公開日:2022.10.19
近年、「終活」という言葉は様々なメディアなどで取り上げられています。一方で、終活に実際に取り組んでいる人がどれくらいいるのか、わからない人も多いでしょう。
そこでこの記事では、現在持ち家所有者である20歳以上の男女321名を対象に、SBIエステートファイナンスが終活と住まいの終活に関するアンケートを実施した調査結果をご紹介します。
終活という言葉は2009年に雑誌連載から生まれた言葉とされ、比較的新しい言葉にもかかわらず、認知度は93%と浸透していることがわかります。なお、表は省略していますが、すべて年代でほとんど違いはなく、90%程度の認知度となりました。
すべての年代で「今後行いたい」が最も多く、「すでに行っている」と答えた割合は約10%と大変少ないことがわかります。60代以上の人でも少ないことから、60歳を超えても自分事にできていないことがわかりました。
相談したことがないと回答した割合が約80%となっています。
年代が下がるにつれて「親しい友人・知人」が多く、反対に年代が上がるにつれて「子ども」と答えた人が多くなり、60代以上では過半数を占めることがわかります。
40代以下と50代については「専門家」へ相談するとの回答が多く、60代以上では「子ども」が多いことがわかります。
【考察】
一方で、終活の相談をしたことがある人は年代が上がるにつれて「専門家」に相談する割合が増えていますが、相談をしたことがない人は年代が上がるにつれて割合が下がっています。この結果は、年代が上の人は親族への相談で解消できると考えていたが、実際は相談内容がより専門的な内容になることで親族や子どもでは問題を解消できずに、結果として専門家に相談せざるを得ない状況になったのではないでしょうか。
終活に取り組むきっかけはすべての年代で「自分が年を取ったと感じたとき」が最も多い結果となりました。終活と関連したイベントに「遺言書の作成」がありますが、遺言書に関する調査によると、「遺言書の作成」に取り組むきっかけは「自身の体調不良」が最も多いとされています※。遺言書は死に直面した際に行うもの、終活は健康なうちに行うものといった、意識の違いがあるのではないかと考えられます。
「不動産として相続させたい」がすべての年代で最も多いことがわかります。
大きな特徴は見られませんでしたが、高齢になるにつれて「相続することは考えていない」人が多くなることがわかりました。
【考察】
「不動産として相続させたい」が1番多い要因は、いずれの年代も子どもと過ごした持ち家には愛着があり、そのまま子どもに住んでほしいという想いがあるのではないでしょうか。
一方で、年代が上がるにつれて「相続をすることは考えていない」が多くなる要因は、自身も自立した生活を送っており相続を受ける必要がないため、両親が築いた資産は本人達が好きに利用すればよいという想いがあるからかもしれません。
「終活」を認知しているものの、実際に行っている人は約1割ということがわかりました。また、相続をする側とされる側の認識の違いがあることも示唆される結果となりました。「終活」と聞くと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、親子間で財産をどうするか話すだけでも立派な「終活」です。争続にならないためにも、親子で話し合う「終活」を行ってみてはいかがでしょうか。
参考)SBIエステートファイナンス 終活の認知度は9割、終活を行っているのは約1割、重い腰を上げるのは加齢への自覚~SBIエステートファイナンスが「終活と住まいの相続」に関するアンケート調査を実施~
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