住まいとお金の知恵袋 一覧(公開日順)

  • 地籍調査とは

    地籍調査とは?目的や得られる効果、調査の流れを解説

    地籍調査は、土地の境界や面積を明確にするために、法律に基づいて実施される調査です。土地を所有していると、地籍調査の案内が来る可能性があります。地籍調査にはどんな目的があるのでしょうか。 この記事では、地籍調査の概要や得られる効果、調査の流れについて解説します。 地籍調査とは 地籍調査とは、一筆ごとの土地の所有者や地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する調査です。国土調査法に基づく「国土調査」の1つで、市町村が主体となって実施します。 地籍とは、「土地の戸籍」です。土地の現況を示す基礎的な情報が記録されており、土地課税や土地の有効活用など、行政のさまざまな場面で活用されています。 関連記事はこちら地目変更を検討すべきケースとは?手続きの方法と費用も解説 地籍調査の目的 現在、登記所に備えられている地図や図面の多くは、明治時代の地租改正のときに作成された地図に基づくものです。時間経過や当時の測量技術が原因で、境界や形状が現在の土地と異なる場合があります。そのため、登記簿に記載された土地の面積も、正確さを欠いているのが現状です。 地籍調査を行うことで、調査結果をもとに地図が更新され、登記簿の情報も修正されます。 地籍調査の流れ 地籍調査は、市町村が主体となって行われます。市町村の職員が直接実施する場合と、委託された民間会社が実施する場合がありますが、どちらも以下の流れで進められるのが一般的です。 ①説明会の実施 市町村が地籍調査の関係機関と調整を行い、住民からの要望も踏まえて地籍調査の実施計画を作成します。その後、調査実施地域の住民に対して説明会を行い、調査内容や必要性、日程などについて説明します。 ②境界の確認(一筆地調査) 土地所有者の立ち合いのもと、現地で一筆地ごとに所有者や地番、地目を調査します。確認した境界には、各筆の土地の境界がわかるように杭を打ちます。この杭は測量の基準となる重要なもので、破損しないように保存する必要があります。 ③地籍測量、地籍図・地籍簿の作成 土地所有者などに確認してもらった土地の境界の測量(地籍測量)を行います。測量結果をもとに正確な地図(地籍図)を作成し、各筆の面積を計算します。そして、一筆地調査と地籍測量の結果をまとめて地籍簿を作成します。 ④地籍調査の結果の確認 地籍調査をもとに作成された地籍図と地籍簿は、誤りがないかを土地所有者などに確認してもらいます。通常は市町村役場で閲覧でき、期間は20日間です。調査結果に誤りがあった場合は、申し出ることが可能です。必要に応じて修正が行われ、地籍調査の結果が確定します。 ⑤地籍図と地籍簿を登記所へ送付 地籍調査によって作成された地籍図と地籍簿の写しが、登記所に送付されます。登記所では、これまでの地図の代わりに地籍図が備え付けの正式な地図となり、地籍簿をもとに登記簿が修正されます。 出典)国土交通省「地籍調査の流れ」 地籍調査を実施することで得られる効果 地籍調査によって、以下のような効果が期待できます。 土地境界をめぐるトラブル防止 土地の境界が不明確な地域では、土地の売買や相続などをきっかけに、隣人との間で境界を巡るトラブルが発生することがあります。地籍調査を実施し、土地所有者の立ち合いのもと境界を確認することで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。 土地の有効活用の促進 地籍が不明確であることは、土地取引の円滑化や開発事業を妨げる要因です。一部の地籍の問題で、再開発事業がなかなか進まない事例もあります。地籍が明確化されることで、土地取引や開発事業用地の取得を円滑に行うことが可能です。 災害復旧の迅速化 地震や土砂崩れ、水害などにより土地の形状が変わってしまった場合、土地の境界に関する正確な記録がないと、復旧計画の作成などに時間がかかります。地籍調査により土地の境界を正確に記録することで、万が一災害が発生した場合は円滑に復旧活動を行うことが可能です。 課税の適正化と公平化 土地の所有者に対して課税される固定資産税は、必ずしも正確ではない登記簿や公図のデータを参考にしています。そのため、正確な土地の実態が反映されず、課税について不公平な取り扱いとなっている場合があります。地籍調査で土地一筆ごとの正確な地目と面積を把握することで、課税の適正化や公平化が図れます。 地籍調査が進まない要因 地籍調査は昭和26年から実施されていますが、思うように進んでいないのが現状です。令和4年度末における進捗率は、対象地域全体で52%、優先実施地域で80%です。なお、優先実施地域とは、調査対象地域から以下2つを除いた地域のことをいいます。 土地区画整理事業等の実施により地籍が一定程度明らかになっている地域 大規模な国有地や公有地等の土地取引が行われる可能性が低い地域 地籍調査は、特に都市部と山村部で進捗が遅れています。 都市部は、他の地域より一筆ごとの土地が細かく分割されています。土地の権利関係が複雑であるため、多くの費用と時間がかかっています。また、都市部の住民はトラブル回避のために隣人との接触を避ける傾向にあり、調査への協力を得られないことが多いのも調査が進まない理由です。 山村部は、土地取引が少なく調査に費用がかかるため、市町村にとって調査の優先度が低いです。急傾斜地など調査が困難な地域が存在すること、土地所有者の高齢化が進行していることも調査を困難にしています。 出典)国土交通省「全国の地籍調査の実施状況」 地籍調査を迅速化する取り組み 国土交通省は、地籍調査をより迅速に進めるための取り組みを、都市部と山村部それぞれで以下のように進めています。 都市部での取り組み 都市部では、地籍調査の先行調査の位置づけで官民境界等先行調査(街区境界調査)が創設されました。道路等に囲まれた官民境界(街区境界)のみを先行して調査します。この調査によって、未着手だった地域の災害復旧の迅速化や土地所有者の情報更新など、一定の効果が期待できます。 この官民境界等先行調査について国土交通省が行ったアンケートによると、官民境界等先行調査を、先行調査の成果としてではなく地籍調査の成果として扱うべきとの意見が多いことが分かっています。 都市部で地籍調査を実施する困難さから、官民境界等先行調査の位置付けが変更されるかが、今後の焦点となりそうです。 山村部での取り組み 山村部では、航空レーザ測量などを活用し、測量に立ち合いもなく立地にも左右されない手法が開発されました。広域の詳細な地形や樹高分布、樹種の把握を短時間で行うことができます。 この新手法について国土交通省が行ったアンケートによると、新たな手法に対する不安やノウハウ不足から、活用意欲を示す市町村が少ないことが分かっています。一方でこの手法は山村部で地籍調査が進まない原因をほとんど解決できる手法ではあるため、市町村への理解が得られて普及していくかが、今後の焦点となりそうです。 出典) ・国土交通省「地籍調査について」 ・国土交通省「地籍調査の実施主体に対するアンケート調査結果①」 まとめ 地籍調査は、境界トラブル防止や土地の有効利用、災害復旧の迅速化といった効果を得られるため、重要な調査といえます。土地を所有していて地籍調査の案内が来た場合は、隣人とのトラブルを防ぐためにも調査に協力しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 筆界特定制度とは?活用できる場面や申請の流れ、費用を解説 筆界特定制度は、法務省が管轄する制度の一つです。本制度が定められるまで、土地の境界に関する紛争が起きた際、従来は裁判で解決するしかありませんでした。しかし、「筆界特定制度」を利用することで、...記事を読む

    2023.10.25用語
  • 中村雅俊氏が語る「現在」と「これからの姿」

    俳優で歌手の中村雅俊氏(72)(以下「中村氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「中村雅俊氏が語る「現在」と「これからの姿」【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 70歳を超えても住居に夢を持つ 中村氏は今の自宅を大変気に入っているとのことでしたが、それでも今後は住まいを変えようという気持ちを持っているそうです。 まず、もし新しく家を建てるとしたら、平屋で屋根が庭になっている家を建てたいそうです。『屋上で寝そべったりバーベキューをやったり(中略)そういうのって楽しそうだな。』と笑顔で語ってくれました。 続いて、もし今の自宅をリフォームするとしたら、離れのガレージをスタジオにしたいそうです。『(今の自宅にあるスタジオルームは狭いので)音楽をやっているものとしては、変えてみたい。』とのことでした。 『夢を持ったり夢を実現させるっていうのは楽しい作業じゃないですか』と語る中村氏は、70歳を超えた今でも住居に夢を持ち、とても楽しそうに見えました。一方で、『分からない未来に対して事を成すということへの不安は感じます。』と、年齢に対する不安とも戦っていることを明かしました。 娘や妻と話す相続の話 中村氏に「相続」についてどう考えているか伺ったところ、『もう今本当に(真剣に)考えています。』とはっきりと答えました。次女である娘が『パパが死んだらさ~、どうするの⁉』と遠慮なく聞いてくるらしく、むしろそういう話題を面と向かって話してくれることを嬉しく思っているそうです。 そういった背景から「相続」について話す機会は結構あるそうですが、自分が家のどこに何があるか何も分からないことに気づき、危機感を覚えたといいます。これまでは家のことを妻に任せきりだったので、そういった状況をなんとかするために、現在は妻に色々教わっている最中だそうです。 これからの中村雅俊氏 「これからどのように生きていきたいか」という質問に対し、中村氏は『自分がこれしたい、あれしたいということをまずやる。(中略)年取ってもういいよ、じゃなくどんどん好奇心を持って首を突っ込む。』と答えました。 さて、最後に問題です。 中村氏がこれから具体的にやりたいと語ったこととは、次のどちらでしょうか。 歌手として歌を歌い続けたい 俳優としてアメリカの映画に出たい 中村氏は歌手としても俳優としても活躍してきた方なので、どちらも正解のように思えます。気になる正解は本編動画で探してみてください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 >前編はこちら 執筆者紹介 SBIシニアの住まいとお金 メディア部 SBIシニアの住まいとお金は、【人生100年時代を見据えて、「住まい」も「お金」も充実できる人生をサポートしたい】との思いから、60歳以上の持ち家の方を対象に「Youtubeで楽しむ」、「セミナーで学ぶ」、「専門家に相談する」の3つのサービスを運営しています。 <公式サイト> https://www.sbi-efinance.co.jp/senior/ <YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/@sbi_senior/ 林家正蔵師匠が自宅「ねぎし三平堂」を語る 落語家の林家正蔵氏(60)(以下「正蔵師匠 」)の自宅にお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(Y...記事を読む

  • シニア向け分譲マンションとは

    シニア向け分譲マンションとは?特徴とメリット・デメリットを解説

    シニア向け分譲マンションは、高齢者向けのマンションです。シニア向け分譲マンションに限らず、高齢者向け住宅にはさまざまな種類があるため、他の住宅との違いを理解しておくことが大切です。この記事では、シニア向け分譲マンションの特徴や、メリットとデメリットについて解説します。 シニア向け分譲マンションとは? シニア向け分譲マンションとは、高齢者が住みやすいように配慮された分譲マンションです。高齢者向けの設備やサービス、共用施設が充実しており、法律上は一般的な分譲マンションと変わりません。 購入後は物件の所有権を取得するため、売却や賃貸への転用が可能です。また、所有者が死亡した場合は相続が発生します。入居条件はマンションによって異なりますが、基本的には自立した生活ができる高齢者が対象です。入居後に介護が必要になった場合は、外部の業者に介護サービスを依頼する必要があります。 入居時点で要支援、要介護の認定を受けていても、入居可能な物件もありますが、基準はマンションによって異なります。介護度によっては入居が難しい場合もあるため、事前に入居条件を確認しておくことが大切です。 シニア向け分譲マンションのメリット シニア向け分譲マンションには、以下のようなメリットがあります。 バリアフリー化されている シニア向け分譲マンションは、高齢者が安全に生活できるように室内や共用部分がバリアフリー化されています。つまずいて転倒しないように手すりが設置されていたり、間取りも広めにとられていたりするため、老後も生活しやすいでしょう。 高齢者向けサービスを利用できる シニア向け分譲マンションには、高齢者向けのサービスが付随しています。例えば、レストランでの食事提供や見守りサービス、生活相談などの高齢者向けサービスを利用できるマンションもあります。なお、具体的なサービス内容は施設によって異なるので注意が必要です。 また、医療、介護サービスを利用する場合、基本的には自分で外部の業者を探して契約しなくてはなりません。ただし、入居者が円滑に医療、介護サービスを受けられるように、マンションが外部の医療機関や介護事業者と提携している場合もあります。 共用施設が充実している シニア向け分譲マンションは、温泉やレストラン、フィットネスジムなどの共用施設が充実しています。図書館やプール、ゲストルーム、カラオケ、シアタールームなどが利用できるマンションもあるため、趣味を充実させたい人に向いているでしょう。コンシェルジュが常駐しており、困ったことがあればすぐに対応してもらえる物件もあります。 シニア向け分譲マンションのデメリット 一方で、シニア向け分譲マンションには以下のようなデメリットもあります。 費用が高い シニア向け分譲マンションは設備やサービスが充実している分、その維持費のために一般的な分譲マンションよりも費用は高くなります。費用相場は以下のとおりです。 物件価格:数千万円~数億円 月額利用料:10~30万円 分譲形式のため、家賃を払うのではなく、物件を購入することになります。住宅ローンを組むことも可能ですが、金融機関に相談したうえで、無理のない返済計画を立てる必要があるでしょう。 月額利用料の中には、管理費や修繕積立金、食費、水道光熱費、その他サービス利用料などが含まれます。マンションによって料金が異なるため、金額や内訳を確認しておくことが大切です。入居中に介護が必要になった場合は、介護サービス費の負担も追加で発生します。 選択肢が少ない シニア向け分譲マンションは、一般的な分譲マンションに比べて選択肢が少なくなります。また、市場が未成熟で供給戸数はそれほど多くないため、売却したいと思っても簡単に買い手が見つからない恐れがあります。介護施設などへの移動が必要になった場合、なかなか売却できずに困るかもしれません。 シニア向け分譲マンション以外の選択肢 老後の住まいとして高齢者向け住宅を検討する場合、シニア向け分譲マンションの他に以下のような選択肢があります。 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者が住みやすいように配慮された賃貸住宅です。一般的な賃貸住宅と同じように、毎月賃料を払って利用します。バリアフリーに対応しており、安否確認と生活相談の提供が義務付けられているのが特徴です。 所有権は得られませんが、その分シニア向け分譲マンションに比べると費用負担を抑えられます。死ぬまで住み続けられるか不安に思うかもしれませんが、「終身建物賃貸借契約」を選択できる施設であれば、死ぬまで住み続けることが可能です。 関連記事はこちら終身建物賃貸借契約とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説 シニア向け分譲マンションと同様、自立した生活ができる高齢者が対象であるため、医療、介護サービスを受けるには外部業者との契約が必要です。ただし、施設内で必要な介護サービスを受けられる「特定施設」の指定を受けているサ高住もあります。 関連記事はこちらサービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説 有料老人ホーム 有料老人ホームとは、介護サービスや生活支援などのサービスを受けられる居住施設です。「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類があります。介護付と住宅型は介護サービスを受けられます。健康型は自立した生活ができる高齢者が対象で、要介護となった場合は退去しなくてはなりません。 入居一時金と月額利用料が必要で、金額は施設によって異なります。契約方法は、利用権方式や建物賃貸借方式、終身建物賃貸借方式があります。利用権方式の場合は、入居時に一時金を払うことによって、専用居室や共用施設などを利用できる権利が保障されます。 関連記事はこちら有料老人ホームとは?費用やサービスをわかりやすく解説 まとめ シニア向け分譲マンションは高齢者に配慮した設備やサービスに加えて、温泉やフィットネスジムなどの共用施設も充実しています。一般的な分譲マンションに比べると費用は高めですが、趣味を充実させたい人に向いているでしょう。 サ高住や有料老人ホームとの違いを理解したうえで、老後の住まいとしてシニア向け分譲マンションを検討してみてはいかがでしょうか。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後の住まいはどうすべき?ポイントを徹底解説 老後に豊かな生活を送るには、ライフスタイルに合わせて住まいを選ぶ必要があります。しかし、住まいを選ぶ際には多くの選択肢があるので、どのように選べばよいかわからないのではないでしょうか。 老後...記事を読む

  • 中村雅俊氏が「自宅」への思いを語る

    俳優で歌手の中村雅俊氏(72)(以下「中村氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「中村雅俊~築22年の我が家、何年経っても渋さをましていいなって思える~【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。 72歳になって今なおモテる一流芸能人!中村雅俊氏 本編に入る前に、中村氏の経歴についてご紹介します。 1951年2月1日宮城県女川町で生まれた中村氏は、1973年大学在学中に文学座附属演劇研究所に入所しました。翌1974年4月に日本テレビ「われら青春!」の主役に抜擢され、役者としてデビューを果たすと、同年7月に挿入歌「ふれあい」で歌手としてもデビューを果たし、100万枚を超える大ヒットとなりました。 その後も役者として多数の映画やドラマ、CMなどに出演し、執筆時点の2023年9月現在、これまでのTV連続ドラマ主演は34本にものぼります。一方で歌手としての活動も継続し、これまでシングル55枚、アルバム41枚をリリースしています。 72歳となった今でも、テレビ番組への出演や全国でのコンサートなど、精力的に活動されています。 「自宅を持つこと」への憧れ 中村氏が初めて自宅を購入したのは30歳のときでした。中村氏は、幼少期に周りが皆貸家に住んでいたことから、「自宅を持つこと」に強い憧れがあったそうです。 自宅購入の決め手となったのは、中村氏の15枚目のシングルである「心の色」が大ヒットしたことだったといいます。『(心の色がヒットした)勢いで、作っちゃおう!みたいな気持ちになって作ったんですよ。』と当時を振り返って笑顔で語ってくれました。 中村雅俊氏がローンを組んだ理由とは CDのヒットがきっかけで自宅を購入したと語る中村氏ですが、その売り上げで一括購入したわけではなく、あくまでローンを組んで購入したそうです。 『ヒットって人が思うほどお金が入るわけじゃないんですよ。』と語る中村氏は、CDが1枚売れても、手元に入ってくるお金は「数円程度」であることを明かしました。当時購入の決め手となった「心の色」の売り上げだけでは、自宅を一括購入するほどのお金にはならなかったそうです。 主演を務め、ミリオンセラー歌手と言えば、「年収〇億円」などと、一般の人はイメージするかもしれませんが、実際はギャップがあるのかもしれません。 中村雅俊氏の住まいへのこだわり 今回お邪魔した建物は、主に仕事場として使用されているそうです。この建物は、中村氏が意のままに作ったといいます。『ムダと思える空間というのも(中略)生活の中では必要なんです。』と語る中村氏は、外階段にある謎の空間を紹介してくれました。 中村氏も『はっきり言ってムダ!』と断言した空間ですが、こういった生活に必要のない空間を遊びで作ることが好きだそうです。 中村雅俊氏の考える「住まい」とは…? 最後に「中村さんにとって住まいとは?」と質問し、スケッチブックに答えを書いてもらいました。 答えは漢字2文字でしたが、その理由に中村氏の温和な人柄が表れており、とても素敵な答えでした。 実際の動画では、中村氏の自宅に関するお話だけでなく、還暦後の支出をどう考えているのかなど、「住まい」と「お金」について色々なお話を公開しています。 本編動画はこちら 執筆者紹介 SBIシニアの住まいとお金 メディア部 SBIシニアの住まいとお金は、【人生100年時代を見据えて、「住まい」も「お金」も充実できる人生をサポートしたい】との思いから、60歳以上の持ち家の方を対象に「Youtubeで楽しむ」、「セミナーで学ぶ」、「専門家に相談する」の3つのサービスを運営しています。 <公式サイト> https://www.sbi-efinance.co.jp/senior/ <YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/@sbi_senior/ 中村雅俊氏が語る「現在」と「これからの姿」 俳優で歌手の中村雅俊氏(72)(以下「中村氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch...記事を読む

  • フラット35とは

    フラット35とは?メリット・デメリットを解説

    フラット35は、自宅を購入する際に利用できる住宅ローンの一種です。住宅ローンを検討する中で、全期間固定金利を利用して自宅を購入する場合は、フラット35が選択肢となるかもしれません。 この記事では、フラット35の概要や利用条件、メリット・デメリットを解説します。 フラット35とは? フラット35とは、住宅金融支援機構が提供する全期間固定金利の住宅ローンです。全国300以上の提携金融機関が扱っており、最長35年間の固定金利で融資を受けられます。一般的な住宅ローンと同様に、自宅の購入資金や借換資金に活用できます。 借入時に毎月の返済額や総返済額が確定するため、資金計画を立てやすいのが特長です。 住宅金融支援機構が提供しており、融資を希望する場合は、民間の提携金融機関に借り入れの申込みを行います。 フラット35の利用状況 住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」によると、年齢別の利用割合では30歳代が30.4%で最も多く、次いで40歳代の27.6%が続き、30・40歳代の合計で全体の6割超を占めています。 2022年と比較すると、30歳代の利用割合は3.8%減少している一方、50歳代および60歳代の利用割合は増加しています。特に60歳以上の利用割合は13.9%と大幅に増加しました。 世帯年収別の利用割合については、「世帯年収400万円以上600万円未満」の層が37.5%で最も多く、「世帯年収800万円未満」の層が全体の約8割を占めています。 出典)住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」P.4 関連記事はこちら60歳以上のフラット35利用者が増加傾向!最新の実績調査を考察 フラット35の種類と仕組み フラット35には「買取型」と「保証型」の2種類があります。フラット35の買取型は、以下のような仕組みを活用して融資が実行されます。 買取型は、2024年10月28日時点で306機関もの金融機関に取り扱われており、一般的に用いられる「フラット35」は買取型を指していることが多いです。一方で、フラット35の保証型は、以下のような仕組みを活用して融資が実行されます。 保証型は、2023年12月21日時点でわずか8機関の金融機関にしか取り扱われておらず、買取型の方が主流であることが分かります。 出典)【フラット35(保証型)】 関連記事はこちらフラット35の買取型・保証型の違いを徹底比較!どっちがいい? フラット35の利用条件 フラット35の申込条件は以下の3つです。 申込時の年齢が満70歳未満である(親子リレー返済の場合は70歳以上でも申込可) 日本国籍の人、外国籍で永住許可を受けている人または特別永住者である すべての借入れについて、総返済負担率(年収に占める年間合計返済額の割合)が、年収400万円未満なら30%以下、年収400万円以上なら35%以下である なお、総返済負担率はフラット35だけでなく、自動車ローンやカードローンなどのすべての債務を含めて計算する点に注意が必要です。 出典)住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」 民間の住宅ローンよりも「審査が緩い」とも言われることもあるフラット35ですが、前述のような「申込人に関する基準」と「住宅に関する基準」が明確に定められています。 関連記事はこちらフラット35の審査基準を徹底解説! フラット35のメリット フラット35には以下のようなメリットがあります。 最長35年間固定金利 フラット35は全期間固定金利であり、借入期間中に金利が変わることはありません。変動金利型の住宅ローンの場合、金融情勢の変化に伴い、返済途中でも定期的に金利が見直されるため、毎月の返済額や総返済額が変わることがあります。そのため、フラット35は、変動金利型の住宅ローンに比べて、資金計画を立てやすいと言えます。 保証料や繰上返済手数料が無料 フラット35は保証料や繰上手数料がかかりません。一般的な住宅ローンでは、保証料がかかることがあるほか、繰上返済手数料がかかる場合があります。そのため、一般的な住宅ローンに比べて、手数料の負担が少なく済む可能性があります。 団体信用生命保険に加入しなくても良い フラット35は、団体信用生命保険(以下、団信)に加入するかどうかを選択することができます。対して、一般的な住宅ローンは基本的に団信の加入義務があります。例えば、健康状態が原因で団信への加入が難しい場合に、一般的な住宅ローンは利用できなくなりますが、フラット35であれば利用することができます。 また、団信に加入できる人でも、団信の代わりに収入保障保険等の民間の生命保険に加入することで、団信なしでフラット35を利用するという選択肢を検討できます。加入する保険によっては、団信加入よりも費用を抑えられるほか、保障額や引受範囲を広げるなど、自身の希望に合わせた設計にすることもできます。 オーバーローンにできる フラット35はオーバーローンにもできます。平成30年4月1日の制度改正以降、従前のフラット35では借りられなかった融資手数料や仲介手数料等の費用が、新たに住宅の売買代金に上乗せして借りられるようになりました。ただし、上乗せできるのはあくまで住宅の購入に必要な費用に限られる点や、手付金には利用できない点に注意が必要です。 なお、オーバーローンはさまざまな定義で用いられる用語ですが、この記事では「購入する住宅の価格に購入時にかかる諸費用を上乗せして住宅ローンを組むこと」と定義して使用しています。 出典)【フラット35】制度変更のお知らせ フラット35のさまざまな優遇制度 フラット35には「ポイント制」という金利引下げメニューがあり、家族構成や住宅の性能のほか、エリアなどの要件によって金利の優遇を受けることが可能です。 フラット35S フラット35Sとは、フラット35の申込者が長期優良住宅など、省エネルギー性や耐震性などを備えた質の高い住宅を取得する場合に、フラット35の借入金利を一定期間引き下げる制度です。 住宅の基準は通常のフラット35より厳しく設定されますが、基準を満たせば金利が下がるため、返済負担の軽減が期待できます。フラット35Sは、住宅の技術基準の高い順から、「フラット35S(ZEH)」、「フラット35S(金利Aプラン)」、「フラット35S(金利Bプラン)」の3種類があります。 関連記事はこちらフラット35Sとは?種類や金利、利用条件について解説 フラット35 子育てプラス フラット35子育てプラスとは、子育て世帯が良質な住宅を取得する際の金利負担を軽減することを目的として、少子化対策の推進施策の一環として成立した制度です。フラット35子育てプラスは、子どもの人数等に応じて最大年▲1.0%の金利引き下げが一定期間適用されます。 関連記事はこちらフラット35の子育て支援とは?金利引き下げの条件や注意点を解説 実際にこちら(【フラット35】引下げ内容確認)からシミュレーションすることで、金利優遇がどれくらい適用されるか確認することが可能です。 金利引継特約による優遇 金利引継特約とは、フラット35の返済中に長期優良住宅を売却する場合に、債務を引き継ぐことができる特約です。買主は売主が利用していた借入金利のまま、フラット35の債務を引き継ぐことができます。 売却金額がローン残高より高い場合は買主から売主に売却金額からローン残高を差し引いた額が支払われます。売却金額がローン残高を下回る場合は、売主が買主にローン残高から売却金額を差し引いた額を支払うことになります。 当初の借入時よりも金利が上昇している場合は、新規に住宅ローンを借りるよりも低い金利で債務を引き継ぐことが可能であり、これは売却時のアピールポイントになるかもしれません。 なお、債務承継した分の住宅ローン控除は受けられませんが、金利引継特約付きフラット35を利用し、購入額の不足分を新たにフラット35で借入れ、住宅ローン控除の要件を満たすときは、この借入れについては住宅ローン控除の対象となります。 また、団体信用生命保険の加入は、売主が加入していた団体信用保険と同じ保障内容のものであれば、加入申し込みが可能です。なお、平成29年9月30日以前の申込受付分及びフラット35(保証型)の場合は取扱いが異なるため、取扱金融機関に確認しましょう。 フラット35を取り扱う金融機関の中には、金利引継特約付きの取り扱いがない場合もあるため、将来住み替えを考えている場合は注意しましょう。 出典)住宅金融支援機構「取扱金融機関一覧」 フラット35のデメリットと注意点 フラット35には、以下のようなデメリットや注意点もあります。 借入金利が比較的高い フラット35は、一般的な変動金利型の住宅ローンに比べて、借入時の金利が高く設定されています。そのため、目先の支払いだけを考えるのであれば、毎月の返済負担が重くなります。 また、フラット35は融資率(住宅の建設費または購入価額に占めるフラット35の借入金額の割合)が9割を超えると適用金利が高く設定されます。フラット35の金利を少しでも下げたい場合は、融資率が9割以下になるように頭金を準備することが必要です。 審査に住宅の技術基準が含まれる フラット35の審査では、住宅金融支援機構が定める住宅の技術基準が含まれます。検査機関による物件検査を受け、適合証明書を取得しなくてはなりません。そのため、一般的な住宅ローンでは必要のない手続きや費用が発生します。 フラット35はやめたほうがいい? フラット35は全期間固定金利で借りられるため、変動金利型の住宅ローンに不安がある人におすすめです。また、申込基準を満たしていれば審査に通りやすいので、高齢の人や個人事業主、転職して間もない人など、融資を受けづらい属性の人にも向いています。 ただし、借入時の金利は比較的高く設定されています。そのため、変動金利で毎月の支払額を抑えたい人、民間金融機関の住宅ローンで金利優遇を受けられる人には向かないでしょう。自身の状況や希望を考慮し、フラット35が自分に合っているかどうかを判断することが大切です。 関連記事はこちら「フラット35はやめたほうがいい」と言われる理由とは? まとめ フラット35は35年間固定金利のため、借入時点で毎月の返済額や総返済額が確定できるのが特長です。また、申込基準を満たしていれば、一般的な住宅ローンの審査に落ちてしまった人でも住宅ローンを組める可能性があります。 住宅ローンにおいて、毎月の返済額が変わらないことを重視する場合は、フラット35を検討してみてはいかがでしょうか。 専門スタッフに相談してみる SBIアルヒの店舗にて、フラット35の無料相談ができます。※SBIアルヒのWEBサイトに遷移します。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 フラット35Sとは?種類や金利、利用条件について解説 近年、全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の金利が上がっています。「今後金利がますます上昇するのでは?」と不安になり、全期間固定金利であるフラット35を利用したい一方で、既にフラット3...記事を読む

  • 有料老人ホームとは

    有料老人ホームとは?費用やサービスをわかりやすく解説

    有料老人ホームは、さまざまな種類や提供サービスの違いから、詳しくはわからないという人も多いでしょう。また、高齢者向けの住宅は、有料老人ホーム以外にも複数の形態があるので、検討の際には詳しく理解しておく必要があります。 この記事では、有料老人ホームの入居条件や費用、利用状況などを詳しく解説します。 有料老人ホームとは 「有料老人ホーム」とは、老人福祉法第29条第1項の規定に基づき、高齢者の心身の健康保持及び生活の安定のために設置される施設です。老人を入居させたうえで以下のいずれかのサービス(複数可)を提供している施設を、有料老人ホームと呼びます。 食事の提供 介護(入浴・排泄・食事)の提供 洗濯・掃除等の家事の供与 健康管理 なお、根拠法である老人福祉法では、「老人」という言葉に、年齢等の具体的な条件は定義されていません。 有料老人ホームの類型 有料老人ホームは、「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3つの類型に分けられます。 介護付有料老人ホーム 介護付有料老人ホームは、介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護等が必要となっても、施設が提供する介護サービスである「特定施設入居者生活介護」を利用しながら、施設での生活を継続することが可能です。 住宅型有料老人ホーム 住宅型有料老人ホームは、生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら、施設の生活を継続することが可能です。 健康型有料老人ホーム 健康型有料老人ホームは、食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければなりません。 有料老人ホームの費用 有料老人ホームの費用について、根拠法である老人福祉法の第29条で以下のとおり定められています。 有料老人ホームの設置者は、家賃、敷金及び介護等その他の日常生活上必要な便宜の供与の対価として受領する費用を除くほか、権利金その他の金品を受領してはならない。 出典)老人福祉法(e-Gov法令検索) この定義からわかるように、有料老人ホームでは、施設の利用上必要となる範囲の費用しか、基本的にはかかりません。厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」によると、利用料が以下のとおり定められています。 家賃 家賃は、施設の整備に要した費用、修繕費、管理事務費、地代に相当する額等を基礎として合理的に算定され、近傍同種の住宅の家賃から算定される額を大幅に上回らないこと (厚生労働省の令和3年度調査*によると、介護付は月84,790円、住宅型は月40,926円) 敷金 敷金を受領する場合には、その額は6か月分を超えないこととし、退去時に居室の原状回復費用を除き全額返還すること (厚生労働省の令和3年度調査*によると、介護付は月94,710円、住宅型は月45,367円) サービス費用 サービス費用は、入居者に対するサービスに必要な費用の額(食費、介護費用その他の運営費等)を基礎とする適切な額とすること (厚生労働省の令和3年度調査*によると、介護付は月122,457円、住宅型は月72,480円) ※令和3年度「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究事業」報告書を参考としています。健康型のデータがないのは、健康型は施設数が他2類型と比較してかなり少ないため、十分な調査ができなかったものと推測されます。 有料老人ホーム入居時の前払い金 上述の主な費用に加えて、入居時に終身にわたって受領すべき家賃又はサービス費用の全部又は一部を前払金として一括して受領する、前払い方式を採用している施設もあります。前払金がない施設もあれば、1,000万円を超える施設もあります。前払金は老人福祉法の第29条で以下のとおり定められています。 有料老人ホームの設置者のうち、終身にわたって受領すべき家賃その他厚生労働省令で定めるものの全部又は一部を前払金として一括して受領するものは、当該前払金の算定の基礎を書面で明示し、かつ、当該前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。 出典)老人福祉法(e-Gov法令検索) また、厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」によると、基本的な前払金の算定方法を以下のとおり記載されています。 ①期間の定めがある契約の場合 (1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(契約期間(月数)) ②終身にわたる契約の場合 (1ヶ月分の家賃又はサービス費用)×(想定居住期間※(月数))+(想定居住期間を超えて契約が継続する場合に備えて受領する額) ※想定居住期間は、入居者の終身にわたる居住が平均的な余命等を勘案して想定される期間と、同指導指針内で定義されています。 有料老人ホームの費用を抑える方法 有料老人ホームに入居する場合、以下の制度を利用することで、入居中の費用を抑えられる可能性があります。 高額介護サービス費制度 月々の利用者負担額(福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除く。)の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給される制度です。詳細な上限額(月額)は以下のとおりです。 ・高額介護サービス費制度の負担の上限額(月額) ※厚生労働省ホームページを基に編集者作成 支給対象者には、各自治体から高額介護サービス費支給申請書が送られてきます。受け取ったらしっかりと申請手続きを行いましょう。 高額医療、高額介護合算制度 同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減されます。決められた上限額(年額)を500円以上超えた場合、医療保険者に申請をすると超えた分が支給されます。詳細な上限額(年額)は以下のとおりです。 ・高額医療、高額介護合算制度の負担の上限額(年額) ※厚生労働省ホームページを基に編集者作成 合算期間は8月1日から翌年の7月31日までの1年間で、各自治体の窓口に申請することで利用することができます。 その他の老健施設との違い 一般的に老人ホームと呼ばれるものの中には、有料老人ホーム以外の施設も存在します。どのような施設があるのかを紹介します。 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) サービス付き高齢者向け住宅は、「状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」です。有料老人ホームとは異なり、1日のスケジュールが決められているわけではないため、食事や入浴の時間などは自分のペースで決められます。 見守りサービスや生活相談といったサービスが付いているので、一人暮らしに不安を感じられている方にとって、適度なサポートを受けながら自由な暮らしができます。 関連記事はこちらサービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説 特別養護老人ホーム(特養) 特別養護老人ホームは、介護老人福祉施設とも呼ばれており、要介護状態の高齢者が入居できる公的施設であるのが特徴です。公的施設という性質上、民間の有料老人ホームと比べると安い費用で入所できます。 ただし、人気があるので申請から入所まで、時間がかかってしまう点に注意しておきましょう。 関連記事はこちら特別養護老人ホームとは?費用や入居条件、サービス内容を解説 まとめ 有料老人ホームには3つの類型があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。生活状況や介護の有無、将来的な費用負担なども考慮し、利用する施設を検討することが大切です。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老人ホーム・介護施設とは?公的施設と民間施設の違いも解説 誰でも年をとると、身の回りのことができなくなったり、思ったようにできなくなったりしていきます。体が弱ってきたとき、あるいは要介護状態になったとき、自宅以外の住まいの選択肢として、どのような候...記事を読む

  • 支払督促とは

    支払督促とは?かかる費用と手続きの流れをわかりやすく解説

    支払督促は、お金の未払いに関するトラブルを解決できる法的手続きのひとつです。お金を返してもらえなくて困っている場合、支払督促を利用すれば、裁判をしなくても迅速に問題を解決できる可能性があります。 この記事では、支払督促の概要や費用、手続きの流れをわかりやすく解説します。 支払督促とは 支払督促とは、債権者からの申立てに基づいて、簡易裁判所の書記官が債務者に金銭の支払いを命じる制度です。書類審査のみで手続きが行われるため、以下の金銭に関する未払い、未返還などのトラブルを、迅速に解決できる可能性があります。 <支払督促の対象となるもの> 貸金、立替金 売買代金 給料、報酬 請負代金、修理代金 家賃、地代 敷金、保証金 債務者からの異議申立てがなければ、確定判決と同様の効力が生じます。 出典)政府広報オンライン「「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか?」 支払督促の特徴 支払督促には以下のような特徴があります。 書類審査のみで手続きが行われる 債権者の申立てのみに基づき、簡易裁判所の書記官が金銭の支払いを命じる 支払督促をしても相手方が金銭を支払わない場合、強制執行の申立てが可能 裁判所に納める手数料は通常の訴訟の半額 通常の訴訟とは異なり、債権者(申立人)が裁判所に出向いたり、証拠を提出したりする必要はありません。簡易裁判所の書記官が債務者(相手方)の言い分を聞くことなく、申立内容のみに基づいて支払督促を発付します。 支払督促が発付されても相手方が金銭を支払わず、異議申立てもしない場合は、裁判所に「仮執行宣言の申立て」を行うことで、強制執行の申立てが可能です。強制執行とは、債務者の財産を差し押さえるなどして、裁判所が強制的に申立人の債権を回収する手続きです。 出典)政府広報オンライン「「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか?」 支払督促ができない場合 以下の場合は、支払督促ができないので注意が必要です。 金銭の支払いを目的としない(建物の明渡しなど) 債務者の住所がわからない 債務者が日本以外に居住している 書類を郵送して手続きを行うため、相手方の住所が判明している必要があります。 出典)裁判所「支払督促の申立について」 支払督促手続きの流れ 支払督促の申立ては、以下の流れで進めます。 支払督促申立書の提出 裁判所の審査 支払督促の発付 各手続きの内容を確認していきましょう。 1.支払督促申立書の提出 申立書に必要事項を記入して、債務者の住所を管轄する簡易裁判所に提出します。提出時には、手数料と相手方に書類を送付するための郵便切手などが必要です。申立書は裁判所のホームページからダウンロードできます。手数料については、後ほど詳しく説明します。 2.簡易裁判所の審査 簡易裁判所の書記官が、申立書の内容に不備や法律違反などがないかを確認します。債務者側の意見は聞かず、申立ての内容だけで判断されるのが特徴です。問題があれば補正を求められたり、却下されたりすることもあります。 3.支払督促の発付 審査に通過すると、裁判所の書記官は支払督促を発付し、申立者には発付通知が届きます。債務者は、納得できなければ支払督促を受け取ってから2週間以内に異議申立てが可能です。異議のあるなしで、その後の流れは変わります。 債務者から異議申立てがあった場合 債務者からの異議申立てを裁判所が受理すると、支払督促は効力を失い、通常の訴訟手続きに移行します。債権者の主張は、訴訟において審理が続けられます。 債務者から異議申立てがなかった場合 債務者から異議申立てがない場合は、仮執行宣言の申立てが可能です。なお、仮執行宣言の申立てを相手方が支払督促を受領して2週間を経過した日から30日以内に行わない場合、支払督促が失効します。 申立ての内容に問題がなければ、裁判所の書記官は「仮執行宣言付支払督促」を相手方に送達します。仮執行宣言付支払督促を送達後、相手方が異議申立てをしたときは訴訟手続きに移行し、相手方からの支払いがない場合は強制執行となります。 出典) ・政府広報オンライン「「お金を払ってもらえない」とお困りの方へ 簡易裁判所の「支払督促」手続をご存じですか?」 ・法務省「督促手続について」 支払督促にかかる費用 支払督促には、以下のような費用がかかります。 申立手数料:収入印紙代(下記参照) 支払督促正本送達費用(郵便切手代):債務者の数×1,204円分*1 申立書作成及び提出費用:800円*2 支払督促発付通知費用(郵便切手代):84円 資格証明書手数料(法人の場合):600円 送達結果通知費用(官製はがき代):債務者の数×63円 ※1 申立書が7枚以下なら1,204円、申立書が8枚以上なら1,250円、16枚以上ならさらに切手代が増えることがあります。 ※2 この800円は、債権者が裁判所に支払うものではなく、支払督促を申立てる人(債権者)が債務者に請求できる法令で定められた費用です。 出典)裁判所「支払督促の申立てについて」 申立手数料は、請求金額に応じて以下のように定められています。 請求金額 申立手数料 100万円以下 10万円ごとに500円 100万円超 500万円以下 20万円ごとに500円 500万円超 1,000万円以下 50万円ごとに1,000円 1,000万円超 10億円以下 100万円ごとに1,500円 10億円超 50億円以下 500万円ごとに5,000円 50億円超 1,000万円ごとに5,000円 <例:請求金額が300万円の場合> ①100万円以下の部分:500円×(100万円÷10万円)=5,000円 ②100万円超500万円以下の部分:500円×(200万円÷20万円)=5,000円 ⇒申立手数料:1万円(①+②) 申立ての際は、相手方への送達や申立人への通知のため、郵便切手や郵便はがきも必要です。当事者の一方または双方が法人の場合は、代表者の資格を証明する書類として、各法人につき登記簿謄本を1通提出します。 出典)裁判所「手数料(別表)」 支払督促を受けた場合は? 万が一、支払督促を受けた場合は、内容を確認のうえ速やかに対応しましょう。異議がある場合は、同封の用紙を使用して、受領から2週間以内に異議申立てを行います。最近では、支払督促を悪用した架空請求の事例も報告されているため注意が必要です。 異議がない場合は、強制執行になる前に支払いを完了させましょう。なお、自分で対応することが難しいと判断した場合、弁護士に相談するといいでしょう。 まとめ 支払督促を利用すれば、簡易的な手続きでお金の未払いに関するトラブルを解決できるかもしれません。ただし、相手方が異議申立てを行うと訴訟に移行することになります。お金を払ってもらえなくて困っている場合は、支払督促の申立てを検討してみましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 債務整理とは?メリット・デメリットを解説 債務整理は、借金の悩みを解決する方法のひとつです。住宅ローンやキャッシング等の返済が難しい場合は、債務整理を行うことによって生活を立て直せる可能性があります。この記事では、債務整理の概要や4...記事を読む

  • 敷地面積の制限とは

    敷地面積の制限とは?概要や目的、最低敷地面積の調べ方を解説

    近年の土地価格の上昇に伴い、大きな土地のままでは不動産を購入できない人が増加しています。そのような背景から、大きな土地を分割(分筆)することで価格を抑えた、小規模住宅が増えています。しかし、敷地面積の制限を設ける自治体が増えつつあることをご存知でしょうか。 この制限が設けられると、小規模住宅の敷地面積によっては、将来の建て替えや売却が難しくなるかもしれません。小規模住宅の購入を検討している場合は、敷地面積の制限について理解を深めておくことが大切です。この記事では、敷地面積の制限の概要や最低敷地面積を調べる方法を紹介します。 敷地面積の制限とは 敷地面積の制限とは、建築物の敷地面積を一定以上としなければならない規制のことです。この時、基準となる敷地面積は、「敷地面積の最低限度」「最低敷地面積」と呼ばれます。 建築基準法や都市計画法では、敷地面積の制限について以下のように定めています。 建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならない。 出典)建築基準法 第53条の2第1項(e-Gov法令検索) 地方公共団体は、良好な住居等の環境の形成又は保持のため必要と認める場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、区域、目的又は予定される建築物の用途を限り、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができる。 出典)都市計画法 第33条第4項(e-Gov法令検索) この規制は、1つの広い敷地を複数に分割する「ミニ開発」を防止し、良好な住環境を維持・保存することを目的としています。小規模な敷地に住宅が密集すると、日照や通風などの環境が悪化し、火災リスクが高まるからです。 最低敷地面積は都市計画に基づき設定されるため、自治体ごとに異なります。例えば、福岡市の条例では、「市街化区域165㎡」「市街化調整区域200㎡」を敷地面積の最低限度と定めています。 なお、建築基準法(第五十三条の二第2項)では、都市計画で定める敷地面積の最低限度を「200㎡以下」としています。 出典)福岡市「福岡市よくある質問Q&A」 関連記事はこちら都市計画法とは?概要や定められている内容を解説 小規模住宅が増加している 近年、都心では土地価格の上昇を背景に、敷地面積が50㎡程度の小規模住宅が増加しています。土地を分割し、1棟あたりの敷地面積を50㎡程度とすることで、住宅の販売価格を抑えられるからです。 都心の小規模住宅は車庫や庭などの敷地を確保することは困難です。しかし、通勤に便利であることから、都心に住みたいファミリー層を中心に一定の需要があると考えられます。 土地の分割を制限する動きも広がっている 一方で、都心では土地の分割を制限する動きも広がっています。小規模住宅が増えすぎると、住環境の悪化や火災リスクが懸念されるからです。 例えば、荒川区では2021年11月に新たな規制が導入されました。新たに土地を分割して建築物を建てる場合、1棟あたりの敷地面積を60㎡(約18坪)以上とする必要があります。ただし、現状既に60㎡に満たない土地に、建物の新築や建て替え、土地の売買を行うことは可能です。 ・敷地分割の例 出典)荒川区「建築敷地細分化に対する規制について」 なお、東京23区では荒川区以外でも、同様の規制を既に設けている区がいくつかあります。 敷地面積の制限が適用されないケース 建築基準法第53条の2第1項によると、以下の敷地については、敷地面積の制限は適用されません。 建ぺい率の限度が80%とされている防火地域内にある耐火建築物等 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で公益上必要なもの その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物で、特定行政庁が市街地の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの 特定行政庁が用途上または構造上やむを得ないと認めて許可したもの 敷地面積の制限について調べる方法 購入予定物件の最低敷地面積を調べる場合は、インターネットで「〇〇(地域名) 敷地面積の制限(もしくは敷地面積の最低限度)」と検索するといいでしょう。もしくは、自治体の窓口に問い合わせて確認することも可能です。 また、物件の登記簿謄本を見ると、敷地の分筆が行われているかを把握できます。もし土地の分割に関する規制導入後、最低敷地面積を下回る広さに分筆していることが分かったら、再建築や売却が可能かを自治体や不動産会社に確認しておくことが大切です。 最低敷地面積未満の土地を売却する方法 所有している土地を最低敷地面積未満に分筆してしまうと、売却が難しくなります。最低敷地面積に満たない土地を売却する場合は、以下3つの方法を検討しましょう。 隣地の所有者に売却する 隣地を買い取って合筆する(最低敷地面積を満たす) 訳あり物件の専門業者に売却する 相場より価格が下がる恐れはありますが、売却できる可能性は高まります。一方で、現実的には難しい方法であるため、専門家に相談するようにしましょう。 まとめ 人口が増加している都心部では大きな土地を分割し、小規模住宅として売り出されるケースが増加しています。しかし、今後は土地の分割について規制が拡大されることも考えられます。都心で小規模住宅の購入を検討している場合は、敷地面積の制限に関する自治体の動向を確認しておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 マイホーム選びのポイントは?購入経験者のアンケート結果もご紹介 マイホームは「人生最大の買い物」ともいわれます。一度購入すると簡単には手放せないため、「絶対に後悔したくない」と考える人も多いのではないでしょうか。希望条件が決まらない場合は、理想の暮らしを...記事を読む

    2023.09.20制度
  • 人生100年時代の住まいと夢~江本孟紀氏~

    江本孟紀氏が語る「人生100年時代の住まいと夢」

    プロ野球解説者の江本孟紀氏(75)(以下「江本氏」)のご自宅にお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch(YouTubeチャンネル)で公開されている、「突然の胃癌宣告!江本孟紀さんが経験した人生観の変化とは?【MC:八木亜希子】」を元に作成しています。動画の詳細はこちらをご覧ください。) 江本孟紀氏の現在 江本氏は現在、野球解説者として活躍されている一方で、本の執筆活動も行っている、非常に活動的な方です。 この記事では江本氏に住まいやお金についてお伺いしていきますが、江本氏は幼少期から何度も住み替えを経験している、住み替え経験豊富な方でもあります。 そんな江本氏のプロフィールの詳細や住み替え遍歴は、以下の記事で詳しくご紹介しています。こちらの記事も併せてぜひご覧ください。 >江本氏のプロフィールや住み替え遍歴は前編でご紹介しています シニア世代の老後の不安 江本氏に、持ち家がある50歳以上の男女200名を対象とした、「老後の暮らしにどのような不安を感じていますか?」というアンケート結果を見ていただきました。 ※2021年12月にSBIエステートファイナンス(株)が実施 1位が健康面、2位が老後の生活資金、3位が介護という結果を見て、江本氏はご自身も大病を患ったことを思い起こします。60代後半になって突然「スキルス進行の胃がん」と診断された江本氏は、『人生もうここで終わりか、と一瞬諦めました。』と当時を振り返りました。 それから5年以上の月日が流れ、すっかり元気になった江本氏ですが、この闘病生活を経てご自身の人生観にある「変化」があったといいます。 がんをきっかけに起きた人生観の変化 江本氏が胃がんを患った当時、一番考えたのは「相続はどうするか」だったといいます。遺言を遺すことや空き家のままにしていた江本氏のご両親の実家を処分することなど、健康なうちにやっておけばよかったことが多かったそうです。 近年では「終活」という言葉が浸透しつつあり、人生の最期を迎えるにあたり、自分の資産をどうするかについて考えることが重要視されています。江本氏自身も終活について、『他人事じゃなくて(中略)身近に色々考えた方がいい。』と語っています。 もうひとつ江本氏が胃がんを患って変わったのは、住まいに対する思いでした。江本氏は今のお住まいについて、『健康のことも考えたり、色々考えると、好きなことをして好きな場所でいようと考えた結果、ここが見つかった。』と明かしました。 75歳になった今、描く住まいの夢 『旅をするじゃないですか。そこにすぐに住みたくなる。』と笑顔で語る江本氏は、いつも国内外問わずご自身が住むイメージを膨らませることを楽しんでいるそうです。 最後に問題です。 江本氏は75歳からの住まいについて、『●●●●のデカい家に住みたい。』と語ってくれました。その驚きの場所とは、以下の5つのうちどこでしょうか。 アッパーイーストサイド(アメリカ) ビバリーヒルズ(アメリカ) 披露山(日本) セントーサコーブ(シンガポール) メイフェア(イギリス) 高級住宅街として有名な地名が並んでいますが、江本氏はいったいどの場所に住みたいと思っているのでしょうか。気になる正解は本編動画で探してみてください。 本編動画はこちら なお、こちらの記事は前編と後編に分かれています。まだご一読いただいていない方は、ぜひ前編も併せてお楽しみください。 >前編はこちら 執筆者紹介 SBIシニアの住まいとお金 メディア部 SBIシニアの住まいとお金は、【人生100年時代を見据えて、「住まい」も「お金」も充実できる人生をサポートしたい】との思いから、60歳以上の持ち家の方を対象に「Youtubeで楽しむ」、「セミナーで学ぶ」、「専門家に相談する」の3つのサービスを運営しています。 <公式サイト> https://www.sbi-efinance.co.jp/senior/ <YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/@sbi_senior/ 中村雅俊氏が「自宅」への思いを語る 俳優で歌手の中村雅俊氏(72)(以下「中村氏」)のお住まいにお邪魔して、住まいやお金に関するお話をフリーアナウンサーの八木亜希子さんが伺いました。 この記事は、SBIシニアの住まいとお金ch...記事を読む

  • サービス付き高齢者向け住宅とは?

    サービス付き高齢者向け住宅とは?入居条件や費用を解説

    サービス付き高齢者向け住宅とは、サ高住とも呼ばれる高齢者のための集合住宅です。サービス付き高齢者向け住宅への入居を検討しているなら、あらかじめ必要な情報を集めておくことが大切です。 この記事では、サービス付き高齢者向け住宅の入居条件や費用、利用状況などを詳しく解説します。 サービス付き高齢者向け住宅とは サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、「状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」です。「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」に基づき、都道府県から登録を受けた住宅をサービス付き高齢者向け住宅と呼びます。 サービス付き高齢者向け住宅の登録基準は以下のとおりです。 住宅に関する基準 サービス付き高齢者向け住宅では、高齢者が生活するのに相応しい規模と設備を確保する目的で、住宅に関する基準が設けられています。詳細は以下のとおりです。 各専用部分の床面積は、原則25㎡以上(※1) 各専用部分に、台所、水洗便所、収納設備、洗面設備、浴室を備えたものであること(※2) バリアフリー構造であること ※1:ただし、居間、食堂、台所そのほかの住宅の部分が、高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合は18㎡以上 ※2:ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備または浴室を備えることにより、各戸に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合は、各戸に台所、収納設備または浴室を備えずとも可 サービスに関する基準 サービス付き高齢者向け住宅では、専門家が日中建物に常駐してサービスを提供することが、認定の基準となっています。サービス内容は、安否確認と生活相談の2つが必須のサービスとして定められています。 なお、施設によって違いがありますが、食事の提供などの生活支援サービスを提供している施設もあります。実際に入居を検討する際には、どういったサービスが受けられるのかを施設に確認しておくことが大切です。 契約内容に関する基準 サービス付き高齢者向け住宅では、高齢者が安心して長く住み続けられるように、契約内容に関する基準も設けられています。いくつか抜粋して紹介します。 専用部分が明示された契約であること 長期入院などを理由に事業者から一方的に解約できないことになっている等、居住の安定が図られていること 敷金などの、家賃、サービスの対価以外の金銭を受領しないこと サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サービス付き高齢者向け住宅の入居対象者は、「60歳以上の方」もしくは「要介護、要支援認定を受けている60歳未満の方」です。ただし、施設によっては、認知症や感染症に関する独自の入居条件を追加している施設もあります。申し込みの前に確認しておきましょう。 同居者の入居条件 サービス付き高齢者向け住宅では、一定の条件を満たせば同居することも可能です。同居者の入居条件は以下のとおりです 入居者の配偶者 60歳以上の入居者の親族 要介護、要支援認定を受けている入居者の親族 特別な理由で知事から認められている者 なお、施設によっては2人部屋がなく、部屋が別々になることもあります。あらかじめ施設に確認しておくといいでしょう。 サービス付き高齢者向け住宅の入居費用 サービス付き高齢者向け住宅は、賃貸借契約を事業者と締結して入居する形となるため、初期費用や毎月の家賃などが発生します。国土交通省が公表している資料によると、令和2年8月時点でのサービス付き高齢者向け住宅の入居費用は概ね10万円前後です。 ・サービス付き高齢者向け住宅の入居費用 出典)厚生労働省「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料」 なお、サービス付き高齢者向け住宅では、上図の費用に含まれない「家賃、サービスの対価以外の金銭」を受領しないことが、高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)で定められています。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームとの違い 有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違いは、下図のようになります。 ・図:有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い ※厚生労働省が公表している図を元に編集者が作成 サービス付き高齢者向け住宅のうち約96%が有料老人ホームにも該当することが分かっています。 高齢者向け施設のうち、①食事の提供、②介護(入浴、排泄、食事)の提供、③洗濯や掃除等の家事の供与、④健康管理のいずれかをひとつでも提供していれば、有料老人ホームと呼ばれます。 この4つのサービスは、どれもサービス付き高齢者向け住宅と認定されるために必要なサービスに含まれません。しかし、サービス付き高齢者向け住宅の約96%が①食事の提供、を行っており、結果的に有料老人ホームにも該当するのが実態です。 介護が受けられるサービス付き高齢者向け住宅とは 上図の「有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違い」のとおり、サービス付き高齢者向け住宅の中には、特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設も一定数存在します。 平成26年の国土交通省の調査によると、「特定施設入居者生活介護の指定を受ける予定はない」と回答したサービス付き高齢者向け住宅が95.1%と多数を占めていることが分かっています。 約10年前の調査結果ではありますが、特定施設入居者生活介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅が少数である状況は、現在も大きくは変わっていないと推測されます。 サービス付き高齢者向け住宅の利用者 国土交通省が公表している「サービス付き高齢者向け住宅の現状等」を基に、入居者の要介護度や年齢の分布を紹介します。自分の状況が、サービス付き高齢者向け住宅の利用者の状況に該当するかを、参考にすることもおすすめです。 要介護度 サービス付き高齢者向け住宅の入居者を要介護度別で見ると、どの区分も一定数入居していることが分かります。 ・サービス付き高齢者向け住宅入居者の要介護度別比率 出典)厚生労働省「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料」 ※編集者が一部加工 年齢 入居者の年齢は、85歳以上が全体の57.3%と最も高く、75~84歳も30.8%となっており、全体の約9割が75歳以上であることが分かります。 ・サービス付き高齢者向け住宅入居者の年齢別比率 出典)厚生労働省「第5回サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会資料」 サービス付き高齢者向け住宅の利用が向いている人 サービス付き高齢者向け住宅に向いている人は、「自立した生活を送りたい人」です。サービス付き高齢者向け住宅はあくまでも「状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅」であり、基本的に24時間の医療体制や充実した介護サービスが付いている施設ではありません。 そのため、申し込み時点で介護なしで生活するのが困難な人や、健康面の不安を抱えており、常に見守りを必要としている人は、サービス付き高齢者向け住宅ではなく、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームを検討する方が安心して生活できる可能性があります。 ただし、サービス付き高齢者向け住宅は要介護度の高い人が住めない施設ではありません。自身の希望や健康状態を考慮したうえで、施設選びを行いましょう。 >特別養護老人ホームとは? まとめ サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリーに配慮した設計になっており、見守りサービスや生活相談などに対応してくれるのが特徴です。自立した生活を送りながらも、適度なケアを受けたいという方は、サービス付き高齢者向け住宅の利用を検討してみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 介護老人保健施設とは?費用や入所条件をわかりやすく解説 介護老人保健施設は、介護保険施設のひとつです。老健とも称され、介護保険法に基づいてサービスが提供されます。介護老人保健施設への入所を検討しているなら、あらかじめ必要な情報を集めておくことが大...記事を読む