることが可能です。安全、快適に長く暮らすためにも、現在の健康状態や将来的なリスクを踏まえた上で、物件を選ぶと良いでしょう。 周辺の環境が充実している物件を選ぶ 老後に賃貸で暮らす場合、周辺の環境が充実しているかも確認するようにしましょう。特に、スーパーや病院、公共施設など日常的に利用する施設が近くにあるかを確認すると良いでしょう。これらの施設が自宅から遠い場合、毎日の生活に影響し、大きな負担となってしまいます。加えて、周辺に騒音や臭いなど将来的にトラブルに繋がりそうな施設が無いかもチェックしておくことで、事前にトラブルを回避することができます。老後に住む賃貸物件は、物件だけでなく、周辺環境も考慮した上で選択すると良いでしょう。 老後に持ち家で暮らすメリット・デメリット 老後に持ち家で暮らすメリット・デメリットは以下のとおりです。 持ち家のメリット 持ち家には以下のようなメリットがあります。 住居費の負担が小さい 内装や間取り変更が自由にできる 持ち家は、住宅ローンを完済していれば、住居費の負担が少なく済みます。住宅ローンの返済以外に固定資産税や修繕費用は必要ですが、賃貸のように毎月家賃を支払う必要はありません。そのため、持ち家は長生きするほど、賃貸よりも経済的なメリットがあると言えるでしょう。 また、持ち家であれば、リフォームやリノベーションが自由にできます。引っ越しをしなくても、ライフスタイルの変化に応じて自分に合った住環境を整えられるのは、持ち家ならではのメリットといえるでしょう。 持ち家のデメリット 一方で、持ち家には以下のようなデメリットもあります。 災害リスクがある メンテナンス費用がかかる 簡単に引っ越しできない 持ち家は、地震や台風などで建物に被害を受けた場合、修繕費用を自身ですべて負担しなくてはなりません。修繕費用は保険金でまかなうことも可能ですが、被害の状況によっては、住める状態になるまで時間がかかります。また、設備は定期的なメンテナンス費用が発生します。 持ち家は、賃貸に比べて簡単に引っ越しができないのもデメリットです。体調が悪くなって高齢者向け住宅に移りたいと思っても、持ち家があると簡単には決断できないでしょう。 老後に資金が足りない場合の選択肢 老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすかは、ライフスタイルだけでなく、老後資金も考慮して選ぶことが大切です。賃貸ならメンテナンス費用がかからず、災害リスクを回避できますが、一生家賃を払い続けなくてはなりません。そのため、持ち家よりも多くの資金を準備する必要があります。 しかし、持ち家であれば老後資金が不足したとしても、自宅を売却してまとまった資金を手に入れることが可能です。また、売却以外にもリースバックを活用して資金調達できます。 リースバックを利用すれば、売却によってまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられるので、老後に持ち家である時に発生するデメリットを回避できます。また、持ち家は相続争いが起こることもありますが、リースバックなら自宅の所有権がリースバック運営会社に移転するため、相続対策として活用できる側面もあります。 関連記事はこちら夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介 関連記事はこちら相続争いを生まないためのリースバックという選択肢 持ち家を売却しても賃貸として住み続けるSBIスマイルのリースバック 老後資金対策として、リースバックを利用する場合は、SBIスマイルのリースバック「ずっと住まいる」がおすすめです。「ずっと住まいる」には、以下のような特徴があります。 SBIグループの資金力 SBIスマイルは東証一部のSBIグループのグループ会社です。十分な資金力があり、売却時の支払いを一括で行っておりますので、迅速に資金を確保できます。また、リースバック運営会社の倒産によって、賃貸借契約期間中に無断で物件を売却されてしまう等、業績不振や倒産を原因とするトラブルを心配することなく取引ができますので、安心して取引をすることができます。 家賃変動なし SBIスマイルの「ずっと住まいる」なら、賃貸開始から終了まで家賃の変動がありません。そのため、将来的な家賃の支払いについての見通しを立てやすく、安心して取引をすることができます。 一級建築士による建物検査 SBIスマイルの「ずっと住まいる」は、事前に一級建築士が建物検査を行います。そのため、売却後に不具合が見つかるといったトラブルを心配せず、老後の住まいに安心を確保できます。 透明性のある料金体系 SBIスマイルの「ずっと住まいる」は、将来売却するときの事務手数料や、賃貸として住み続けたときの敷金・礼金・更新料がかからないため、老後の生活を安定化することができます。 顧客と直接取引 SBIスマイルの「ずっと住まいる」は、顧客との直接取引のため、仲介手数料はかかりません。また、個々の状況や要望に合わせて、家賃や賃貸期間、売買価格などを柔軟に設定することができます。 まとめ 老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすにしてもそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが合っているかはライフスタイルによって異なります。一方で、持ち家であれば、老後資金が足りない場合に自宅を活用して資金調達できる可能性がありほか、そもそも持ち家であるという安心感もあるでしょう。老後に賃貸と持ち家のどちらで暮らすかは、老後資金も考慮して選択しましょう。 リースバックならSBIスマイル リースバックの商品詳細はこちら リースバックの仮査定はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 リースバックとは「セール・リースバック」や「セール・アンド・リースバック」とも称される取引手法で、所有している資産を第三者に売却し、リース契約を締結することで、それまでと同じ資産を利用し続け...記事を読む

  • リースバックの家賃設定を解説!家賃が高いというのは本当か?

    リースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い?

    リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで同じ家に住み続けられる商品です。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金を確保したい高齢者を中心に利用者は年々増加しています。 その一方で、リースバックは「家賃が高い」と言われることもあります。家賃を払い続けられるか心配で、リースバックを利用するか迷っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、リースバックの家賃が高いと言われる理由と家賃を安く抑える方法について解説します。 リースバックの家賃はどう決まる? 家賃の計算方法 リースバックの家賃は、不動産の売却価格と期待利回り、周辺の家賃相場などによって決まります。具体的な家賃は、以下の計算式で求められます。 家賃(月額) = 売却価格 × 期待利回り ÷ 12ヵ月 つまり、期待利回りが一定であれば、不動産の売却価格が安くなるほど家賃も安くなり、売買価格が同じだったとしても期待利回りが低ければ家賃も安くなる、ということです。 期待利回りとは 期待利回りとは、物件の売却価格に対する年間賃料の割合を表す数値です。例えば期待利回りが5%というのは、年間賃料が売却価格の5%である、ということを表します。期待利回りは物件種別や築年数、運営会社の運営方針、財務状況によって変わります。 運営会社によっては、売買価格は相対的に高くとも、家賃が周辺の賃料相場より高いこともあるかもしれません。反対に、運営会社によっては、利回りを低く設定し、家賃が周辺の賃料相場より低いこともあるかもしれません。 リースバックは「家賃が高い」と言われる理由 リースバックは一般的な不動産賃貸とは異なり、周辺相場で家賃が決まるわけではなく、不動産の売却価格などが考慮されます。売買価格によっては、家賃が相場よりも高く設定されることもあるため、「リースバックは家賃が高い」というイメージがあるのかもしれません。 例えば、「住宅ローン残高の多い物件」や「競売を申立てられた物件」は、売却価格を高くせざるを得ないため、家賃が賃料相場より高くなることが多いでしょう。なぜなら、リースバックを利用するには、運営会社が買取をするために、住宅ローン借入のために設定されている抵当権の抹消が必要だからです。 どうしたらリースバックの家賃を安くできるのか 上述のように家賃を決める際には、売却価格と期待利回りが要因となります。つまり、売却価格を下げ、期待利回りの低い運営会社を選定する事が家賃を安く抑える方法です。 そのため、家賃だけに焦点を当てるのであれば、複数の会社に査定を出して期待利回りの低い会社を選定した上で、売却価格を下げることで家賃を最も安くすることが有効でしょう。ただし、運営会社の方針によっては交渉に必ずしも応じてもらえるとは限りません。そのため、価格や家賃の相談に乗ってもらえるかを確認してみましょう。 リースバックで家賃が安くなった事例を紹介 ここでは、リースバックで家賃が家賃相場より安くなった事例を2つ紹介します。 事例① Aさんは、急遽まとまったお金が必要になりました。持ち家(マンション)を所有していますが、家族がいるため、できれば引っ越しはしたくありません。そこでリースバックの利用を検討していました。運営会社との面談で「なるべく家賃を安くしたい」という希望を伝えたところ、以下の条件を提示され、契約に至りました。 物件エリア江戸川区 物件種別区分マンション 築年数・間取り18年、3LDK 売却価格3,400万円 家賃相場20.3万円/月 家賃18万円/月 Aさんの場合、5,000万円ほどで借り入れた住宅ローンの残高が2,000万円まで減っていました。マンションの売却価格は市場価格より安くなりましたが、家賃は相場より安く抑えることができたため、しばらくは引っ越しせずに暮したいと考えているようです。 事例② Bさんは、目先にまとまったお金が必要になったため、リースバックを検討していました。運営会社との面談で「家賃を安く抑えたい」「将来的に買い戻す可能性がある」という希望を伝えたところ、以下の条件を提示され、契約に至りました。 物件エリア横浜市保土ヶ谷区 物件種別戸建て 築年数・間取り15年、木造2階建て(延床面積150㎡) 売却価格1,950万円 家賃相場19.4万円/月 家賃13万円/月 家賃相場19.4万円に対し、家賃は13万円で、家賃は相場より5万円以上安くなりました。また、調達資金の一部を信用借り入れの返済に充てたことで、家計改善にもつながりました。 まとめ リースバックは「家賃が高い」というイメージがあるかもしれませんが、家賃は売却価格とのバランスで決まるため、売却価格を安く抑えることで家賃を安くできます。また、運営会社を比較したり、諸条件を交渉したりすることでも、家賃を安くできるかもしれません。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックにかかる税金と節税方法について解説 リースバックの利用を検討する中で、利用にあたってどのような税金が発生するのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。リースバックは不動産取引の一種であり、リースバックにかかる税金は不動産売却...記事を読む

  • 相続争いを生まないためのリースバックという選択肢

    相続争いを生まないためのリースバックという選択肢

    自宅を所有していると、老後も住み続けられる安心感がある一方で、相続に不安を感じることもあるのではないでしょうか。不動産は実物資産であるため、相続人が複数いると簡単に分けられません。また、相続財産の大部分を不動産が占める場合は、財産をどう分けるか折り合いがつかず、相続争いが生まれる可能性があります。 しかし、リースバックで自宅を売却すれば、同じ家に住み続けながら相続争いを回避できます。この記事では、リースバックで相続問題を解決できる理由について説明します。 なぜ相続争いが生まれるのか 相続争いが生まれる理由はさまざまですが、その最たる例のひとつが不動産(自宅)に関連する理由です。たとえば、相続財産が不動産と預貯金のみで、不動産が占める割合が大きいと相続争いが生まれやすくなります。なぜなら、複数の相続人がいる場合、相続人全員が納得する形で財産を分けるのが難しいからです。 均等に財産を分けるという観点で考えれば、不動産は持分相続ができるので、1つの不動産を複数人で相続することも可能です。しかし、相続後にその不動産を1人の使用者が専有した場合には、相続人の間に不平等が生まれることになります。親族間で賃貸借契約を結んで適正な家賃を支払うことで平等に近い形に是正することは可能ですが、あまり現実的な方法とは思えません。 相続争いの具体例を紹介 不動産の相続の難しさがイメージできるように、具体例を1つ紹介します。相続財産が不動産(4,000万円)と預貯金(2,000万円)の合計6,000万円、相続人が配偶者と子2人のケースについて確認しましょう。法定相続分は配偶者が1/2、子はそれぞれ1/4です。相続財産は合計6,000万円なので、法定相続割合で分けると以下のようになります。 配偶者:3,000万円(6,000万円×1/2) 子(A):1,500万円(6,000万円×1/4) 子(B):1,500万円(6,000万円×1/4) また、法定相続割合で不動産と預貯金を均等に分割する場合、相続財産は以下のように分けられます。 配偶者:不動産2,000万円、預貯金1,000万円(合計3,000万円) 子(A):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 子(B):不動産1,000万円、預貯金500万円(合計1,500万円) 不動産に持分を設定することで、上記のように資産を均等に分けることができます。しかし、その不動産を配偶者のみが占有して利用する場合には、当然平等であるとは言えないでしょう。 リースバックで相続問題を解決できる理由 先程紹介したようなケースの場合、リースバックを利用することで相続問題を解決できます。リースバックとは、自宅を売却したうえで賃貸借契約を結び、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。 相続争いを避けるために自宅を売却すると、通常は別の住居を探さなくてはなりません。しかし、リースバックなら家賃を払うことで、売却後も同じ家に住み続けられます。また、不動産を現金化することで、相続財産は預貯金のみとなるため、相続財産を均等に分配できます。 先ほどのケースで、リースバックを利用しており、不動産を2,800万円*で売却していた場合には下記のような遺産分割となります。 ※一般的にリースバックの買取価格は評価額の7割程度とされているため、4,000万円×70%=2,800万円としています。 配偶者:預貯金2,400万円 子(A):預貯金1,200万円 子(B):預貯金1,200万円 上述のとおり、相続財産が預貯金のみであれば、相続人同士でもめることなくスムーズに遺産分割ができるでしょう。加えて、もしその家に住み続けたい相続人がいた場合でも、賃貸借契約を承継し、自らが家賃を支払ってその家に住み続けることになるので、公平と言えます。 リースバックを利用するタイミング リースバックの利用は相続争いを無くすという点からは、生前に行うことが理想ですが、相続発生後であっても可能です。しかし、相続発生後に手続きをすると、相続税や所得税などの税金面で複雑化することや、持分相続の場合に共有者全員の同意が必要などの制限が発生します。 このような点から相続発生後のリースバック利用にも争いが生まれる可能性があり、相続発生後にリースバックを利用するのであれば、生前にリースバックを利用しておいた方が良いと言えるでしょう。 もう一つの選択肢としての不動産担保ローン 相続する不動産に長期的な視点で資産価値がある場合やその不動産への愛着が強いなどの理由で所有権を手放したくない場合には、不動産担保ローンを利用するといいでしょう。不動産担保ローンとは、土地や建物、マンションなどの不動産を金融機関に担保として差し入れるかわりにお金を借りられる融資方法の一つです。 そのため、相続財産である不動産を担保に融資を受けることで、相続人同士の金銭的な不平等を解決するための資金を用意することができます。 関連記事はこちら相続で不動産担保ローンを活用する4つの事例を紹介 Appendix:リースバックで相続税対策できる? 不動産の相続税評価額は、おおよそ実際に売却できる金額の7~8割程度の金額となるため、不動産を売却して現金化するよりも相続税を抑えることができると考えられます。そのため、一般的には資産を現金として持っておくよりも不動産として持っておく方が、相続税対策になると言われています。 一方で、リースバックは元々相場の7割程度の価格で売却する仕組みであり、運営会社と話し合って月々の家賃と売却価格も抑えることができる場合もあります。そうして手元に入る現金が、不動産の相続税評価額を下回るのであれば、相続税対策になることもあるでしょう。 まとめ 相続財産の大部分を不動産が占める場合、複数の相続人がいると相続争いが生まれる恐れがあります。しかし、リースバックを利用すれば、住む家を確保しながら財産を均等に分配できない問題を解決できます。自宅の相続に不安を感じているなら、リースバックを活用した相続対策も検討してみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックの5つの活用事例 リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。自宅を活用した資金調達方法として注目されており、老後資金...記事を読む

  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳以上編)

    近年、60歳を過ぎて老後を迎えても、住宅ローンを完済していない人が増えています。定年後も働いて安定収入がある人や預貯金が十分にある人であれば、住宅ローンが残っていても問題なく生活できるかもしれません。 しかし、老後に十分な余裕がない場合、住宅ローンの返済は家計に大きな負担となります。そして、住宅ローンが残っている状況で老後資金を確保するには、不動産をうまく活用することが大切です。この記事では、60歳以上の人が老後資金を確保するための住宅ローン返済術を紹介します。 住宅ローンの状況を整理する リ・バース60の取り扱いを開始致しました。詳細はこちら 不動産を利用して老後資金を確保するために、まずは住宅ローンの状況を整理しましょう。具体的には、以下の項目について確認します。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢) 借入金額(現在の残債、当初の借入金額) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(残返済期間、当初返済期間) これらの状況によって、とるべき解決策は変わってきます。退職希望年齢は、今のところの予定で問題ありません。その他の項目は、住宅ローンの返済予定表で確認できます。 不動産を利用して老後資金を確保する方法をケース別に紹介 住宅ローンや家計の状況などによって、最適な解決策は異なります。ここでは、4つのケース別に、不動産を利用した老後資金対策を紹介します。 ①住宅ローンの返済額が大きく、毎月の返済が厳しい 住宅ローンの返済が厳しい場合は、毎月の支払い額を抑えて返済負担を軽減することが大切です。具体的には、以下2つの解決策があります。 (1)リバース60 リバース60とは、住宅ローンの一種で満60歳以上の方向けの商品です。通常の住宅ローンとは違い、毎月の支払いは利息のみです。元金は債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 現在の住宅ローンをリバース60へ借り換えることで元金の返済義務がなくなり、毎月の返済が利息のみとなるので、毎月の支払い額を減らせます。ただし、元金は据え置きのため、支払いが生涯続くことになる点に注意が必要です。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 (2)リースバック リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体となったサービスです。自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられます。 リースバックで賃貸に切り替えることで、住宅ローンの返済額と管理費や修繕積立金、固定資産税を併せた金額より家賃のほうが低くなれば、毎月の支払い額を減らせます。運営会社との相談にはなりますが、毎月の家賃は売却価格との調整が可能です。 関連記事はこちらリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説 ②お金が必要となったが、預貯金がほとんどない 十分な預貯金がない場合、不動産(自宅)を担保とした借り入れを検討しましょう。ただし、住宅ローンの残債がある程度減っていることが条件となります。利用できるローン商品は以下2つです。 (1)不動産担保ローン 不動産担保ローンは文字どおり、不動産を担保に借り入れができるローンです。無担保ローンよりも金利が低く、長期間の借り入れができるので、返済額を抑えながら必要な資金を確保できます。 不動産担保ローンは事務手数料や印紙代、登記費用などがかかりますが、借入金額と相殺されるため、手元資金を用意する必要はありません。一方で、万が一返済不能となった場合は不動産を失う可能性もあるので、無理のない返済計画を立てることが大切です。 関連記事はこちら不動産担保ローンとは?メリット・デメリットを解説 (2)リバースモーゲージ リバースモーゲージとは、自宅を担保に借り入れができる高齢者向けのローン商品です。毎月の支払いは利息のみで、債務者の死亡後に自宅を売却して元本を返済する仕組みとなっています。 不動産担保ローンと異なり、毎月の返済は利息のみなので、月々の支払いをさらに抑えることができます。ただし、元金は据え置きのため、借入金額が増加するほど支払いが厳しくなり、返済期間が長期化する恐れがあります。 関連記事はこちらリバースモーゲージとは?メリット・デメリットや仕組みを解説 ③住宅ローン完済の見通しが立たない 住宅ローン完済の見通しが立たない場合は、以下のサービスを利用して住宅ローンを完済し、少しずつ家計収支を改善していくのがおすすめです。 (1)リバース60 60歳を過ぎると通常の住宅ローンを組むのは難しくなりますが、リバース60は対象年齢が「満60歳以上」で、収入が公的年金のみでも利用できます。毎月の支払いは利息のみで済むので、毎月の返済額を抑えられるのもメリットです。借り入れた資金で住宅ローンを完済しながら、家計収支の改善が期待できます。 (2)リースバック 住宅ローンの返済が難しい場合は、自宅の売却を検討しなくてはなりません。リースバックなら、自宅を売却した資金で住宅ローンを完済した後も、家賃を払うことで同じ家に住み続けられます。今後も自宅に住み続けたいなら、リースバックも選択肢のひとつになるでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、老後資金を確保するために不動産を活用した事例を2つ紹介します。 事例①:住宅ローン+管理費の支払額が大きく、毎月の返済がつらい Aさんの住宅ローンの状況 年齢63歳(住宅ローン借入年齢40歳) 借入金額1,700万円(当初借入金額4,000万円) 借入金利2.0% 返済期間12年(当初借入期間35年) 毎月返済15.7万円(ローン返済 + 管理費等) Aさんは、自宅マンションの購入で借りた住宅ローンの返済がまだ12年残っていますが、ローン返済と管理費の支払額が大きく、家計を圧迫しています。そこで、毎月の収支を改善するためにリースバックを利用しました。 Aさんのリースバック利用後の状況 年齢63歳 借入金額0円 家賃11万円 リースバックを利用したことで、住宅ローンを完済したうえで、手元資金300万円を確保しました。買取の金額は2,500万円まで可能とのことでしたが、毎月の支払いを抑えるために調整した結果、毎月の支払い額を4.7万円削減することができました。 事例②:急遽お金が必要となったが預貯金がほとんどない Bさんの住宅ローンの状況 年齢67歳(住宅ローン借入年齢35歳) 借入金額300万円(当初借入金額3,500万円) 借入金利2.0% 返済期間3年(当初借入期間35年) 毎月返済11.6万円 Bさんは急遽まとまったお金が必要になりましたが、預貯金がほとんどない状況です。住宅ローンの返済は残り3年で残債も少なくなっていたので、必要資金の借り入れと併せて、返済負担の大きい住宅ローンの完済のため、以下の条件で不動産担保ローンを借りることにしました。 Bさんの不動産担保ローン利用後の状況 年齢67歳 借入金額500万円 借入金利5.0% 返済期間10年 毎月返済5.3万円 自宅を担保に不動産担保ローンを利用することで、住宅ローンの完済費用と急遽必要となった資金を調達できました。また、返済期間を10年としたことで、毎月の返済金額を6.3万円削減することに成功しました。なお、諸費用は20万円程度かかりましたが、融資金で精算することで、持ち出しなく融資を受けることが出来ました。 まとめ 60歳を過ぎて住宅ローンの返済が残っていると、老後の生活費に不安を感じるかもしれません。しかし、不動産(自宅)をうまく利用すれば、毎月の支払額を減らしたり、まとまった資金を調達したりすることも可能です。不動産を利用した老後資金の確保を検討してみましょう。 リ・バース60の商品詳細はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 夫婦の老後資金はいくら必要?足りない時の対処法も紹介 「人生100年時代」や「老後2,000万円問題」などに起因して、「老後資金」という言葉が注目を集めています。老後破産に陥らないためにも、夫婦で必要な老後資金を把握し、なるべく早くから準備して...記事を読む

  • リースバックのよくあるご相談7選

    リースバックのよくあるご相談7選

    リースバックは、自宅をリースバック運営会社に売却し、その会社と賃貸借契約を締結することで、売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。老後資金を確保したい高齢者を中心に、リースバックの利用者は年々増加しています。 リースバックには興味があるものの、仕組みや特徴があまり理解できず、疑問や不安を感じている人もいるかもしれません。この記事では、リースバックでよくあるご相談とその回答をまとめて紹介します。 Q1. 住宅ローンが残っていても利用できますか? A. 住宅ローンが残っていても、リースバックは利用できます。 ただし、運営会社に自宅を売却するときには、通常の不動産売却と同様に住宅ローンの借り入れ時に設定されている抵当権を抹消する必要があります。 抵当権を抹消するには、リースバックで調達した資金で住宅ローンを一括返済しなければなりません。そのため、売却価格が住宅ローンの残高を上回っていないと、リースバックを利用するのは難しいでしょう。 一般的に、リースバックの売却価格は市場価格よりも安くなる傾向にあります。そのため、住宅ローンが残っていることでリースバックを利用できるか自身で判断できない場合は、運営会社に相談してみましょう。 関連記事はこちら住宅ローン残債がある物件はリースバックを利用できない? Q2. 売却した不動産を買い戻すことはできますか? A. リースバックで売却した不動産は、買い戻しができる場合が多いです。 リースバックの買い戻し価格は、当初の売却価格と買い戻し時点での市場価格とのバランスで決まります。ただし、一般的には買い戻し価格が売却価格よりも高くなるので注意が必要です。 一部の運営会社では、売却時に特約や売買予約契約を締結して、一定期間の買い戻し価格をあらかじめ決めておける場合もあります。運営会社によって買い戻しができる期間や買い戻し価格は異なるので、契約前に確認しておくことが大切です。 なお、買い戻しの希望がある場合には、後々の買い戻しに関するトラブルを避けるため、不動産売却の契約と同時に買い戻しに関する特約や契約を締結しておくようにしましょう。 関連記事はこちらリースバックは買い戻しできる?仕組みや買い戻し価格の目安を解説 Q3. 早く資金が欲しいのですが、入金までにどれくらい期間がかかりますか? A. 一般的には、入金まで2週間~1か月程度かかります。 リースバックの契約までには、不動産の価値を評価するための実地査定や、保証会社、火災保険の手続きなども必要になるため、早くても2週間程度かかると考えておきましょう。 なお、リースバックには、運営会社が物件を買い取って貸主になるケースや、運営会社とは別の会社が物件を買い取って貸主になるケースなど、複数のケースが存在します。資金調達を急いでいる場合は、リースバック運営会社が直接買い取りを行う会社に相談して、最短でいつ入金されるかを確認するのがおすすめです。 関連記事はこちらリースバックの契約までの流れと必要書類、注意点を解説 Q4. 家賃の支払いを安く抑えることはできますか? A. 売却価格との相談次第では、家賃の支払いを安く抑えられる可能性があります。 リースバックの売却価格と家賃は、それぞれ単独で決まるわけではありません。家賃が安くなれば、その分売却価格も安くなるため、家賃と売却価格のバランスを確認して総合的に判断する必要があります。 そのため、リースバックを利用する際には、手元に確保したい資金と、毎月支払うことのできる家賃を踏まえた上で、売却価格を重視するのか、家賃を重視するのかを考えておきましょう。 関連記事はこちらリースバックの家賃設定を解説!賃料相場よりも高い? Q5. できるだけ長く住み続けることはできますか? A. 賃貸借契約を再契約、もしくは更新することで、長く住み続けることができます。 「定期借家契約」の場合、多くの運営会社が定期借家契約期間を2、3年程度と設定していることが多いです。しかし、賃貸契約期間が定められている「定期借家契約」であっても、運営会社によっては、契約期間満了後に再契約に応じる場合もあります。 ただし、「定期借家契約」は確実に再契約をできるわけではありません。できるだけ長く住み続けたい場合には、借主の意向で契約の更新ができる「普通借家契約」が可能な運営会社を選ぶか、定期借家契約期間を最低限住み続けたい期間に設定できるかを確認しておくと安心です。 関連記事はこちらリースバックの退去について解説!強制退去させられることはある? Q6. 高齢で年金受給者なのでも利用できますか? A. 売却する不動産に一定の価値があれば、通常は高齢者や年金受給者でも利用できます。 リースバックは不動産売買契約と賃貸借契約が一体となったサービスであるため、融資商品とは異なり、年齢制限や収入の基準を設けていないことが多く、高齢であっても利用できる可能性は高いです。 ただし、賃貸借契約において、保証会社の審査で家賃の支払い能力がないとみなされれば、リースバックを利用できない恐れもあります。まずは運営会社に相談して、利用できるかを確認してみましょう。 関連記事はこちら老後にリースバックを利用すると得られる4つのメリット Q7. 手元資金がほとんどないのですが、費用はどれくらいかかりますか? A. リースバックでかかる費用は、売却する不動産の状況や運営会社によって異なります。 リースバックは不動産売買契約と賃貸借契約が一体となったサービスなので、それぞれの契約にかかる費用が発生します。しかし、サービス利用にかかる費用は不動産の売却価格で精算できるため、事前に手元資金を準備する必要はありません。 不動産売買契約にかかる費用は以下のとおりです。 仲介手数料:売却価格の3%+6万円 ※仲介の場合のみ 印紙代:1万円前後 抵当権抹消費用:2万円前後 ※抵当権の抹消がある場合のみ また、賃貸借契約にかかる費用は以下のとおりです。 敷金:家賃の1~2か月分程度 礼金:家賃の1~2か月分程度 更新料:家賃の1か月分程度 保証料:家賃の1か月分程度 火災保険料:数万円 リースバックの不動産売買契約にかかる費用は運営会社が仲介なのか、直接買い取りなのかによって大きく変わります。 賃貸借契約にかかる費用は、敷金や礼金、更新料などの費用のほか、火災保険料や事務手数料などの費用がかかります。敷金や事務手数料などの費用が無料の会社もある一方で、30~50万円程度の事務手数料を請求される場合もあります。 運営会社によっては、上記記載の費用以外にも手数料がかかる場合もあるので、どんな費用がいくらかかるかを必ず確認しておきましょう。併せて、リースバックにかかる税金についても把握しておけば、費用に関する悩みは解消できるでしょう。 関連記事はこちらリースバックにかかる税金と節税方法について解説 まとめ この記事では、リースバックでよくある一般的な相談とその回答を紹介しました。リースバックは運営会社によって対応が異なる部分もあるため、複数の運営会社を比較、検討したうえで契約する会社を選ぶことが大切です。リースバックを検討しているなら、まずは運営会社に相談して疑問や不安を解消しておきましょう。 ご相談・仮査定はこちら リースバックのご相談・仮査定を無料で受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リースバックのトラブル事例と後悔しないためのポイントを解説 リースバックは一般的な不動産売買にはないメリットがある一方で、契約にあたって思わぬトラブルに巻き込まれる恐れもあるため、商品を調べていく中で「やばい」「やめたほうがいい」などの記事を見ること...記事を読む

  • 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編)

    老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編)

    住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60代未満であれば、老後を迎えるまで一定の期間があるので、今のうちに住宅ローンを見直し、計画的に返済していけば、老後資金を確保することは十分に可能です。そこでこの記事では、60代未満の人が老後資金を確保するための住宅ローンの返済方法をパターン別に紹介します。 まずは住宅ローンの現状を整理する 住宅ローンを返済しながら老後資金を確保するために、まずは返済している住宅ローンの現状を整理することから始めましょう。具体的には、以下の項目について確認しておくことが大切です。 年齢(現在の年齢、完済予定年齢、退職希望年齢) 借入金額(当初の借入金額、現在の残債) 借入金利(変動金利の固定金利のどちらか) 返済期間(当初の借入期間、残りの返済期間) 余裕資金があるか 毎月の収支に余裕があるか これらの状況によって、最適な返済方法は変わってきます。金利や残返済期間、余裕資金があるかどうかによって、「借り換えを検討するか」「繰り上げ返済をするか」といった判断材料となるので、紙やテキストファイルに書き出して整理しておきましょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済方法をケース別に紹介 住宅ローンの金利や残りの返済期間、返済年齢、退職希望年齢などによって、最適な返済方法は異なります。ここでは、4つのケースについて、住宅ローンをどのように返済すべきかを説明します。 ①現在の借入金利が高く、残りの返済期間が長い場合 現在の住宅ローン金利が高く、返済期間が長く残っている場合は、住み替えの予定の有無によって対応が変わります。 住み替えの予定がない場合は、新たな住宅ローンに借り換えるのがおすすめです。借り換えによって金利が下がれば、月々の返済額や総返済額を減らせるので、結果として老後資金を確保しやすくなります。また、借り換え時に返済条件を変更して返済期間を短くすれば、完済時期を早めることも可能です。 一方、住み替えの予定がある場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。住み替えの際には、現在所有している不動産を売却する費用に加え、新しく購入する不動産を購入する費用など多くの資金が必要となります。そのため、住宅ローンの返済を続けながら、余剰資金は住み替え予定の物件購入の頭金のために貯金しておくといいでしょう。 ②現在の借入金利が高く、残りの返済期間が短い場合 現在の住宅ローン金利が高く、残りの返済期間が短い場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。手元資金に余裕があると、繰り上げ返済を検討するかもしれませんが、残債が少ないにも関わらず繰り上げ返済をしても、利息軽減効果はそれほど期待できません。そのままローン返済を続けながら、老後のために余剰資金を貯金に回すといいでしょう。 ③現在の借入金利が低く、残りの返済期間が長い場合 現在の住宅ローン金利が低く、残りの返済期間が長い場合は、退職希望年齢と住宅ローンの完済時年齢によって対応が変わります。 完済時年齢が退職希望年齢より遅い場合(退職希望年齢<完済年齢)、手元資金に余裕があるなら期間短縮型の繰り上げ返済がおすすめです。期間短縮型とは、毎月の返済額は変わりませんが、残りの返済期間が短くなる繰り上げ返済方法です。繰り上げ返済によって、短縮された期間の支払利息が減るので、総返済額を減らしながら完済までの期間を早めることができます。しかし、余裕資金がなければそのまま返済を続け、余剰資金ができたタイミングで繰り上げ返済を検討しましょう。 一方で、完済年齢が退職希望年齢より早い場合(退職希望年齢>完済年齢)は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。住宅ローンは各種ローンの中でも金利が低いため、繰り上げ返済をしたとしても効果がほとんどないこともあります。予定どおり返済を続ければ、退職時に住宅ローンを完済できるゆとりがある状態なので、住宅ローンについては特に手当てが必要ないでしょう。 ④現在の借入金利が低く、残りの返済期間が短い場合 現在の住宅ローン金利が低く、残りの返済期間が短い場合は、そのまま返済を続けるのがおすすめです。すでに金利が低く、残債も少ないので、繰り上げ返済や借り換えを検討する必要性は低いでしょう。 老後資金を確保するための住宅ローン返済事例 ここでは、住宅ローンの返済方法の見直し事例を2つ紹介します。 事例①:住み替えの予定がないので、住宅ローンの借り換えを実行 Aさんの住宅ローンの状況 年齢45歳 借入金額3,000万円(残2,000万円) 借入金利2% 返済期間30年(残18年) Aさんは住み替えを予定していないため、より多くの老後資金を確保するために住宅ローンの借り換えを行いました。3,000万円を金利2%(期間30年)で借りて12年間返済してきており、残債は約2,000万円、残りの返済期間は18年です。この状況で、2,000万円を金利1%(期間18年)の条件で借り換えるときの効果は以下のとおりです。 毎月の返済額:約11万円→約10万円(約1万円減) 総返済額:約2,360万円→約2,190万円(約170万円減)※手数料は考慮外 現在より低金利の住宅ローンに借り換えることで、総返済額を約170万円減らすことができました。 事例②:退職前の住宅ローン完済を目指して繰り上げ返済を実行 Bさんの住宅ローンの状況 年齢52歳 借入金額4,000万円(残2,300万円) 借入金利2% 返済期間30年(残15年) 住宅ローンを返済中のBさんは、このままでは65歳の退職希望年齢後も返済が続くため、退職前のローン完済を目指して期間短縮型の繰り上げ返済を行いました。4,000万円を金利2%(期間30年)で借りた住宅ローンについて、16年1ヵ月目に500万円を期間短縮型で繰り上げ返済したときの効果は以下のとおりです。 借入期間:30年→26年5ヵ月(3年7ヵ月短縮) 総返済額:約5,330万円→約5,190万円(約140万円減)※手数料は考慮外 繰り上げ返済によって借入期間を約3年半短縮でき、総返済額を約140万円減らすことができました。 まとめ 住宅ローンの現状を整理し、計画的に返済していけば、ローン返済を続けながら老後資金を確保できます。60代未満の人は、老後までの時間が残されているうちに住宅ローンの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後資金を確保するための住宅ローン返済術(60歳未満編) 住宅ローンの返済に追われて貯金する余裕がないと、老後に不安を感じるのではないでしょうか。さらに、自宅の住み替えを予定している場合は、より多くの資金を準備しなくてはなりません。現在の年齢が60...記事を読む