仮住まいの費用を安く抑えてリフォーム・建て替えを行うには?

公開日:2023.04.19

大規模なリフォームや建て替え等を行う際には、仮住まいが必要になります。
この記事では一般的な仮住まいとしてどのような選択肢があるのか、それぞれのメリットと注意点、費用などについて解説します。

仮住まいが必要となる3つの事例

仮住まいが必要になる事例として以下の3つが考えられます。

①大規模なリフォームやリノベーション

1つ目は、大規模なリフォームやリノベーションをする場合です。部分的な工事であれば、仮住まいを必要としない場合もありますが、大規模になると安全面や騒音などの理由から仮住まいが必要になります。仮住まいが必要な期間は工事内容によって変わるので、仮住まいを探す前にあらかじめ工事期間を確認しておきましょう。

②建て替え

2つ目は、建て替えをする場合です。もともと住んでいた家を取り壊すため、新しい家が建つまでの間の仮住まいが必要になります。基本的に建て替えの工事期間はリフォームやリノベーション比べて長いため、仮住まいが必要な期間も長くなります。

③住み替え(売り先行)

3つ目は、売り先行で住み替えをする場合です。売り先行とは、住み替えの際に先に現在住んでいる家を売却してから、新しい家を探して購入する方法です。新しい家を買う前に自宅を売却してしまうため、新しい家が見つかるまでの間は仮住まいが必要になります。

4つの仮住まいの選択肢

仮住まいには、主に4つの選択肢があります。ここでは、ほかの選択肢と比べた際のメリットと注意点をそれぞれ解説します。

①マンスリーマンション

1つ目は、マンスリーマンションを借りる方法です。マンスリーマンションとは、その名のとおり1ヶ月単位での短期入居を想定した賃貸マンションです。マンスリーマンションには、以下のようなメリットがあります。

  • 短期契約が可能
  • 手続きが楽
  • 初期費用が安い

マンスリーマンションは1ヶ月単位での短期契約が可能な点がメリットです。家具家電は備え付けられており、電気・ガス・水道などは運営会社が開通手続きを行ってくれます。

快適なインターネット環境を完備している物件も多いため、引越し手続きの負担が大幅に軽減されるのが魅力です。また、一般的な賃貸物件のように敷金・礼金などはかからず、初期費用は清掃費のみのため安く済みます。

一方、注意点としては以下のとおりです。

  • 物件の選択肢が少ない
  • 内見できないところが多い
  • 家賃が高い
  • 自分の家具や家電の収納場所を別途用意する必要がある

マンスリーマンションは物件数が限られているため、希望に合った部屋を見つけるのは難しい側面があります。加えて、入居者の入れ替わりが多いことから内見に応じてもらえないことも多いです。

また、初期費用が安い反面、家賃設定は一般的な賃貸と比べて高いので、長期で借りるとかえって費用がかかる恐れもあります。なお、マンスリーマンションは利用期間分の賃料を一括前払い制としている場合が多いため、入居期間をあらかじめ明確にしておかなければなりません。

②ホテル

2つ目は、ホテルを利用する方法です。ホテルの場合は、以下のようなメリットがあります。

  • 手続きが楽
  • 家具やアメニティなどがそろっている
  • 駅近などの便利な立地に多い

ホテルは契約や審査が不要であり、その日に予約をとって利用することができます。また、家具やアメニティの準備は不要であり、掃除も基本的にホテルの従業員が行ってくれる点も魅力です。さらに、駅近などの便利な立地に建てられることが多いため、利便性も高いのがメリットです。

一方、注意点としては以下のとおりです。

  • 1泊あたりの費用が高い
  • 自分の家具や家電の収納場所を別途用意する必要がある

ホテルは1泊あたりの費用が高いため、長期滞在をすると費用が膨らんでしまいます。また、家具・家電を置けるスペースがないため、別途で倉庫などを借りる必要もあります。仮住まいが必要な期間が短い場合は検討しても良いでしょう。

③一般的な賃貸物件

3つ目は、一般的な賃貸物件を借りる方法です。通常の賃貸物件には、以下のようなメリットがあります。

  • 物件の選択肢が多い

取り扱われている物件数が多いため、「駅近」や「駐車場付き」、「ファミリー向けの間取り」「ペット可」など、立地や条件の選択肢が幅広いのが特徴です。

一方、注意点としては以下のとおりです。

  • 初期費用が高い
  • 短期契約が難しい

賃貸物件を借りる際には、敷金や礼金、仲介手数料といった初期費用がかかります。加えて、一般的な普通借家契約では2年間を契約期間とする場合が多いため、短期での入居を断られてしまう恐れもあります。あらかじめ不動産会社に仮住まいとして利用することを相談しておいたほうが良いでしょう。

④UR賃貸住宅

4つ目は、UR賃貸住宅を借りる方法です。UR賃貸住宅とは、独立行政法人都市再生機構が取り扱う賃貸物件のことです。仮住まいとしても利用が可能であり、以下のようなメリットがあります。

  • 短期契約が可能
  • 初期費用が安い

UR賃貸住宅は礼金や仲介手数料がなく、初期費用が一般的な賃貸と比較して安い点が特徴です。短期違約金などはなく、解約日の2週間前に予告すれば退去ができるため、短期間での利用にも適しています。

一方、注意点としては以下のとおりです。

  • 物件の選択肢が少ない
  • 収入に関する独自の審査基準がある

UR賃貸住宅そのものの物件数が限られているため、希望の物件が見つからない恐れがあります。また、入居は原則として先着順のため、人気のエリアであればあるほど借りるのが難しくなります。

それ以外の注意点としては、収入に関する独自の審査基準があることが挙げられます。UR賃貸住宅を検討する際には、しっかりと確認しておきましょう。

出典)UR賃貸住宅「お申込み資格」

仮住まいの費用を安く抑えるポイント

仮住まいの費用を抑えるためには、仮住まいが必要な期間に合わせた選択肢を考えることが大切です。仮住まいを探す際には、一般的な賃貸物件以外の選択肢を検討せざるを得ないでしょう。

引越し費用やトランクルーム利用料を抑えるためには、あらかじめ不要な荷物を処分しておくことも重要です。リフォームや建て替えを機に、家具・家電の入れ替えを検討してみるのも良いでしょう。
また、繁忙期を避ければ引っ越し費用も抑えることができます。

なお、一般的な賃貸物件を探すなら、「定期借家」も有力な選択肢となります。定期借家とは借りられる期間が定められている物件のことであり、契約更新ができない分、家賃が安く設定されていることもあります。

まとめ

最適な仮住まい先は、仮住まいが必要な期間によって異なります。まずはスケジュールを把握し、仮住まいが必要な期間を明らかにしておくことが大切です。一般的な賃貸物件だけでなく、紹介したマンスリーマンションやUR賃貸住宅などにも選択肢を広げることで、最適な仮住まい先を探しましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

関連キーワード