「住み替え」の記事一覧

  • 老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する?

    子どもが独立したり、定年が近づいてきたりすると、老後の住まいについて考える機会が増えるのではないでしょうか。戸建てに住んでいる場合は、住み替えやリフォームだけでなく、建て替えも検討するかもしれません。 建て替えによって自宅が新しくなれば、安心して老後を過ごせるかもしれません。一方で、建て替え資金をどうやって準備するかという問題もあります。この記事では、老後に自宅を建て替えるメリット・デメリット、資金を準備する方法について解説します。 高齢者の住宅事情について まずは高齢者世帯の持ち家率や建て替えの現状など、高齢者の住宅事情について確認していきましょう。 高齢者世帯の持ち家率 総務省の調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯の持ち家率(2018年)は82.1%となっています。持ち家率は減少傾向にあるものの、高齢者の8割超が持ち家に住んでいるのが現状です。 図:高齢者世帯の持ち家比率 ※調査結果から著者が作成 出典)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P8」 建て替えの現状 総務省の調査によると、2018年の持ち家の取得方法のうち「建て替え」は565万6,000戸で、全体の17.2%となっています。 建て替えを行った住宅の建築時期で最も多いのは、1991~2000年の141万6,000戸(21.2%)です。次いで、1981年~1990年の104万8,000戸(18.3%)です。築30~40年で建て替えを実施するケースが多く、建て替え全体の約4割を占めています。 図:建て替えの現状 ※調査結果から著者が作成 ただし、建て替えが必要かどうかは、物件の構造や状態によって異なります。適切にメンテナンスを行っていれば、築年数が古くなったとしても、必ずしも建て替えが必要になるとは限りません。 出典)総務省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要P6」 老後に建て替えを検討するきっかけ 多くの人は、どのようなきっかけで自宅の建て替えを検討するのでしょうか。老後に建て替えを行う理由として以下のようなことが考えられます。 若いときに建てた自宅が老朽化している 二世帯住宅/賃貸併用住宅に対応するため 賃貸暮らしだったが実家を相続した 20代で自宅を建てた場合、定年を迎える頃には築30~40年となります。建物や設備の老朽化が気になる場合、リフォームだけでなく、建て替えは選択肢の1つとなるでしょう。 また、子ども世帯と一緒に住むための二世帯住宅、家賃収入を得るための賃貸併用住宅に対応することを目的に建て替えを検討するケースも考えられます。 さらに、相続した実家への住み替えも、建て替えのきっかけになるでしょう。建物が老朽化している場合は、建て替えを選択肢に入れるかもしれません。 老後に自宅を建て替えるメリット 老後に自宅を建て替えるメリットは以下のとおりです。 ライフスタイルにあった家を建てられる 老後を安心して過ごせる 若いときに建てた自宅が、老後のライフスタイルに合うとは限りません。例えば、子どもが独立して夫婦だけの生活になれば、間取りが広すぎると感じることもあるでしょう。老後に建て替えを行えば、ライフスタイルの変化に対応した住みやすい家を建てられます。 また、建物が老朽化することで地震や台風などの災害リスクも高まります。建て替えによって建物を新しくすれば、耐震性や耐久性が高まり、老後を安心して過ごせます。 関連記事はこちらシニアが住み替える際の4つのポイント 老後に自宅を建て替えるデメリット 一方で、老後の建て替えには以下のようなデメリットもあります。 まとまったお金がかかる 建て替えが完了するまでの仮住まいが必要 自宅を建て替えるにはまとまった資金が必要です。しっかりとした資金計画を立てておかないと、老後の生活費が不足する可能性があります。また、建て替えが完了するまでは自宅に住めないため、仮住まいを用意しなくてはなりません。賃貸物件を借りる場合は、家賃の支払いが必要です。 建て替え資金はいくら必要? 自宅の建て替えにかかる費用は、大きく「工事費用」と「諸費用」の2つに分けられます。 工事費用 建て替えの際は、現在住んでいる家の解体工事と新築する建物の本体工事が行われます。また、給排水や電気・ガスなどの付帯工事も必要です。 工事費用は、「坪(㎡)数 × 各工事の単価」によって概算金額を算出できます。物件によって異なりますが、解体工事は坪4~8万円、本体工事は坪50~70万円が相場です。また、付帯工事は本体工事の20%程度が相場となります。 あくまでも目安なので、実際に建て替えを行う場合は事前に見積もりをとって、正確な金額を把握する必要があります。 諸費用 建て替えの際は以下のような諸費用もかかります。 印紙代(契約時) 登記費用 火災保険料 住宅ローン手数料(利用する場合のみ) 各種申請費用(長期優良住宅認定、建築確認申請等) 上記のほかに、引っ越し費用や仮住まいにかかる費用、新調する家電・家具などの購入費用も必要です。支払い時に困らないように、事前に費用を確認した上で多めに資金を用意しておきましょう。 関連記事はこちら住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 老後の建て替え資金にはリ・バース60 建て替え資金を自己資金で準備できない場合は、住宅ローンを組むのが基本です。しかし、高齢になると住宅ローンを組むのが難しいかもしれません。その場合は「リ・バース60」を検討しましょう。 リ・バース60は高齢者向けの住宅ローンで、満60歳以上の方でも借り入れが可能です。毎月の支払いは利息のみで、元金の支払いは債務者が亡くなったときに担保不動産を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選べます。 リ・バース60については、以下の記事で詳しく説明しています。 関連記事はこちらリ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 まとめ 自宅の建て替えを行えば、理想の住まいで老後を豊かに過ごせるかもしれません。ただし、建て替えにはまとまった資金がかかるため、老後の生活費に影響が出る恐れもあります。 建て替えを行う場合はしっかりとした資金計画を立て、必要に応じてローンの利用を検討しましょう。 商品選びに困った方はこちら リ・バース60の商品詳細はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リ・バース60とは?メリット・デメリットを解説 老後生活への準備として住み替えやリフォームをする場合、まとまった資金が必要になります。しかし、高齢になると、一般的な住宅ローンやリフォームローンの審査に通りにくくなります。 このような時に活...記事を読む

  • 住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    住まいの終活で考えておくべきポイントをFPが解説

    「終活」という言葉が一般に広がるなか、近年、「住まいの終活」についても注目されるようになってきました。どのような内容なのか、どうしたらいいのかなどについて考えてみましょう。 「住まいの終活」とは? そもそも「終活」とは、自分の人生の終わり方を考え、そのために必要な準備をすることを言います。明日かもしれないし、30年以上先かもしれない。いつ訪れるかわからない「もしもの時」に備えて、身辺整理をしておくことを言います。 ただし、最近は「人生100年時代」と言われ、亡くなるまでの期間も長くなっているため、終活といっても「人生の幕引き」だけではなく、セカンドライフの生活を考えることも、「終活」に含まれます。 こうした「終活」に関して、最近は特に、住まいに関しても考える必要性が問われるようになってきました。理由としてはいくつか挙げられます。 経年劣化等によって、住居に不具合が生じる 住居の生活利便性が低く、車を手放すと生活が厳しい 要介護となった結果、生活が出来ない 将来的に老人ホームの利用を検討しており、住居を持て余す このようなことから、老後を意識し始める頃から、「終活」とともに「住まいの終活」についても真剣に考え、準備をしておく必要があります。自身の老後を見据え、よく検討しましょう。 一方で、「住まいの終活」といっても、状況によってポイントや準備方法が異なります。どのように行えばいいのかを以下の状況別に考えてみましょう。 住み替えの希望や必要があるか 老後資金に問題がないか 死後に住居をどうする予定か 関連記事はこちら終活とは?終活では何を準備すればいい? 住み替えの必要があるか 定年後になると、通勤を考えずに住まいを決めることが出来るので、今後の住まいについて考える人も多いのではないでしょうか。そして、今後の住まいを考えるときには、住み替えを検討するかもしれません。住み替えをすることでより良い条件で生活を送れる可能性がありますが、多額の資金が必要となるため、慎重に検討する必要があります。 そこで、住み替えをするかどうかを判断する際には、自分が死ぬまで現在の住まいで生活をする場合に何か不都合が生じるか、という切り口で判断するといいでしょう。特に下記のポイントに該当する場合には、住み替えを検討してもいいかもしれません。 経年劣化等により、この先何十年も暮らしていくのが難しい 生活するためには車が必須で、生活利便性が低い立地である 子供と離れて暮らしているため、親族のサポートが期待できない 経年劣化等の理由であれば、リフォームという選択肢もあります。一方で、建物をリフォームするだけでは問題が解決できない場合には、住み替えを検討するといいでしょう。住み替えは、新しく住みやすい家に引っ越したいという希望だけでなく、住み替えにお金を使っても老後の生活費に問題がないかなど、資金面でも慎重に検討する必要があります。 老後資金に問題がないか 次に、住み替えに限らず、リフォームを検討している場合にも、老後資金が不足しないかどうかを慎重に検討する必要があります。高齢になると住宅ローンを組むことが難しく、住み替えの場合は手元資金を多く出さなければならないケースが多いでしょう。また、リフォームをするにしても、ローンが組めずに全額手元から融通する必要があるかもしれません。 老後資金が不足することを見据えて不動産売却を視野に入れている人もいるでしょう。しかし、不動産売却をすると新しい住み替え先も決めておかなければなりません。そのため、不動産売却以外の資金の捻出方法も考えておいた方が良いかもしれません。 住宅を活用して、老後資金を捻出する方法としては次のようなものが挙げられます。 リバースモーゲージ 自宅に住み続けながら、自宅を担保に一時金や月々の生活費を借りる仕組み。金融機関によって、エリアや不動産の種類、最低評価額が決められていることがあります。エリアは首都圏中心と限定されていることが多く、一定評価額以上の戸建てが中心であることが多くなっています。 リースバック 自宅をリースバック専門の不動産会社へ売却し、売却代金を受け取る一方で、買主にリース料(家賃)を支払って元の自宅に住み続ける仕組み。売却代金は一括一時金で受け取ることができ、使途に制限はありません。物件の立地は流動性の高いエリアであることが一般的です。 不動産担保ローン 不動産を担保にして借りるローン。実際には、担保となる不動産に抵当権を設定して借り入れをします。土地や一戸建て、マンション等が対象ですが、物件の立地は流動性の高い主要都市に限られる金融機関が多いようです。 その他にも、以下のコラムで詳細を解説していますので、ご参考ください。 関連記事はこちら住宅ローンを完済したがお金がない!そんな時の持ち家活用術とは? 死後の住居をどうする予定か 自分自身の問題をクリアした後は、死後の住居についても考えておく必要があります。相続人が一人の場合には、不動産を含めた財産分与の問題は生じないでしょう。しかし、相続人が複数いる場合には、不動産をどう相続するかあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。 なぜなら、不動産は所有権のみならず、誰が居住するかという問題が起こるため、相続人が複数いる場合は平等に分けるのが難しく、相続でトラブルになることもあります。また、現金化しておくことで均等に分割できますが、生前に売却すると「老後の住まいをどうするか」という問題が生じます。 死後の住まいの選択肢については以下のコラムで解説していますので、ご参考ください。 関連記事はこちら住まいの終活とは?3つの選択肢と準備しておくべきこと まとめ 住まいの終活を考える際には、できるだけ子供たちも含めて話し合うことが大事です。子供たちに家を残せない可能性が高い場合はなおさらです。 そのほか、金融資産があまりなくて遺産が不動産中心の場合、相続人同士でもめないようにするために、遺言などを作成しておくことも大事です。公正証書遺言でなく、自筆証書遺言でも今は法務局で預かってもらうこともできます。 定年が見えてきた50代後半以降は、終活や住まいの終活、場合によっては相続などについてしっかり考え、家族にも「こうしたい」ということを伝えておきましょう。特に、今後の住まい方をリアルに想定し、必要な準備をするとともに、家族と話しておくことは重要ですね。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 豊田 眞弓( Mayumi Toyoda ) マネー誌ライターを経て、94年より独立系ファイナンシャルプランナー。 個人相談、講演・研修講師、コラム寄稿などを行う。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。趣味は講談、投資。 <主な著書> 「夫が亡くなったときに読む本」(日本実業出版社)、「親の入院・介護が必要になるときいちばん最初に読む本」(アニモ出版)、ほか著書多数。 終活とは?終活では何を準備すればいい? 昔に比べて平均寿命が延びて老後の期間が長くなったことから、「終活」を行う人が増えています。終活と聞くと、葬儀やお墓、相続など自分が亡くなった後のことをイメージするかもしれません。しかし、実際...記事を読む

  • 住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    住み替えローンとは?利用の流れやメリット・デメリットを解説

    長く住み続ける予定でマイホームを購入しても、仕事や人間関係、環境の変化などを理由に「住み替えたい」と思うこともあるでしょう。しかし、住宅ローンが残っている状況では、新しい家に住み替えができるか不安を感じるのではないでしょうか。 住宅ローンが残っている場合、自宅の売却代金で残債を完済するのが基本です。ただし、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合は、「住み替えローン」を利用する方法もあります。 この記事では、住み替えローンの概要やメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。 住み替えローンとは? 住み替えローンとは、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない時に、残債を新居の購入代金と併せて借入する事ができるローンのことです。 自宅の資産価値よりも住宅ローン残高のほうが多い状態のことを「オーバーローン(貸出超過)」といいます。住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新たに購入する家の購入資金をまとめて借りることができるため、オーバーローン状態であっても利用できます。 「住み替えたいが自宅の売却代金で住宅ローンを返済しきれない」という場合は、住み替えローンを検討するといいでしょう。 住み替えローンを利用する際の流れ 住み替えローンの手続き自体は、通常の住宅ローンと大きな違いはありません。ただし、住み替えの際は「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引が必要です。 自宅の売却活動では、不動産仲介業者に自宅の査定を依頼し、仲介により売却するのが一般的です。また、不動産会社と直接取引することで、より早期に売却できます。どちらも売却価格の合意後に売買契約を締結することになります。また、新居の購入活動では、不動産会社に物件を紹介してもらい、購入物件が決まったら売主と売買契約を締結します。 住み替えローンを利用するときは、自宅の売却(住宅ローンの完済)と新居の購入の決済は同じ日に行わなくてはなりません。自宅の売却と新居の購入はどちらから始めても構いませんが、なるべく平行して活動を進めて決済日を合わせる必要があります。 住み替えローンのメリット 住み替えローンのメリットは以下のとおりです。 住宅ローンの残債を完済できなくても住み替えができる 住み替えローンの最大のメリットは、自宅の売却代金で住宅ローン残債を完済できなくても住み替えができることです。 住宅ローンの残債が減るのを待つことなく、自分の好きなタイミングで住み替えができます。転勤や子どもの進学などでどうしても住み替えが必要な場合は、住み替えローンを利用するといいでしょう。 手元資金を使わずに済む 住み替えローンは、住宅ローン完済のために手元資金を使わずに済むのもメリットです。 手元資金で住宅ローンの残債を完済すれば借入はなくなりますが、大幅に手元資金が減ってしまう可能性があります。急にまとまったお金が必要になる可能性もあるので、もしものときに備えて「まとまったお金を残しておきたい」と考える人もいるでしょう。 住み替えローンを利用すれば、手元にお金を残しながら新居に住み替えができます。 住み替えローンのデメリット 一方で、住み替えローンには以下のデメリットもあります。 不動産の価格以上に借入金額が膨らむ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることになるため、借入金額が膨らんでしまいます。借入金額が増えれば、これまでよりも返済負担は大きくなるでしょう。 せっかく住み替えをしても、ローン返済が困難になれば新居を手放すことになりかねません。住み替えローンを利用する場合は、無理なく返済できるかを見極めることが大切です。 金融機関の審査が厳しい 住み替えローンは、住宅ローンに比べると金融機関の審査が厳しい傾向にあります。 不動産(新居)の評価額以上の金額を融資するオーバーローンであるため、返済能力や新居の担保価値を厳しく審査されます。そのため、勤務先や年収、ローン返済歴などによっては審査落ちの可能性もあります。 住み替えローンの注意点 住み替えローンは、自宅の売却と新居の購入を同時決済しなくてはなりません。そのため、不動産会社や金融機関と相談し、同じ日に決済できるように調整する必要があります。 新居の購入は物件や購入日を自分で選べるため、コントロールできる部分が多いといえますが、仲介で自宅の売却をしようとしても、買主が見つからないと手続きを進めることができないため、決済日の調整が難しいでしょう。 そのため、売却は購入のタイミングに併せて不動産会社に直接買い取りを依頼するなど、購入と同時に決済が出来るよう段取りをしておく必要があります。このように売却を仲介ではなく、不動産会社による直接買い取りにする場合には、価格が時価より下がりやすいので注意が必要です。 自宅売却で譲渡損失が生じても税制上の特例が使える 自宅の売却代金で住宅ローンを完済できない場合、譲渡損失(売却損)が発生する可能性が高いでしょう。マイホームの売却で譲渡損失が生じた場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。 本特例は、マイホームを売却して譲渡損失が生じたときに、一定の要件を満たすとその譲渡損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除(損益通算)できる制度です。 また、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、最長3年間にわたって繰り越して各年の所得から控除できるため、所得税や住民税が軽減されます。特例が利用できるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えローンは、今の住宅ローンの返済資金と新居の購入資金をまとめて借りることができるのがメリットです。ただし、借入金額が膨らむため、審査に通ったとしても毎月の収支を圧迫する恐れがあります。住み替えローンの利用は慎重に判断しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは?

    定年後に自宅を住み替えるメリットと注意点とは?

    現役世代は、子どもの学校や通勤を考えて自宅を購入するのが一般的です。しかし、子どもの独立や定年退職などでライフスタイルが変化すると、立地や間取りが生活に合わなくなることがあります。 その場合は、利便性の高さや資産性を重視して住み替えるのも一つの方法です。ただし、定年後の住み替えには注意点もあるので、住み替え以外の選択肢も含めて老後の住まいについて考えることが大切です。 この記事では、定年後に住み替えるメリットと注意点、住み替え以外の選択肢について説明します。 定年後に住み替えるメリット 定年後に住み替える場合、以下のようなメリットが考えられます。 希望に合わせた間取りを選択できる 将来を見据えたバリアフリー対応の住居を選択できる 利便性の高いエリアの住居を選択できる 子供部屋が不要になることから、部屋数を少なくして収納が多い物件を選択するなど、自身のライフスタイルに合わせた間取りを選択することが出来ます。加えて、バリアフリー対応の住居に住み替えることで、自身が高齢になっても住みやすい環境で生活できます。高齢になると少しの段差でも転倒しやすくなったり、ちょっとしたケガが生活に大きく影響したりするため、バリアフリー対応の重要度は高いといえるでしょう。 また、高齢になると車を手放すことなどによって、生活の行動範囲も狭まりやすいことから、徒歩圏にスーパーや公共施設、病院が近くにあるなど、利便性の高いエリアに自宅を構えることも可能となります。 定年後の住み替えの注意点 定年後に住み替えをする際は、以下の点に注意が必要です。 購入資金をどのように確保するか 定年後の住み替えでは、新居の購入資金をどのように確保するかが課題となります。「新居購入後に現在の自宅を売却する」という流れで住み替えを進める場合、先行して新居の購入代金を用意しなくてはなりません。 しかし、高齢の場合は一般的な住宅ローンを組むのが難しくなります。そのため、定年後の住み替えで新居の購入資金を準備する方法として、下記のような方法が考えられます。 リースバック リ・バース60 リースバックとは、自宅を売却してまとまった資金を手に入れながら、家賃を払うことで売却後も同じ家に住み続けられるサービスです。リースバックで自宅を売却すれば、売却資金を手に入れながら新居を購入するまで現在の自宅を仮住まいとして利用できます。 一方、リ・バース60とは、満60歳以上の方でも借り入れができる高齢者向けの住宅ローンです。毎月の支払いは利息のみで、債務者が亡くなったときに担保不動産(新居)を売却して返済するか、現金で一括返済するかを選択する仕組みになっています。 自宅を売却して新居の購入資金を準備したい場合はリースバック、ローンを利用して新居を購入したい場合はリ・バース60を検討するといいでしょう。 >リースバックとは? >リ・バース60とは? 売却や相続を考慮して物件を選ぶ 定年後の住み替えでは、売却や相続を考慮して物件を選ぶことも大切です。老後生活では、配偶者との死別や自身の体調不良などを理由に、高齢者施設への入居を検討する可能性があります。 また、相続が発生したときは、資産価値の高いマンションであれば比較的売却しやすく、相続後の選択肢が広がります。一方で、戸建てはマンションに比べると流動性が低く、売却しにくい点に注意が必要です。 老後の生活費をシミュレーションしておく 定年後の住み替えを検討する際は、老後の生活費のシミュレーションも必要です。不動産は高額の買い物なので、しっかりとした収支計画を立てておかないと生活費が不足するリスクがあります。 相続なども考えて資産性を考慮することは大事なことですが、身の丈に合わない高額の物件を購入した結果、生活が立ち行かなくなっては意味がありません。最悪の場合、老後破産となる恐れもあります。必ず物件を選ぶ前に費用を試算した上で、無理のない住み替え計画を立てましょう。 住み替え以外の選択肢は? ここまで住み替えについて確認してきましたが、住み替えをしなくても住環境を改善することは可能です。住み替え以外の選択肢として、大きく「リフォーム」と「建て替え」の2つが考えられます。 リフォームして住みやすくする バリアフリー化を目的に自宅をリフォームする場合、改修費用の助成や補助、税負担の軽減などの支援制度を利用できる可能性があります。自宅のバリアフリー化に関する主な支援制度は以下のとおりです。 高齢者住宅改修費用助成制度(地方自治体) 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国土交通省) バリアフリー改修に関する特例措置(国土交通省) 自治体の「高齢者住宅改修費用助成制度」を利用すれば、バリアフリー改修工事費について助成や補助を受けられます。自治体によって内容が異なるため、お住いの自治体の窓口に確認してみるといいでしょう。 また、国土交通省も、バリアフリー改修工事を行った場合の補助や税負担の軽減(所得税の控除、固定資産税の減額)などを用意しています。 バリアフリー化を目的に自宅のリフォームを行う場合は、国や自治体の支援制度を積極的に活用しましょう。 出典) ・東京都福祉保健局「住宅改善事業(バリアフリー化等)区市町村別事業概要一覧」 ・国立研究開発法人 建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」 ・国土交通省「住宅リフォームにおける減税制度について」 建て替えを行う 戸建ての場合は、バリアフリー対応の住宅へ建て替える方法もあります。建て替えならバリアフリー化はもちろん、間取りも自由に選べるため、理想の住まいを実現できるでしょう。 ただし、建て替えは工事中の仮住まいが必要になるほか、まとまった費用がかかるため、資金の確保が課題となります。そのため、老後の生活費が不足しないように、住宅ローンを利用できるかも確認した上で、無理のない建て替え計画を立てることが大切です。 まとめ 子どもの独立などによって自宅の間取りがライフスタイルに合わなくなったら、住み替えを検討するタイミングです。定年後の住み替えでは、住みやすさなどの生活利便性だけでなく、老後の生活費が不足しないように、しっかりとした収支計画を立てる必要があります。 また、新居の購入資金を自己資金で準備するのが難しい場合は、リースバックやリ・バース60の利用を検討しながら、無理のない住み替えにしましょう。 リースバックの商品詳細はこちら リ・バース60の商品詳細はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説 ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み...記事を読む

  • 住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例を解説

    ライフスタイルの変化などから、「住み替え」を検討することがあるかもしれません。しかし、住み替えたいと思っても、どのように住み替えを進めていいか、わからないことが多いかもしれません。また、住み替えには費用だけでなく、売却益が出れば税金がかかることもあります。 この記事では、住み替えの流れや費用、利用できる税制上の特例について詳しく解説します。 住み替えの流れ 住み替えの流れを把握するには、「自宅の売却」と「新居の購入」の2つの取引を理解することが必要です。まずは、それぞれの流れを確認しましょう。 自宅を売却するまでの流れ 不動産仲介会社を利用して、自宅を売却するまでの流れは以下のとおりです。 不動産査定 媒介契約 売買契約 決済 引き渡し まずは不動産会社に自宅の査定を依頼し、売却見込み額を確認します。査定金額に納得できたら、不動産会社と媒介契約を締結して売却活動が始まります。 売却活動で買主が見つかり、売却金額や引渡日などの条件が決定したら、売買契約を締結します。契約の際には、決済日や引き渡し日を決めます。なお、これら一連の手続きは、不動産会社が進行してくれるので、細かい手続きは都度確認すれば問題ないです。 新居を購入するまでの流れ つぎに、新居を購入するまでの流れは以下のとおりです。 物件探し 物件見学・申込 売買契約 決済 引き渡し まずは、不動産ポータルサイトなどで、条件に合う新居を探します。良さそうな物件が見つかったら、販売活動を行っている不動産会社に問い合わせます。問い合わせた時点で購入可能な物件であれば、実際に物件を見学し、希望に合うかどうかなどを確認します。 購入する物件が決まったら、売主と売買契約を締結し、決済完了後に物件が引き渡されます。なお、住宅ローンを利用する場合は、物件が確定した段階で、仮審査や諸々の手続きを進める必要があります。 住み替えの費用 住み替えの費用を、自宅の売却と新居の購入それぞれでかかる費用に分けると、以下のようになります。 自宅の売却でかかる費用 不動産仲介会社を利用して、自宅を売却すると、以下のような費用がかかります。 仲介手数料 印紙税 一括繰上返済手数料・登記費用 ※自宅に住宅ローンが残っている場合 所得税・住民税 ※譲渡益が出た場合 引っ越し費用、仮住まいの賃料など 仲介手数料は不動産の売買価格によって変化し、一般的には「売買価格×3%+6万円+消費税」がかかります。たとえば、売買価格が3,000万円なら「96万円+消費税」となります。印紙税も不動産の売買価格によって変化し、前述の売買価格3,000万円の場合、「本則税率:2万円、軽減税率:1万円」となります。 また、住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローン完済のために、返済手数料や抵当権抹消の登記費用が掛かります。また、自宅の売却で譲渡益が出た場合は、所得税や住民税がかかります。ただし、税制上の特例を利用することで税金がかからない場合もあります。 その他、自宅から新居への引っ越し費用、仮住まいが必要な場合には、仮住まい費用もかかります。 新居の購入でかかる費用 新居の購入では、以下のような費用がかかります。 仲介手数料 ※不動産仲介による購入の場合 印紙税 登記費用 融資事務手数料、保証料など ※住宅ローンを組む場合 保険料 引っ越し費用、不動産取得税、固定資産税など 新居を不動産業者から直接購入する場合には、仲介手数料はかかりません。しかし、不動産仲介で購入する場合、自宅の売却と同様に売買価格によって変動する手数料がかかります。 所有権の保存や移転に伴う登記費用のほか、新たに住宅ローンを組む場合は、銀行に支払う手数料や保証料、司法書士に依頼する抵当権設定費用なども必要です。 その他、定常的に発生する火災保険や固定資産税などの費用がかかります。そのため、資金が不足しないように、住み替えをする前に購入時の費用と、住み替え後に発生する定常的な支出も見積もっておきましょう。 出典) ・公益社団法人 全日本不動産協会「仲介手数料について」 ・不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 住み替えに利用できる特例 住み替えにはまとまった費用がかかりますが、税制上の特例を利用することで、税負担の軽減が可能です。 譲渡益が出た場合 自宅の売却で譲渡益が出た場合は、以下2つの特例が利用できます。 3,000万円の特別控除 買い替え特例 3,000万円の特別控除とは、自宅を売却したときに、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。つまり、譲渡益が3,000万円以下の場合には、所得税や住民税がかかりません。 買い替え特例とは、自宅を買い替えたときに、譲渡益にかかる税金を将来に繰り延べできる特例です。自宅を売却した年には譲渡益への課税は行われず、将来新居を売却するときに課税されます。 3,000万円の特別控除と買い替え特例は併用できないため、どちらかを選択する必要があります。どちらが有利かは譲渡所得の金額などによって変わってくるため、判断できない場合は税理士などの専門家に相談しましょう。 出典) ・国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」 ・国税庁「No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例」 譲渡損失が出た場合 自宅の売却で譲渡損失が出た場合は、「譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が利用できます。本特例は、自宅を売却して譲渡損失が生じたときに、損失を他の所得と損益通算できる制度です。 損益通算を行っても所得から控除しきれなかった譲渡損失は、自宅を売却した年の翌年から最長3年間繰り越せます。本特例を利用すれば、給与所得などにかかる所得税・住民税が軽減されます。特例が適用されるか判断できない場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。 出典)国税庁「No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」 まとめ 住み替えをスムーズに行うには、流れや費用を確認した上で、自分に合った方法で手続きを進めることが大切です。不動産会社や税理士などと相談しながら、新居への住み替えを成功させましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 仮住まいなしで住み替えをする5つの方法 持ち家の方が自宅を住み替える場合、住み替えの方法によっては仮住まいが必要です。 仮住まいとして賃貸物件を借りると、毎月の家賃だけでなく、引っ越し費用や敷金・礼金などの費用もかかります。また、...記事を読む