60歳から2,000万円の住宅ローンは組めるの?シニアが住宅を購入する時のポイントを解説

公開日:2024.11.21

60歳で2,000万円の住宅ローンを組むには、老後の生活を見据えた慎重な資金計画が重要です。年金や退職金の活用方法、返済期間や金利の選択など、事前に確認すべきポイントが多くあります。そこで、この記事ではシニア向けのローン商品や、無理のない返済計画を立てる際の注意点を解説します。これからの生活をより豊かで安心できるものにしたい方は参考にしてみてください。

60歳からでも申し込める住宅ローン

60歳でも住宅ローンに申し込むことは可能ですが、完済年齢に制限があるため、返済期間が短くなる傾向があります。ここでは、代表的な住宅ローンである「フラット35」の申し込み条件を紹介します。

フラット35の申込条件

フラット35の申込条件は下記の2つです。

  • 申込時の年齢が満70歳未満の方※
  • 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • ※親子リレー返済をご利用の場合は、満70歳以上の方も申込可能
  • ※2024年11月時点の申込条件

フラット35は全期間固定金利で、金利が変わらず返済期間を長期に設定できるのが特徴です。ただし、親子リレー返済の場合を除き、完済時の年齢は80歳までと定められています。そのため、60歳で申し込むと返済期間は20年以内に設定する必要があるので注意しましょう。

60歳から住宅ローンで借りられる金額

60歳で住宅ローンを組む場合、完済時の年齢が80歳までに設定されることが一般的です。そのため、返済期間は最長でも20年となり、借入額も制限される可能性があります。

たとえば、年収380万円、返済期間20年、金利1,5%、元利均等の返済方法、他の借り入れ0円の場合、住宅金融支援機構の「フラット35」の商品では約2,000万円の借入が目安です。
出典)住宅金融支援機構:「年収から借入可能額を計算」2024年11月時点

60歳以上の方でも年金収入などがあれば、上記のように2,000万円の住宅ローンを組める可能性がありますが、借り入れ金額は各金融機関により大きく異なるケースもあるため、事前の各金融機関のシミュレーションで確認すること大切です。

60歳から住宅ローンを組む際の注意点

60歳から住宅ローンを組むと、返済期間が短くなるため、借入可能額が低くなったり、月々の返済額が増えたりする可能性があります。返済期間を適切に設定するには、年金や退職後の生活費を考慮し、長期的な視点で計画することが求められます。

また、年金収入だけでは銀行の変動金利型ローンに申し込めないケースが多いため注意が必要です。

SBIシニアでは、シニア世代を対象とした住宅ローン相談サービスを提供しています。「どの住宅ローンに申し込みをして良いかわからない」「住宅ローンの返済プラン作りたい」などのお悩みを持っている方は、一度、SBIシニアにお問い合わせください。

返済計画を立てる際の注意点

60歳を過ぎると、医療や介護にかかる費用が生活に大きな影響を与えてしまいます。急な支出にも対応できるよう、住宅ローン返済と並行して老後資金を確保しておきましょう。特に、医療や介護にかかる費用は予測が難しいため、計画的な資金管理が求められます。

また、返済計画を立てる時には退職金の有無も入れ込みましょう。例えば、退職金を頭金として活用すれば、借入額を抑え、低い金利で借り入れできる可能性が高まり、将来の返済負担を軽減しやすくなります。退職金も含めて計画的に資金を活用することで、老後の生活費を確保しながら安心して返済を続けられるでしょう。

70歳以上の方でも申し込める住宅ローン

一般的な銀行の住宅ローンやフラット35では、申込年齢が65~69歳未満までとされています。そのため、70歳以上の方は住宅ローンを利用するのが難しいことがあります。

しかし「リ・バース60」を使えば、70歳からでも住宅ローンを申し込むことが可能です。「リ・バース60」は、満60歳以上の方を対象としたリバースモーゲージ型住宅ローンです。申込条件は下記の3つとなっており、年齢の上限設定がありません。そのため、70・80代のシニアの方でも利用可能です。

  • 借入申込日現在で満60歳以上
  • 借入申込みにあたり取扱金融機関からカウンセリングを受けたお客さま
  • 年収に占める全ての借入れ(【リ・バース60】を含みます。)に関する年間返済額および年間支払額の合計額の割合が次の基準を満たしているお客さま
申込者の年収年間返済額および年間支払額の合計額の割合
年収400万円未満30%以下
年収400万円以上35%以下

リ・バース60の特徴

リ・バース60は、毎月の支払いが利息分のみで、元金の返済は契約者が亡くなった際に行われる仕組みです。返済方法には、相続人が一括で支払う方法と、担保となる住宅や土地を売却して返済する方法があります。

融資の上限額は、住宅や土地の評価額の50%または60%までとなり、担保価値に応じて借りられる額が決まります。※担保とする住宅が長期優良住宅の場合で、お客さまの年齢が満60歳以上のときは「担保評価額の55%または65%」となります。

そのため、毎月の支払い負担を抑えつつ、老後の生活資金に充てやすい仕組みとなっています。

リ・バース60の注意点

契約後に住宅の大規模修繕やリフォームが必要になる場合があり、その際の資金を別途確保しておく必要があるので注意が必要です。

リ・バース60では住宅が担保に設定されるため、他の資金需要が生じた場合に住宅を別の担保としての活用はできません。利用条件や担保評価についても十分に確認してください。

利用する前には、家族としっかり話し合い、長期的な資金計画を立てましょう。

まとめ

60歳から住宅ローンを組む際は、返済期間や金利など、複数の要素を考慮し、慎重な資金計画を立てることが大切です。特に、60代後半や70代になると医療費や介護費が増える可能性があるため、無理のない返済計画を心がけましょう。

老後も安心して住まいを確保するために、本記事で紹介したポイントを参考に、現在の生活状況や将来の支出を見据えた最適な住宅ローンを選んでください。

執筆者紹介

「SBIシニアの住まいとお金」スタッフ
シニア世代の住まいから、住宅ローンや老後の資産形成などのポイントをわかりやすく丁寧に解説していきます。様々な資格と経歴を持った住まいとお金のプロフェッショナルが執筆、監修を行っています。
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