更新日: / 公開日:2021.08.04
持ち家に住んでいても、転勤や家族構成の変化などのライフスタイルの変化などを理由に住み替えを検討することがあるでしょう。
住み替えは新居の購入や自宅の売却、住宅ローンの手続きなど、同時に進めなくてはならないことがたくさんあります。住み替えを成功させるには、どのような方法があるかを理解し、計画的に準備を進めることが大切です。この記事では、住み替え方法の種類と特徴、成功させるポイントをお伝えします。
住み替えの方法は、大きく「買い先行」「売り先行」「同時決済」の3種類があります。
住み替えでは、「新居の購入」と「自宅の売却」という2つの不動産取引を行う必要があります。どちらを先に行うかによって、買い先行と売り先行に分けられます。
同時決済は、新居購入と自宅売却を同じタイミングで行う方法です。どちらか一方を重視して進める必要があるため、ここから更に「買い重視」と「売り重視」の2通りの方法に分かれます。
住み替えの方法によって、それぞれメリット・デメリットがあるので、特徴を理解した上で自身に合った方法を選ぶことが大切です。
買い先行には、以下2つのメリットがあります。
買い先行は新居を決めてから自宅を売却するため、仮住まいを用意する必要がありません。引っ越しが「現在の自宅→新居」の1回で済むため、仮住まいの家賃や引っ越し費用を節約できます。
また、買い先行は自宅を空室にしてから売却するので、クリーニングを入れるなど、メンテナンスをすることが出来ます。自身の都合に関係なく内覧希望者にも余裕をもって対応できるため、自身の希望金額に近い高値で売却できる可能性があります。
一方で、買い先行のデメリットは以下2つです。
買い先行のデメリットは、今の住宅ローンを残したまま新居のローンを組むのが難しいことです。借入金額の上限は年収や既借入によって決まるため、住宅ローンが残っていると、新居の住宅ローン審査が厳しくなります。
たとえ二重でローンを組めたとしても返済が二重になり、負担が増えるため現在の自宅の売却活動が長引けば家計収支が悪化する恐れがあります。
売り先行のメリットは以下2つです。
売り先行は、自宅の売却によって手元資金を確保できます。そのため、新居購入に必要な手付金や頭金などの住み替え資金を確保できます。また、売却代金で今の住宅ローンを完済してから物件を探せるので、新居の住宅ローン審査も通りやすいでしょう。
一方で、売り先行のデメリットは以下2つです。
売り先行のデメリットは、新居を購入するまでの仮住まいを用意しなくてはならないことです。新居選びが長期化すれば、家賃などの費用負担が増えます。また、引っ越しが2回(現在の自宅→仮住まい→新居)必要になるので、時間や手間もかかります。
同時決済には、以下2つのメリットがあります。
新居の購入と自宅の売却タイミングを合わせるので、仮住まいは不要です。敷金・礼金や家賃、引っ越し費用などのコストを節約できます。また、自宅の売却代金で現在の住宅ローンを完済できるので、ダブルローンを回避できます。
一方で、同時決済には、それぞれ以下のデメリットがあります。
同時決済(買い重視)のデメリットは、売却価格が安くなりやすいことです。新居の決済日に合わせて自宅の売却を調整する必要があるので、焦って売却を決めようとすると、希望価格での売却が難しくなり、価格が安くなる場合があります。
また、同時決済(売り重視)のデメリットは、新居探しの時間が短くなることです。先に自宅の売却を決めて、売却日までに新居へ入居する必要があります。そのため、希望条件に合った物件を選ぶ時間を十分に確保できず、物件を妥協して決める必要があるかもしれません。
住み替え方法の種類と特徴を確認してきましたが、どの方法を選択すればよいのでしょうか。
手元資金が潤沢にある状況や新居のローンが通るのであれば、買い先行がおすすめの選択肢といえるでしょう。なぜなら、新居を慎重に決めることができ、かつ今住んでいる自宅を高く売却しやすいからです。
一方で、唯一ダブルローンになる可能性のある選択肢であるため、資金に不安のある方にはおすすめできない選択肢です。既存の住宅ローンが重荷になる場合や、自宅の売却に懸念がある場合は、売り先行を選択しましょう。
引越しの手間や費用、毎月の家賃支払いを許容できるのであれば、売り先行がおすすめの選択肢といえるでしょう。なぜなら、先に自宅を売却することで、住宅ローンを完済し新居のローンを組みやすくなるためです。
一方で、新居の住宅ローン審査のために現在の住宅ローンを完済する必要があるが、引越しを避けたいという人には当てはまらない選択肢です。その場合には、同時決済での住み替えを選択しましょう。
引越しは一度で済ませたいが、買い先行だとローンが通らない場合などは同時決済で進めることになります。同時決済で進める場合には、購入物件を探すことから始めるか、売却活動から始めるかで選択肢が分かれます。
購入物件を探すことから始めた場合、売却決済を購入に合わせて設定しなければならないため、売却価格が安くなる可能性があります。そのため、住宅ローンの残債が多く残っている場合など、高く売らなければならない場合には難しいでしょう。
一方で、売却活動から始めた場合、自宅の売却日までに新居を購入しなくてはならないため、希望条件に合った物件が見つからないかもしれません。よっぽど差し迫った理由がない限りは、住み替え後に後悔しないためにも、同時決済(売り重視)は避けたほうが良いと言えるでしょう。
上記の情報をまとめると以下のようになります。
住み替えの方法とそれぞれの特徴
資金計画 (ローンを含む) | 新居選びに かけられる時間 | 売却価格 | ダブルローン の可能性 | 引越し回数 | |
---|---|---|---|---|---|
買い先行 | × | 〇 | 〇 | 有 | 1回 |
売り先行 | ◎ | △ | △ | 無 | 2回 |
同時決済 (買い重視) | △ | 〇 | × | 無 | 1回 |
同時決済 (売り重視) | 〇 | × | △ | 無 | 1回 |
住み替えの方法は「買い先行」「売り先行」「同時決済(買い重視・売り重視の2通り)」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
どの方法を選択するかによって、住み替えに必要な資金や手続きにかかる時間・手間が大きく変わってきます。自身に合った方法を見極めて、住み替えを成功させましょう。
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