家を売る前に知っておきたい不動産査定のポイントと注意点を解説

公開日:2024.03.13

家を売るとき、いくらで売れるかの目安を把握するため、不動産査定を検討するでしょう。しかし、不動産査定を依頼する際は、どのようなことに注意すればいいかわからないかもしれません。

この記事では、家を売る前に知っておきたい不動産査定の基本やポイント、注意点を解説します。

不動産査定の基本

まずは、家を売るときの不動産査定の基本を確認しましょう。

不動産査定とは

不動産査定とは、家がいくらで売れそうかを調査し、推定売却価格を算出することです。一方で、査定結果はあくまでも「これぐらいで売れそう」という予測であり、正確な売却価格ではありません。そのため、不動産会社によって査定額は異なる場合があります。

不動産査定の方法

家を売るときの査定方法は以下の2つです。

机上査定(簡易査定)

机上査定(簡易査定)は、売主の基本情報(氏名、連絡先など)と物件情報(所在地、築年数、床面積など)を用いる査定方法です。不動産会社のホームページなどで必要事項を入力するだけで、手軽に査定結果が分かります。

訪問査定

訪問査定は、不動産会社が現地を直接訪問する査定方法です。周辺環境なども含めて詳細な現地調査が行われるため、より正確な査定額を得られます。

おおよその査定額を知りたい場合は机上査定、早期に家を売却したい場合は訪問査定を検討すると良いでしょう。

不動産査定の依頼方法

不動産査定の依頼方法は以下のとおりです。

  • AI査定等のサービス
  • 不動産の一括査定サービス
  • 不動産会社への直接相談

AI査定は、似た条件の不動産価格や相場をもとにAIが自動的に査定額を提示するサービスです。中には匿名で利用できるものもあります。

一括査定サービスは、複数の不動産会社に一括で査定依頼ができるサービスです。情報を1回入力するだけで、複数の不動産会社の査定結果を比較できます。

不動産会社に直接相談する方法もあります。不動産査定を依頼したい不動産会社が決まっている場合は、こちらの方法を選ぶといいでしょう。

不動産査定前の準備とポイント

家を少しでも高い価格で売却するには、査定依頼の前にやっておくべきことがあります。ここでは、査定前の準備とポイントを紹介します。

自分自身で売却相場を調べる

不動産査定を依頼する前に売却相場を把握しておけば、不動産会社の査定結果が妥当かを判断しやすくなります。インターネットや不動産会社のチラシなどで、条件の似た物件の成約価格を確認しておきましょう。

取引状況を調べるときは、「REINS Market Information」などの不動産取引情報提供サイトを利用すると便利です。

住宅ローンの有無と残債を把握する

査定前に、住宅ローンの状況を把握しておくことも重要です。家の売却価格によって、住宅ローンを完済できるかどうかが変わります。住宅ローンが残っている場合は、金融機関のアプリや残高通知ハガキを確認するほか、正確に調べる際は残高証明書の発行を依頼しておきましょう。

不動産査定や取引に必要な書類を準備する

査定前に家の売却に必要な書類を準備しておくと、査定結果の正確性が高まり、売却の取引もスムーズに進められます。主な必要書類は以下のとおりです。

  • 登記事項証明書(登記済証)
  • 建築確認済証
  • 検査済証
  • 地積測量図・境界確認書
  • 間取りが確認できる資料(購入時のパンフレットなど)

これらの書類がなくても、不動産査定を受けることは可能です。取引時の必要書類は、改めて不動産会社に確認しましょう。

売却の希望時期を決めておく

査定前に、家の売却希望時期を決めておきましょう。買い手を見つける必要があるため、すぐに売却できるとは限りません。一般的には、売却完了までに数ヵ月~半年程度かかります。売却活動に充てる期間は、ある程度の余裕をもって確保しておくと安心です。

不動産査定の注意点

不動産査定を依頼する際は以下の点に注意しましょう。

複数の不動産会社に依頼する

査定額はあくまでも予想売却価格であるため、1社だけに依頼すると、査定結果が妥当なものか判断するのが難しくなります。複数の不動産会社に依頼して、査定結果を比較検討することが大切です。

信頼できる不動産会社を選定する

複数の不動産会社に不動産査定を依頼したら、その中から信頼できる会社を選定しましょう。家の売却に強く、実績が豊富な不動産会社を選べば取引をスムーズに進められます。

売主と媒介契約を結ぶために、相場よりも高い査定額が提示される可能性もあるため、「査定額が高い」という理由だけで選ぶのは危険です。

「査定結果について明確な根拠を提示してくれる」「質問にわかりやすく回答してくれる」などに注目して、信頼できる不動産会社、担当者を選びましょう。

自分自身が相場観を持つ

不動産会社と相談はできますが、最終的な売り出し価格は売主が自分で決めなくてはなりません。自身の相場観を持っておけば、売り出し価格を判断しやすくなるでしょう。上述したように、査定前に自分自身で売却相場を調べておくのがおすすめです。

家の修繕歴や瑕疵などをできるだけ正確に伝える

瑕疵(かし)とは、「雨漏りする」「床が傾斜している」など、土地や建物に何らかの欠陥や不具合があることです。家に修繕歴や瑕疵があると、査定結果に影響を与えます。

売主には契約不適合責任があり、売却後に瑕疵が発覚すれば損害賠償などに発展する恐れがあります。売却する家に修繕歴や瑕疵などがある場合は、査定依頼の際にできるだけ正確に伝えましょう。

まとめ

家の売却をスムーズに進めるには、複数の不動産会社に査定依頼をして、信頼できる不動産会社を選ぶ必要があります。査定前に、住宅ローン残高の確認や売却相場の調査などの準備をしっかりと行うことが大切です。

家を売ることを検討していて、査定額を手軽に知りたい場合は、AI査定や一括査定を上手に活用しましょう。

執筆者紹介

「住まいとお金の知恵袋」編集部
金融や不動産に関する基本的な知識から、ローンの審査や利用する際のポイントなどの専門的な情報までわかりやすく解説しています。宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、各種FP資格を持ったメンバーが執筆、監修を行っています。

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