不動産担保ローンのよくあるご相談5選

更新日: / 公開日:2019.09.10

不動産担保ローンは、所有する不動産を担保とすることで、さまざまな資金使途に利用できるローンのひとつです。住宅ローンなどに比べると知られていないので、どのような商品でどのような条件があるのか、詳しく知りたいという人もいるかもしれません。

この記事では、不動産担保ローンのよくあるご相談を5つ紹介します。

① 住宅ローンを借りていても融資を受けられますか?

住宅ローンを借りている物件でも、融資を受けられる可能性があります。融資を受ける際には、担保物件に第二抵当権を設定することが必要です。万が一返済ができなくなった時には、抵当権の順位が高い順に回収されるので、第一抵当権に住宅ローンがある場合はまず住宅ローンの残高分から回収されます。

たとえば、第一抵当権の住宅ローンの残高が4,000万円、第二抵当権の不動産担保ローンの残高が1,000万円の場合を考えます。不動産の売却価格が5,000万円を超えれば、住宅ローンの4,000万円と不動産担保ローンの1,000万円をともに回収できます。

一方で、不動産の売却価格が5,000万円を下回る4,500万円の時、不動産担保ローンは住宅ローンの残高4,000万円を回収した残りの500万円しか回収できなくなります。このように、第二抵当権での不動産担保ローンはリスクを背負うため、不動産評価が十分に取れることや、第一抵当権の住宅ローンの返済が進んでいる必要があります。

② 本人以外が所有する不動産を担保にして融資を受けられますか?

金融機関によっては、本人以外の所有不動産を担保にした融資を受けられます。融資の審査が厳しい銀行などでは、一般的に本人以外の所有不動産を担保とすることはできません。一方で、与信業務を専門に行うノンバンクでは、親族等の不動産を担保として融資を受けられる可能性もあります。

ただし、融資を受けるためには、不動産所有者の承諾が得られていることが条件となることが多いです。また、高齢の人が所有する不動産の場合は、契約における意思能力に問題がないかを確認するので、相談をされる際は不動産所有者の承諾を必ず得てからにしましょう。

③ 妻との共有名義の不動産を担保にして融資を受けられますか?

金融機関によっては、共有名義の不動産を担保にした融資を受けられます。最近では共働きが増えたこともあり、夫婦2人で住宅ローンを借りることもあるでしょう。この場合、持分割合が平等ではない場合もありますが、不動産の所有権は2人の物となります。

共有名義の不動産を担保にしたい場合、共有する人全員が連帯保証人になることができれば、担保にして融資を受けられる可能性があります。

④ 信用情報に不安がありますが、融資を受けられますか?

信用情報に問題があっても必ずしも審査で否決されるとは限りません。返済に延滞があったり、過去に自己破産したりという経験があると、金融機関が閲覧する信用情報にいわゆる「ブラックリスト」として名前や住所などが掲載されます。このブラックリストに掲載されると、融資をするリスクが高いと判断されて、一般的には融資を断られる場合が多いでしょう。また、この情報はどこの金融機関も確認できるものなので、嘘をついたとしてもすぐに発覚してしまいます。

しかし、信用情報に問題がある債務者へ融資をするかしないかは各金融機関に委ねられています。不動産担保ローンでは、与信に加えて物件の審査も行われるので、物件面でリスクをカバーできると金融機関が判断すれば融資を受けられる可能性もあります。

⑤ 不動産担保ローンで借り入れすることができる上限金額はいくらですか?

不動産担保ローンの上限金額は、金融機関によって異なり、1億円が上限の会社もあれば5億円が上限の会社もあります。しかし、この融資上限額の条件はあくまで、最大の融資限度額でしかありません。

すべての人が上限ギリギリまで借り入れができる訳ではなく、実際に借り入れできる金額は「個人の信用力」や担保として差し入れる「不動産の価値」によって決まります。個人の信用力を判断する要素は、収入・過去の返済実績・年齢などです。個人の信用力は借入金額もですが、金利にも影響を与えます。

また、不動産の価値は金融機関ごとに独自に計算され、算出された価値以上の融資を行うことはありません。なぜなら、万が一返済ができなくなった場合に、不動産を売却しても融資金を回収できなくなるからです。そのため、融資上限額は5億円と設定している金融機関でも、実際に借り入れができるのは、担保不動産の価値に左右されます。

不動産担保ローンの不安や悩みの解消は相談・仮審査から

不動産担保ローンに関するよくあるご相談を5つ紹介しました。不動産担保ローンの借り入れについて、不安や悩みがある人はまず金融機関に相談してみましょう。

不動産担保ローンは不動産を担保にすることで、無担保ローンよりも有利な条件で借り入れができる可能性があります。その一方で、住宅ローンほど一般的ではなく、その情報も限られています。利用する金融機関に疑問点を相談し、納得した上で不動産担保ローンをご利用ください。


執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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