「ねんきんネット」はこんなに便利!使い方を詳しくご紹介

公開日:2023.06.14

ねんきんネットは、自身の年金情報をインターネットで簡単に確認できるサービスです。将来の年金見込額もわかるので、老後の資金計画を立てるのに役立ちます。うまく使いこなせば、将来のお金に対する不安を解消できるでしょう。

この記事では、ねんきんネットでできることや年金見込額を調べる手順、注意点を紹介します。

ねんきんネットとは

ねんきんネットとは、インターネットを通じて自身の年金情報を手軽に確認できるサービスです。日本年金機構が運営しており、パソコンやスマートフォンから年金に関するさまざまな情報を閲覧できます。

日本年金機構のホームぺ―ジまたはマイナポータルから登録すれば、すぐに利用可能です。

ねんきんネットの利用対象者は、基礎年金番号を持っている人です。ただし、1986年(昭和61年)4月以前に年金受給権が発生した老齢年金受給者は利用できません。

ねんきんネットでできること

ねんきんネットでは、将来の年金見込額や年金記録をはじめ、年金に関するさまざまな手続きができます。具体的には以下のとおりです。

将来の年金見込額の確認

ねんきんネットには、将来の年金額を試算する機能が2つあります。

  • かんたん試算:現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定して見込額を自動的に試算
  • 詳細な条件で試算:職業、収入および期間、受給開始年齢などの条件を入力して試算

試算結果では、年齢ごとの年金見込額や金額の内訳を表やグラフで確認できます。まずは「かんたん試算」で大まかに試算したうえで、必要に応じて「詳細な条件で試算」も利用してみましょう。

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」

年金記録の確認

「年金記録の確認」機能では、「国民年金や厚生年金の加入履歴」「国民年金保険料の納付状況」などの最新の記録が確認できます。

加入していた年金制度の種類や納付状態が月別に記録されており、確認が必要と思われる月はアイコンなどでわかりやすく表示されます。

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」によるご自身の年金記録の確認」

「ねんきん定期便」「通知書」の内容確認

ねんきん定期便とは、毎年誕生月に保険料納付の実績や将来の年金給付に関する情報をハガキや封書で通知するものです。

ねんきんネットを使うと、電子版「ねんきん定期便」をダウンロードできます。パソコンやスマートフォンから内容を確認できるので、紛失の心配がありません。

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による電子版「ねんきん定期便」」

また、以下の通知書もねんきんネット内で確認できます。

  • 年金振込通知書
  • 年金支払通知書
  • 年金額改定通知書
  • 年金決定通知書、支給額変更通知書
  • 公的年金等の源泉徴収票

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による年金支払いに関する通知書の確認」

通知書の再交付申請

ねんきんネットでは、以下の通知書の再交付申請が可能です(本人分のみ)。

  • 年金振込通知書
  • 公的年金等の源泉徴収票
  • 支給額変更通知書
  • 年金額改定通知書
  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書

年金事務所などに訪問する必要がないため便利です。

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による通知書再交付申請」

届書の作成

ねんきんネットを使って、年金の手続きで必要となる各種届書を作成できます。作成したい届書を選択し、必要な情報を入力して自宅のプリンターで印刷する仕組みです。基礎年金番号などの情報が自動で反映されるため、作成の手間を省くことが可能です。ただし、電子申請ではないため、印刷して作成した届書は最寄りの年金事務所へ提出する必要があります。

具体的には、以下の届出書を作成することができます。

  • 国民年金保険料に関する届書
  • 年金を請求している方、受給している方向けの届書
  • 年金を受給している方が亡くなったときの届書

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による届書作成」

持ち主不明記録検索

持ち主不明記録検索とは、国が保存している年金記録のうち、現在持ち主がわからなくなっているものを検索できる機能です。例えば、年金加入状況に記録漏れがあった場合に、持ち主不明記録検索で自身のものと思われる記録がないかを確認する、といった活用法が考えられます。検索条件と一致する年金記録があった場合は、最寄りの年金事務所などが調査を行い、探している年金記録と本当に合致しているかを判断します。

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による持ち主不明記録検索」

通知書のペーパーレス化

マイナポータルからねんきんネットを利用すると、日本年金機構から送付される以下の通知書のペーパーレス化が可能です。

  • 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書
  • 公的年金等の源泉徴収票

ねんきんネットにログインし、トップページの「通知書のペーパーレス化(入力)」で設定を行うと、マイナポータルの「お知らせ」で電子データを受け取れます。

出典)日本年金機構「通知書の電子データをマイナポータルで受け取る設定」

ねんきんネットで年金見込額を調べる手順(画像付き)

ここでは、ねんきんネットで将来の年金見込額を調べる手順を画像付きで説明します。なお、手順の説明に用いる画像はすべて日本年金機構のホームページからの引用です。

▼まずはねんきんネットにログインし、トップページにある「将来の年金額を試算する」を押しましょう。
トップページ

▼次に「かんたん試算」を選びます。「詳細な条件で試算」を選び、職業などの条件を入力して試算することも可能です。
かんたん試算

▼試算条件を確認し、問題がなければ「試算する」ボタンを押します。
試算条件

▼年金見込額が表示されました。「金額の内訳」ボタンを押すと、年金見込額(月額)の詳細内容を確認できます。
年金見込額

出典)日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」

ねんきんネットの2つの利用登録方法

ねんきんネットは、以下2つの利用登録方法があります。

  • マイナポータルと連携する
  • ユーザIDを取得する

マイナンバーカードがある場合は、マイナポータルにログインするとねんきんネットにアクセスできます。マイナポータルにログインし、トップページにある「年金記録・見込額を見る(ねんきんネット)」を押して利用規約等に同意すると連携されます。

マイナンバーカードがない場合は、基礎年金番号とメールアドレスを用意し、ねんきんネットにアクセスしてユーザIDを取得しましょう。「ねんきん定期便」などに記載されている「アクセスキー」があると、ユーザIDの即時発行が可能です。

ねんきんネットを利用する際の注意点

ねんきんネットを利用する際の注意点は以下の2つです。

  • 第三者との共有PCを使わない
  • 利用端末のセキュリティ対策を行う

ねんきんネットでは、年金記録という重要な情報を扱うため、第三者による不正利用を防ぐ必要があります。

入力・閲覧した情報が残ってしまうことがあるので、第三者との共有PCを使わないことが大切です。また、利用端末から情報が流出しないようにセキュリティ対策を行いましょう。

まとめ

ねんきんネットを利用すれば、年金記録や年金見込額を簡単に確認できます。また、電子版「ねんきん定期便」の確認、届書の作成、通知書のペーパーレス化なども可能です。

公的年金は老後の重要な収入源となるので、今のうちにねんきんネットの使い方を押さえておきましょう。

執筆者紹介

大西 勝士(Katsushi Onishi)
金融ライター(AFP)。早稲田大学卒業後、会計事務所、一般企業の経理職、学習塾経営などを経て2017年10月より現職。大手金融機関を含む複数の金融・不動産メディアで年間200本以上の記事執筆を行っている。得意領域は不動産、投資信託、税務。
<運営ブログ>
https://www.katsushi-onishi.com/

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