更新日: / 公開日:2019.02.05
人生には、多額の出費を迫られるケースがたびたび起こります。必要な金額が、手持ちの現金や貯金を上回るようであれば、お金を借りる=「ローンを組む」ことになります。その際、重要なことは、使いみちに合ったローンを借りること。そのために、どんなローンがあるのかを知っておくことがポイントになります。
ローンの種類には、いろいろなものがありますが、一般的なものは使う目的別に分けたものでしょう。全国銀行協会のホームページを見ると、目的別ローンとして以下のようなものが挙げられています。
マンションや一戸建てを購入する資金を金融機関から借りる「住宅ローン」、自動車を購入する資金を借りる「マイカーローン」、子供の進学に伴う教育資金を補うための「教育ローン」、事業を行っている人が事業に必要な資金を借りる「事業ローン」などです。
また、目的が限定されていないローンもあり、「カードローン」や「フリーローン」といったものは、お金を借りた人が自由に使えるローンです。カードローンは金融機関のATMやCD(キャッシュディスペンサー)などでの即時の借り入れが可能で、生活費などに充てられることが多いようです。それに対して、フリーローンは旅行や結婚、入院や手術といった比較的大きな出費に対応するローンと言えるでしょう。いずれも、お金の使いみちは限定されません。
こうした目的別の種類のほかに、〝ローンを組む際に担保が必要かどうか〟で分ける方法もあります。文字どおり、担保が必要なものが「有担保ローン」で、必要がないのが「無担保ローン」になります。
少し難しくなりますが、担保とは、万が一ローンを借りた人が借入金の返済ができなくなった場合に備えて、借りた金額と同じ程度の価値を有する物を借入先に提供し、返済を行なうというものです。
例えば、「住宅ローン」は購入するマンションや一戸建てを担保とし、不動産購入のためにお金を借りることです。一方、「不動産担保フリーローン」は既に所有している不動産を担保とするもので、資金使途は自由です。どちらも、何らかの理由で借入金の返済ができなくなった場合、お金を貸した金融機関は担保物件であるマンションや一戸建てを売却して、その代金で貸出金を回収することになります。また、「マイカーローン」も有担保で組むのが一般的です。返済ができなくなったときは、担保として提供している自動車を金融機関が売却することになります。
無担保ローンはこうした担保が必要ではありません。目的別ローンで挙げた、教育ローンやカードローン、フリーローンなどが無担保ローンに該当します。
また、有担保ローンであり、かつ、資金の使途が自由というものもあります。それが「不動産担保フリーローン」です。既に所有している不動産を担保として提供し、借入金の返済ができなくなった場合、住宅ローン同様、金融機関は担保である土地や建物を売却します。
無担保ローンは、担保が要らないので、借りる人の身分証明書などを用意すればすぐに借りることが可能です。特にカードローン(キャッシング含む)などでは、最近、新規であっても金融機関の店頭に行くことはなく、ATMやCDで身分証明書を登録すれば、その場で借り入れることができるほど手軽になっています。ただし、その分、借りる際の金利は高めに設定されており、借り入れの限度額は低く、長期間の借り入れはできないようになっています。
一方、有担保ローンは担保が必要になるので、すぐに借りるということはできません。その理由は、借りる金額にその担保の価値が見合っているかどうかを、金融機関が判断しなければならないからです。つまり、お金を貸すかどうかを金融機関が判断する「審査」の期間が必要になるわけです。
しかし、担保があることで、無担保ローンに比べると借り入れの金利はグッと低くなります。さらに、借り入れの限度額も大きくなり、また、長期間にわたって借りることができるようになります。住宅ローンでは、数千万円の資金を1%台の金利で30年間借りる、といったことも普通に行われています。金融機関は担保を確保することで、安心してお金を貸すことができるのです。
担保の有無による借入金利の差は、フリーローンの方が分かりやすいでしょう。例えば、借り入れる金額にもよりますが、一般的な無担保のフリーローンの金利は4.0~15.0%であるのに対して、不動産担保フリーローンは2.9~9.5%となっています。
このように、ひと口にローンと言ってもさまざまな種類があることがわかります。ローンの3大条件といえる、借入金額・金利・借入期間は、お金の使いみちや担保の有無によって大きく変わってきます。借りる目的に合ったローンを組むようにして、お金は賢く借りるべきです。
執筆者紹介