「リフォーム」の記事一覧

  • 住宅のリフォームローンとは?特徴や種類について紹介

    リフォームローンは、資金使途が住宅の修繕や増改築などの場合に利用できるローン商品の一種です。自宅の老朽化などでリフォームが必要になり、資金が不足する場合は、リフォームローンを検討するかもしれません。 この記事では、リフォームローンの概要や特徴、種類について紹介します。 リフォームローンの特徴 リフォームローンとは、住宅の修繕や増改築、設備の交換などを行う際に借りられるローン商品です。建物の老朽化で、屋根や外壁、内装、水回りの改修などが必要な場合や、中古住宅を購入する場合などに活用できます。 関連記事はこちらリフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説 リフォームローンは、「担保の有無」「金利タイプ」「資金使途」などの項目で金融機関ごとに特徴があります。それぞれ確認していきましょう。 担保の有無 リフォームローンは、「有担保型」と「無担保型」の2つに分けられます。 有担保型:リフォームする住宅を担保に入れる 無担保型:担保不要で借り入れができる 一般的に、有担保型は無担保型よりも低金利で借入限度額が大きく、長期間の借り入れが可能です。ただし、担保物件の審査も必要なため時間がかかり、抵当権設定費用などの負担も生じます。 対して無担保型は、有担保型よりも審査が早く、登記費用もかかりませんが、有担保型より金利は高めで、借入限度額も小さい傾向にあります。まとまった資金を借り入れる場合は有担保型、小規模のリフォームを行う場合は無担保型が向いているでしょう。 金利タイプ リフォームローンの金利タイプは、住宅ローンと同様に変動金利と固定金利の2種類があります。 変動金利:市場金利の変化に応じて定期的に金利が見直される 固定金利:契約時から返済終了まで金利が変わらない 変動金利は、固定金利に比べて契約時の金利が低いのがメリットです。ただし、返済期間中に市場金利が上昇すると、適用金利も上昇して総返済額が増加します。 固定金利は契約時に月々の返済額や総返済額が固定されるので、返済計画を立てやすく、金利上昇リスクを回避できるのが特徴です。 返済期間が短い場合は変動金利タイプ、返済期間が長い場合や将来の金利上昇に備えたい場合は固定金利タイプが適しているでしょう。 資金使途 リフォームローンでは、リフォーム費用のみを借り入れる商品のほかに、中古住宅の購入費用とリフォーム費用をまとめて借り入れる「リフォーム一体型ローン」もあります。 リフォーム一体型ローンは、中古住宅を購入してリフォームする場合に利用できます。住宅ローンとリフォームローンを別々に契約する必要がなく、1つにまとめることができるため、返済状況を管理しやすいでしょう。 住宅金融支援機構のリフォームローン ここでは具体例として、住宅金融支援機構が提供するリフォームローンを3つ紹介します。 グリーンリフォームローン グリーンリフォームローンは、一定の基準を満たす省エネリフォーム工事に対する融資です。住宅の省エネルギー化によって環境負荷の低減と、健康で快適な生活を実現するため2022年に開始しました。 融資額は最大500万円です。融資手数料は無料で、無担保・無保証で利用できます。融資を利用するには、工事着工前に適合証明の申請や工事計画内容の確認が必要です。 出典)住宅金融支援機構「グリーンリフォームローン」 リフォーム融資(耐震改修工事) リフォーム融資(耐震改修工事)とは、住宅の耐震改修または耐震補強の工事に対する融資です。融資限度額は1,500万円で、住宅部分の工事費が上限となります。融資手数料無料・無保証で利用できますが、抵当権の設定は必要です(融資額が300万円以下の場合は不要)。 出典)住宅金融支援機構「リフォーム融資(耐震改修工事)」 リフォーム融資【高齢者向け返済特例】 リフォーム融資【高齢者向け返済特例】とは、満60歳以上の人を対象としたリフォームローンです。部分的バリアフリー工事やヒートショック対策工事、耐震改修工事を含むリフォームを行う場合に利用できます。融資限度額は1,500万円です。 毎月の支払いは利息のみで、借入金の元金は申込人が亡くなったときに、相続人が融資対象住宅の売却や自己資金などにより一括返済する仕組みになっています。 出典)住宅金融支援機構「リフォーム融資【高齢者向け返済特例】」 中古住宅の購入時に活用できるリフォームローン 住宅金融支援機構が提供しているリフォーム一体型の住宅ローンとして、フラット35リノベを活用できます。フラット35リノベとは、中古住宅の購入とあわせて一定の要件を満たすリフォームを実施すると、フラット35の金利が引き下げられる制度です。 中古住宅を購入後に自らリフォームを行う「リフォーム一体タイプ」、住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する「買取再販タイプ」の2つがあります。以下の図は、一般的な手続の流れです。 リフォーム一体タイプ ※1 リフォーム工事前の中古住宅について、【フラット35】の技術基準への適合状況を適合証明検査機関が確認します。リフォーム工事を行う住宅が中古マンションらくらくフラット35等の場合または買取再販タイプの場合は「事前確認」を省略することができます。 ※2 リフォーム工事後の中古住宅について、【フラット35】および【フラット35】リノベの技術基準に適合していることを適合証明検査機関が確認します。 ※3 リフォーム一体タイプの資金実行はリフォーム工事完了後となります。中古住宅の代金決済の際に「つなぎ融資」が必要な場合は、取扱金融機関にご相談ください(「つなぎ融資」は取扱金融機関等のローンです。)。 出典)フラット35「リノベ(中古住宅購入+リフォーム(融資手続))」 買取再販タイプ ※1 リフォーム工事前の中古住宅について、【フラット35】の技術基準への適合状況を適合証明検査機関が確認します。リフォーム工事を行う住宅が中古マンションらくらくフラット35等の場合または買取再販タイプの場合は「事前確認」を省略することができます。 ※2 リフォーム工事後の中古住宅について、【フラット35】および【フラット35】リノベの技術基準に適合していることを適合証明検査機関が確認します。 出典)フラット35「リノベ(リフォーム済み住宅の購入(融資手続))」 金利引き下げメニューは、住宅の要件(省エネルギー性、耐震性など)に応じて「金利Aプラン」と「金利Bプラン」の2種類が用意されています。 ※2025年3月31日までの申込受付分に適用 子育て世帯は、フラット35の「子育てプラス」との併用が可能です。一定の要件を満たすと、子どもの人数などに応じて金利が引き下げられます。 出典) ・フラット35「家族構成と建て方に合わせた組合せで金利を引下げ!ポイント早見表 ・フラット35「子育てプラスとは?」 関連記事はこちらフラット35の子育て支援とは?金利引き下げの条件や注意点を解説 リフォームローン借り入れまでの流れ 金融機関でリフォームローンを組む場合、一般的な手続きの流れは以下のとおりです。 仮審査の申し込み 仮審査の結果通知 本審査の申し込み 本審査の結果通知 契約手続き 融資実行 借り入れまでの流れや必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。 まとめ リフォームの工事費用を自己資金でまかなうのが難しい場合、リフォームローンを利用すれば必要な資金を準備できます。リフォームローンは、金融機関によって担保の有無や金利タイプ、資金使途などが異なります。工事規模や予算などに合わせて最適な商品を選びましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • 仮住まいの費用を安く抑えてリフォーム・建て替えを行うには?

    仮住まいの費用を安く抑えてリフォーム・建て替えを行うには?

    大規模なリフォームや建て替え等を行う際には、仮住まいが必要になります。 この記事では一般的な仮住まいとしてどのような選択肢があるのか、それぞれのメリットと注意点、費用などについて解説します。 仮住まいが必要となる3つの事例 仮住まいが必要になる事例として以下の3つが考えられます。 ①大規模なリフォームやリノベーション 1つ目は、大規模なリフォームやリノベーションをする場合です。部分的な工事であれば、仮住まいを必要としない場合もありますが、大規模になると安全面や騒音などの理由から仮住まいが必要になります。仮住まいが必要な期間は工事内容によって変わるので、仮住まいを探す前にあらかじめ工事期間を確認しておきましょう。 関連記事はこちらリフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説 ②建て替え 2つ目は、建て替えをする場合です。もともと住んでいた家を取り壊すため、新しい家が建つまでの間の仮住まいが必要になります。基本的に建て替えの工事期間はリフォームやリノベーション比べて長いため、仮住まいが必要な期間も長くなります。 関連記事はこちら建て替えとリフォームはどちらがいい?判断する基準を解説 ③住み替え(売り先行) 3つ目は、売り先行で住み替えをする場合です。売り先行とは、住み替えの際に先に現在住んでいる家を売却してから、新しい家を探して購入する方法です。新しい家を買う前に自宅を売却してしまうため、新しい家が見つかるまでの間は仮住まいが必要になります。 4つの仮住まいの選択肢 仮住まいには、主に4つの選択肢があります。ここでは、ほかの選択肢と比べた際のメリットと注意点をそれぞれ解説します。 ①マンスリーマンション 1つ目は、マンスリーマンションを借りる方法です。マンスリーマンションとは、その名のとおり1ヶ月単位での短期入居を想定した賃貸マンションです。マンスリーマンションには、以下のようなメリットがあります。 短期契約が可能 手続きが楽 初期費用が安い マンスリーマンションは1ヶ月単位での短期契約が可能な点がメリットです。家具家電は備え付けられており、電気・ガス・水道などは運営会社が開通手続きを行ってくれます。 快適なインターネット環境を完備している物件も多いため、引越し手続きの負担が大幅に軽減されるのが魅力です。また、一般的な賃貸物件のように敷金・礼金などはかからず、初期費用は清掃費のみのため安く済みます。 一方、注意点としては以下のとおりです。 物件の選択肢が少ない 内見できないところが多い 家賃が高い 自分の家具や家電の収納場所を別途用意する必要がある マンスリーマンションは物件数が限られているため、希望に合った部屋を見つけるのは難しい側面があります。加えて、入居者の入れ替わりが多いことから内見に応じてもらえないことも多いです。 また、初期費用が安い反面、家賃設定は一般的な賃貸と比べて高いので、長期で借りるとかえって費用がかかる恐れもあります。なお、マンスリーマンションは利用期間分の賃料を一括前払い制としている場合が多いため、入居期間をあらかじめ明確にしておかなければなりません。 ②ホテル 2つ目は、ホテルを利用する方法です。ホテルの場合は、以下のようなメリットがあります。 手続きが楽 家具やアメニティなどがそろっている 駅近などの便利な立地に多い ホテルは契約や審査が不要であり、その日に予約をとって利用することができます。また、家具やアメニティの準備は不要であり、掃除も基本的にホテルの従業員が行ってくれる点も魅力です。さらに、駅近などの便利な立地に建てられることが多いため、利便性も高いのがメリットです。 一方、注意点としては以下のとおりです。 1泊あたりの費用が高い 自分の家具や家電の収納場所を別途用意する必要がある ホテルは1泊あたりの費用が高いため、長期滞在をすると費用が膨らんでしまいます。また、家具・家電を置けるスペースがないため、別途で倉庫などを借りる必要もあります。仮住まいが必要な期間が短い場合は検討しても良いでしょう。 ③一般的な賃貸物件 3つ目は、一般的な賃貸物件を借りる方法です。通常の賃貸物件には、以下のようなメリットがあります。 物件の選択肢が多い 取り扱われている物件数が多いため、「駅近」や「駐車場付き」、「ファミリー向けの間取り」「ペット可」など、立地や条件の選択肢が幅広いのが特徴です。 一方、注意点としては以下のとおりです。 初期費用が高い 短期契約が難しい 賃貸物件を借りる際には、敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用がかかります。加えて、一般的な普通借家契約では2年間を契約期間とする場合が多いため、短期での入居を断られてしまう恐れもあります。あらかじめ不動産会社に仮住まいとして利用することを相談しておいたほうが良いでしょう。 ④UR賃貸住宅 4つ目は、UR賃貸住宅を借りる方法です。UR賃貸住宅とは、独立行政法人都市再生機構が取り扱う賃貸物件のことです。仮住まいとしても利用が可能であり、以下のようなメリットがあります。 短期契約が可能 初期費用が安い UR賃貸住宅は礼金や仲介手数料がなく、初期費用が一般的な賃貸と比較して安い点が特徴です。短期違約金などはなく、解約日の2週間前に予告すれば退去ができるため、短期間での利用にも適しています。 一方、注意点としては以下のとおりです。 物件の選択肢が少ない 収入に関する独自の審査基準がある UR賃貸住宅そのものの物件数が限られているため、希望の物件が見つからない恐れがあります。また、入居は原則として先着順のため、人気のエリアであればあるほど借りるのが難しくなります。 それ以外の注意点としては、収入に関する独自の審査基準があることが挙げられます。UR賃貸住宅を検討する際には、しっかりと確認しておきましょう。 出典)UR賃貸住宅「お申込み資格」 仮住まいの費用を安く抑えるポイント 仮住まいの費用を抑えるためには、仮住まいが必要な期間に合わせた選択肢を考えることが大切です。仮住まいを探す際には、一般的な賃貸物件以外の選択肢を検討せざるを得ないでしょう。 引越し費用やトランクルーム利用料を抑えるためには、あらかじめ不要な荷物を処分しておくことも重要です。リフォームや建て替えを機に、家具・家電の入れ替えを検討してみるのも良いでしょう。 また、繁忙期を避ければ引っ越し費用も抑えることができます。 なお、一般的な賃貸物件を探すなら、「定期借家」も有力な選択肢となります。定期借家とは借りられる期間が定められている物件のことであり、契約更新ができない分、家賃が安く設定されていることもあります。 関連記事はこちら定期借家契約と普通借家契約の違いとは? まとめ 最適な仮住まい先は、仮住まいが必要な期間によって異なります。まずはスケジュールを把握し、仮住まいが必要な期間を明らかにしておくことが大切です。一般的な賃貸物件だけでなく、紹介したマンスリーマンションやUR賃貸住宅などにも選択肢を広げることで、最適な仮住まい先を探しましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 仮住まいなしで住み替えをする5つの方法 持ち家の方が自宅を住み替える場合、住み替えの方法によっては仮住まいが必要です。 仮住まいとして賃貸物件を借りると、毎月の家賃だけでなく、引っ越し費用や敷金・礼金などの費用もかかります。また、...記事を読む

  • 建て替えとリフォームはどちらがいい?メリット・デメリット、判断する基準を解説

    建て替えとリフォームはどちらがいい?判断する基準を解説

    築年数の経過やライフスタイルの変化などに応じて、住宅の建て替えやリフォームを検討することがあるでしょう。 建て替えとリフォームの特徴を知っておけば、どちらが自分に合っているか判断しやすくなります。この記事では、建て替えとリフォームのどちらがいいか迷っている方に向けて、双方のメリットやデメリット、どちらが向いているかを判断する基準の例を解説します。 建て替えのメリット・デメリット まずは、建て替えのメリットとデメリットについて解説します。 建て替えのメリット 建て替えの主なメリットは以下の2点です。 ①建物の構造や間取りを最初から見直せる 建て替えの場合、工事内容が既存住宅の構造や間取りに左右されることがありません。希望に沿った建物の構造や間取り、仕上がりなどを一から見直すことができます。 ②耐震性をより高めることができる 建築基準法と住宅瑕疵担保履行法により、建て替えの際には必ず地盤調査が行われます。耐震性を高めたい場合、地盤調査のうえで耐震改修工事ができる点は大きなメリットです。また、必要に応じた地盤改良も可能です。 出典)一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険全般に関するご質問(地盤編)」 建て替えのデメリット 建て替えの主なデメリットは以下の2点です。 ①時間と手間がかかる 既存建物の解体と建築を行うため、完成までにまとまった期間が必要になります。加えて工事の間は仮住まいで過ごす必要があるため、仮住まいや引っ越しなどの手間もかかります。 ②費用が高い 建て替えには、建築費用以外に既存建物の解体費用や仮住まいの費用、引っ越し費用などが必要です。なお、経済産業省の「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、建て替え費用の平均額は3,299万円という結果が出ています。あくまで平均値ですが、一つの目安にはなるでしょう。 出典)国土交通省 住宅局「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」 リフォームのメリット・デメリット 続いて、リフォームのメリットとデメリットについて解説します。 リフォームのメリット リフォームの主なメリットは以下の2点です。 ①時間や手間、費用を抑えられる 必要な部位のみリフォームを行えるため、建て替えと比べると工事の期間が短くなります。また、設備の交換などの小規模なリフォームであれば、住み続けたまま工事ができるので、仮住まいが必ずしも必要なわけではありません。 ②愛着のある家に住み続けられる 今住んでいる家に愛着がある場合、建物の原型を大きく変えられないことはメリットにもなります。人によっては壁や柱の傷や汚れも想い出になっているかもしれません。そのような部位は残しつつ、必要な修繕のみ行うことも可能です。 リフォームのデメリット リフォームの主なデメリットは以下の2点です。   ①住宅性能や耐震性の向上には限界がある 部分的なリフォームをする場合、住宅を支える柱や梁を変更、補強しない限りは住宅性能を上げるには限界があります。また、地盤が悪い場合には地盤改良が必要ですが、建築されている状況だと工事が不可能です。 ②希望どおりの間取りになるとは限らない リフォームの場合、建て替えのように自由に構造や間取りを変更することは困難です。工事内容が既存住宅の構造や間取りによって制限されてしまうため、自身の希望する工事ができない場合もあります。自身の希望どおりの工事が可能かどうか、リフォーム業者にしっかりと確認しておくことが大切です。 建て替えかリフォームかを判断するポイント 建て替えとリフォームのメリットとデメリットを把握したうえで、自身の状況に合う方を選択することが大切です。一つの参考として、建て替えが向いている場合とリフォームが向いている場合を、それぞれご紹介します。 建て替えが向いている場合 建て替えが向いている例として、下記の場合が挙げられます。 家の構造や間取りを大きく変更したい 耐震性に不安があり、地盤から見直したい 子供や孫世代に家を引き継ぎたい リフォーム費用が同程度かかる 基本的には大規模な工事を行いたい場合には、建て替えが向いているといえます。その分費用は大きくなるので、自己資金や住宅ローンの条件なども踏まえて検討することが大切です。 リフォームが向いている場合 リフォームが向いている例として、以下の場合が挙げられます。 家全体の状態は良く、一部の工事で済む 家の構造や間取りを大きく変える必要がない 子供や孫世代に家を引き継ぐ予定がない 費用や手間をできるだけ抑えたい 小規模な工事で済む場合、もしくは済ませたい場合にはリフォームが向いているといえます。また、費用面を比較する際には、リフォームの補助金も含めて検討することが大切です。 関連記事はこちら【令和5年版】リフォームで活用できる補助金の種類と金額の目安 選ぶときの注意点 ここで紹介した建て替えが向いている場合とリフォームが向いている場合は、あくまで一例にすぎません。もしどちらかに当てはまったとしても、実際に両方の見積もりを行うなどして、しっかりと比較することが大切です。 また、建て替えとリフォームのどちらかを選択する上で、自宅の状態を適切に把握することも大切です。ご自身で判断するのが不安な場合は、専門家に建物状況調査を依頼するのも一つの手段として有効です。 関連記事はこちら建物状況調査とは?メリット・デメリットと手続きの流れを解説 まとめ 建て替えとリフォームでは、それぞれメリットとデメリットがあるため、十分に比較をしてからどちらが合っているかを決める必要があります。費用面だけでなく、家族構成やライフスタイルの変化を踏まえた中長期的な視点で考えていくことが重要です。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 老後は家の建て替えが必要?資金はどうやって準備する? 子どもが独立したり、定年が近づいてきたりすると、老後の住まいについて考える機会が増えるのではないでしょうか。戸建てに住んでいる場合は、住み替えやリフォームだけでなく、建て替えも検討するかもし...記事を読む

  • リフォーム瑕疵保険とは?加入方法や適用条件を解説

    リフォーム瑕疵保険とは?加入方法や適用条件を解説

    住宅のリフォームを検討する際は、工事の依頼先を慎重に選ぶことが重要です。しかし、何らかのトラブルが生じたときに備えて、補償を受けられる保険に加入しておきたいと考えることもあるでしょう。 もしもの場合に備えた保険として、リフォーム瑕疵保険というものがあります。この記事では、リフォーム瑕疵保険の基本的な仕組みや加入方法、適用条件などを解説します。 リフォーム瑕疵保険とは リフォーム瑕疵保険とは、リフォーム時の検査と保証がセットになった保険制度です。国土交通大臣が指定した住宅専門の保証会社である、住宅瑕疵担保責任保険法人(以下保険法人という)が保険を引き受けます。2023年3月時点で指定されている保険法人は以下のとおりです。 株式会社住宅あんしん保証 住宅保証機構株式会社 株式会社日本住宅保証検査機構 株式会社ハウスジーメン ハウスプラス住宅保証株式会社 リフォーム工事業者(以下事業者という)側が上記5法人のいずれかと保険契約を締結することで、リフォーム瑕疵保険に加入できます。リフォーム瑕疵保険へ加入する義務はないため、基本的にはリフォーム発注者(以下発注者という)側が事業者側に依頼をして加入してもらう流れになります。 リフォーム瑕疵保険の保証期間 リフォーム瑕疵保険では、リフォームの内容によって保証期間が1年・5年・10年(増築特約)のいずれかになります。各期間のリフォーム内容は以下のとおりです。 保証期間1年 壁のひび割れや建具の不具合などが該当します。建物の構造上は問題がないものでも、社会通念上において必要とみられる部分について保険金が支払われます。 保証期間5年 柱・壁などの構造上必要な部分や屋根・外壁など防水機能を保つ必要がある部分などが該当します。十分な耐力性能、防水性能を満たしていないときに保険金が支払われます。 保証期間10年(増築特約) 増築工事を行う場合は、基礎部分を追加する場合の工事のみが10年の保証対象となります。適用条件については保証期間5年の場合と同様ですが、増築工事部分の内装工事などは含まれないので注意が必要です。 リフォーム瑕疵保険の保険金額 工事に欠陥が見つかった場合に施主に対して支払われる保険金額については、あらかじめルールが定められています。一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会によれば、支払いの対象となるのは事故を補修するための費用、もしくは方法などを決めるための調査費、転居または仮住まいを余儀なくされたときに発生する費用となっています。 また、保険金の計算式については次のとおりです。 保険金支払額=(修補費用等-10万円)×80% 上記計算式のとおり、かかった費用の100%分の保険金が事業者に支払われるわけではなく、足りない部分は事業者が負担することになります。ただし、リフォーム工事を行った事業者が倒産した場合には、居住者に対して100%の金額が支払われます。万が一修理が必要になっても、発注者側に負担が発生しないような仕組みになっているのが特徴です。 リフォーム瑕疵保険のメリット リフォーム瑕疵保険に加入するメリットは以下のとおりです。 第三者の検査が受けられる リフォーム瑕疵保険では、発注者と事業者のどちらとも利害関係のない第三者検査員(建築士)によって、現地検査が行われます。また、検査基準が設計施工基準によって明確に定められています。専門的知識を持った第三者が明確な基準に則って検査を行っているため、質の高い施工を確保できます。 基本的にすべてのリフォームが保証の対象となる リフォーム瑕疵保険では、発注者と事業者が締結した工事請負契約に基づくリフォームであれば、基本的にすべてのリフォームが保証の対象となります。ただし、外構や庭工事など、住宅の建物自体に付帯しないリフォームは対象外となります。 優良なリフォーム会社を見分ける1つの基準となる 事業者がリフォーム瑕疵保険に加入するには、先に紹介した保険法人が設ける一定の基準を満たし、事業者登録を受ける必要があります。さらに、一度加入した事業者であっても、保険事故(欠陥リフォーム)を多数起こしてしまった技術的な問題のある事業者は登録を抹消されます。したがって、リフォーム瑕疵保険に加入しているかどうかは、優良なリフォーム会社を見分ける判断基準の1つとなるでしょう。 なお、リフォーム瑕疵保険の加入事業者は一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会 のWebサイトで検索することができます。リフォーム事業者を選ぶ際には、リフォーム瑕疵保険に加入しているかどうかを確認してみましょう。 出典)一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険を利用する登録事業者等の検索」 工事に瑕疵があっても安心 リフォーム後に瑕疵が見つかったとしても、事業者が保険法人に対して補償を求め、その保険金で修理を受けることができます。また、万が一事業者が倒産していた場合でも、発注者が直接保険法人に対して補償を求め、その保険金で別の事業者に修理を依頼できます。したがって、リフォーム瑕疵保険があれば、リフォームに瑕疵があっても安心です。 リフォーム瑕疵保険のデメリット リフォーム瑕疵保険への加入は多くのメリットがある一方で、少なからずデメリットも存在します。リフォーム瑕疵保険に加入するデメリットは以下のとおりです。 検査によって工期が延びる恐れがある リフォームが完了してから行われる現場での検査は、原則として1回となっています。ただし、リフォームの内容によっては工事の途中にも行われる場合があり、それによって工期が延びてしまう恐れがあるので注意が必要です。 入居日が後ろ倒しになる可能性もあるため、事前によく打ち合わせを行ったうえで、スケジュールに問題がないかを確認しておきましょう。 一方で、事業者以外の第三者機関が複数回検査に訪れてくれることは、発注者にとっては安心につながるので、デメリットだけであるとも限らないでしょう。 出典)住宅保証機構「まもりすまいリフォーム保険・まもりすまい大規模修繕かし保険手続き・設計施工基準・現場検査」 リフォーム瑕疵保険の適用条件と注意点 リフォーム瑕疵保険に入ることを検討するときは、加入方法や適用条件についても押さえておきましょう。対象となる住宅や工事内容などを解説します。 リフォーム瑕疵保険の対象となる住宅 リフォーム瑕疵保険の対象となる住宅の条件として、以下のものが挙げられます。 建物の一部にかかる増築や改修・補修の工事を行う住宅が対象 建物の構造や工法、築年数は問われない 「住宅保証機構指定の保証書」で、リフォーム工事請負契約に基づいた「瑕疵担保責任」の契約をしていること 設計施工事基準(住宅保証機構が定めているもの)に適合するリフォーム工事であること 「構造耐力上主要な部分」をリフォームする場合は、新耐震基準に適合した住宅であること あくまで住宅に関する部分に保険が適用されるため、外構部分や建物の解体などについては、保証対象外となります。 リフォーム瑕疵保険の加入方法 リフォーム瑕疵保険は、事業者が加入する保険です。事業者にリフォーム瑕疵保険の加入義務はないため、リフォーム瑕疵保険に加入したい場合はその旨を事業者側に伝える必要があります。 その後、既に事業者が保険法人に登録を受けている場合であれば、そのまま保険の申し込みに進めます。一方で、事業者がまだ登録を受けていない場合は、事業者登録に時間を要する恐れがあるので注意が必要です。 なお、保険の申し込みは事業者側が行いますが、発注者側も事業者から保険に関する説明を受ける、必要書類に記名押印をする、などの手続きを行う必要があります。 まとめ リフォーム瑕疵保険は検査と保険がセットになった仕組みであり、リフォーム工事で欠陥が見つかった際に必要な補償を受けられます。また、リフォーム工事が完了した後に、専門家による検査を受けられるので品質の高い工事が期待できるでしょう。 加入は事業者を通じて行う必要があるため、見積もりの際に伝えておく必要があります。もしものときに備えて、必要な準備を検討しておくことが大切です。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【令和5年版】リフォーム減税の対象工事・申請の流れ・注意点 自宅のリフォームを行う際、内容によってリフォームの減税制度の対象となる場合があります。リフォームの減税制度にはいくつかの種類があるので、仕組みや条件、それぞれの特徴を正しく理解することが大切...記事を読む

  • 【2023年版】リフォーム減税はどのような工事が対象?申請の流れ・注意点

    【令和5年版】リフォーム減税の対象工事・申請の流れ・注意点

    自宅のリフォームを行う際、内容によってリフォームの減税制度の対象となる場合があります。リフォームの減税制度にはいくつかの種類があるので、仕組みや条件、それぞれの特徴を正しく理解することが大切です。 この記事では、2022年度の税制改正の内容を踏まえて、現行のリフォームの減税制度の内容について解説します。また、利用するために必要な手続きも併せて見ていきましょう。 リフォームの減税制度とは リフォームの減税制度では、一定の要件を満たすリフォームを行った場合に減税を受けられます。リフォームの減税制度は全部で5種類あり、各減税制度によって対象となるリフォームの内容が異なります。各リフォームの減税制度と、対象となるリフォームの内容は以下のとおりです。 出典)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームガイドブック(令和4年度版)目次/概要」 前半部分では各リフォームの減税制度について、後半部分では対象となるリフォームの具体的な工事内容について解説します。 1.所得税の控除 所得税を対象としたリフォームの減税制度は、リフォーム促進税制と住宅ローン減税の2種類があります。2つの制度を併用することはできないため、自身の状況を踏まえてどちらかを選択する必要があります。まずはそれぞれの特徴や注意点について解説します。 リフォーム促進税制 リフォーム促進税制とは、特定の性能向上リフォームを行った場合に利用できる減税制度です。後程説明する住宅ローン減税とは異なり、リフォームローンの有無にかかわらず利用できます。このリフォーム促進税制は、リフォーム費用を大きく3つに分類し、控除額を計算します。 図中Ⓐは「10%控除の対象となる費用」です。図中Ⓐの限度額(以下10%控除限度額という)は、対象となる工事の内容ごとに定められています。なお、上記①~⑤に複数該当するリフォームを行う場合、該当した分だけ10%控除限度額が大きくなります。ただし、⑤長期優良住宅リフォームは①耐震リフォームや③省エネリフォームと併用することができないので注意が必要です。リフォームの内容のごとの限度額は以下のとおりです。 リフォームの内容 10%控除限度額 ①耐震リフォーム250万円 ②バリアフリーリフォーム200万円 ③省エネリフォーム250万円※ ④三世代同居対応リフォーム250万円 ⑤長期優良住宅リフォーム250万円※ ※太陽光パネル設置の場合350万円 図中Ⓑは「5%控除の対象となる費用」です。図中Ⓑの限度額は、1,000万円-Ⓐで計算できます。内訳としては、10%控除限度額を超過してしまった費用と、①~⑤に該当しないリフォームにかかる費用の2種類です。 図中Ⓒは「控除の対象とならない費用」です。リフォーム費用総額のうち、1,000万円を超えた部分については控除の対象となりません。なお、図中Ⓐ+Ⓑが1,000万円を超えない場合、Ⓒの費用が発生することはありません。 リフォーム費用をⒶ、Ⓑ、Ⓒの3つに分類したうえで、Ⓐ×10%+Ⓑ×5%が控除額となります。 注意点として、計算に用いられるリフォーム費用は、国土交通大臣が工事内容ごとに定めた「標準的な工事費用相当額」を用いて計算した金額であることが挙げられます。実際にかかった費用ではないので、あらかじめ金額を確認しておくことが重要です。 出典)国土交通省ホームページ 住宅ローン減税 住宅ローン減税は、住宅の購入にあたって住宅ローンを組む場合に利用できる制度ですが、リフォームローンを組む場合でも利用できます。利用条件は以下のとおりです。 ①償還期間が10年以上であること ②リフォーム費用合計額(補助金を控除した金額)が100万円を超えていること ③対象となる第1号~第6号工事のいずれかに該当する工事であり、建築士・指定確認検査機関・登録住宅性能評価機関・住宅瑕疵担保責任保険法人の証明を得ること ④その他リフォームを行う住宅等の条件を満たすこと 出典)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「リフォーム減税制度の概要 Ⅵ.住宅ローン減税編」 住宅ローン減税は、10年間にわたって毎年の「年末ローン残高の0.7%」が所得税から控除されます。リフォーム費用分にあたる年末ローン残高(上限2,000万円)×0.7%の控除が受けられるので、1年あたりの最大控除額は14万円までとなります。 2.固定資産税の減額 固定資産税を対象としたリフォーム減税は、対象となるリフォーム工事をした翌年度の固定資産税額のうち、一定割合を控除する仕組みです。具体的な減額割合はリフォームの内容によって以下のように異なります。 リフォームの内容 減額割合 家屋面積の上限 ①耐震リフォーム1/2120㎡相当分まで ②バリアフリーリフォーム1/3100㎡相当分まで ③省エネリフォーム1/3120㎡相当分まで ④三世代同居対応リフォーム減額なし- ⑤長期優良住宅リフォーム2/3120㎡相当分まで 上記のように、リフォームの内容によって家屋面積に上限がある点に注意しておきましょう。併用は基本的にできませんが、バリアフリー+省エネリフォームの場合のみ併用が可能です。 3.贈与税の非課税措置 親などから資金援助を受けてリフォームする場合、条件によっては贈与税の非課税措置が利用可能です。贈与税には基礎控除が設けられており、そもそも贈与資金が年間110万円までであれば、どのような用途であっても原則非課税となります。 そのうえで、親や祖父母などからリフォーム資金の贈与を受ける場合は、一定の条件を満たすことで最大1,000万円までが非課税となります。条件には面積や最低工事費用、贈与を受ける人の年齢といったさまざまなものがありますが、一般的なリフォームであれば、自然と満たしているものが多いのも特徴です。 出典)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「リフォーム減税制度の概要 Ⅶ.贈与税の非課税措置編」 4.登録免許税の特例措置 個人が対象となるリフォームが行われた住宅を購入した場合、所有権移転登記に係る登録免許税の特例措置の対象となります。通常は課税標準額×2%の登録免許税がかかるところが、0.1%まで軽減されます。特例を受けるためには、申請書類を法務局に提出する必要があります。リフォームが行われた住宅を購入する場合には、売り主や仲介会社に書類について確認してみましょう。 なお、中古住宅を購入した後にリフォームを行う場合は対象外となります。 出典)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「リフォーム減税制度の概要 Ⅷ.登録免許税の特例措置編」 5.不動産取得税の特例措置 宅地建物取引業者が中古住宅を購入する場合、対象のリフォームを行ったうえで個人に譲渡することを条件に、不動産取得税の控除を受けることができます。また、個人が新耐震基準を満たしていない中古住宅を購入し、購入後に耐震リフォームを行う場合も、不動産取得税の控除を受けることができます。 どちらの場合も、購入する中古住宅の新築日の日付に応じて控除額が決定します。新築日が前であるほど控除額は小さくなります。 出典)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「リフォーム減税制度の概要 Ⅸ.不動産取得税の特例措置編」 リフォームの減税制度が適用される工事の種類 リフォームの減税制度を利用するためには、適用される工事であるかどうかを事前に確認することが大切です。ここでは、適用対象となる工事の種類を具体的に見ていきましょう。 耐震リフォーム 耐震リフォームとは、住宅の耐震化に関するリフォーム工事のことを指します。主に古い耐震基準で建てられた建物について、現行の耐震基準に適合するように行われる補強・改修を行う工事のことです。 バリアフリーリフォーム バリアフリーリフォームとは、高齢者や障がい者が安全かつ快適に生活するために必要なリフォーム工事のことです。具体的な施工内容としては、「通路等の拡幅」「階段の勾配の緩和」「浴室改良」「段差の解消」などの工事が対象となります。 要介護もしくは要支援の認定を受けている人や、高齢者・障がい者が居住していることなどが、リフォームの減税制度の適用条件となっています。 省エネリフォーム 省エネリフォームとは、住宅の省エネ性能を上げるためのリフォーム工事のことです。具体的な施工内容としては、「窓や壁などの断熱工事」「高効率空調機の設置工事」「太陽光発電設備の設置工事」などが該当します。注意点として、リフォーム減税の適用には窓の断熱工事が基本的に必須とされていることが挙げられます。 同居対応リフォーム 同居対応リフォームとは、親と子・孫の三世代が同居をするためのリフォーム工事のことです。具体的な施工内容としては、「キッチン」「浴室」「トイレ」「玄関」のいずれかの増設工事を指し、このうち2つ以上の設備が複数ある場合、リフォームの減税制度の対象となります。 ただし、あくまでも「同居」が条件であるため、離れなどに増設した場合は対象とならない点に注意が必要です。 長期優良住宅化リフォーム 長期優良住宅化リフォームとは、シロアリ対策や耐震補強といった住宅の耐久性を高めるためのリフォーム工事のことです。具体的な施工内容としては、「外壁を通気構造等とする工事」「浴室または脱衣室の防水性を高める工事」「シロアリ対策」「断熱リフォーム」など11種の工事が対象であり、長期優良住宅の認定を取得することでリフォームの減税制度が利用できます。 主なリフォーム費用の相場や活用できる補助金については、以下の記事で詳しく解説されているので、参考にしてみてください。 関連記事はこちらリフォーム費用の相場と安く抑えるコツ リフォームの減税制度の申請方法 リフォームの減税制度を利用するためには、工事を行ったあとに自分で申請手続きを行う必要があります。ここでは、申請のタイミングと必要書類について解説します。 工事を行った翌年に確定申告を行う リフォームの減税制度を利用する場合、確定申告を行う必要があります。リフォーム工事の完了日、あるいは工事契約書に記された日付を基準日とし、その翌年の2月中旬~3月中旬にかけて申告しなければなりません。 なお、会社員などの給与所得者であっても、制度を利用するためには自分で確定申告を行う必要があります。ただし、翌年以降は勤務先の年末調整で手続きを済ませられるため、負担が大幅に軽減されます。 ただし、利用するリフォームの減税制度によっては、確定申告以外にも手続きが必要な場合もあります。 例えば、固定資産税のリフォームの減税制度を利用する場合は、工事が完了してから3ヶ月以内にお住まいの都道府県・市区町村に申請する必要があります。 必要書類は工事内容によって異なる リフォームの減税制度を利用するには、リフォーム工事が適用条件を満たしているかを証明するための書類を提出する必要があります。必要書類は利用する制度や工事内容によっても異なりますが、以下のようなものが挙げられます。 確定申告書 登記事項証明書 増改築等工事証明書等 工事請負契約書 住宅ローン残高証明書 住宅耐震改修証明書(耐震リフォームの場合) 介護保険の被保険者証の写し(バリアフリーリフォームの場合) 必要書類のなかには、工事を担当した施工会社に用意してもらう必要がある場合もあります。そのため、国税庁のホームページなどで確認しておくとともに、施工会社にも必要な手続き・書類について相談しておくと安心です。 まとめ リフォームの減税制度にはさまざまなものがあります。各制度の利用条件を確認し、どのリフォームの減税制度を利用できるかを確認することが大切です。 また、リフォームの減税制度を利用するためには、必要書類を整えたうえで確定申告による手続きを行う必要があります。利用条件だけでなく、必要な手続きについても忘れずに調べておきましょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 【令和5年版】リフォームで活用できる補助金の種類と金額の目安 住宅のリフォームを検討する際には、補助金制度の仕組みにも目を向けて計画を立てるのがおすすめです。補助金には全国一律で適用されるものと、自治体ごとに独自で設けられているものがあるので、あらかじ...記事を読む

  • リフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説

    リフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説

    建物の改装を検討するときには、リフォームとリノベーションのどちらが適しているのかを見極めることが大切です。この記事では、リフォームとリノベーションの基本的な違いについて解説します。 また、施工内容ごとにかかる費用の目安を詳しく見ていきましょう。 リフォームとリノベーションの違い リフォームとリノベーションはどちらも住宅の改築や改修の際に用いられる用語ですが、それぞれに明確な定義はありません。ここでは一般的に用いられる用語の解説をします。 目的の違い 「リフォーム(reform)」は、住宅改修を指す際に用いられる和製英語です。一般的には、「原状回復のための修繕営繕不具合箇所への部分的な対処すること」とされています。経年劣化による設備の損傷を補修したり、古くなった水回り設備を交換したりして、新築に近い状態まで戻すのがリフォームの目的です。 一方、「リノベーション(renovation)」は、一般社団法人リノベーション協議会によると、「中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修を行うこと」とされています。壁を取り払って広い部屋を確保したり、配管を変更してキッチンを移動したりと、住まいの価値を高めたり、自分好みの住環境を実現したりするのがリノベーションの目的です。 出典)一般社団法人リノベーション協議会「リノベーションとは」 工事規模の違い 工事が大規模である際に用いられるのは、リフォームではなくリノベーションである場合が多いです。 リフォームはあくまで新築に近い状態に戻す目的のため、クロスの貼り替えや設備の交換、外壁の塗り替えなど部分的な施工が中心となります。工事の範囲が一部だけであれば、居住しながら作業してもらえる場合もあります。 一方、リノベーションは住まいの価値を高めたり、自分好みの住環境を実現したりする目的のため、間取りの変更や配管の改修などを伴います。そのため、リフォームと比較すると大がかりな施工が中心と言えます。 リフォーム・リノベーションの費用相場 リフォームにしろリノベーションにしろ、施工内容によって費用が大きく変わります。ここでは、国土交通省の『事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会における資料』を参考にしながら、主な施工内容について価格の目安を見ていきましょう。 出典)国土交通省『事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会第1回配布資料「部位別リフォーム費用一覧」』 設備・内装 設備や内装の施工については、それぞれ以下の金額が目安となります。 水回り 施工範囲 施工内容 目安費用 バス・洗面所バスタブの交換14~20万円 洗面台の交換20~50万円 システムバスの交換※戸建60~150万円 システムバスの交換※マンション50~100万円 洗面所の改装20~100万円 トイレ温水洗浄便座の設置8~16万円 トイレ全体の改装20~100万円 タンクレストイレへの交換30~50万円 キッチンIHコンロへの交換18~80万円 システムキッチン(I型)の交換40~80万円 システムキッチン(壁付→対面型)の交換75~200万円 キッチン全体のリフォーム80~400万円 アイランドキッチンへの改修300~450万円 水回りの改装については、新たに導入する設備の質によっても価格が大きく変動します。 内装 施工範囲 施工内容 目安費用 床畳の交換6~12万円 畳からフローリングに交換15~60万円 段差の解消8~20万円 床暖房の設置50~150万円 壁クロスの交換6~30万円 珪藻土のクロスに交換18~30万円 間取り2室を1室にまとめる50~80万円 和室から洋室への改修50~200万円 リビングの改修200~400万円 廊下の改修20~100万円 内装については、施工範囲に応じて価格の違いが生まれます。一室丸ごとの施工であれば、100万円を超える場合もあるため、予算に応じた慎重な計画を立てることが大切です。 外装・増築 続いて、外装・増築に関する施工費用の目安を見ていきましょう。(※戸建の目安) 施工範囲 施工内容 目安費用 屋根スレート屋根の塗り替え20~80万円 金属屋根の重ね葺き90~250万円 瓦屋根の交換70~120万円 外壁外壁材の重ね塗り50~150万円 サイディングの上貼り80~200万円 基礎耐震補強(金物の使用)20~60万円 耐震補強(基礎からの工事)100~200万円 増築増築300~2,000万円 減築800~2,600万円 二世帯住宅化800~2,500万円 その他雨どいの交換5~40万円 シロアリ防止処理15~30万円 増築や二世帯住宅化は、大規模なものになると、建て替えや新築の建築費とも変わらないほど高額なコストがかかる場合もあります。費用にそれほど差がないようであれば、リフォームを依頼する会社に、建て替えとどちらが適しているか相談してみることが大切です。 外構・その他 最後に、外構やその他の部分に関する費用の目安もご紹介します。 施工内容 目安費用 ウッドデッキの新設10~80万円 太陽光発電システムの導入200~300万円 オール電化への移行100~200万円 高効率給湯システムの設置55~100万円 太陽光発電や高効率給湯システムなど、エコに関するリフォームには一定の条件を満たすことで補助金を活用できる場合もあります。新たに設備を導入する際には大きな費用がかかるので、補助金やローンを活用しながら予算計画を立てましょう。 まとめ 一般的には、リフォームは古くなった状態を改修し、新築に近い状態まで回復させる施工を指します。一方、リノベーションは単なる改修だけでなく、間取りの変更などによって新たな付加価値を求める施工とされています。 実際に改修を依頼する際には、希望の施工内容によって費用が変わるため、部位別に目安金額を把握しておくと安心です。予算の範囲内で快適な住環境を整えられるように、計画を立てましょう。 >ご相談はこちら お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介 年齢を重ねてくると、購入当時の住まいでは生活のしづらさを感じる場面が増えてくるものです。ライフスタイルに合った住環境を作るために、選択肢の1つとしてリフォームを考えることもあるでしょう。しか...記事を読む

  • 【2022年度版】リフォームで活用できる補助金の種類や金額の目安、申請時の注意点を解説

    【令和5年版】リフォームで活用できる補助金の種類と金額の目安

    住宅のリフォームを検討する際には、補助金制度の仕組みにも目を向けて計画を立てるのがおすすめです。補助金には全国一律で適用されるものと、自治体ごとに独自で設けられているものがあるので、あらかじめ細かく情報収集することが大切です。 この記事ではリフォーム関連の補助金の種類やそれぞれの仕組み、利用条件などについて詳しく解説します。 補助金を活用できるリフォームの種類 一口にリフォームといっても、その内容は目的によって異なります。そして、どのような種類のリフォームを行うかによって、補助金の支給対象になるかどうかも変わります。 補助金を活用しやすいリフォームの代表的な種類は以下のとおりです。 介護・バリアフリーに関するリフォーム 介護やバリアフリーに関するリフォームでは、特定の施工内容について、介護保険を利用した住宅改修制度などの補助金を活用することができます。たとえば、トイレを和式から洋式に換える、浴室の扉を引き戸にするなど、介護に必要なリフォームは補助金の支給対象となります。 また、「手すりを設置する」、「床の段差を解消する」、「床を滑りにくい素材に変更する」といったバリアフリー化に関する施工も補助金の支給対象です。 省エネ・エコ・断熱に関するリフォーム 省エネやエコに繋がるリフォームでは、持続可能な住環境の推進を目的としたリフォームが補助金の支給対象となります。具体的には、窓や壁などの断熱リフォーム(複層ガラスの導入、内窓の設置など)、高効率給湯器(エコキュートなど)の設置、節水性の高いトイレに交換するといった施工が挙げられます。 また、太陽光発電システムや蓄電池といった「創エネ」に関する設備の導入にも、補助金制度を活用できる場合があります。 耐震診断・耐震改修に関するリフォーム 耐震診断や耐震補強工事といった基本的な安全性に関わるリフォームは、多くの自治体が補助金の支給対象としています。具体的には、専門家による耐震診断の費用や耐震補強・改修工事などが挙げられます。なお、旧耐震基準で建てられた建物(1981年5月31日以前に建築確認を受けた、倒壊リスクが高いとされる建物)であることが、利用条件に含まれる場合もあるため、注意が必要です。 また、自治体によっては、安全面や周囲への被害防止の観点から、倒壊の危険があるブロック塀の撤去や解体工事の費用についても補助金の支給対象としています。 テレワークに関するリフォーム 自治体によっては、「新しい生活様式」の推進に向けたテレワーク関連のリフォーム補助金を取り扱っている場合があります。具体的には、間仕切りの設置によるワークスペースの確保や換気、防音工事、衛生管理対策などが挙げられます。 また、国土交通省が実施している「長期優良住宅化リフォーム推進事業」においても、テレワークスペースを確保するためのリフォーム工事が補助金の支給対象となる場合があります。ただし、耐震改修工事や断熱改修工事などの性能向上工事と併せてリフォームを行う必要があるので注意が必要です。 その他のリフォーム 自治体によっては、アスベスト除去や景観の改善など、健康被害の予防や環境整備に関するリフォーム補助金が設けられている場合があります。また、豪雪地域の自治体では、屋根の改修などの雪対策に利用できる補助金制度が設けられている場合もあります。 それ以外にもシンプルな増改築や間取り変更、外壁の補修、床暖房の設置にまで利用できる補助金など、地域によって異なる特色があるので、自治体のホームページなどで調べてみると良いでしょう。 リフォームで活用できる補助金の要件や金額の目安 補助金の仕組みは種類によって異なるため、それぞれの特徴を的確に把握しておくことが大切です。ここでは、代表的な5つの補助金制度について、具体的な要件や金額の目安を解説します。 介護保険 介護保険には、要支援、要介護と自治体から認定された方がバリアフリーリフォームを行う際に、工事費用の一部を補助してもらえる制度が設けられています。運営主体は各自治体ですが、全国共通で利用できる補助金制度です。 利用にあたっては、担当のケアマネージャーなどと相談し、理由書を作成してもらう必要があります。また、介護保険の補助金利用は、着工前に申請を行わなければならないため、注意が必要です。 補助金の上限額は20万円であり、工事費用の最大9割までが補助される仕組みです。なお、一回の工事費用が20万円に満たなかった場合、次回に差額分を利用可能です。 出典)厚生労働省「介護保険における住宅改修」 長期優良住宅化リフォーム推進事業 長期優良住宅とは、長期間にわたって快適かつ安全に居住できる施工が行われた住宅のことです。一般住宅から長期優良住宅へのリフォームを行う際に、一定の性能向上を満たしていれば、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金制度を利用できます。 補助金額は工事内容に応じて異なりますが、一戸あたり100~250万円となっています。また、三世代同居対応の設備拡充や、子育てをしやすい住宅への改修なども対象となる場合があります。 この制度を利用するためには、着工前に住宅診断(インスペクション)を行う必要がありますが、申請手続きは居住者本人ではなく施工会社が行います。あらかじめ施工会社に対応してもらえるかどうかを確認しておくと良いでしょう。 出典)国立研究開発法人建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」 住宅エコリフォーム推進事業 住宅の省エネ化を推進するための事業であり、ZEHレベルの高い省エネ性能へリフォームする場合に活用できる補助金制度です。ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。具体的には省エネ診断、省エネ設計、省エネ改修などが挙げられます。 なお、省エネ診断では「補助率3分の1(民間実施の場合)」、省エネ設計も「補助率3分の1(民間実施の場合)」、省エネ改修では「補助率11.5%(一戸建ての上限は512,700円)」が限度となっています。 出典)住宅エコリフォーム推進事業実施支援室「事業概要」 既存住宅における断熱リフォーム支援事業/次世代省エネ建材実証支援事業 既存住宅における断熱リフォーム支援事業と次世代省エネ建材実証支援事業は公募形式による補助金制度で、高性能な断熱材や「次世代省エネ建材」を使用したリフォームを行うときに適用されます。 「断熱リフォーム支援事業」では、断熱材、断熱用の窓、断熱用ガラス、断熱仕様の玄関ドアを用いるリフォームを対象に、一戸あたり120万円を上限として工事費用の3分の1以内が支給されます。 「次世代省エネ建材実証支援事業」では、外張り断熱、内張り断熱、窓断熱の3つの区分から施工内容を選択可能であり、外断熱なら一戸あたり300~400万円、内断熱なら一戸あたり200万円、窓断熱なら一戸あたり150万円を上限に、対象経費の2分の1以内が支給されます。 出典) ・公益財団法人北海道環境財団「既存住宅の断熱リフォーム支援補助金について」 ・一般社団法人環境共創イニシアチブ「令和4年度 次世代省エネ建材の実証支援事業のご紹介」 リフォームで活用できる補助金の申請時の注意点 リフォームに関する補助金を利用する際には、申請のタイミングに注意する必要があります。 リフォームを着工する前に申請が必要な場合がある 補助金制度の中には、「着工前」に申請を行わなければならない場合があります。この場合、リフォーム工事の着工後や完了後に申請をしても受理されず、補助金が利用できないため注意が必要です。 また、利用条件として工事完了の期限が設けられている場合もあるため、スケジュールを逆算したうえで工事日を調整することも大切です。 予算の上限で早めに締め切られることがある 補助金制度の中には、あらかじめ自治体などの運営主体が予算の上限総額を設定している場合があります。予算の上限に達すると、期限内であっても締め切られてしまうため、なるべく早く申請手続きを行うことが大切です。 なお、一般的な補助金は年度ごとに募集がかけられ、夏や秋ごろには利用枠が埋まってしまう恐れがあります。補助金利用の可否によって出費には大きな差が生まれるので、施工会社にも前もって相談しておくと良いでしょう。 補助金を申請するには? 補助金には様々なものがあり、種類によって取り扱う窓口は異なります。また、申請にあたって必要となる書類や手続きのタイミング、具体的な手順などもそれぞれ違うので注意が必要です。 たとえば、介護保険の補助金制度を利用するなら、まずは担当のケアマネージャーに相談し、理由書を作成してもらう必要があります。円滑に申請を済ませるためにも、利用したい補助金に応じてどのような手続きが求められるのかを確認しておきましょう。 まとめ 住宅のリフォームには、介護・バリアフリーに関するものや省エネ・環境保護に関するものなど、様々な種類の補助金制度が用意されています。その中から適切な補助金制度を正しく申請することで、リフォーム費用の一部を賄える場合もあります。リフォームを行う際には、事前に補助金制度の仕組みを調べておくことが大切です。 また、補助金には施工会社を通して申請するものも多いので、不明点があれば遠慮をせずに専門家へ相談しましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • 介護リフォームが必要な理由とは?費用の目安や利用できる補助金を紹介

    介護リフォームが必要な理由とは?費用の目安や補助金制度も紹介

    突然のケガなどによって介護が必要になる場面だけでなく、家族の中に高齢者がいると自宅のリフォームを検討するかもしれません。スムーズにリフォームを進めるには、事前に工事にかかる費用をある程度把握しておくことが大切です。また、利用できる補助金についても押さえておけば、いざというときに頼りになるでしょう。 この記事では、介護を行うために必要なリフォーム費用の目安や工事のポイントなどを解説します。 介護リフォームが必要な理由 介護を行うためにリフォームが必要な理由としては、被介護者を守るためだけでなく、介護者の負担を減らすためという点が挙げられます。介護を受ける側も行う側も気持ちよく過ごせる環境を整えるためには、必要なリフォームを実施することが大切です。 それぞれのポイントについて、さらに詳しく見ていきましょう。 被介護者を守るため 高齢者の視点から考えると家の中には階段や段差、お風呂場、トイレなど、ケガの原因となる場所が無数に点在しています。身体の状態にもよりますが、それまであまり気にならなかった小さな段差でも、つまずいて転倒につながるリスクは十分にあります。 介護が必要な状態といっても、その介護レベルは様々で、室内であれば問題なく自分で移動できるというケースも多いものです。そうした方にとっては、できるだけ自分の力で安心して行動できるような室内環境を整えることが、健康や自信を維持するためにも重要なポイントとなります。 上記のように、まずは「高齢者を守る」という観点から、バリアフリーを目的とした介護リフォームは重要です。 介護者の負担を減らすため 介護リフォームのもうひとつの目的は介護者側の負担をできるだけ減らすことにあります。介護を行うためには被介護者自身が快適と感じられるだけでなく、介護者にとってもサポートをしやすいと感じられる環境が求められます。 たとえば、被介護者の横について排泄のサポートをする場面を考えると、トイレには二人分のゆったりとしたスペースが必要です。十分な広さがなければ、介護者の身体に負担がかかるだけでなく、心理面においてもストレスを感じてしまう原因になります。 また、簡単に玄関や窓のカギが開かないような工夫をするなど、被介護者の安全を守る仕組みが、介護者自身の精神的な負担を軽減させてくれることもあります。そのため、介護リフォームを行ううえでは、介護者の目線からも快適と感じられる設計や工夫が重要です。 出典)「一般社団法人 住宅金融普及協会」 リフォームの需要は高齢者世帯に多い 介護リフォームについて考えるのは、ある程度の年齢を重ねてからとイメージされるでしょう。実際のところ、住宅におけるリフォームの需要は、若い世代よりも65歳以上の高齢者に多い傾向があります。 『住宅土地統計調査』(総務省・2018年)のデータによれば、2014年以降に増改築・改修工事などが行われた持ち家の件数901.4万戸のうち、施主が65歳以上のケースは532.9万戸であり、全体の60%近くを占めることがわかります。 一方で、65歳以上の高齢者が住む住宅2253万4千世帯のうち、一定水準のバリアフリー化が済んでいる世帯は955万6千世帯で、全体の42.4%とされています。 これらの結果から、リフォームの需要は加齢や築年数が古くなることに伴うが、介護に備えた「バリアフリー化」は思ったよりも進んでいないことがわかります。また、築年数が古いほどバリアフリー化率が低く、今後も介護リフォームの需要は高まっていきそうです。 出典)総務省「住宅土地統計調査」 介護リフォームにかかる費用相場 介護リフォームの費用は、どの部位を施工するかによっても大きく異なります。また、水回りの入れ替えを行う場合、新たに導入する設備のグレードによっても費用に大きな差が生まれます。 一般的な介護リフォームを行う場合、主な部位の目安金額は以下のとおりです。 リフォームを行う箇所費用の目安 洗面所の改装20~100万円 トイレ全体の改装20~100万円 システムバスへの交換60~150万円 手すりの設置1~20万円 廊下の改修20~100万円 和室→洋室(バリアフリー仕様)へ改装70~300万円 段差の解消(床のかさ上げ)8~20万円 合計額199~790万円 上記のように、介護リフォームに必要な費用の目安には一定の幅があります。ただ、国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査報告」(2012~2014年度)によれば、リフォーム工事の価格帯は、500万円未満が全体の80%程度を占めるとされています。 太陽光発電システムの導入や基礎から行う耐震補強のように、あまり大がかりな施工を依頼しなければ、通常のリフォームより費用が安く収まるケースも少なくありません。ただし、リフォーム業者によって費用は変わるため、必ず「相見積もり」をとって複数の会社を比較しましょう。 出典) ・国土交通省 部位別リフォーム費用一覧 資料5-2 ・国土交通省 軽微な工事(リフォーム工事等)に関する対応の検討 失敗しないための介護リフォームのポイントを紹介 介護リフォームで失敗しないためには、それぞれの工事箇所で見落としがちな点を細かくチェックすることが必要です。介護のためのリフォームは初めてという方もめずらしくないため、一つ一つ確認をしていきましょう。 玄関のリフォーム 玄関のリフォームで意識したいのは以下のポイントです。 出入りがしやすい(車椅子でも入れる) 靴を履いたり脱いだりするときに座る場所がある 手すりがある 雨の日でも滑らない 段差がない まずは間口の広さに着目し、車椅子でも問題なく出入りができるかをチェックしましょう。玄関口と廊下には段差が生まれてしまうのが通常のため、上り下りを補助するための台や手すりを設置することも大切です。 また、意外と見落としてしまいがちなポイントとして、床の材質が挙げられます。雨の日の転倒事故を防ぐために、濡れても滑りにくい材質を導入しましょう。 トイレのリフォーム トイレのリフォームで意識したいのは以下のポイントです。 出入りがしやすい トイレ内が広い 用を足しやすい スリッパを履かずに済む トイレは場合によって、被介護者と介護者が一緒に入る可能性もあります。そのため、二人同時に入るケースを想定して、出入りのしやすさやトイレ内の広さを確保することが大切です。 また、便座の高さや向き、ドアからの動線を考慮して、用を足しやすいつくりを心がけることも重要です。被介護者の状態によっては、身体の向きを変えるだけでも苦労してしまうことがあるため、体勢を変えずに利用できる設計を検討しましょう。 つまずき防止を考えて、スリッパを履く必要がない床材を導入するのもコツです。 お風呂のリフォーム お風呂のリフォームで意識したいのは以下のポイントです。 出入りがしやすい 濡れても滑らない 浴槽に入りやすい 段差がない お風呂もその他のスペースと同様に、まずは出入りのしやすさを考えることが大切です。浴室は特に転倒しやすいスペースなため、少しの段差でもケガにつながることがあります。 車椅子を使うことも想定して、脱衣所との段差はなるべく解消しておきましょう。さらに、転倒防止の基本として床材を滑りにくいものに変更するのも重要なポイントです。 また、お風呂においては、浴槽の高さに目を向ける必要もあります。またいだときの転倒リスクを軽減させるためにも、浴槽部分を少し掘り下げて、床との高低差を小さく抑えることが大切です。段差が小さければ、介護者も入浴サポートがしやすくなります。 階段のリフォーム 階段のリフォームで意識したいのは以下のポイントです。階段は転倒・転落などの事故が起こらないように、安全面に目を向けることが大切です。 手すりがある 滑り止めがある 段差がゆるやかである 階段昇降機が設置してある まずは、上り下りでしっかりと身体を支えられるように、手すりを設置する必要があります。滑りにくくつかみやすい太さ・形状を心がけ、とっさのタイミングでもすぐにつかまれるようにしておくと安心です。 また、床には滑りにくい材質を用いるとともに、へりに滑り止めの加工を行うことも大切です。上記2つの施工内容であれば、それほど費用をかけずに実現できるため、優先的に取り入れたいポイントといえるでしょう。 そのうえで、階段スペースの広さを十分に確保できるのであれば、段差をゆるやかに設計し直すのもひとつの方法です。傾斜を抑える分だけ、階段のスペースは広がってしまいますが、上り下りの負担を軽減する有効な手段となります。 さらに、費用にゆとりがあるなら被介護者を乗せられる階段昇降機を設置すると便利です。費用は高額になりますが、レンタルを行っている会社もあるため、選択肢のひとつとして考えてみてもいいかもしれません。 介護リフォームは介護保険の補助金を活用しよう 介護リフォームに取り組む際は介護保険から受けられる補助を活用することが大切です。費用の一部に充てられるため、必要な介護リフォームをスムーズに進めやすくなるでしょう。 以下では介護保険を利用してリフォームを行う流れを解説します。 介護保険の支給限度基準額 介護保険制度では要介護者などが一定の介護リフォームを行うときに、必要な手続きを行うことで一定金額の補助を受けることができます。具体的には、最大で20万円の限度額を基準に支給される仕組みです。 ただし、実際には改修費用の1~3割は自己負担となるため注意しましょう。なお、介護リフォームのうち、介護保険制度の対象となるのは以下の工事です。 手すりの取り付け 段差の解消 床や通路における滑り防止のための材料の変更 引き戸などへの扉の取り替え 洋式便器などへの便器の取り替え 上記5つの施工のために必要な工事 また、国の制度である介護保険とともに、自治体独自の取り組みもあります。制度の仕組みは自治体によって違い、介護保険と併用できるかどうかも異なります。 たとえば、東京都の場合は「住宅改善事業」という制度が設けられており、細かな仕組みや運用のルールは市区町村ごとに決められています。 出典)東京都 住宅改善事業 介護保険を利用してリフォームを行う流れ 介護保険の支給制度を利用するためには、決められた流れに沿って手続きを行う必要があります。リフォームの前に行う「事前申請」と施工後に行う「事後申請」のどちらも必要となるため、全体の流れをきちんと把握しておきましょう。 なお、助成金の支給が行われるのはリフォームの工事完了後になる点にも注意が必要です。 ケアマネジャーへの相談 介護リフォームを検討したら、まずは福祉センターのケアマネジャーにどのような介護リフォームが必要であるかを相談し、ケアプランを作成してもらいます。ケアマネジャーが作成する「住宅改修が必要な理由書」がなければ、支給の申請自体が行えないため注意しましょう。 市区町村への書類の申請 介護保険制度を利用する際は、市区町村にて工事前に申請する必要があります。申請には以下の書類が必要となります。 支給申請書 工事費見積書 住宅改修が必要な理由書 住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの(日付入り写真や住宅間取り図など) 工事費見積書については金額の妥当性を確かめるためにも、複数の施工会社での相見積もりが推奨されています。ケアマネジャーによっては介護リフォームを得意とする施工会社を紹介してもらえることもあるため、不安な方は相談しておくといいでしょう。 施工の開始・完成 事前申請が終われば、施工会社による工事が実施されます。工事の期間は作業内容や範囲によっても異なるものの、介護保険における補助金の対象工事にはそれほど大規模なものはないため、比較的短いスケジュールで完成します。 工事費の支払い 施工が完了してからは実際の状態を確認し、プランとの差異がないかを確認します。そのうえで、問題がなければ工事費の支払いへと移ります。 このとき、リフォームの工事費用は一度自己負担しなければならない点に注意が必要です。支払い時に受け取る領収書は事後申請時に必要なため、きちんと保管しておきましょう。 介護保険の申請と改修費の支給 工事費の支払いが終わり、改めて市区町村に必要書類を提出すると、介護保険の正式な支給申請として取り扱われることとなります。このときに必要な書類は以下のとおりです。 住宅改修にかかった費用の領収書 工事費内訳書 完成後の状態を確認できる書類(改修前と改修後のそれぞれの写真など) 事前申請で提出された書類との確認や、適切な工事が行われたかの確認が終わると正式に申請が受理され、改修費が支給されます。 出典)厚生労働省 介護保険における住宅改修 まとめ 病気やケガなどで家族の介護が必要になったとき、介護リフォームを検討することもあるでしょう。大まかな費用相場を把握していれば、必要なリフォームを進めやすくなります。 介護保険をうまく活用してリフォームを進めることで、経済的な負担を軽減できるはずです。基本的な流れをきちんと押さえたうえで、介護リフォームを進めてみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ 住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリ...記事を読む

  • リフォーム費用の相場と安く抑えるコツ

    住み始めた頃は問題ないと感じていても、月日の経過に伴って住まいに不便さを感じる場面も出てきます。今後の生活を快適にするためには、リフォームを検討してみるのも選択肢の1つです。しかし、実際にリフォームを行うと、費用がいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。 この記事ではリフォーム費用の目安や安く抑えるコツ、活用できる補助金などを解説します。 部位別リフォーム費用の相場 住宅のリフォームは、どこを工事するかによって費用は異なります。ここでは、工事の種類別にかかる費用の目安とポイントなどを、国土交通省が公表している「部位別リフォーム費用一覧」のデータをもとに解説します。 水回りリフォーム費用の相場 水回りのリフォームは、タンクレストイレやシステムバス、システムキッチンなどの住宅設備の交換などが挙げられます。それぞれの費用相場について解説します。 トイレ トイレのリフォームでは、8~16万円程度で温水式洗浄便座の設置ができます。タンクレストイレへの交換で30~50万円程度、トイレ全体の改修となると20~100万円程度を見積もっておく必要があります。なお、交換するトイレのグレードや床・壁の内装変更、手すりの設置などリフォームを行う箇所が多くなるほど費用は高くなります。 お風呂 お風呂のバスタブの交換は14~20万円程度が目安です。システムバスへの交換はマンションの場合で50~100万円程度、戸建てだと60~150万円程度がかかります。また、高効率給湯システムの設置には55~100万円程度がかかることを見込んでおきましょう。 洗面所 洗面所のリフォームは、洗面化粧台の交換が20~50万円程度、洗面所の改装を行うときは20~100万円程度を考えておきましょう。洗面所と脱衣所を兼ねている場合は、防寒対策として床暖房を入れたり、二重窓にしたりすることを検討することもあるかもしれません。作業工程が増えるほど、費用がかさんでしまうため注意が必要です。 居室リフォーム費用の相場 居室のリフォームは、フローリングへの変更や壁クロスの貼り替え、リビングそのものの全面改修などが挙げられます。それぞれの費用感について見ていきましょう。 リビング 壁クロスの貼り替えには6~30万円程度、段差の解消には8~20万円程度が必要です。リビングに収納棚を設ける場合は40~90万円程度がかかり、リビングそのものを全面改修するときは200~400万円程度を見込んでおく必要があります。 床 畳からフローリングに変更する費用は、広さにもよりますが15~60万円程度がかかります。床暖房を敷設する場合は50~150万円程度が必要です。使用する床材のグレードによって金額は大きく異なるため、予算にあった選択が重要です。 外装・構造リフォーム費用の相場 外装や構造のリフォームは、外壁や屋根の修理、雨どいの交換などが挙げられます。ここでは主に、外壁と屋根について見ていきましょう。 外壁 戸建ての場合、年月の経過によって外壁に劣化が生じてきます。そのままにしておくと、漏水の原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必要です。 外壁材がモルタルなのか、サイディングなのかでも異なりますが、モルタルの重ね塗りには、壁の面積によって50~150万円程度がかかります。外壁材そのものを貼り替えるにはさらに費用が必要になるため注意しましょう。 屋根 屋根に関してはスレート屋根の塗り替えで20~80万円程度、金属屋根の重ね葺きで90~250万円程度かかります。瓦屋根の場合は、瓦の交換などで70~120万円程度を見込んでおく必要があるでしょう。 雨どいの交換を行うときは、5~40万円程度がかかります。屋根部分は自分でメンテナンスを行うのが難しいため、計画的にリフォーム費用を積み立てておくようにしましょう。 耐震補強 住宅の耐震補強を行う場合、金物を使用した補強工事なら20~60万円程度がかかります。基礎部分から補強工事を行う場合は、100~200万円程度必要です。 出典)部位別リフォーム費用一覧 全面リフォーム費用の相場 リフォーム費用は工事を行う箇所によって金額が違ってきます。住宅の全面リフォームを行う場合はまとまった資金が必要になるため、計画的に資金を積み立てていくことが必要です。 次のようなケースで全面リフォームを行った場合に、どれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。 リフォームを行う箇所費用の目安 太陽光発電システムの設置200~300万円 タンクレストイレへの交換30~50万円 システムバスへの交換60~150万円 耐震補強(基礎からの工事)100~200万円 スレート屋根の塗り替え20~80万円 内窓の設置6~12万円 壁クロスを珪藻土に変更18~30万円 システムキッチンの交換40~80万円 畳からフローリングに変更15~60万円 合計額489~962万円 上記のケースでは、489~962万円程度の費用が必要です。全面リフォームを行うには中長期の計画を立てて取り組んでいく必要がありますが、工夫次第でリフォーム費用を安く抑えることも可能です。 リフォーム費用を安く抑えるコツ リフォームを行う箇所が多いほど、費用はかさんでしまうため注意が必要です。リフォーム業者によって費用感は異なるため、実際に工事を行うときには複数の会社に見積もりを出してもらいましょう。そのほかに、リフォーム費用をできるだけ抑えるコツについて解説します。 設備や建材のグレードを見直す リフォーム費用を抑えるには住宅設備や建材のグレードを見直すことが重要です。質にこだわり過ぎれば、多くの予算が必要になるため、どのラインで妥協できるのかを検討してみましょう。 暮らしに必要な機能や性能を洗い出したうえで、それに見合った住宅設備や建材を選んでいくことが大切です。リフォーム業者と相談をして、既存の設備で再利用できるものがないかなどを細かく検討してみましょう。 複数の箇所をまとめてリフォームする 個別にリフォームを行うよりも、数ヶ所をまとめてリフォームしたほうが結果的に合計費用は抑えられます。たとえば、屋根と外壁のリフォームは工事を行うにあたって足場を組む必要があるため、別々に依頼をすればその分だけ費用がかさみます。 また、配管工事を伴う水回りのリフォームなども、まとめて行ったほうが費用を抑えられるでしょう。どのようなスケジュールで工事を進めていけば費用面での負担が少ないかをリフォーム業者に相談してみるといいでしょう。 補助金を活用する リフォームの内容によっては国や自治体などが設けている補助金制度を活用できる場合があります。費用の一部を補助してもらうことで、負担の軽減につながるでしょう。どのような補助金制度があるのかを次に紹介します。 リフォーム時に活用できる補助金 リフォームを行う際に活用できる補助金制度はさまざまあり、一定の条件を満たすことで補助金が支給されるケースがあります。補助金の種類や支給額、対象となる工事内容などを表にまとめると以下のとおりです。 補助金の種類対象となる工事内容補助額 こどもみらい住宅支援事業開口部・外壁・屋根・床などの断熱改修エコ住宅設備*1の設置子育て対応改修バリアフリー改修など対象のリフォームに応じて補助額が決定上限額60万円 既存住宅における断熱リフォーム支援事業高性能建材を用いた断熱リフォームリフォーム費用の3分の1まで上限額120万円 次世代省エネ建材の実証支援事業外張り断熱リフォーム内張り断熱リフォーム窓断熱リフォームリフォーム費用の2分の1まで外張り断熱:上限額400万円内張り断熱:上限額200万円窓断熱:上限額150万円 長期優良住宅化リフォーム補助金三世代同居対応改修工事子育て世帯向け改修工事防災性の向上改修工事などリフォーム費用の3分の1まで一定の性能向上が認められる場合:上限額100万円長期優良住宅の認定を受ける場合:上限額250万円 ※太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽など 上記のように多くの制度が設けられているため、リフォームを行うときには補助金の対象となる工事であるかを確認してみましょう。補助金の申請手続きなどに詳しいリフォーム業者を選んでみると、スムーズに進められるでしょう。 なお、制度ごとに下限額や上限額が細かく設定されているため、詳細は参考URLをご確認ください。 出典) ・こどもみらい住宅支援事業 ・既存住宅における断熱リフォーム支援事業 ・次世代省エネ建材の実証支援事業 ・長期優良住宅化リフォーム補助金 リフォーム減税制度の対象 リフォームを行うときは費用負担ばかりが気になりますが、一方で減税の対象となることも押さえておくことが大切です。住宅のリフォームを行ったときには確定申告をすることで減税対象となり、所得税の負担を軽減できます。 一口に減税といっても、投資型減税・ローン型減税・住宅ローン減税の3つがあります。それぞれの特徴についてまとめると、以下のとおりです。 減税措置の種類控除要件最大控除額控除対象期間 投資型減税ローン利用の有無を問わず25万円1年 ローン型減税償還期間5年以上のローンを利用62.5万円5年 住宅ローン減税償還期間10年以上のローンを利用140万円*10年 ※既存住宅のリフォームで、控除率0.7%、年間最大控除額の14万円が10年間適用された場合 出典) ・リフォームの減税制度 ・国土交通省 住宅ローン減税 上記の減税措置は家屋の条件や所得、工事内容などの要件をすべて満たすことによって適用されます。詳しい要件などは、国税庁のホームページなどで最新の情報を確認しておきましょう。 まとめ 住宅のリフォームは、工事を行う箇所が多いほど、費用がかさんでしまう傾向があります。複数の会社から見積もりを出してもらい、どの部分のリフォームから優先的に行うかを精査してみましょう。 できるだけ安くリフォームを行うには、事前に大まかな相場を把握しておくことが大切です。活用できる補助金や減税の仕組みなどについても理解しておけば、リフォームの計画を立てやすくなるでしょう。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介 年齢を重ねてくると、購入当時の住まいでは生活のしづらさを感じる場面が増えてくるものです。ライフスタイルに合った住環境を作るために、選択肢の1つとしてリフォームを考えることもあるでしょう。しか...記事を読む

    2022.09.07リフォーム
  • シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介

    シニアがリフォームする際のポイントや間取り事例を紹介

    年齢を重ねてくると、購入当時の住まいでは生活のしづらさを感じる場面が増えてくるものです。ライフスタイルに合った住環境を作るために、選択肢の1つとしてリフォームを考えることもあるでしょう。しかし、実際にリフォームを行うとなると、どこから手をつければいいか悩んでしまいがちです。 この記事では、シニア世代がリフォームを行うときのポイントや間取りの事例、活用できる制度などを詳しく解説します。 シニアがリフォームを行う際のポイント 50歳以降にリフォームを考えるときには、老後の暮らしを見据えた住みやすい間取りにすることを念頭に置く必要があります。特に子どもが独立してからは、間取りはシンプルなほうが暮らしやすいでしょう。 加齢に伴う身体機能の低下やバリアフリー、生活動線やライフスタイルなどの点から総合的に考えていく必要があります。以下ではリフォームを行う際にポイントとなる部分をそれぞれ解説します。 1.玄関 まず、玄関のリフォームで重要な点は、安全に出入りができるかということです。間口が狭い場合は、車椅子がスムーズに出入りできるように広げることも検討してみましょう。 玄関付近で気をつけておきたいのは、敷居や玄関のアプローチなどの段差でつまずく転倒事故です。できるだけ段差をなくすようにして、スロープを設けると安心です。また、安全に通行するために手すりを設置することも安心につながります。 2.水回り設備 浴室や脱衣所、キッチンやトイレといった水回り設備は転倒につながりやすい箇所でもあるため、特に注意が必要です。浴室や脱衣所はイスやシャワーチェアを置くスペースを確保できるかを確認しましょう。 まず、浴室の床は滑りやすいタイルなどは避け、なるべく滑りにくい素材に変更しましょう。また、浴室と脱衣所の間にある段差の解消や、ヒートショック対策として暖房器具を設置するなどの対策を行いましょう。 次に、トイレは手すりを設置して、立ち座りの負担を軽減することが大事です。また、出入りをスムーズに行えるように、ドアは引き戸にするほうがよいでしょう。 最後に、キッチンは戸棚の位置を低くして、座りながら調理できるスペースを設けてみると負担が減ります。ガスコンロからIHに切り替えて、火の不始末が起こらないような工夫もしてみましょう。 3.生活動線・段差 室内の移動はちょっとした段差でもつまずきやすいため、できるだけ段差を解消しましょう。夜間は足元が暗くなるため、フットライトを取り付けておくと安心です。 廊下には行き来をするときにつかまりやすいよう、壁に手すりを設けておきましょう。車椅子を使用するときは、廊下の幅が85~90センチメートルほどは必要になるため、通行の妨げになるものがないかをチェックしておきましょう。 4.リビングのレイアウト リビングはくつろぐための空間であるため、日当たりや風通しに配慮したリフォームを心がけておきましょう。リビングからトイレや寝室までの距離は短くするなど、生活動線を考えた間取りの配置を考慮しましょう。 また、テーブルや食器棚などの家具の配置にも気を配る必要があります。一人掛けのソファなど、後から移動させやすい家具を選んでおくとよいでしょう。すぐに目につくように、家具の色はメリハリのある色づかいのものを選ぶのも良いかもしれません。 5.空調・採光・周辺環境 高齢になると室内で過ごすことが多くなるため、部屋の換気や採光に配慮しておくことが大切です。部屋ごとの室温に大きな差がないか、窓の開け閉めをしやすいかなどをチェックしておきましょう。 また、外に出るときのことを考えて、道路や車庫に出るまでのルートが安全であるかもチェックしておく必要があります。段差の解消や手すりの設置、フットライトの取り付けなど基本的な部分を点検してみましょう。 間取りごとのリフォーム事例を紹介 一口にリフォームといっても、物件の種類によって適した間取りは異なります。戸建てやマンション、二世帯住宅などそれぞれのパターンで、具体的な間取りの事例を見ていきましょう。 事例1:2階建て以上の戸建て 2階建て以上の戸建ての場合は、1階に寝室を配置するとよいでしょう。寝室とトイレの位置をできるだけ近くして、生活動線を考えた間取りの配置を行うことが大切です。 玄関にはイスを置けるスペースを確保し、階段下を収納として活用すると便利です。リビングにいる家族の気配が感じられるように、間口を広くしたり対面型のキッチンにしたりすると安心です。また、2階に上がる階段は転倒防止のために、手すりや滑り止めを設けておきましょう。 事例2:平屋・マンション 平屋やマンションの場合は、壁を取り払って広めのLDKにするのも1つの方法です。トイレと脱衣所、浴室などの水回りを1箇所にまとめてシンプルな設計にしてみると、移動がラクになります。 玄関は各部屋までの移動距離が短くなるように、間取りの中央部分にあるほうが望ましいといえます。ベランダやバルコニーは、外との出入りがしやすいように縁側やウッドデッキなどを設けると、採光や換気の調整も行いやすくなります。 事例3:二世帯住宅 二世帯住宅の場合は、それぞれのライフスタイルやプライバシーの確保に配慮した間取りにすることが重要です。トイレは年配の方が利用しやすい位置に配置し、玄関までの移動距離を短くするのがポイントです。 和室を作る場合は、ベッドが置けるように一部をフローリングにしてみるとよいでしょう。広々とした階段ホールに改良するなどして、各世帯の独立性を維持しながらも、ふれあえる空間を設けておくと良いでしょう。 リフォーム工事に活用できる制度 リフォームを行うにはまとまった費用がかかるため、各種ローンだけでなく国や地方自治体が設けている補助金制度を有効活用することが大切です。どのような補助金があるのか事前に把握しておけば、リフォームの計画を進めやすくなるでしょう。 ここでは、3つの補助金制度についてポイントを紹介します。 介護保険法にもとづく住宅改修(高齢者住宅改修費助成制度) 介護保険は40歳からの加入が義務付けられている保険制度であり、要支援・要介護認定を受けたときに、介護費用の一部を支援してもらえる仕組みです。住宅改修費用についても介護保険の適用が受けられるため、負担の軽減につながります。 自己負担割合は1~3割と決められていますが、最大20万円までの補助が受けられます。補助金の支給は実際に工事を行って、業者に代金を支払った後で償還される仕組みであり、利用する際はあらかじめ住んでいる自治体に確認をしておきましょう。 対象となる工事は開口部・外壁・屋根・床などの断熱改修やエコ住宅設備(太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽など)の設置、子育て対応改修やバリアフリー改修などです。 出典)介護保険における住宅改修 長期優良住宅化リフォーム推進事業 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」とは、子育てに取り組みやすい生活環境の整備や住宅の長寿命化・省エネ化を推進するために行うリフォームに対して支援を行うものです。三世代同居対応改修工事や子育て世帯向け改修工事などの費用を支援してもらえます。 バリアフリー改修工事や高齢期に備えた住まいの改修工事なども対象となっており、幅広い用途で利用できる仕組みです。補助金の上限額は長期優良住宅の認定を受けない場合は最大100万円、認定を受ける場合は最大250万円となっており、工事費用の3分の1までが補助の対象となります。 出典)長期優良住宅化リフォーム推進事業 総合トップページ こどもみらい住宅支援事業 「こどもみらい住宅支援事業」は子育て世帯や若者夫婦世帯が高い省エネ性能を持つ住宅を取得したり、リフォームを行ったりするときの費用を補助する仕組みです。住宅の新規購入時は、省エネ性能に応じて60~100万円の補助を受けられます。 リフォームの場合は、すべての世帯を対象として最大30万円の補助金が交付されます。さらに、子育て世帯や若者夫婦世帯の場合、最大60万円まで上限が引き上げられるので活用してみましょう。 出典)こどもみらい住宅支援事業 まとめ 年齢を重ねてからも住みやすい環境を維持するには、必要に応じてリフォームを行うことが大切です。物件の種類によって間取りや生活動線などが異なるため、この記事で紹介したリフォームのポイントや事例などを参考にして、自分に合った住まいに作り変えてみましょう。 大がかりなリフォームになると、費用もそれなりにかさんでくるため、国が設けている補助金制度を上手に活用することが重要です。これから年を重ねていったときの暮らしをイメージしながら、早めに取り組んでみましょう。 お悩みや疑問は解決できましたか? SBIシニアの住まいとお金なら、住宅ローンのプロに、調べても解決できないお悩みや疑問を相談できます。 執筆者紹介 「住まいとお金の知恵袋」編集部 金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。 リフォームとリノベーションの違いとは?費用の目安も解説 建物の改装を検討するときには、リフォームとリノベーションのどちらが適しているのかを見極めることが大切です。この記事では、リフォームとリノベーションの基本的な違いについて解説します。 また、施...記事を読む