公開日:2023.04.05
築年数の経過やライフスタイルの変化などに応じて、住宅の建て替えやリフォームを検討することがあるでしょう。
建て替えとリフォームの特徴を知っておけば、どちらが自分に合っているか判断しやすくなります。この記事では、建て替えとリフォームのどちらがいいか迷っている方に向けて、双方のメリットやデメリット、どちらが向いているかを判断する基準の例を解説します。
まずは、建て替えのメリットとデメリットについて解説します。
建て替えの主なメリットは以下の2点です。
建て替えの場合、工事内容が既存住宅の構造や間取りに左右されることがありません。希望に沿った建物の構造や間取り、仕上がりなどを一から見直すことができます。
建築基準法と住宅瑕疵担保履行法により、建て替えの際には必ず地盤調査が行われます。耐震性を高めたい場合、地盤調査のうえで耐震改修工事ができる点は大きなメリットです。また、必要に応じた地盤改良も可能です。
出典)一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険全般に関するご質問(地盤編)」
建て替えの主なデメリットは以下の2点です。
既存建物の解体と建築を行うため、完成までにまとまった期間が必要になります。加えて工事の間は仮住まいで過ごす必要があるため、仮住まいや引っ越しなどの手間もかかります。
建て替えには、建築費用以外に既存建物の解体費用や仮住まいの費用、引っ越し費用などが必要です。なお、経済産業省の「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、建て替え費用の平均額は3,299万円という結果が出ています。あくまで平均値ですが、一つの目安にはなるでしょう。
出典)国土交通省 住宅局「令和3年度 住宅市場動向調査報告書」
続いて、リフォームのメリットとデメリットについて解説します。
リフォームの主なメリットは以下の2点です。
必要な部位のみリフォームを行えるため、建て替えと比べると工事の期間が短くなります。また、設備の交換などの小規模なリフォームであれば、住み続けたまま工事ができるので、仮住まいが必ずしも必要なわけではありません。
今住んでいる家に愛着がある場合、建物の原型を大きく変えられないことはメリットにもなります。人によっては壁や柱の傷や汚れも想い出になっているかもしれません。そのような部位は残しつつ、必要な修繕のみ行うことも可能です。
リフォームの主なデメリットは以下の2点です。
部分的なリフォームをする場合、住宅を支える柱や梁を変更、補強しない限りは住宅性能を上げるには限界があります。また、地盤が悪い場合には地盤改良が必要ですが、建築されている状況だと工事が不可能です。
リフォームの場合、建て替えのように自由に構造や間取りを変更することは困難です。工事内容が既存住宅の構造や間取りによって制限されてしまうため、自身の希望する工事ができない場合もあります。自身の希望どおりの工事が可能かどうか、リフォーム業者にしっかりと確認しておくことが大切です。
建て替えとリフォームのメリットとデメリットを把握したうえで、自身の状況に合う方を選択することが大切です。一つの参考として、建て替えが向いている場合とリフォームが向いている場合を、それぞれご紹介します。
建て替えが向いている例として、下記の場合が挙げられます。
基本的には大規模な工事を行いたい場合には、建て替えが向いているといえます。その分費用は大きくなるので、自己資金や住宅ローンの条件なども踏まえて検討することが大切です。
リフォームが向いている例として、以下の場合が挙げられます。
小規模な工事で済む場合、もしくは済ませたい場合にはリフォームが向いているといえます。また、費用面を比較する際には、リフォームの補助金も含めて検討することが大切です。
ここで紹介した建て替えが向いている場合とリフォームが向いている場合は、あくまで一例にすぎません。もしどちらかに当てはまったとしても、実際に両方の見積もりを行うなどして、しっかりと比較することが大切です。
また、建て替えとリフォームのどちらかを選択する上で、自宅の状態を適切に把握することも大切です。ご自身で判断するのが不安な場合は、専門家に建物状況調査を依頼するのも一つの手段として有効です。
建て替えとリフォームでは、それぞれメリットとデメリットがあるため、十分に比較をしてからどちらが合っているかを決める必要があります。費用面だけでなく、家族構成やライフスタイルの変化を踏まえた中長期的な視点で考えていくことが重要です。
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