更新日: / 公開日:2020.03.31
不動産担保ローンを提供している金融機関の中には、即日融資に対応しているところもあります。持ち家の人で至急まとまった資金が必要になれば、不動産担保ローンで即日融資を受けることを考えるかもしれません。しかし、不動産担保ローンは即日融資を受けるのがそもそも難しく、利用する場合にも注意すべき点があります。
この記事では、不動産担保ローンの即日融資について解説します。
そもそも不動産担保ローンは即日融資を受けるのが難しい商品です。なぜなら、無担保ローンでは与信のみに審査が行われるのに対して、不動産担保ローンでは不動産を評価するための時間が必要となるからです。
土地の広さや権利関係、建物の築年数や周辺道路の状態など、担保不動産の価値を正確に評価するために必要な情報はたくさんあります。特に戸建てなどの個別要因の高い担保不動産の場合、現地調査や役所調査なども行う必要が生じるため、審査に数日かかる場合がほとんどです。
加えて、物件や与信の審査にあたって様々な書類を準備しなければならないため、書類に少しでも不備があると即日融資が難しくなります。
なお、不動産担保ローンの審査基準や審査に必要となる書類などについては以下の記事で詳しく解説しています。初めて不動産担保ローンの利用を検討されている方は、あらかじめ概要を理解しておきましょう。
上述のとおり、担保不動産の価値を正確に審査するには、時間を要します。そのため、即日融資に対応するには、担保不動産を保守的に評価せざるを得なくなり、金利や融資可能額などの条件面で不利になる恐れがあります。
不動産担保ローンで即日融資に対応している金融機関の数は多くありません。本来、不動産担保ローンで資金調達をする場合、複数の金融機関に相談して提案された内容を比較検討したうえで、経済条件や信頼できる金融機関でローンを借りることが大切です。しかし、対応できる金融機関が少ないうえ、検討期間も短いため比較すること自体が困難です。
不動産担保ローンで即日融資を受ける場合は、以下の点に注意しておきましょう。
即日融資に対応している金融機関は、基本的にノンバンク系の金融機関が中心となります。ノンバンク系の金融機関の場合、貸金業者として行政に登録されている金融機関であるかを確認することが大切です。
行政に登録されていない、いわゆるヤミ金からは絶対に融資を受けてはいけません。行政に登録されているかどうかは、金融庁が提供している「登録貸金業者情報検索入力ページ」から確認できます。
たとえ至急まとまった資金が必要な状況だとしても、金融機関から提示された金利や手数料の条件をすぐ鵜呑みにして、そのまま融資を受けないようにしましょう。
無理なく返済を続けるのが難しいにもかかわらず融資を受けてしまうと、後々生活が苦しくなってしまいます。不動産担保ローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合担保不動産を手放さなければならなくなります。
そうならないためにも、提示された金利や手数料と自分の収入を比較し、無理なく返済を続けられることを確認のうえ、即日融資を受けるようにしましょう。
もし不動産担保ローンの即日融資が必要なほど至急まとまった資金が必要である場合、カードローンをつなぎとして利用し、後から不動産担保ローンに借り換えるという方法があります。
ここでは、不動産担保ローンで即日融資を狙うときに、まずはつなぎとしてカードローンを借りた方がいい理由を3つ紹介します。
上述のとおり、不動産担保ローンは、担保不動産を評価するための時間が必要です。一方で、無担保で借りられるカードローンなら審査は早く、即日融資も可能です。カードローンを利用すれば、不動産担保ローンの融資実行までに必要な資金をすぐに準備できます。
カードローンは金利が高く、返済額に占める利息の割合が大きいため、長期の借り入れには向きません。しかし、カードローンは融資事務手数料や繰り上げ返済手数料がかからないので、短期間の利用には適しています。
即日融資可能な不動産担保ローンだと、提供している金融機関も少なく、検討期間が限られます。ひとまず、カードローンを利用することで、即日融資に対応していなくとも、良い条件を提示してくれる金融機関が見つかるかもしれません。
カードローンを借りると、不動産担保ローンの審査が不利になるか気になるかもしれません。しかし、カードローンを借りているという理由だけで、審査が不利になることはほとんどありません。
ただし、カードローンを利用した理由について、金融機関にしっかりと説明する必要があります。不動産担保ローンの相談をするときに、カードローンを借りた経緯や必要性について説明できるように準備しておきましょう。また、基本的には不動産担保ローンの借り入れと同時にカードローンの返済を求められます。
カードローンをつなぎとして利用する場合は、融資額に注意しましょう。不動産担保ローンの融資限度額以上をカードローンで借りると、カードローンから不動産担保ローンへの借り換えができなくなるからです。
不動産担保ローンでは、担保不動産の市場販売価格の6割~8割程度が、融資上限額の目途になります。たとえば、担保不動産の市場販売価格が2,000万円であれば、1,200万円~1,600万円が融資額の上限です。
ただし、実際の融資額は担保不動産だけでなく、債務者の属性も含めて総合的に審査したうえで決定されます。そのため、カードローンの借り入れは、保守的にみて不動産の市場販売価格の5割ぐらいまで(先程の例なら1,000万円まで)に抑えた方がよいでしょう。
不動産担保ローンは不動産の担保評価に時間がかかるため、基本的に即日融資は難しいです。無理をして即日融資を受けようとすると、思わぬリスクを抱えることもあります。まとまった資金が急に必要になった場合、まずはつなぎとしてカードローンを利用し、その後に不動産担保ローンへ借り換えるといった資金調達も検討してみましょう。
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